猫が邪魔をしてくる!そのかわいい理由とは?
忙しい時に限って、何かと邪魔をしてくる猫。やらなくちゃいけないことがあるのに、かわいくて作業を中断してしまった…そんな方も多いのではないでしょうか。
猫が飼い主さんに邪魔をしてくるのには、以下のような理由が考えられます。
– 1.不安 –
猫は不安を感じている時、その不安を解消するために飼い主さんの邪魔をすることがあります。
◆猫が不安を感じる時とは?
猫が不安を感じるのは、飼い主さんがいつもと違った様子を見せる時です。
猫は本来単独で行動する動物ですが、子猫の頃から人間と一緒に生活してきた猫は、飼い主さんに対して母猫のような気持ちを抱き、依存心が強く、いつまでも子猫のような気質を保っています。
そのため、飼い主さんが自分以外の何かに集中している素振りを見せると、猫は不安な気持ちに陥ってしまいます。
不安になった猫は飼い主さんのそばにより、自分を見て欲しい、構って欲しいと思います。これがお邪魔行為の理由。飼い主さんが集中している対象物…新聞紙や雑誌、パソコン、スマホ、テレビなどよりも強烈に自分をアピールするため、上に乗り、前に立ちふさがるのです。
猫が飼い主さんの作業を邪魔をすると、飼い主さんは作業を中断して猫を撫でたり、話しかけたりしますね。そんな風に構われることで猫は安心します。いつも飼い主さんのことを考えている猫。本当にかわいいですね。
◆落ち込む飼い主さんの側に寄ってくることも…
猫が不安を覚える状況は他にもあります。例えば飼い主さんが落ち込んだり悲しんで涙をこぼしてしまった時、猫がいつの間にかそっとそばに来て、涙を舐めてくれたり一緒に眠ってくれることがあります。じっとして動かない飼い主さんをペロッと舐めて生死判定してみたりします。立ち尽くしている飼い主さんの足元でウロウロと歩き回ったりもします。
これも上記の理由と同じで、猫は普段とはまるで違った雰囲気の飼い主さんの様子を敏感に感じ取って不安になり、そばに寄り添ってくるのです。
「慰めてくれたんじゃないのか〜」と残念に思いますか?いえいえ、猫はあなたのことが大好きだから、あなたの不安な気持ちにもいち早く気づいてくれたのですよ!
– 2.好奇心 –
猫はとても好奇心旺盛な動物です。その好奇心から、飼い主さんの邪魔をすることがあります。
◆家猫の好奇心は○○に向く!?
子猫のうちは何にでも興味を示しますが、成長とともに親猫や兄弟猫との生活の中から周囲の環境についてひとつひとつ学習を重ねます。獲物になるもの、外敵になるもの、危険なものなど、自らの身を守るための知識を得て慎重で警戒深い面も併せ持つようになっていきます。
しかし、幼い頃から人間と共同生活を送る猫は、十分な食事や安全で暖かな寝床が用意され、飼い主さんに保護されて生きることに慣れてしまっています。そんな猫は子猫の頃の好奇心満載の性格のまま大人になることが多く、その好奇心は主に飼い主さんの言動に向かうことになります。
◆飼い主さんの好きなものが気になる猫
飼い主さんが何かに熱中しているところを発見した猫は、自分も一緒に遊びたいと思います。あるいは、飼い主さんに変わってその「面白そうな何か」で遊びたいと思うのかもしれません。だって大好きな飼い主さんが熱中しているものなのだから、きっととても素敵なものに決まっている!
そんなかわいいことを考えているのかどうか猫に聞いて見たいところですが、猫が飼い主さんの熱中しているものに好奇心を抱くことも猫が作業の邪魔をすることの理由の一つです。「何してるの?私もやりたいよ」そんな気持ちなのでしょうか?
