- 1.猫がお腹を見せる本当の理由5つ!
- 2.猫にとってお腹はどんな場所?
- 3.猫がお腹を見せてきた時の撫で方は?
- 4.猫のお腹のたるみの意味とは?
- 5.猫のお腹を見せる理由まとめ
1-1.猫がお腹を見せる理由①飼い主さんへの信頼心
1-2.猫がお腹を見せる理由②自分がいる場所への安心感
1-3.猫がお腹を見せる理由③飼い主さんへの欲求心
1-4.猫がお腹を見せる理由④リラックスしている
1-5.猫がお腹を見せる理由⑤暑いと感じている
2-1.素早く動くためにお腹が柔らかくなった!?
2-2.猫にとってお腹は大きな弱点
3-1.猫のお腹の撫で方
3-2.こんな素振りをしたら即中止
3-3.マッサージの際に注意して触りたい部分
4-1.腹部へのダメージを減らす
4-2.後ろ足の可動域を広げる
4-3.お腹に多く食べ物を入れる
4-4.お腹を触ると痛がる時は病気の場合も
猫がお腹を見せる本当の理由5つ!
お腹という場所は内臓が詰まっているにも関わらず、骨で守られていない最大の弱点であるため、他の動物にはなかなか見せることはありません。あるとすればそれは「降参」の時。喧嘩をして「負けました、許してください」という意味なのです。
けれど、ゴロンと寝転がってお腹を見せる、いわゆる「腹天」「ヘソ天」で寝ている猫は、降参している訳ではなさそう。猫がお腹を見せる時、一体どんな心情なのでしょうか?
◆猫がお腹を見せる理由①飼い主さんへの信頼心
猫は「この人なら大丈夫」という信頼心のもと、お腹を見せるようになります。つまり「あなたを信頼していますよ」という猫からのメッセージなのです。
子猫はお腹が空いた、遊んでほしい、と母猫にアピールをする際にお腹が見えるようにします。子猫のうちから飼い主さんと生活を共にしていると、猫にとって飼い主さんは信頼すべき母猫のような存在。甘える際の行動としてお腹を見せてくることが多くなります。
◆猫がお腹を見せる理由②自分がいる場所への安心感
猫は、自分がいる場所や環境に安心感を感じている時にもお腹を見せます。
例えば、飼い主さんのことを信頼していても、飼い主さんが付き添って受診する動物病院の診察台でひっくり返ってお腹を見せる猫はなかなかいないのではないでしょうか?
猫にとって「本当に安心な場所」と感じられるからこそ、猫はお腹を見せることができるのです。
◆猫がお腹を見せる理由③飼い主さんへの欲求心
飼い主さんが他の事に気を取られている時、飼い主さんが近寄ってきた時、目の前でいきなりゴロンと転がってお腹を見せ、じっとこっちを見つめる猫。これはもう誘っているとしか思えません。
「撫でて」「遊んで」「構って」そんな気持ちの時、猫はお腹を見せるとともに体をくねらせたり、しっぽを動かしたりしています。これはチャンスです!猫と存分に触れ合いましょう!
◆猫がお腹を見せる理由④リラックスしている
猫は、自分の世界の中でリラックスしている時もお腹を見せることがあります。猫なりに気分転換しているのかもしれません。
例えば、窓際で日向ぼっこしている猫がお腹を見せる、背中を床や地面に擦り付けてくねくねしている。こんな時はそっとしておきましょう。いきなりお腹を触ったりすると、猫もびっくりしてしましますよ。
◆猫がお腹を見せる理由⑤暑いと感じている
気温が高くなると、猫はお腹を見せるように寝転ぶことが多くなります。この時は、猫が暑いと感じている証拠です。
猫は自分で家の中の心地よい場所を探しますが、気温が高くなる季節はエアコン等で猫にとって快適な室温にしてあげることも必要です。
猫にとってお腹はどんな場所?
◆素早く動くためにお腹が柔らかくなった!?
