セイシェルワの特徴とは
セイシェルワの第一印象は「細くて優雅」「美しい立ち姿」と、見た目から人々を魅了することと思います。スレンダーでエレガントな猫種が好みだという人なら、セイシェルワという猫を知ったら「飼ってみたい」と思うかもしれません。
いくつかセイシェルワの特徴的な部分を紹介します。
◆大きい耳が特徴的
セイシェルワは逆三角形でほっそりとした顔立ちです。頭の上にある耳は大きめで、周囲の音を聞き取るのに活躍しそうです。
◆スリムで優雅な印象
セイシェルワは、全体的にスリムな体型ですが、適度に筋肉もあるので体重はそれなりにあり3~5キロ前後。平均的な猫とそれほど変わらないですね。
◆ブルーの瞳が美しい
セイシェルワの瞳は丸く大きい形をしています。顔が逆三角形で小さくスリムなので、さらに瞳の大きさが際立って見えるのかもしれません。
瞳の色は透き通ったブルーで、凛々しくきりっとしている印象があります。
◆被毛の色は明るめの「白」がベースカラー
セイシェルワが優雅な雰囲気に見えるのは、ベースカラーが白系の色だからかもしれません。ベージュやグレーなどもいますが、「白地」の個体が多いです。
そして、この白のベースカラーに部分的な模様が入っているのが特徴になっています。頭と足、脇腹周辺にまだらの模様が入っている「ユイチエーム」、頭と足、体に大きめのまだらの模様が入っている「セチエーム」、足と頭にちょっとした模様が入っている「ヌーヴィエーム」と分けて呼ばれています。
ヌーヴィエームの模様は、スプラッシュと言われる模様で水がはねたような色が入っているのが特徴的ですよ。
模様の入り方は、このように3パターンありますが、「白地のベースカラー」「しっぽにはなんらかの模様や色が見られる」というのは共通点です。また、模様の入り方がそれぞれ違いますが、細いしっぽにどんな色が入るかによって印象も少し変わって見えると思います。
◆被毛タイプは2パターン
セイシェルワの被毛の長さですが、短毛と長毛と2パターン見られます。どちらかというと短毛の方が多く、長毛のセイシェルワは珍しいです。
セイシェルワの歴史
美しい魅力があるセイシェルワの歴史について見ていきましょう。
◆セイシェルワのルーツは島国?
セイシェルワは、ある島国に住んでいた綺麗な野生の猫に似せて人為的に作りだされた猫です。その島国は、アフリカ大陸の南方に存する「セイシェル諸島」。100を超える島々から構成されるセイシェル共和国には、「スラリと細身、白い被毛で模様が入っている美しい猫がいる」と伝えられていました。
島なので、島以外の猫との交配はされずに、その特徴を保ち続けていたと言われています。
また、セイシェル共和国の掟として「動物を国外に持ち出してはいけない」というものがあったため、地域だけでその生命体が守り続けられてきたのです。
◆美しい野生の猫に似せて作られた
美しい猫の噂は、ヨーロッパのブリーダーの耳には入っていたものの、実際の姿を目で見ることはなく、噂だけの猫として語り継がれていました。
1980年代ころに「その猫に似た猫を繁殖させたい」と考えたイギリス人のブリーダーがいました。そのブリーダーがセイシェル共和国で見つけた美しい猫についてまとめられている書物を目にしたことがきっかけとなり、セイシェルワが誕生することになったのです。
書物のなかには「細身で美しい」「しっぽや頭に模様がある」などと記載されていたので、それに似た特徴を持った猫で再現しようと試みられました。
◆イギリス原産のセイシェルワ
「被毛のベースカラーが白地のペルシャ」に、シャム(サイアミーズ)やオリエンタルを使って研究されて誕生したのがセイシェルワです。
それから、品種の改良が続けられていき、世界的な猫の登録団体「FIFe」に2005年に登録されることになりました。ただ、登録はその団体だけに留まり、それ以外でセイシェルワは猫種としては認められていないのが現状です。
お分かりいただけたでしょうか?