– 3.嫉妬心 –
臆病で、好奇心満載の猫は、とても嫉妬深い動物でもあります。猫は自分の縄張りを保つためにあちこちに匂いをつけて回ります。猫が飼い主さんにスリスリとしてくるのも、猫が「この人は私のもの」と所有権を示しているのです。
そんな猫の物であらねばならない飼い主さんがパソコンで作業していると、猫は嫉妬します。
「私の物なのに!私以外のものを見ている!!」「私を見なさいよ!」とばかりに、ずいっと飼い主さんとパソコンの間に割って入って来ます。新聞を読んでいるなら、新聞紙の真ん中に寝転びます。テレビを見ていたら画面の真ん前に座ります。これらのお邪魔行為の理由は嫉妬心。
かわいい嫉妬ですね…。邪魔なんですけどね…。
クールなイメージの猫…実は嫉妬深い動物?
「猫って自分以外のものには無関心じゃないの?」「犬の方が感情豊かな気がするけど・・・」そんなイメージを抱いている人は多いでしょう。猫それぞれの性格にもよりますが、嫉妬心の強い猫が確かにいます。
◆人間・犬と比べた猫の知能
猫の脳化指数を見ると、人間が7.4~7.5なのに対して、犬が1.2、猫は1.0という数値になっています。
脳化指数とは体重を基準として脳がどの程度重いのかを、定数を用いて導き出されるものです。脳化指数が高い=体重に占める脳の重さが高いということです。
このことを単純に考えた場合、猫は犬よりも知能は低いということになるでしょう。けれど、猫の方が感情面では人間にかなり近いことが科学的に証明されています。
◆人間と猫の脳の構造はよく似ている!?
海外の心理学専門サイト「Psychology Today」より、猫の脳の構造について以下のように発表がされています。
・猫の脳は人間の脳と比べて90%同じ構造になっている
・中でも、大脳皮質が非常に発達している
・猫の脳は犬よりも2倍複雑な構造をしている
大脳皮質は脳の表面部分をさし、知覚、随意運動、思考、推理、記憶など高次機能を司り、生きていくうえで必要な事柄の司令塔です。この大脳皮質が人間と9割同じ構造をしているならば、猫の感情や記憶力は私たち飼い主が考えているよりもずっと豊かなのかもしれません。
そして猫は全身の感覚器を使って周囲の雰囲気を読み取ろうとします。飼い主さんの少しの声音や表情、態度の違いで飼い主さんの感情の起伏も敏感に察しているのです。
そんな感情豊かな猫が、嫉妬心だけ持ち合わせていない、ということは考えにくいですね。
◆猫と犬にとっての「人間」のちがい
イギリスの動物学者ジョン・ブラッドショー氏は面白い見解を示しています。
犬は人間を見ると態度を変えることから、人間に対して「自分たちとは異なる存在」と捉えていると考えられます。
理由は犬にとって、飼い主さんはリーダー的な存在だから。犬同士でいる時と、飼い主さんといる時では犬の態度や接し方が明らかに異なります。人間と遊ぶ時、犬はリーダーである飼い主の指示を守り、褒められることで達成感を得ます。
一方猫にとっての飼い主さんはただの「愚鈍な大きな猫」。
猫と人間の関係で、猫は人間を異なる存在と捉えているような行動が見られません。猫同士のじゃれ合いも、猫じゃらしを使った遊び方も、猫の動きはほぼ同じです。挨拶も、スリスリも、猫と人間の間に大きな差異は認められません。飼い主さんの体の上で行われる「猫のふみふみ」は、母猫の母乳の分泌を促進する行為です。
その他に頭を押し付けてくる、体を舐めてあげるなど、猫同士で行っている好意の表現を飼い主さんに対しても行います。
猫にとって飼い主さんはフラットな関係、同族と捉えているのです。
猫が嫉妬してきたら?
感情が豊かで、飼い主さんのことを「同じ猫」と考えている猫。猫それぞれの個性によりますが、甘えん坊の猫もいれば、クールな猫、嫉妬心が強い猫もいます。
◆猫が見せる嫉妬の行動は?
