そもそも猫ってどんな動物?初心者が最初に知るべき“猫”のこと
まずは“猫”という動物のことについて知っておくことが大切です。
◆猫の寿命って知っている?
良質なペットフード、温度管理された部屋での室内飼いなど、好条件で育てられている飼い猫たち。そんな背景もあって、ペットとして暮らす猫たちの平均寿命は年々長くなってきていて、だいたい15年くらいと言われています。
◆猫はたくさん寝る動物
人間と比較すると、猫は寝てばかりいます。そもそも、たくさん寝る動物なので、長く寝ていることに関しては、それほど気にしなくてもOKです。
特に、子猫時代の睡眠時間はかなり長めで、20時間くらい寝て過ごす子猫もいます。子猫時代は成長のために「よく寝てよく育つ」というスタイルが普通です。
大人になった猫は15時間前後と少し減りますが、シニアになると子猫のように長く眠るようになってくるでしょう。
◆散歩はいらないけど運動は大事
猫を飼うときの理由のひとつとして「散歩をさせなくてもいい」ということを挙げる方も多いのでは?
確かに、猫は犬のように毎日散歩させる習慣は必要ありません。ただ、体の健康のためには運動は欠かせないものです。
そもそも、猫はハンター能力が優れており、狩猟をしていた野生時代の名残から、本能的に「運動したい」と思っています。そのため、部屋が狭くて運動ができない、大好きな高い場所がないという環境は、猫にとっては「不服」と言えるでしょう。
猫を飼うなら、キャットタワーなど、猫の運動スペースを設けるようにしましょう。
◆基本的にマイペースな性格
猫と言えば「ツンデレ」という言葉も定着しているくらい、自由気まま。さっきまで一人で遊んでいたかと思うと、急に甘えてきたりすることも。そんなギャップのあるツンデレが魅力ですよね。
基本的にマイペースな動物なので、猫のしたいようにさせる方が猫のストレスになりにくいです。
初めて飼う人は「抱っこさせて」「一緒に遊ぼう」と、猫と密に触れ合いたいかもしれませんが、嫌そうなときには無理強いしないようにしましょう。
猫を飼う前に必要な心構え。事前チェックしておきたいことは?
初めて猫を飼うときは、知らないことが多いもの。飼った後に「知らなかった」では済まされないことも…。
大事な命を預かる前に、基本的な事項をチェックしておくようにしましょう。
◆その1:経済的には大丈夫?猫の一生にかかるお金は把握しておこう
猫の平均寿命は15年ほどですが、猫種や環境によってはそれ以上の個体もいます。長ければ20年ほどになるでしょう。
その間、猫が生きるために必要なのが、キャットフードやトイレ関連用品、おやつ、おもちゃ、病院の費用というような「猫の飼育費用」です。すべて、猫の健康と直結するので経済的なことを理由に削減することはできません。
キャットフードの質や価格、病院へかかる回数などによっても飼育費用は変わりますが、平均寿命15年程度だとすると、100万円前後の飼育費用がかかると把握しておきましょう。
月々の支払いはそれほどの出費に感じられませんが、「一生の間はどのくらいかかるか?」を換算し、経済的な面でクリアできるか慎重に考えておきましょう。
◆その2:住まいが傷つくことは覚悟しておこう
猫は爪とぎの習性があります。これは、獲物を捕まえるために鋭い爪をキープしたいという本能的な行動です。
また、爪とぎで自分のニオイをつけて「縄張りだぞ」とアピールしたり、ストレス発散のためにやっていることもあります。
健康的な猫にとっては自然な行動なのですが、フローリングや家の柱、壁紙など、放っておくとボロボロになるでしょう。
爪とぎを設置して「爪とぎはここで」としつけで教えておくようにしましょう。また、壁などの傷つき防止のためには、爪とぎ防止シートや傷がつきにくい素材の壁紙もあるので考えておくといいですね。
◆その3:お掃除は大変
長毛および短毛に関わらず、猫は「抜け毛」があります。カーペットや衣類に、抜けた毛がびっしりついていることも多いでしょう。フローリングでも猫の抜け毛がフワフワと舞っていることも…。
放置したままだと不衛生な環境となり、猫の皮膚病の原因となることもあります。
初めて猫を飼う人は、「こまめな掃除」を心がけなければなりません。
◆その4:他の動物と飼うなら相性を考えて
そもそも単独行動が基本の猫は、ほかの動物たちとのグループ行動が苦手。猫種によっては社交性があって上手くやっていけることもありますが、鳥や小動物(ハムスター・モルモット)、金魚など、そもそも相性が良くない動物との多頭飼いは控えるべきかもしれません。
◆その5:家族みんなで飼う心構え…自分が不在でも安心できる?
