1.保護主と預かりボランティアはどちらも同じ「ボランティア」
2.猫への責任と権利がある「保護主」
2.保護主になる条件とは?
3.猫を預かる「預かりボランティア」
3.なぜ預かりボランティアが必要なの?
3.預かりボランティアになる条件とは?
4.保護主と預かりを比べてみると
保護主と預かりボランティアはどちらも同じ「ボランティア」
初めて保護猫の譲渡会に行った時に「この猫の保護主は○○さんです」とか「私はこの子の〈預かり〉なんです」と聞いて、どういう事かわからず混乱してしまった経験はありませんか?
じつは飼い主のいない猫を保護している人には、主に「保護主」と「預かりボランティア」の2パターンが存在します。どちらもNPO法人や猫の保護団体等に属して活動されている方や、個人で保護活動をされている方もいますが、「保護主」も「預かりボランティア」も無償で猫の保護活動をするボランティアであるという事に変わりはありません。
ではそのふたつには一体どういう違いがあるのでしょうか?
猫への責任と権利がある「保護主」
「保護主」とは直接その猫を保護した本人で、その猫に対する責任と権利を持っており「保護ボランティア」と呼ばれる事もあります。
その猫の保護責任者であり、保護猫に対する所有権は保護主にあります。また、医療費やフード代などの必要経費は基本的には保護主が負担する場合が多いようです。さらに、里親を誰にするかの決定権を持っているのも保護主である場合がほとんどです。
一度保護主になれば、その猫の新しい家族が決まるまで終生責任をもって保護し続ける。それが「保護主」としての責任なのです。
◆保護主になる条件とは?
保護主になるために絶対に必要な条件は「保護した猫の命に対する責任を負う覚悟がある事」。「いつまでたっても里親が決まらないから」などという理由によって途中で保護を放棄してしまう程度の覚悟なら、最初から保護主にはならない方がいいでしょう。
「もしも最後まで里親が決まらなかったら自分の猫として飼う」という位の気持ちを持っていないのなら、保護主になるのには適任ではないと言えるでしょう。
猫を預かる「預かりボランティア」
一方「預かりボランティア」とは、「保護主から保護猫を一時的に預かるボランティア」を意味しています。
基本的に保護猫にかかる医療費など諸費用の負担は保護主から支給されますので、保護主に比べると自己負担は少ないでしょう(保護主との取り決めにより条件はそれぞれ違います)。特に持病を持った保護猫など、特別なフードでなければならない場合等は保護主や保護団体から支給される事が多いようです。それとは別に個人的におやつやおもちゃを買ってあげる場合は預かりボランティアの個人負担となります。
また、預かりボランティアは猫を一時的に預かっているだけなので、保護主から返還の要求が来た時には応じなければなりません。さらに里親の決定権は基本的に保護主にありますので、預かりボランティアにはそれを拒否する権利はないといえるでしょう。
◆なぜ預かりボランティアが必要なの?
猫の保護活動が少しずつ認知されてきているとはいえ、まだまだ捨てられたり保健所で殺処分されている猫達が多くいるのが現状。保護主をされている方々はそんな猫達を一匹でも多く救おうと日々奮闘していますが、自分の家で保護できる頭数は誰しも限界があります。
そこで預かりボランティアに「委託」するような形で、たくさんの猫を保護しているのです。
◆預かりボランティアになる条件とは?
「預かりボランティア」になる条件は、基本的に里親になる条件と同じです。保護猫を迎えるための環境づくり、フードやトイレなどのお世話ができる事が基本です。
成猫に比べてこまめなケアと観察が必要な子猫の場合は、在宅時間が長い人でなければなりません。まだ体が成熟していない子猫はちょっとした体調の変化が命取りになる場合があったり、思わぬイタズラでケガをする危険性があるためです。
また、元野良猫などの人に馴れていない成猫の場合は、猫を「人馴れ」させるのも預かりボランティアの重要な役割。ただ預かるのではなく、猫と触れ合う時間を作る事が求められます。
そして預かりボランティアに必要な条件がもうひとつ、「新しい家族の元へと快く送り出せる事」。共に過ごす時間が長ければ長いほど情が移ってしまうもの。ですが、本来は猫を本当の家族の元に送り出すためのボランティアなのだという事を忘れてはなりません。
保護主と預かりを比べてみると
保護主は自ら赴いて猫を保護しその命に対する責任を負い、保護猫に対する費用も負担しなければなりません。一方、預かりボランティアは基本的に一時預かりであり必要な物資も保護主から支給される場合が多いので、保護主ほどの大きな責任や負担は少ないと言えるでしょう。
とはいえ、どちらも同じ命を預かる行為。いい加減な気持ちでできる事ではないのは確かです。そしてどちらも自分が「猫を飼える環境である事」にあるという事は言うまでもありません。
保護主と預かりには違いがあるとはいえ、譲渡会などで見られる猫達、こうした方々の熱意と愛情によって送り出されています。一匹でも多くの保護猫が幸せになれるよう、皆さんも保護活動について考えてみませんか?
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