【掲載:2021.05.18 更新:2024.03.14】
うちの子は肥満?目安の体重は?
飼い主さんが自分の猫が肥満かどうか判断するには、どのような方法があるのでしょう。
一つの方法として、猫の体型の状態を知るための「ボディコンディションスコア」というものがあります。
◆ボディコンディションスコアについて
ボディコンディションスコア(BCS)は、猫が肥満かどうかを判断するために使われる指標のことです。
基本的には、猫の見た目と触り心地で、脂肪がどのくらいついているかどうかを判断します。
BCS2 体重不足
BCS3 理想体重
BCS4 体重過剰
BCS5 肥満
の5段階があります。
このボディコンディションスコアがあれば、飼い主さんでも猫が肥満かどうか判断できます。
◆1歳の時の体重を基準に体重を記録しましょう
猫が太っているかどうかを判断するのに、理想体重の120%以上あれば肥満だと言われます。
理想体重はどのくらいかというと、その猫が1歳の時の体重が、理想体重となります。
猫の1歳の時の体重を基本として、一生の理想体重として肥満を判断するのです。
ただし、大型猫など成長がゆっくりの猫はこれに当てはまらない場合もありますので、愛猫の理想体重が分からない場合は獣医さんなどに聞いてみましょう。
飼い主さんが猫の体重をしっかり記録しておくのは、とても大切なことになります。
猫のダイエット方法<食事編>
猫のダイエットとなると、まず食事を見直すことが考えられますね。
しかしダイエットと言っても、ただフードを減らせば良いということではありません。
◆適切な量を計量して与える
デブ猫にさせない場合には、適切な量のフードを与える必要があります。
今まで目分量であげてきたとしたら、それが肥満の原因かもしれません。
【キャットフードの適切な量の目安】
キャットフードにより目安の量がパッケージなどに記載されていますので、それを参考にするのが良いでしょう。
猫といっても年齢や体型により、適切な量は違っています。健康か、去勢や避妊手術をされているか、子猫か老猫か、妊娠している猫か、デブ猫かどうかなどです。
適切なフードの量の計算式は、成猫の場合で
猫の体重×70~80kcal=必要kcal となります。
また、肥満でダイエットが必要な場合は
理想体重×35~40kcal=必要kcal となります。
キャットフードの100gあたりのカロリー数から、それに合わせたカロリーを摂れる量のフードを与えます。この時、自分の猫の適切なフードの量がわからない場合は、獣医さんに診てもらい計算してもらっても良いでしょう。
◆回数を増やす
ダイエット中のデブ猫さんには、フードの回数を増やすことも効果があります。
食べたフードを消化して吸収することにもエネルギーを使い、これを「食餌性熱効果」と言います。必要な量のフードを、何度かに分けて食べるほうが消費するエネルギーが高くなるのです。
適切な量を飼い主さんの生活にも合わせながら、1日3回~5回にわけて与えるのが良いでしょう。
◆決まった時間に与える
決まった時間にフードを与えるのも肥満防止につながります。
フードとフードの時間が短すぎると食べないこともありますし、長いと今度は急いで食べたり、お腹が空いていたずらをしてしまったりするかも知れません。
いつもフードの時間が決まっていれば、猫がフードをねだって鳴いたり暴れたりすることも少なくて済むでしょう。
飼い主の気分であげてしまうと、お腹がすく度にねだったり、なかなか貰えないために早食いしたりする可能性があります。
◆早食い防止
デブ猫さんは早食いしがちです。早食いすると、満腹中枢はすぐには働かないので、食べ終わってもまだ足りないと感じてしまいます。
時間をかけてフードを食べれば、満腹感も得られます。また、急いで食べることによる、誤飲や吐き戻しの防止にもなります。
デブ猫さんにゆっくり食べさせるためには、迷路型や突起のあるお皿を使うと良いでしょう。いろいろな種類のお皿がペットショップやホームセンターに売られています。
計量したものをゆっくり食べられるお皿であげることで、デブ猫さんでもより効果的にダイエットに繋げることができます。
◆ダイエットフードを与える
太っているからと、フードを極端に減らすのは厳禁です。ダイエットフードで対応しましょう。
ダイエットフードを選ぶポイントは、猫に必要な栄養素である「タンパク質」がしっかり含まれているものを選ぶということです。
猫は三大栄養素の「タンパク質」から「炭水化物」「脂質」をつくる酵素の働きが高い生き物です。しかし、「炭水化物」「脂質」から「タンパク質」を生成することはできないため、外部からタンパク質を摂取する必要があります。
食事のタンパク質の量が少ないとタンパク質不足が起きやすくなり、免疫力の低下など様々な症状を引き起こします。