猫を飼うとき、「私がお世話をするから飼いたい」と、他の家族の意見を無視して飼う人もいるかもしれません。
しかし、メインで飼っている飼い主さんが不在になったときのことを考えておきましょう。仕事の出張、病気での入院など長期的な留守になれば、ほかの家族が食事や身の回りの世話をしてあげることになります。
基本的には、「家族みんなで飼う」スタイルが理想的です。
◆その6:賃貸物件に住んでいる人はじっくり検討
持ち家の一戸建てに住んでいるなら、猫を飼う環境としては、特に問題はないでしょう。
ただ、今住んでいるのが「賃貸」の場合、そもそもペットが飼えるかどうかのチェックが必要です。ペットがNGの物件なら、新しい住まいに引っ越さなければ飼えませんよね。
今住んでいるところが一戸建て、あるいはペットOK物件だったとしても、今後なんらかの事情で引っ越すこともあるでしょう。
そんなときの引っ越し先は、“ペット可”の物件。最近はペットと暮らせる物件がかなり増えてきてはいるものの、まだまだ「ペット可」物件は少ないです。選択肢の幅が狭まることを想定しておかなければなりません。
「ペット可」という物件で飼うときにも、「ペットを飼ってもいいですよ」と認められているだけで、ペットを飼っていない住民も暮らしています。周囲への配慮はかなり慎重にしましょう。
また、猫は部屋のなかで運動をするので、床を通じて音が響くことがあります。吸音するようなカーペットを敷くなどの対策も考えておきましょう。
さらに、猫のニオイが周囲に広がらないような対策も必要です。
特に窓際やバルコニーにトイレを置いていると、風に乗って他の部屋にニオイが舞い込むことも…。猫の寝具を洗濯してバルコニーに干したとき、抜け毛が隣の住戸のベランダに飛ぶ可能性もあるので要注意です。
◆その7:いつまでも若くない
初めて猫を飼うとき、まだ生まれて間もないような子猫を迎える人も多いでしょう。一緒に遊んだり、触れあったり…。若くて元気な子猫ならではのコミュニケーションがとれるかと思います。
そんなやんちゃな猫もいつかは年老いていきます。高齢になれば、元気がなく寝てばかりになっていくでしょう。夜鳴きをしたり、トイレの粗相をしたりなど、今までできたことができなくなる「老化現象」も見られるようになります。
年齢を重ねても大事な愛猫には変わりありませんが、初めて飼うときには「いつまでも若くはない」ことを理解しておくようにしましょう。
◆その8:留守番のときのことを考えよう
単独行動に慣れている猫なので、犬と比べると留守番に強い性格です。ただ、それが長くなると食事やトイレのケアができません。数日程度なら問題ないと言われているものの、長引けばストレスにもなります。
期間が長くなる留守番は、信頼できる預け先を見つける、あるいはペットホテルも検討しましょう。
猫の性格や特徴を吟味して選ぶ
ひとくちに“猫”と言っても、性格や飼いやすさが違っています。初心者の方は、自分に合った猫を選ぶようにしましょう。
◆性別はどっちにする?~オスorメス~
同じ猫種であっても性別の違いで成長したときの体格が違ってきます。どんな猫種でもオスの方が大きな体となることを理解しておきましょう。
また、オスかメスかで性格の傾向が違ってきます。
オスは「元気いっぱい・人懐っこい・甘えたがり」、メスは「穏やか・気まぐれ・内気」などと言われています。
猫とたくさんじゃれあいたいというなら「オス」、おしとやかな猫と暮らしたいなら「メス」と、理想とする性格も初めての猫を飼うときに考慮しましょう。
