1.猫があごのせする理由7選
1-1.安心している
1-2.甘えモードに突入!温もりを感じたい
1-3.信頼の証をアピールしている
1-4.「これは自分のもの!」と縄張りの主張
1-5.重い頭を乗せるのに楽な姿勢だから
1-6.温かさをキープしたい
1-7.ちょっとカユイ…?
2.アゴから出すフェロモンをつける!?
2-1.人間には分からないフェロモン
2-2.自分のフェロモンで安心している
3.腕や足が疲れる!?嬉しいけれどツラい飼い主さんの悩みも…
3-1.疲れたら降りてもらった方がいい?
3-2.我慢できなくなったら優しく拒否しよう
3-3.おもちゃやおやつで気を引くのがおすすめ
4.【番外編】飼い主さん以外のものにもアゴを乗せる
4-1.他の猫の体にアゴを乗せるのもリラックスモード
4-2.窓の枠にアゴを乗せる
【掲載:2018.03.22 更新:2024.09.02】
猫があごのせする理由7選
アゴを乗せるときに「どんな気持ちなのか?」、考えられるパターン7つを紹介します。
◆安心している
猫が自分の敏感な部分である「アゴ」を人間に近づけてくる行為は、安心の表れと言われています。
猫は「お腹を敵に見せない」というのは知っている人も多いですよね。安心しない状況では、自分の急所であるお腹を見せることはありません。
同じように「アゴ」も弱い部分なので、安心していないときに「何かにゆだねる」という行動はしないのです。
つまり、そんな急所的箇所のアゴを飼い主さんの体に乗せるのは、「安心している」「リラックスしている」という安心感の表れ。アゴを乗せ、目を閉じて眠っているなら、究極に「安心」しているときかもしれません。
こんな行動をするのは、猫が飼い主さんからの愛情をちゃんと理解している証拠。飼い主さんとしても喜ばしいことかと思います。
◆甘えモードに突入!温もりを感じたい
野生の猫というのは、そもそも基本的に一人行動が習慣。成猫となれば、「誰にも頼らずに生きる」のが”野生での暮らし方”です。
そんな凛々しい野生の成猫もかつては母親から生まれた子猫。生まれてから数か月の間、母親のもとで兄弟猫と一緒に家族とともに甘えながら生きます。
眠るときには、兄弟猫とともにお母さん猫に寄り添うような感じ。母猫の体のどこかにアゴを乗せて温かみを感じて眠ります。
そして時期が来ると「自立しなさいね」と母親から突き放されて一人前になっていくのです。寂しいことですが、それが野生猫のルールでもあります。
でも、人間に飼われている猫ちゃんたちは、このパターンはありません。
子猫の頃からずっと自分のお世話をしてくれる飼い主さんは「母親的存在」。成猫になったからと「自分で自分のことをしなさいね」と飼い主さんは愛猫を突き放すことはしません。「自立」という感覚がないので、基本的には「飼い主=お母さん」はずっと続きます。
そこで子猫時代のように飼い主さんにアゴを乗せるのは、いわゆる甘えモードに突入しているとき。お母さんのように甘えさせてあげてくださいね。
◆信頼の証をアピールしている
猫にとってアゴは敵から守るべき部分。簡単に攻撃されないように気をつけているでしょう。
そんなアゴを乗せてくるのは「あなたには攻撃されることがない」と信じ切っている気持ちからです。
「自分の急所をあなたに預けますよ」と絶大な信頼のアピールが“アゴ乗せ”です。その気持ちに応えて、優しく接してあげましょう。
◆その4.「これは自分のもの!」と縄張りの主張
猫は、自分の縄張りを周囲にアピールしますが、アピールと言っても言葉で話せるわけではありません。
猫の縄張りの主張方法は、「ニオイをつけること」です。この「縄張りだから!」のしるしであるニオイの分泌腺が、実はアゴの下にあるのです。
基本的に、自分の布団やベッド、毛布などさまざまなところにこのニオイをつけているはずです。安心できる場所以外に、縄張り主張のニオイはつけません。