セイシェルワは「セイシェル共和国」に住む猫をモデルにして人為的に作られた猫。つまり、セイシェルワに流れている血は、交配に使われた純血猫たちのものだけです。セイシェル共和国に住む猫の血は入っていないということになります。
モデルになった猫がセイシェル共和国にいたので国の名前が由来になっていますが、実際に作りだしたのがイギリスのブリーダーによるもの。そのため、セイシェルワの原産はイギリスということなのです。
セイシェルワはミックス猫
◆シャムやオリエンタルの亜種
セイシェルワの生まれについてお話ししたので、シャムやオリエンタルと深い関わりがあることも分かっていただけたでしょう。繁殖に使われているので、セイシェルワは「シャム」「オリエンタル」の亜種に分類されています。
「亜種」と聞いてもなかなかピンとこないかもしれません。
亜種とは「同じ分類区分で下位に定義されている」という意味です。つまり、大きい意味では同じグループに属していて外見も似ているけれど、「ここが違う!」という点ははっきりしているということ。
そのため、セイシェルワは「シャム」や「オリエンタル」ととても似たところがあるのです。
◆シャムの特徴
シャムの起源はタイ王国で、高貴な猫として知られています。体重は3~4キロ前後、スリムな体型。小さい頭の上に立った大きめの耳に特徴があります。
日本では「シャム猫」として知名度があり親しまれていますが、海外では「サイアミーズ」と言う呼び名が一般的です。
シャムの被毛カラーは「チョコレート・ブラック・ブルー・ライラック」が認められています。
しっぽには「ポイントカラー」という濃い色が入っていてチャームポイント。セイシェルワとよく似ているのですが、シャムは「4本足」にもポイントカラーが入っています。
エレガントな印象がありますが、実は気さくでフレンドリーな性格。活動的で人間とのコミュニケーションを持つなど、守ってあげたい可愛らしさがある猫です。
◆オリエンタルの特徴
オリエンタルは、小さめの輪郭に大きな耳という特徴があり、セイシェルワとかなり似ています。
足はほっそりしているけれど筋肉質、体重は5キロ前後とスレンダー体型です。よく似た外見からも分かるように、シャムの血を受け継いでいます。
シャムとの違いは、被毛カラーのパターンが多いことです。
被毛の色と模様はたくさんあるので、猫種は同じなのに印象の違った猫にも見えるでしょう。
オリエンタルは、明るく社交性がある猫で人間との時間を大切にします。一人でいる時間は苦手で、飼い主さんがいない時間が増えるとストレスを溜めることもあります。また、活発で明るいので、猫との時間を楽しみたい人にはぴったりの猫種です。
セイシェルワの性格
育っていく環境によって少しずつ性格は変わりますが、セイシェルワの基本的な性格はいったいどんな感じなのでしょうか。
◆頭が良い猫
セイシェルワは賢い猫と言われています。頭が良いので、飼い主さんとの関係も良好に築けるでしょう。「この人は信頼できる飼い主さんだ」と分かれば、愛情深く接してくれるので一緒に暮らしやすいお利口さんの猫だと思います。
◆フレンドリー
セイシェルワは基本的に周囲に愛情を持って接してくれるフレンドリーな猫です。人間と一緒に暮らすのはもちろん、他の動物たちとも良い関係を築けるような社交性を持っています。大家族の一員として暮らすのもいいでしょう。
社交性もあるので、小さな子供たちとも上手くやっていけるかと思います。
◆好奇心が旺盛で明るい
賢い猫と聞くと穏やかに過ごすようなイメージを持つかもしれませんが、セイシェルワは実は結構好奇心旺盛です。活動的なところがあるので、一緒に遊んであげると喜ぶでしょう。いろんなものに興味を持ってくれるので、猫用のおもちゃを使って人間と遊ぶのも大好きです。
◆寂しがり屋の一面もある
セイシェルワは社交的な性格なので、孤独を嫌うときがあります。賢い猫だけれど、寂しがり屋なので留守番などで放置が多いとストレスを溜めてしまうこともある猫です。なるべく寂しい思いをさせないようにコミュニケーションを取ってあげてくださいね。
セイシェルワの飼い方で注意すべき点とは?