◆どの猫種を飼う?~純血種or雑種~
猫種登録されている猫は、「見た目の特徴・性格」などが飼うまえから分かりやすいでしょう。
一方、ルーツが分からないような雑種の猫ちゃんは、飼う段階(子猫)では成長したときの姿や性格が分かりにくい特徴があります。
◆毛の長さはどうする?~長毛or短毛~
エレガントな雰囲気の長毛の猫、すっきりとした見た目の短毛の猫、基本的にはどちらかに分類されます。見た目が優雅な長毛の猫は、ぬいぐるいみのような可愛さに惹きつけられるもの。
ただ、ふだんから毛が抜けるので、初めて飼う人は抜け毛の量にビックリすることもあるでしょう。
お手入れ頻度も高く、お掃除も大変なので、初めて飼うときには短毛の方が合っているかもしれません。
猫の健康について責任を持とう
飼い猫として迎え入れたら、一生守らなければなりません。体調管理や健康管理は飼い主さんの責任です。
◆必要なお手入れをしっかり行う
猫は自分で身なりを整えられないので、ブラッシングや歯磨き、耳掃除など、体のお手入れは飼い主さんの仕事です。
◆健康診断&ワクチン接種は飼い主の責任
愛猫と長く一緒に暮らすため、健康管理は飼い主さんの責任です。定期的な健康診断、必要なワクチン接種など、病気予防のために欠かさず受けるようにしましょう。
猫を飼ったら“猫中心”の室内にしよう
猫が安心して暮らせるように、猫に合せた室内を作ってあげましょう。
◆やはり「完全室内飼い」がいいの?
最近は、室外に出さずに飼育する「完全室内飼い」の人が増えています。
外への出入りをシャットアウトすることで、伝染病や交通事故、寄生虫、迷子のリスクを減らすことができます。また、繁殖期には望まぬ妊娠を防ぐことができるでしょう。
完全室内飼いにすると「家のなかだけの飼育は窮屈なのでは?」と心配かもしれません。でも、愛猫が動けるように室内を整えれば、猫ちゃん的にも実は快適と感じていることが多いです。
運動不足解消のためにキャットタワーや猫用オモチャで、ストレスをためない環境作りをしましょう。
◆環境作りで気をつけるべきこと
ハンター気質が強い猫は、家のなかでも好奇心旺盛に動きたがります。冒険心が強い性格の子だと、家のなかであっても事故に遭うことも…。
特に気をつけたいのが、水が張ったままの浴槽や衣類の入った洗濯機など。思わぬ事故に繋がることもあります。
初めて飼うときには、蓋を閉めておく、出入りできないようにドアを閉めておくなどの対策をしておきましょう。
まとめ
猫には、「可愛い・癒される・フワフワしている・触り心地がいい」など、たくさんの魅力があります。仕事や学校から疲れて帰ってきたときに、そんな可愛い猫と触れ合える時間があるなんて素敵なことですよね。心がスーッと癒されるのを感じるかと思います。初めて飼う人は、そんな「癒し」を求めているかもしれません。
しかし、生きている動物を飼うことは、「責任」も伴わなければなりません。
今回、お話した猫に関する心得は、どれも大事なことばかりです。飼った後に「思ったより飼育が難しい」「飼えなくなった」ということにならないため、慎重に考えていきましょう。
猫を飼う心得を知ったうで迎えた猫のことは、命がある限り「愛情」と「責任」を持って一緒に過ごしていってくださいね。
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