自分のニオイがついた状態のものは安心するのですが、飼い主さんの洋服や体は洗濯や入浴によりニオイが消えていることもしばしば…。
そこで、「自分の縄張りなのにニオイが消えている!ニオイをつけよう」とアゴを乗せてくるのでしょう。
いずれにしても「安心できる場所」と考えられているので、飼い主さんも嬉しくなっちゃいますよね。
◆重い頭を乗せるのに楽な姿勢だから
二本足で直立の人間は、背骨や首の上に頭がありますが、猫は四本足。背骨は横に伸び、その先に頭が前方に出ている体の構造です。
横向きの背骨で頭を支えている形なので、「重いな」「ちょっと疲れたな」という感じで、人間で言う肩こり状況になることも…。
人間もたまに、頬杖で頭を楽な体勢にすることがありますが、猫のアゴ乗せは、そんな「猫版の頬杖」なのかもしれません。
頭が疲れたときに、背骨と頭が真っ直ぐになるスタイルのアゴ乗せが姿勢的に楽なのでは…とも考えられています。
この体勢は、「安心できるから」という気持ちにも通じるものがあります。
いくら「頭が重いから休みたい」とはいえ、危険なところでそんなことはしませんよね。信頼、そして安心できる飼い主さんの体だからこそ、そうした体勢ができるのです。
猫の脱力感に溢れた表情を見ているのも、可愛いものですね。
◆温かさをキープしたい
野生の子猫は、寒さをしのぐために母猫や兄弟猫と重なり合うようにして眠ることがあります。他の動物と密着することは、単純に「体温が下がるのを防ぐ」という目的があるのです。
アゴ乗せは、飼い主さんと密着し体温を感じ「温かさ」をキープできます。愛猫は「温かいな」「気持ち良いな」とリラックスして眠ることができるでしょう。
◆ちょっとカユイ…?
猫は体がカユイときに、ザラザラの舌で自分の体を舐めたりします。でも、アゴがかゆいと舌が届きません。
そんなときに、アゴを乗せて擦ったりすることもあるようです。
上記にあげたいくつかの心理と比べると、レアなケースかもしれませんが…。
アゴから出すフェロモンをつける!?
「安心する場所」「信頼できる相手」に対してアゴを乗せることは、「愛情」と直結しています。安心できるからこそ、お気に入りの場所になります。
つまり、「これは僕(私)のものだから」とアピールしたくなるのです。
◆人間には分からないフェロモン
猫は、縄張りのしるしとして自分の体からフェロモンを出し、そのニオイを擦り付けます。部屋の家具に体をこすりつける行動も、縄張りをアピールするマーキングです。
猫同士では分かり合えるニオイですが、人間の鼻ではどんなニオイかは分からないでしょう。
◆自分のフェロモンで安心している
顔から出るフェロモンには「安心している」という意味があり、アゴからも分泌しています。アゴを乗せながら「自分のものだ」とニオイをつけているのです。
猫は自分のフェロモンをつけることで「自分のニオイがするな~」と安心します。
先ほどもお話ししたとおり、飼い主さんの体から自分のフェロモンのニオイがしなくなると「自分のお気に入りの場所なのにニオイがない!」と不安に感じます。
そこで、アゴを乗せてリラックスしながら、安心を得られるフェロモンを出しているのだそうです。
猫が「ニオイが消えている」と焦ってニオイを擦り付けてくるかと思うと、とても可愛らしく思えてきますね。
腕や足が疲れる!?嬉しいけれどツラい飼い主さんの悩みも…
猫がアゴ乗せをしてくる心理について分かると、嬉しく幸せな気持ちになりますよね。
猫の心理の表れのなかには、「安心感」「信頼の証」「愛情表現」「お母さんに甘えたい」など、どのキーワードを見ても猫との絆を感じるかと思います。
猫がアゴを乗せてきたら、可能な限り「乗せていていいよ」と身をまかせたいと思う飼い主さんも多いことでしょう。
そんな気持ちの反面、飼い主さんならではの複雑な悩みもあるようです。
◆疲れたら降りてもらった方がいい?