猫などの脊椎動物の体の構造は、お腹を守るようになっていません。心臓や肺などは肋骨に守られていますが、胃や腸、肝臓などの内臓は、その一部を除いてほとんどが無防備な状態です。
有史以前の動物の多くは、第二の肋骨ともいえる、腹部を守るためのガストラリア(腹骨)を持っていました。このガストラリアはお腹を守るだけではなく、腹部の筋肉と他の組織を繋ぎ合わせる役目も果たしていたといいます。
しかし、腹骨はお腹を守ってくれるメリットの反面、体が重くなり、動きが鈍くなって敵から執拗に攻撃されてしまうデメリットもありました。また、余分な骨があると体の成長、維持に多くのカロリーとカルシウムが必要にもなります。
進化の過程で腹骨をなくし、軽量化を実現する方が素早く危険を回避できて生存率が上がったため、現在の脊椎動物のお腹は柔らかくなったのです。
◆猫にとってお腹は大きな弱点
素早く動ける代償として、柔らかく脆弱になった腹部の防御力は著しく低くなったため、猫はお腹を触られることを非常に嫌がると考えられています。
猫にとってお腹は、敵に攻撃され、負傷すると命に関わることもある大きな弱点といえます。
猫がお腹を見せてきた時の撫で方は?
猫が飼い主さんに心を開いてお腹を見せるようであれば、マッサージを兼ねてスキンシップを図りましょう。
◆猫のお腹の撫で方
・怪我をしている:炎症などが悪化する場合があります。
・食後すぐ:消化器に集まっている血液が筋肉に戻ってしまい消化の妨げになります。
・激しい運動の直後:筋肉が興奮状態にある時は避け、クールダウンしてから行います。
・ガンを患っている:癌細胞が血液やリンパ液に乗って体をめぐる事を促進してしまう可能性があります。
猫のお腹を撫でる際は、被毛の手入れを兼ねてブラシを使用しても大丈夫ですが、皮膚や被毛の異常をチェックするため、まずは手で触ってからにしましょう。
猫のお腹の毛並みに沿って、ゆっくりと手の平を動かします。あまり速いスピードでマッサージすると、静電気が発生して猫が不快に感じるので、1秒間に10~20センチメートル動かすくらいのスピードで行います。
猫のお腹にはルーズスキンと呼ばれるたるみがあり、皮膚の余裕がある部位です。この部分を手の平で大きく「の」の字を描くように動かすのも効果的です。
猫が脇の下を見せてくれるようでしたら、毛並みに沿ってゆっくりと手の平を動かします。特に前足の付け根は、歩くときに使う「広背筋」があり、疲労の溜まりやすい部分です。優しくマッサージして凝りをほぐしてあげます。
マッサージのついでに、乳房や乳首にしこりが無いかどうかを確認します。下腹部が異常に膨らんでいたり、タッチを痛がるような場合は、念のため獣医さんに診てもらうようにしましょう。
◆こんな素振りをしたら即中止
猫を撫でている時に急に猫に噛み付かれたりする事、よくありますね。これは「愛撫性誘発攻撃」と言って、猫が「もうやめて!」と訴えているのです。
原因としては、長時間撫でていた、撫で方が下手、触られたくないところを撫でられた、ということが挙げられます。
猫はいきなり攻撃はしてきません。攻撃前に何らかのサインを出しているので、これを見逃してしまうとカプリと噛まれたりしますよ。
次のような様子が見られれば、猫はもう十分に満足して、これ以上は触らないでと思っています。すぐに撫でるのをやめてそっと見守っていましょう。
・顎を撫でると下へ下へグイグイと顎を押し付けてくる猫。その力が弱くなるのは満足しているからです。
・耳をたたむ。デビルフェイスと呼ばれる表情です。これも猫がイライラしているときの代表的なサインです。
◆マッサージの際に注意して触りたい部分
①下顎リンパ節=顎の下にあるリンパ節です。顔面や頭、口の中に病変があると腫れます。
②腋窩リンパ節=人間の脇の下に相当。前足や胸部乳腺に病変があると腫れます。
③浅鼠径リンパ節=太ももの付け根にあるリンパ節。後足や腹部乳腺に病変があると腫れます。
④膝窩リンパ節=膝の裏にあるリンパ節。後足の膝から下に病変があると腫れます。
