あなたの猫は痩せすぎ?猫の適正体重について
猫と言っても色々な体型の子がいます。ペルシャのようなコビータイプの体型の子はずんぐりと、シャムのようなオリエンタルタイプの体型の子はほっそりとしていて、それは元々の体型、遺伝子などによる違いです。
そう言った元々の体型とは関係なく、愛猫が痩せて来たように思う場合、痩せすぎかどうかをチェックする必要があります。
ここでは猫が痩せる時のサイン、猫の適正体重について説明していきます。
◆猫の痩せすぎのサインとは?
猫が痩せすぎているかどうか、猫の身体に触ることで判断する方法があります。これには、猫の体型の指標となるBCS(ボディコンディションスコア)というのを参考にしましょう。
BCSは、顎や首回り、肋骨などのくびれ具合や脂肪のつき方を診て、猫の体型を5段階の評価に分けたものです。
痩せ気味~痩せすぎの猫の場合は、以下のような体型が当てはまります。
痩せすぎ(BCS1)→肋骨や骨盤、腰椎が触らなくても簡単に見える。首回りが細く、腰がかなりくびれている。横から見ると、お腹がかなり吊り上って見える。脇腹のひだに脂肪がない、あるいはひだがない。
この様に、猫の体の見た目や、触診によって、猫の脂肪や肉のつき具合を判断するのです。
さらに、痩せているかどうかを判断するのに、体重も重要となってきます。次項では猫の適正体重と、痩せすぎの猫の体重について見ていきましょう。
◆猫の適正体重について
猫の適正体重は、その猫の理想体重を指します。
ここでは一般的な体型の猫(成猫1歳3.5kgの場合)の体重目安を記載します。ただし、メインクーンなど大型の子は成長がゆっくりなため、また理想体重が違います。
★成猫1歳3.5kgの場合
痩せ過ぎ 2.9kg以下の体重
痩せ気味 3kg~3.2kgの体重
通常(理想) 3.3kg~3.7kgの体重
太り気味 3.7kg~4.2kgの体重
太り過ぎ(肥満) 4.3kg~5.1kgの体重
このように、この猫の場合は2.9kg以下となると痩せすぎと判断できます。
痩せすぎの目安は理想体重の85%以下と言われています。大型や小型の猫を飼っている場合、理想体重は分かりにくいですが、愛猫を獣医さんに診てもらう際に聞くと教えてくれます。
我が家はノルウェージャンフォレストキャットの雄猫ですが、獣医さんに聞くと、5.5kgぐらいが理想体重だと教えてくれました。
猫が痩せる時の原因・対策【食欲がなくて痩せる場合】
もし猫が痩せすぎだと判断出来た場合、痩せるに至った原因は何が考えられるでしょうか。
ここでは、猫の食欲がなくて痩せる場合の原因とそれぞれの対策をご紹介します。
◆口内の病気の発症が原因になることも
猫の食欲がなくて痩せる場合、何らかの口内の病気が原因である可能性があります。例えば、口内炎が出来ている場合です。
猫の口内炎は、酷い時には口中が腫れてしまいます。人間の小さな口内炎でも、食べるのが辛い程痛いですよね。猫の場合も、痛くてフードが食べられない状態になっている可能性があるのです。
他にも、歯肉炎になったり、尖った木などを齧って口内が傷ついてしまった時も、痛くてフードが食べれない場合があります。
◆歯周病は普段からのケアが大切
猫がフードを食べづらそうにしていたり、口を気にしている様子が見られた場合は、可能であれば猫の口を開けて診てみましょう。難しい場合には動物病院へ行き、自分で傷を発見した場合も受診しましょう。
木を齧ったりして傷ついてしまうのは仕方がない事ですが、口内の汚れから来る歯周病は、普段から対策をしておくことが必要です。中でもウェットフードは口内に残りやすく、そのままにしていると歯周病の原因となる可能性があります。
猫用の歯ブラシなどを使い、フードを食べた後には歯磨きをしてあげましょう。
◆ストレスによる食欲不振
もう一つは、ストレスが原因となって食欲がなくなり、痩せる事があります。
猫は環境の変化にストレスを感じやすい生き物です。引っ越しをしたり、住人が増えたり、模様替えをした時など、生活環境が大きく異なるとストレスを感じてしまいます。
生活環境が変化した際には、いつも以上に猫とのコミュニケーションを大事にしてあげましょう。
猫が痩せる時の原因・対策【食欲があるのに痩せる場合】
逆に、食欲があってご飯を食べていても、猫が痩せる場合もあります。これらの場合、以下のような原因と対策があります。