猫にとっては安心やリラックスできる姿勢のアゴ乗せ。猫の心理を知れば、猫の好きなようにさせるのが飼い主としての愛情ですよね。
でも、猫がアゴを乗せたまま長い時間が経過すると「腕が痛い」「足がしびれた」と人間側がツラい体勢になっていることもあります。
「疲れたな」と思って、ふと猫を見ると「スヤスヤ…」と可愛らしい表情。「猫の安眠を邪魔したくない」という思いと、「体が痛い、動きたい」という思いの間で揺れ動くことになるのではないでしょうか。
飼い主さんの一番の心配は、「無理やり動くことが猫への気持ちを裏切ることになるのでは…?」でしょう。多くの飼い主さんが、限界に達するまで我慢しているかもしれません。
でも、猫を守るため飼い主さん側が体を痛くしては大変なので、どうしても辛くなったら猫ちゃんに移動してもらう工夫をしてみてはいかがでしょうか。
◆我慢できなくなったら優しく拒否しよう
体勢が辛くなったからと言って、いきなり猫がアゴを乗せている状態で腕や足をいきなり動かすのは止めましょう。
当然ですが、究極にリラックスしているときなので猫はビックリします。場合によっては「もう安心できない」「甘えたくない」と次からアゴ乗せをしてこなくなるケースもあるかもしれません。
ギリギリのところまで我慢したら、猫ちゃんの負担にならない感じでよけてもらうのが一番です。
◆おもちゃやおやつで気を引くのがおすすめ
そこで登場するアイテムは、猫が興味を持ちやすいもの。猫は動くものが好きなので、猫用おもちゃや猫じゃらしなど空いている手を使って、猫の気を引いてみてはどうでしょう。「何か動いた?」と顔をひょいとあげたら作戦成功。その隙に、腕や足を離してみましょう。
気を惹きつけるだけで遊ばないと猫がかわいそうなので、少しコミュニケーションを取ってあげてくださいね。
また、猫が好きなオヤツをあげるのもいいですね。大好きなオヤツを目の前にすれば、腕や足を離されても、猫は怒ったりしないかと思います。
【番外編】飼い主さん以外のものにもアゴを乗せる
飼い主さんの体以外にも「アゴ」を乗せていることがよくあるでしょう。
◆他の猫の体にアゴを乗せるのもリラックスモード
多頭飼いの家庭では、他の猫ちゃんの体にアゴを乗せている姿を見かけることもあるかもしれません。この体勢は、まさに子猫時代と同じ状況。
孤独で生活する野生の猫と違って、家庭で飼われている猫たちは集団生活になります。
そのため、子猫の年齢が過ぎても一緒に暮らしている他の猫は「相棒」「仲間」のような感覚です。お互いに心を許し合っているときには、体をぴったりつけて眠ることもあります。飼い主さんに抱く心理と同様、信頼している仲間だけにアゴを乗せます。
また、冬場など寒い季節には「暖を取る」という理由でアゴ乗せをしながら丸まって眠ることも多いです。
このように多頭飼いの猫同士が「アゴを乗せ合う」という行動は、とても仲が良い表れ。多頭飼いをしていても仲が悪いと悲しいものですよね。
アゴを乗せあうほど信頼関係ができていると知ると、多頭飼いをしている飼い主さんとしても嬉しくホッと心が和むのではないでしょうか。
◆窓の枠にアゴを乗せる
毎日を部屋のなかで過ごす猫にとって、外の世界を見られるのは「窓」からだけ。日向ぼっこや外の様子を見る目的で、窓辺でリラックスしている様子を見ることがあるでしょう。暖かな日差しを感じると、猫は安心感を持つことができます。
そんなときに、窓の枠などちょうどよい高さのものがあれば、ヒョイッとアゴを乗せるかと思います。
気持ちがリラックスすれば、そのまま日光浴しながら眠ってしまうこともあります。そんな様子も可愛らしいものですね。
まとめ
いかがでしたか?
猫がアゴを乗せたときの気持ちを知ると、嬉しく心が温かくなるものばかりでしたね。さらに、愛猫のことを「愛おしい」と感じたのではないでしょうか。
ときどき、腕や足が疲れることもありますが、猫が自分を慕ってくれているのだと分かると、できるだけ「アゴ乗せ」に協力し、猫との時間を幸せに過ごしたいものですね。
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