最近の多くの猫のダイエット用フードには、タンパク質に加えてビタミンやミネラルが必要な基準を満たすように作られています。さらに適度な食物繊維も含んでいれば、しっかり満腹感を得ることもできます。
猫のダイエット方法<運動編>
猫が痩せるためには、食事の管理だけではなく、しっかり運動することも大切です。
◆キャットタワーで運動
猫には高低差のある運動をさせると良いと言われます。木や塀の上に登ったりと、猫の自然な活動に「高いところに登る」という行動があるからです。
また、高低差のある運動が出来る場所で遊ぶことが、猫のストレス解消にもつながると言われています。
室内飼いをしているデブ猫さんに運動してもらうには、キャットタワーはとても適しています。
種類も豊富で、おもちゃがついていたり、隠れるところがあったり、柱が爪研ぎ仕様になっていたりと、必要な行動ができるようになっています。
また、階段状になっていて途中でしっかり休むことも出来て、安全に上り下りができるものを選べば、デブ猫さんでも安心です。
なかなかキャットタワーに登らない場合は、猫じゃらしをタワーの上で使う、おやつを置いてみるなどして、猫が少しでも興味を持つようにしてみましょう。
◆運動におすすめのおもちゃ
猫が運動するには、飼い主さんが一緒に遊んであげることも効果的です。
– 釣竿系のおもちゃ –
代表的な猫のおもちゃである猫じゃらし。釣竿のようになっていて、先にふわふわのボールや鳥の羽がついて、つかまえようと遊ぶものです。
飼い主さんが様子を見ながら動かせるので、無理させず飽きさせないように工夫して遊べます。
>>カシャぶんスーパーロング ハッチ<< 棒を伸ばして好きな長さで遊べます。紐の先のおもちゃ部分も大きくて大満足! |
– 追いかける系のおもちゃ –
電池を使用したもので、獲物がわりの鳥の羽やネズミのおもちゃが自動的に動くおもちゃがあります。
動きが予測できず素早いので、猫の興味をひくこと間違いなしです。
リモコンで動かせるものもあるので、まるで本当に獲物を追いかけているように遊ぶこともできます。
>>キャッチミーイフユーキャン2<< 追う猫も楽しい、見る愛猫家も楽しい、電動猫じゃらし。 |
また、ボール状で中にフードやおやつを入れることができる、知育タイプのおもちゃもあります。おやつを取ろうとしてボールに興味を持つので、知らず知らずに体を動かすことができます。
市販の猫用でなくても、アルミホイルや紙を丸めたりして転がすだけでも、追いかけるおもちゃになります。
>>プチトリートボール ブルー<< ボール内におやつやフードを入れられ、内部は特殊ならせん構造なので転がすと程よくおやつがでてきます。 ペットが遊びながらおやつが出ることを学習するので運動不足解消などに役立ちます。 |
– トンネル系おもちゃ –
猫はせまいところや筒状のところをくぐるのが大好きです。置いておくだけで、勝手に入りたくなり遊んでしまうでしょう。
トンネルの向こう側から猫じゃらしなどのおもちゃで遊んであげると、よりいっそうトンネルを行ったり来たりして運動してくれます。
爪研ぎが一緒になったものやおもちゃつきなど、猫が興味を持ちやすく作られたものもたくさんあります。
>>スポーツペット キャットトンネル<< クセになるカサカサ素材を使用したキャットトンネル。 |
室内飼いで毎日環境が変わらないと運動不足になりがちです。おもちゃを使って飼い主さんが遊んであげることで、運動できて、コミュニケーションも取れることになります。
まとめ
肥満の猫がダイエットするには、食事と運動の両方からアプローチすることが大切です。
まずボディコンディションスコアで飼い猫の肥満状態をしっかり把握し、理想体重を割り出して、それを目標にダイエットしていくようにしましょう。
ちょっと太り過ぎかな、ということで感覚的にフードを減らすのは猫の体によくありません。
体重は急激に減るものではありませんし、長い目で見ていく必要があります。デブ猫さんが痩せるには、数ヶ月から半年ほどかかることは考えておきましょう。
ただ、肥満の度合いや、どんなフードが合っているのかなどは猫それぞれ違うものです。どのくらいの肥満具合で、これからどんなフードをあげて行けば良いのか、かかりつけの獣医さんに聞いて相談するのがおすすめです。
さらに運動は、飼われている猫には大切なこと。キャットタワーなどで高低差のある環境を作り、普段から自然にジャンプしたり登ったりできるようにしておきましょう。
肥満の猫は自分から動かず、なかなか遊んでくれないこともあります。飼い主さんがおもちゃを使ってデブ猫さんとコミュニケーションを取るのも忘れずに。
肥満は色々な病気の原因にもなります。デブ猫さんはしっかりダイエットして、健康で長生きしてもらいましょう。
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