猫の発情期とは?いつ?
猫の発情期とは、成熟した猫が子孫を残す為の本能によって、繁殖行動を起こす期間のことです。
オス猫もメス猫も発情しますが、オス猫はメス猫の発情に誘発される為、発情期というのは主にメス猫に訪れるものと考えられています。
◆猫の発情期は春と夏がピーク
メス猫は、最初の発情期を生後6ヶ月~12ヶ月で迎えると言われており、その発情期の時期は環境によっても大きく左右されます。
時期としては、春(2月~4月)と夏(6月~8月)頃の暖かくて日照時間の長い時期が繁殖期のピークとなり、その1か月前頃から発情期が始まるようです。
猫が繁殖する為の発情周期は、「発情前期」「発情期」「発情後期」「発情休止期」から成り、サイクルとしては年に3~4回ほどで、一回の発情期間は14~21日程度です。
こちらは環境による変化や個体差があるので、あくまで目安としてお考え下さいね。
◆室内飼いの猫は当てはまらない場合も
具体的には、日照時間が14時間以上になった時に猫の発情期が始まると言われています。
発情期と日照時間が関係する理由として考えられるのは、「寒い時期よりも暖かい時期の方が、メス猫が子育てをしやすい」という事が挙げられるようです。
しかし、この明るい時間というのは、太陽光だけではなく人工灯も影響してくるので、室内飼いの猫や繁華街に住む野良猫たちは、発情期間が長くなったりすることもあり、あまり季節性はないと言われています。
◆オス猫の発情期は?
主にメス猫に訪れる時期を指す発情期ですが、オス猫は発情期のメス猫との接触によって発情が起こります。
メス猫は発情休止期になるとオス猫に全く興味を示さなくなりますが、オス猫には発情休止期はないので、発情期のメス猫が近くにいれば常に発情期だと言えます。
猫の発情期の行動は?
猫が発情期を迎えると普段とは違った行動を取るので、初めて猫を飼う方は驚かれてしまうかもしれません。
猫の発情期の主な行動としては、以下のものが挙げられます。
・スプレーの回数が増える
・家具などに体をこすりつける
・頻繁に陰部を舐める
・オス猫に優しくなる
・お尻を持ち上げた姿勢を取る
・トイレ以外の場所に粗相をする
あまり気にならない行動もありますが、「大きな声で鳴く」「スプレーの回数が増える」「トイレ以外の場所に粗相をする」といった行動には困ってしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか。
初めて猫を飼って、いきなりドスの効いた大きな鳴き声を聞くと驚きますし、発情期中の愛猫のうるさい鳴き声でご近所さんに迷惑がかかっていないかなども心配になってしまいますよね。
◆メス猫がオス猫に居場所を知らせる行動
猫は元々夜行性なので、発情期中は夜中に大声で鳴く事もありますし、鳴き声がうるさいと眠れずに困ってしまう飼い主さんもいらっしゃるようです。
この「うるさい」と感じる程の大きな鳴き声は、主にメス猫がオス猫に自分の居場所を知らせておびき寄せる為の行動だといわれています。
また、室内飼いのオス猫であっても、メス猫で発情期の野良猫が外にいると、その呼びかけに反応して大きな声で鳴いたりする事があります。
◆フェロモンで異性を呼び寄せる
トイレ以外の場所で粗相をする行動にも理由があります。普段トイレで排泄をするメス猫が他の場所で粗相をするのは、フェロモンを撒き散らしてオス猫を引き寄せる為です。
また、オス猫がするスプレーは、お尻を高く持ち上げておしっこをまき散らす行為です。こちらは高い位置に自分の匂いをつける事で、自分が大きい猫だと他のオス猫にアピールし、自分の縄張りに他のオス猫を近づけないようにする為と言われています。
猫の発情期を落ち着かせるには?