セイシェルワと一緒に暮らすならどんなことに気をつけるべきでしょうか。
◆留守番のさせすぎには注意しよう
セイシェルワはふだんの生活では、明るく無邪気なところが見られるのですが、基本的に周囲との関わりを好みます。
「孤独」という状態は、あまり好きではないので留守番も苦手な傾向にある猫です。苦手な留守番が多くなると、ストレスが原因となる病気を引き起こすこともあるかもしれません。
できれば、人間と常に関わっていたい性格ですが、セイシェルワは多頭飼いで他の猫との暮らしでも寂しさを紛らわすことができます。
なるべく賑やかな環境にして、セイシェルワの寂しい気持ちを封印してあげるようにしてくださいね。
◆活発に動き回れる環境を用意してあげよう
セイシェルワは明るく活発な魅力があります。好奇心があって動き回ることが大好きなので、セイシェルワの興味を惹きつけるようなオモチャや活動スペースを用意してあげましょう。
高いところに登ったり降りたりできるキャットタワーは是非購入してあげてくださいね。セイシェルワの体のサイズに合わせて、ケガのないような設置を考えてあげるといいでしょう。
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◆被毛のケアで美しさをキープしよう
セイシェルワには、短毛と長毛の2つのタイプがいます。
★長毛のセイシェルワならブラッシングの回数は多めに
短毛のセイシェルワは、被毛のお手入れもそれほど手間がかかりません。週数回程度のブラッシングで被毛のお手入れで毛のツヤをキープしてあげてくださいね。
一方、長毛のセイシェルワは1日1回はブラッシングしてあげたいところです。
★ブラシは短毛か長毛かで違う
ブラッシングするときは、短毛用、長毛用とあるのでそれぞれのタイプに合わせて準備しましょう。短毛のセイシェルワに、長毛用のブラシを使うと皮膚に負担がかかる可能性が大きいです。
「ブラシはどれも一緒」と安易に考えずに、皮膚に負担がないようなものを慎重に選んでくださいね。
★抜け毛対策もしよう
換毛期と言われる時期には、短毛・長毛に関わらず抜け毛は気になると思います。抜け毛が皮膚に残っている状態で愛猫が「毛づくろい」をすれば、毛が愛猫の体のなかに溜まって毛玉になるでしょう。
猫草などで吐き出すような配慮をするのはもちろんですが、抜け毛対策をしっかり考えてあげてくださいね。
また、ブラッシングをしても抜け毛は部屋に舞うと思います。抜けた毛が原因で、カーペットのダニを増やすこともあります。カーペットやフローリングに抜け毛が落ちたら、なるべく早めに掃除して清潔な空間を心がけたいものです。
特に、フローリングの場合、部屋の隅など死角になるとこに抜け毛がたまりがちになると思います。掃除を怠ると、どんどん抜け毛が溜まって大きなホコリと化してしまうことも…。
愛猫が清潔な空間で暮らせるように、定期的に掃除をしましょう。
●猫のブラッシングについての記事はコチラ

猫を飼っていると、必要になってくるお手入れのひとつ、ブラッシング。短毛でも、長毛でも、どちらの種類でもブラッシングは欠かせません。毛の種類に合わせて行うことが大切です。猫のブラッシングにおすすめのブラシ、種類に合わせた手入れの仕方についてご紹介します。

まとめ
セイシェルワは、シャムやオリエンタルをかけ合せて誕生した猫なので、よく似た特徴を持っています。でも、セイシェルワならではの特徴もたくさんあり魅力的な猫です。
セイシェルワは人間のことが大好きなので、一緒に暮らせば毎日を楽しく過ごせると思います。猫が好きな人だったら「飼いたい」と思うかもしれませんが、日本では認知度もまだ低く、珍しい部類に入ります。
現状では購入も簡単にはいきませんが、今後、セイシェルワの魅力が広く伝わり認知度が高まれば、日本でも飼い主さんが増えていくことでしょう。