多頭飼いの場合、猫の嫉妬は同居している猫に向かいます。飼い主さんが特定の猫を可愛がっているように感じたら、猫はその猫に向かって喧嘩を仕掛けたり、拗ねたりします。
猫は縄張り意識が強いので、「飼い主さんの膝」や「飼い主さんのベッドの上」のようにお気に入りの場所に他の猫を寄せ付けたくないという独占欲も生まれます。
中には人間に嫉妬する猫もいて、例えば彼氏(彼女)が遊びに来ると、飼い主さんを取られまいとしてシャーっと威嚇し、攻撃する猫もいます。
クールなイメージの強い猫ですが、飼い主さんを取られたくないという猫のかわいい嫉妬心はどの猫にも必ず存在するのです。まさにツンデレ。
◆嫉妬心はストレスになることも…
嫉妬してくる猫は可愛いのですが、放っておくと猫のストレスにつながります。新たに猫を迎えたり、飼い主さんの家庭に赤ちゃんが生まれた時など、大きな変化のあった時は要注意です。ストレス性の病気になったり、家出してしまう猫もいます。
攻撃性が増している、姿を見せない、粗相をする、グルーミングばかりしている、などといった、いつもと明らかに違う様子を見せれば、飼い主さんは猫とのスキンシップの時間をたくさんとってあげましょう。
猫が邪魔をしてくる時の対策4つ!
飼い主さんのことが大好き、という気持ちから邪魔をしてくる猫たち。かわいい反面、困ったことでもありますね。そんな時はどんな風に猫の嫉妬心をかわせば良いのでしょうか?
1. 箱トラップ
猫はとにかく箱が大好きです。パソコン作業などに入る前に、あらかじめ箱を用意しておきましょう。どんな箱でも良い訳ではなく、自分の体が入るか入らないかの小さいものほど好み、材質はダンボールが理想的のようです。
作業も進むし、猫の可愛い姿も眺められる。一石二鳥です。
2. 冷静な対応
猫が作業を邪魔する度に抱き上げて撫でたり、声をかけて構っていると、猫は「こうすれば構ってもらえる」と学習します。飼い主さんにとっていつも自分が一番でいたい猫にとって、これはとても好都合なことです。
そんな風にならないために、猫が邪魔をしてきた時は飼い主さんは極めて冷静な態度で猫に対応しましょう。猫が新聞やキーボードの上に乗って来たなら、出来るだけ淡泊に追い払って作業を続けるのです。何度も繰り返すことになるでしょうが、怒らず、淡々と、根気よく続けましょう。
「邪魔をしても構ってくれない」「飼い主さんの作業が終わるまで待たなければならない」ということを猫に覚えてもらうことが大切です。そして飼い主さんの作業が終わった時はご褒美としてたっぷりと猫と遊んであげましょう!
3. 邪魔する理由を考える
急いでいるときに限って猫が足にまとわりつく。ニャーニャーと泣き続ける。作業を邪魔してじーっとこちらを見つめる。こんな時、猫には嫉妬ではなく、他に何か理由があるのかもしれません。トイレが汚れている、お腹が空いた、喉が渇いた、遊んでほしい…。
ほんの少し時間を作って、猫の要求していることを満たしてあげることも方法の一つです。
4. いっぱい構う
集中して作業をするぞ、という時は、あらかじめ猫といっぱい遊んでみては?
猫のお邪魔行為の大きな理由が「構ってほしい」なのですから、猫が「もういいよ~」と思うまで存分に遊んでから作業に入ると、猫は満足して邪魔してくることもなくなるかもしれません。
まとめ
猫がいろんな作業を邪魔するのは飼い主さんが大好きな気持ちから、とわかってはいても困ってしまう猫の嫉妬心。邪魔する行為も「飼い主さんLOVE」の裏返しと思えばかわいいものなのですが、あまりにも頻繁に行われると飼い主さんもストレスが溜まってしまいます。そんな時は作業する時は猫と完全に部屋を分けてしまうのも一つの方法ですね。
猫にも邪魔をしてくる理由があります。うまく対応し、そしてかわいい「猫の習性の一つ」と割り切って考え、ハッピーな猫ライフを送ってください。
↑筆ペンの練習を始めた途端に机の上と膝の上に乗ってきたニャンズ。かわいくて、でも邪魔すぎて作業中止。
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