1.フレーメン反応=臭いわけではない?
2.どうしてフレーメン反応するの?
3.マーキングとフレーメン反応の関係
3-1.そもそもマーキングはなんのため?
3-2.マーキングの種類は?
3-3.マーキングの臭いでフレーメン反応
4.じつはスゴい!?フレーメン反応のしくみ
5.よくフレーメン反応する臭いは?
6.我が家のフレーメン反応
フレーメン反応=臭いわけではない?
「フレーメン反応」とは、猫が何かの臭いを嗅いだ時に見せる反応のひとつです。猫を飼っている方なら、猫がクンクン…ととても念入りに臭いを嗅いだ後、口や目を半開きにした変な顔をしているのを目撃した事があるでしょう。
「あんなに臭そうな変な顔をするなんて…相当臭かったに違いない…」と思ってしまいそうですが、じつはそうではありません。
そもそも猫は人間よりも嗅覚が1万倍も優れていると言われている動物。強烈な臭いがするのなら、あんなに近くで嗅がなくても遠くにいてもわかるはずですよね。
では、何のためにわざわざ臭いを丁寧に嗅いでフレーメン反応をするのでしょうか?
どうしてフレーメン反応するの?
猫にとって最も重要な臭いは、縄張りや発情期を知るために臭腺から出る「フェロモン」の臭い。
フェロモンは一般的な臭いとは違い、非常に分子が細かく繊細でいかにも「臭い」というものではありません。フェロモンの微細な臭いをかぎ分け確認するためにフレーメン反応をするというわけなのです。
猫は他の猫や動物を確認するために、互いのお尻やマーキングされた場所などを嗅いで確認をしますが、猫同士の挨拶でもフレーメン反応をする事があります。たくさんいる猫の仲間のどの猫なのか、見た目で見分けるよりもフェロモンで嗅ぎ分けているのです。
マーキングとフレーメン反応の関係
猫と暮らしていてありがちなのが、家のあちこちにする「おしっこ」。トイレ以外の場所でされると、困ってしまいますよね。「ここでおしっこをしないで~!」と大慌てになる飼い主さんもいるのではないでしょうか…?
家のなかであちこちにおしっこをするのは、猫にとってのマーキング行動です。よく耳にする「マーキング」ですが、実はフレーメン反応とも深い関わりがあるんです。
◆そもそもマーキングはなんのため?
猫のマーキング行動は、自分の臭いを擦り付けることで「ここは自分の縄張りだにゃ~!」「ほかの猫は入っちゃダメだにゃ~!」という意思を表すためのものです。
自分の体から出るフェロモンの臭いは、自分だけのものなので、ほかの猫の体から出るフェロモンとの嗅ぎ分けのために鼻が敏感に反応します。
微妙な違いですが、猫にとってはほかの猫とのトラブルを避けるための重要な臭い。真剣に嗅ぎ分ける必要があるんですね。
◆マーキングの種類は?
おしっこを縄張りにかけるのは尿マーキングですが、そのほかにもあらゆる手段でマーキングをしている猫たち。
例えば、飼い主さんへのスリスリ行動。愛猫が自分の体にスリスリと甘えてくる様子を見ると、「甘えん坊なんだから♪」「可愛いね~!」と無条件に嬉しくなっちゃいますよね。
これも、一種のマーキングです。猫は、ほっぺやおでこ、あごなど、自分の顔から出るフェロモンを擦り付けることで、「飼い主さんは自分のもの」とアピールしています。猫からマーキングされたら、「仲良しの間柄」と認められている証拠です。
信頼してもらっていると思うと、心が温まりますね。スリスリと近寄ってきたら、思う存分臭いをつけさせてあげましょう。
そのほか、爪とぎも一種のマーキング。肉球にもフェロモンを出す臭腺があり、そこから自分の臭いを放っているのだそう。
猫は「ここは自分の家なんだにゃ!」と安心し、あちこちにマーキングしているんですね。
◆マーキングの臭いでフレーメン反応
敏感な猫は、いろんな臭いに反応します。さきほどもお話したとおり、縄張りや発情期など、猫にとっては超重要な臭いを嗅ぐときにフレーメン反応をします。
ほかの猫が「自分の縄張りなんだぞ!」とアピールしているおしっこの臭いも嗅ぎ分けなければならないので、マーキングの臭いにも反応します。「ん?フェロモンの臭いがするぞ…!」と分かれば、フレーメン反応で意識を集中する様子が見られるかもしれません。
「自分のフェロモンなのか?あるいはほかの猫のフェロモンなのか?」、猫がフレーメン反応するときには、臭いを分析中なのだと思うとなんだかとても可愛らしい。優しい気持ちで見守ってあげたくなりますね。
じつはスゴい!?フレーメン反応のしくみ
嗅覚で獲物を追い詰める犬とは違い、視覚優位で獲物を狙う猫にとって重要なのは動くものを捉えるのが得意な「目」。そんな猫が嗅覚を研ぎ澄ませるのは「フェロモン」の臭いをかぎ分ける時です。
猫には一般的な臭いを感じる「鼻」とされる部分以外に、鼻腔の中に「ヤコブソン器官」という特殊な器官を持っており、それによりごく微量のフェロモンなども嗅ぎ取れるようになっています。
そのヤコブソン器官につながる穴が猫の上あごの門歯の後ろにあり、その穴に「臭いを取り込むために」口を半開きにしているのです。
つまりあの顔は「臭かった~!」という顔ではなく、「現在臭いを確認中!」の顔だったのです。
よくフレーメン反応する臭いは?
フェロモンの臭い以外で最もよく猫がフレーメン反応すると言われているのはなんと「人間の足や靴下」。「自分の足や靴下の臭いをかがれてフレーメン反応されるなんて…なんだかショック!」な気がしますが、じつは人間の足の裏の臭いが猫のフェロモンに似ているからなんだそう。よかった~!なんだかホッとしましたね!
基本的に動物的本能から、猫にとって「これは要チェックにゃ!」という臭いに対してフレーメン反応をするようです。他にはマタタビやキャットニップに反応する場合、さらに洗剤や石鹸、特に塩素系の物にも反応してしまうとの事。この場合フレーメン反応だけで終わらずに誤飲や誤食につながって危険な場合もありますので、注意が必要です。
我が家のフレーメン反応
長毛の我が家の猫さんですが、時々カーペットの上でフレーメン反応していた時があり、よく見てみるとかなりの確率で小さく干からびたウ○チが落ちていました…ガーン。念入りに確認されているようですがそれはあなたのお尻にくっついてお供してきたウ○チですよ…。
さらに床にはお尻にお供してきたオシッコが時折ついているらしく、猫さんはその場所をフレーメン反応で教えて?くれます。その度にお掃除隊が出動です…トホホ。
猫が変顔になるので有名な「フレーメン反応」。決して嫌な気持ちで「クサッ!」と言っている顔ではなかったんですね、ホッと一安心です。じつは人間にもヤコブソン器官はあったそうですが今は退化してしまったという事です。もしヤコブソン器官が残っていたら…猫が「あの顔」をしている時の気持ちをシェアできたのでしょうか!?想像してみると面白いですね。
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