子孫を残す為の本能による行動とは言え、愛猫のうるさい鳴き声が続いたり、おしっこを撒き散らかされる度に掃除をしなきゃならないとなると、飼い主さんも困ってしまうかと思います。
どうにか愛猫の困った行動を落ち着かせる方法はないか…とお悩みの飼い主さんに、発情期の猫を落ち着かせる方法や対策をいくつかご紹介させて頂きたいと思います。
◆去勢手術・避妊手術をする
猫の発情期の困った行動を一番落ち着かせる為の方法は、不妊または去勢手術なのではないかと思います。こちらは獣医師さんも推奨する方法で、一番効果があるそうです。
不妊、去勢手術はせずに「睡眠導入剤」を処方してもらって落ち着かせるという方法もあるようですが、発情期中ずっと薬を与えるとなると、猫の体にはかなり負担がかかります。
不妊、去勢手術の内容を考えると、卵巣や睾丸を取り除くなんて可哀想…と思ってしまう方もおられるかもしれませんが、逆を言えば発情期に交尾ができない事の方が猫にはとてもストレスになるんです。
繁殖器の病気の予防にも繋がりますので、子供を望んでいないという場合には去勢手術や避妊手術を考えてみて下さいね。
◆外に出さない
オス猫の場合、メス猫の発情期に反応して発情行動を起こします。そのため、なるべく発情期を迎えたメス猫と接触させないようにすることが1つの対策となります。
去勢手術・避妊手術をしていない猫の場合、外に出かけた際に野良猫や他の猫と交尾してしまうことも考えられます。飼い主のいない猫を生まないためにも、不用意に愛猫を外に出さないようにしましょう。
◆昼間に沢山運動をさせる
夜行性の猫が夜中の大運動会を開催する事がありますが、発情期に困るのは夜鳴きです。大きな鳴き声で鳴き続けて眠れないほどうるさいと、飼い主さんも寝不足になってしまいます。
昼間や寝る前に構ってあげられるようでしたら、沢山遊んであげて疲れさせるというのも鳴き声を落ち着かせる1つの方法です。
猫にとっても遊んでもらえるのは嬉しいことですし、疲れた愛猫が熟睡出来れば、飼い主さんも熟睡出来て一石二鳥と言えるのではないでしょうか。
◆ご近所に報告しておく
発情期の行動を落ち着かせる為に試行錯誤してみても、完全にその行動を無くすことは難しいかもしれません。夜中に大声で鳴かれては飼い主さんにとってもうるさいですし、昼間であってもご近所の方が不審に思ったり、うるさい鳴き声で迷惑がかかってしまうと思うと心配です。
もしご近所の方と交流があるのでしたら、「猫を飼っていて発情期には鳴き声がうるさいかもしれない」と知らせておくのも1つの対策です。日頃から挨拶などをするようにし、ご近所の方と信頼関係を築いておくようにしましょう。
◆甘えてきても構わない
飼い主さんにとって猫が甘えてくるのは嬉しいことですよね。しかし、もし発情期の鳴き声やその他の行動にお困りなのでしたら、発情期中の愛猫が甘えてきても構わずそっとしておきましょう。
メス猫は発情期中にいつもより甘えるような行動を取りますが、可愛くて頻繁にナデナデしていると、それが刺激になって発情期の行動が激しくなってしまう事があります。
猫を落ち着かせるという事に直接結びつく訳ではありませんが、発情期の行動を悪化させるのを避ける事ができます。
◆トイレシートを活用する
こちらも落ち着かせるというよりは発情期の行動への対策ですが、スプレーや粗相でお困りの時は、トイレシートを活用するという手もあります。
発情期の時にいつもおしっこをする場所が分かっていれば、トイレシートをそこに敷いたり、オス猫のスプレー用に壁に貼り付けて対策をとりましょう。飼い主さんの掃除の手間が少しでも省ける工夫をしてみて下さいね。
◆その他の対策
これら以外にも猫の発情期の行動を落ち着かせる方法として、「またたびを与える」「湿らせた綿棒で膣を刺激する」といった方法もあるようです。
ただし、またたびで気を紛らわせたとしても一時的なものですし、与えすぎると呼吸困難などを引き起こす可能性があります。
また、湿らせた綿棒で膣を刺激するのは、排卵を起こさせて発情期を終わらせる為の方法のようですが、素人や慣れない方が行うと膣を傷つけてしまう恐れがある為、あまりおすすめの方法とは言えません。
どうしても気になる場合は、必ず獣医さんに相談してみるようにしましょう。
猫の発情期まとめ
今回は猫の発情期と、うるさい鳴き声を落ち着かせる方法や、困った行動への対策をご紹介させて頂きました。
筆者宅の愛猫様は生後3ヶ月程で不妊手術を行いました。子供を作る予定もなく、病気の予防になるという事もあって手術を決めたのですが、最初の発情を迎える前に手術をしたので、発情期の困った行動に悩まされた事はありません。
不妊、去勢手術は発情期の行動を落ち着かせるだけでなく、様々な病気を防ぐ事ができたり、交尾ができないのに発情だけを繰り返すストレスから解消されるというメリットもあります。
手術に不安を感じる飼い主さんもいらっしゃるようですが、愛猫の病気を防げたり発情のストレスが無くなる事と考え、不妊、去勢手術も視野に入れてみて下さい。
手術をしない場合であっても、上記で挙げさせて頂いた方法など少し工夫をして、猫の発情期とうまく向き合って行きましょう。
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