◆運動量が多くなった
人間も運動量が多いと痩せると思いますが、猫も同じです。例えばこんな場合、猫の運動量が増える事が考えられます。
・以前より広い家に引っ越しをして、庭先に出る様になって活動範囲が増えた
・多頭飼いになって遊び相手が出来た
運動量が増えると、当然消費カロリーも多くなります。気になる程体重が減ってしまっている場合は、カロリーの高いフードやフードの量を増やして体重を調整してあげましょう。
◆フードが身体に合っていない
食べているのに痩せるもう一つの原因は、フードが猫に合っていない事が考えられます。
室内飼いの猫で肥満を危惧してダイエットフードを与えている、年齢に合っていないフードを与えているなどの場合、猫の身体と年齢に合わないフードを与え続けると、カロリーが足りず痩せてしまう事があります。
愛猫に合うフードが分からない場合は、獣医さんに相談してみるのがオススメです。
◆病気の場合
病気になっている場合にも、体重が減って痩せる事があります。一つは「慢性腎不全」という病気です。
慢性腎不全になってしまった場合、食欲があるのに猫が痩せる傾向があります。悪化すると食欲もなくなってしまいますが、初期段階では食欲があるのに痩せてしまう事がある様です。
慢性腎不全は水を飲む量が増える症状も見られます。多飲と体重の減少が見られた場合は、一度動物病院で診察を受けましょう。
他には、糖尿病や甲状腺機能亢進症などにより、食欲があるのに痩せる症状が見られる場合があります。
糖尿病の場合も水を飲む量が増え、頻尿も見られます。甲状腺機能亢進症の場合は、食欲が増えるのに痩せる症状が見られます。またこの病気でも水を飲む量が増え、攻撃的になる猫もいる様です。
これらの症状が見られた場合は、動物病院を受診しましょう。
猫が痩せる時の原因・対策【老猫の場合】
猫は一般的には11歳からシニアと呼ばれています。ただし猫の個体差によって老化の速度は違い、早い猫では7歳から高齢の猫の様な変化が見られる場合もあります。
ここでは、高齢の猫が痩せる原因や対策についてご紹介します。
◆食欲不振
高齢の猫が痩せる理由の一つは、食欲が落ちる事が原因です。
若い時は活発に活動する分、食欲も旺盛ですが、高齢になって体力が落ちて来ると、あまり動かずに1日を過ごす様になります。じっとしているのでお腹が空きにくい事もありますし、高齢による消化器官の働きの衰えもあって食欲が落ちてしまい、痩せていってしまうのです。
老猫用の消化吸収が良いフード、高カロリーのフードを与えるなどして、栄養をしっかりとらせてあげるようにしましょう。また、一度に食べる量が減っている時は、フードをあげる回数を数回に分け、身体の負担にならないよう工夫してあげることも大切です。
◆フードが食べづらい
フードが食べづらくなる事も痩せる理由の一つです。愛猫が大好きなはずのカリカリも、年をとる事で歯や顎の力が弱くなり、食べにくくなってしまいます。
その場合は、咀嚼しやすいウェットフードに切り替えたり、ドライフードにお湯を少しかけてふやかしてあげるといいでしょう。
◆病気の場合
老猫は免疫力が低下するため、病気にもかかりやすくなっています。
痩せる原因となる病気としては、上述でもご紹介した腎不全や甲状腺機能亢進症、他にも癌など様々な病気が原因となって痩せてしまう事があります。
老化による食欲不振での体重の減少は仕方がない部分がありますが、猫の様子がおかしく急に体重が減少する様な事がある時は、病気の可能性があります。少しでもおかしいなと思ったら、まずは動物病院で診察してもらいましょう。
猫が痩せる原因・対処法まとめ
愛猫が痩せてくると、とても心配になりますよね。猫が痩せるのには、ここまでにご紹介した事や、それ以外にも何らかの原因があるはずです。
もし最近愛猫が痩せて来た気がすると心当たりがある場合は、お家で愛猫の様子を観察してメモをしましょう。体調の変化、水を飲む量や排泄の回数などをメモしておくと、動物病院を受診する際にも細かく獣医さんに伝える事が出来、原因解明の手助けとなります。
病院に行くと猫ちゃんにはストレスにもなるので、帰ったら「よく頑張ったね」と褒めてあげてくださいね。
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