⑤乳腺(乳首)=硬くて小さなコリコリが徐々に大きくなり、猫が痛がるようなら腫瘍の可能性が考えられます。
⑥下行結腸=猫の左下腹部にあります。ここがゴリゴリしている場合は、ウンチがたまっている可能性があります。腫瘍と判別するために、猫がウンチをした後にもう一度同じ場所を軽く触って確認します。
⑦会陰ヘルニア=しっぽの付け根あたりから骨盤内の臓器が飛び出してしまった状態のこと。
⑧鼠径ヘルニア=太ももの付け根から腹部にある臓器が飛び出してしまった状態のこと。停留精巣も同じような場所が膨らむことがあります。
⑨臍ヘルニア=ヘソから腹部にある臓器が飛び出してしまった状態のこと。
⑩傍肋骨ヘルニア=肋骨の脇から腹部にある臓器が飛び出してしまった状態のこと。
⑪腹側腹部ヘルニア=みぞおちの部分から腹部にある臓器が飛び出してしまった状態のこと。
⑫甲状腺=猫の甲状腺は、喉のゴロゴロと鳴っている部分のやや下にあります。通常なら平らですが、甲状腺機能亢進症などがあると、こんもりと腫れます。
※ヘルニアとは何らかの原因で周りの組織の圧迫に耐えられなくなった臓器が、組織の柔らかいところからはみ出して(脱出して)しまう状態の事。
猫のお腹のたるみの意味とは?
後ろ足の付け根からお腹の中心にかけての皮膚のたるみはルーズスキンと呼ばれ、いろんな役割を担っています。
そんなに太っているわけでもないのに、お腹の皮がたるたるしている猫。このたるみ、実はとても重要な役割があるのです。
◆腹部へのダメージを減らす
外敵からの攻撃を受けた時、弱点である腹部を攻撃されてもルーズスキンのおかげで血管や内臓がすぐに損傷を受けてしまうことを防いでくれます。猫同士の喧嘩では前足で相手を抱え込み、後ろ足で連続キックを入れる攻撃をしますが、ルーズスキンのおかげで腹部へのダメージを減らせるようになっています。
◆後ろ足の可動域を広げる
猫は変幻自在なアクロバットな動きをしますが、ルーズスキンは後ろ足の可動域を広げる役割を担っています。病気等でルーズスキンを切除した猫は、後ろ足が動きにくくなることもあるようです。
◆お腹に多く食べ物を入れる
本来狩猟動物であった猫。その狩猟方法は「待ち伏せ」でした。そのため食料を得られないことも多く、一度獲物を獲得すれば次の食事の機会までにまとめ食いをしておく必要がありました。ルーズスキンは一度に多くの食べ物を詰め込むことができるためのたるみでもあリます。
◆お腹を触ると痛がる時は病気の場合も
ルーズスキンは肥満ではなく正常な体の構造なのですが、触った時に猫が痛がっているようであれば「黄色脂肪症」の可能性があります。
黄色脂肪症とは、猫の腹部や胸部にたまった皮下脂肪が酸化して変性し、炎症を起こした状態のことです。マグロ、カツオ、アジ、サバなど、青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸の過剰摂取よって発症します。
症状は腹部のしこり、しこりの発熱、歩き方がおかしい、腹部を触られることを嫌がる、などがあげられます。
黄色脂肪症は、適切な治療を行えば予後は良好な病気です。猫のお腹を触った時、普段と違う様子を見せたら注意して観察し、必要であれば獣医師に受診しましょう。
猫のお腹を見せる理由まとめ
いかがでしたか?
猫がお腹を見せる行動の意味には様々な気持ちが込められています。猫の気持ちを理解して、その気持ちに沿った対応をしていれば、愛猫との信頼関係はますます深まりますよ。
猫には個体差があって、どんなに信頼している飼い主さんでもお腹を触るのは絶対ダメ!という子もいるので、臨機応変に対応しましょう。そして撫で過ぎて攻撃されても決して猫を叱ったり、叩いたりしないでください。それは猫との信頼関係を壊すことになりますから。
どうぞ素敵な猫ライフをお送りください。
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