1.捨て猫を拾う前に確認すること
1-1.生後間もない子猫は捨て猫や野良猫の場合が多い
1-2.捨て猫ではなく飼い猫、迷い猫の場合も
4.捨て猫を拾ったら③捨て猫に元気があるようなら食事を与える
6.捨て猫を拾ったら⑤ノミの駆除をする
6-1.ノミはどうやって駆除する?
6-2.ノミ駆除の応急処置方法
捨て猫を拾う前に確認すること
捨て猫を拾ったら、まずは捨て猫か飼い猫(迷い猫)、または野良猫なのかを見極めましょう。
◆生後間もない子猫は捨て猫や野良猫の場合が多い
子猫の場合、人間によって捨てられた捨て猫の場合と、母猫とはぐれてしまった野良猫の場合などがあります。
例えば、ダンボールやビニール袋に入れられ、置き去りにされている場合は、人間によって捨てられた捨て猫と言っていいでしょう。保護が必要になります。
また、毛艶が悪く、ガリガリに痩せている、子猫でもダンボール等に入れられていない場合は、野良猫の可能があります。近くに母猫がいないか確認してみましょう。
母猫とはぐれてしまった子猫はひとりでは生きていけないため、場合によっては保護が必要になります。
◆捨て猫ではなく飼い猫、迷い猫の場合も
首輪をしている、人懐っこく、健康的な体格、毛並みが良い猫の場合は、捨て猫ではなく外飼いの飼い猫です。首輪をしていたり、きれいな毛並みをしている猫は、飼い猫のお散歩中と判断できます。
ただし、首輪をしていても毛並みが悪く汚れていたら、迷い猫かも?近くに貼り紙があったり、交番や保健所に届け出している場合もあるので確認してみましょう。
地域の保護猫ボランティア団体があれば、情報を保有している可能性もあるので、そちらにも問い合わせてみてください。
飼い猫が外に出たきり帰って来ず、心配している飼い主さんに安心してもらえたら何よりですね。
捨て猫を拾ったら①健康状態のチェック
捨て猫を拾ったら、最初にすることは「健康状態のチェック」です。
自分でできるチェックとしては、
・極端に体が冷えていないか
・目ヤニや鼻水が出ていないか
・ノミがついていないか
・下痢をしていないか
などがあります。外傷があったり、グッタリしているようならすぐに動物病院で診てもらいましょう。
捨て猫の場合は、お腹の中に寄生虫がいたり、ノミを持っている可能性が非常に高いです。子猫の場合は特に体調が変化しやすいため、できるだけ早く一度獣医さんに見てもらうようにしましょう。
また、捨て猫は免疫力が低いので、感染症や猫風邪にかかっていることがあります。目ヤニや鼻水が出ていたら、応急処置として、湿らせたガーゼやコットンで優しくふいてあげましょう。
その後は獣医さんに診てもらえば適切な処置をしてくれます。
捨て猫を拾ったら②寝床を作って保温する
捨て猫を拾ったら、寝床を作ってあげましょう。
特に、生後間もない猫は「保温」が必要です。ダンボールにバスタオルや不要になった洋服などを敷き、暖かい寝床を作ってあげましょう。
ペットボトルにお湯を入れた湯たんぽや人用のカイロを用意します。その際、カイロや湯たんぽでやけどをしないよう、タオルなどで包んで体に直接触れないよう寝床に置いてあげてください。
また、生まれたての猫は数時間おきの授乳が必要になります。授乳のついでにペットボトルのお湯を替え、温かい寝床を確保してあげてください。
先住猫がいない場合、夏場はエアコンで冷えてない部屋、冬場は暖房の効いた温かい部屋に寝床を置いてあげると良いですね。
捨て猫を拾ったら③捨て猫に元気があるようなら食事を与える
捨て猫は保護されるまで、まともに食事も摂れず栄養が不足している状態です。拾ったら、すぐに食事を用意しましょう。
成猫ならドライタイプの餌でも与えれば食べてくれると思いますが、生後間もない子猫には猫用ミルクを与えます。
最近はペットショップの他に、ドラッグストアにも猫用のミルクが置いてあります。人用の牛乳ではなく、必ず、猫用のミルクをあげましょう。
猫用のミルクを与えても飲まない場合は、ウェットタイプの子猫用の餌を与えてください。
我が家の3男猫も、拾った当初は生後3週間ほどの細くて小さな猫でした。他2匹を授乳から育てた経験から、てっきり赤ちゃんだと思い込み、ミルクと哺乳瓶を買ってきて与えたのですが、一向に飲んでくれませんでした。
翌日、病院に連れていくと生後4~5か月になっていると診断され、子猫用のカリカリ餌をおかわりして食べていたと聞かされました。
このように捨て猫は見た目では判断できないこともありますので、どちらにしても対応できるようにしておけば慌てずにすみますね。
捨て猫を拾ったら④排泄を促す
子猫の排泄は、普通母猫が教えますが、捨て猫が生まれたてだった場合、排泄の仕方を教わっていません。一度教えるとすぐにできるようになりますので、排泄の方法を教えてあげましょう。
方法は簡単です。最初にトイレを作ります。猫トイレの砂がなければ、新聞紙を細く切って浅めのダンボールや容器に入れ敷き詰めます。
猫をダンボールに移動させ、湿らせたティッシュで陰部をチョンチョンと刺激してあげると排泄します。
オシッコのついたティッシュは捨てずに新聞紙の上に置いておくと、猫はそこがトイレだと学び、次からは自分でトイレに入り排泄するようになります。
子猫のうちはウンチがスムーズに出ない子もいますが、肛門にティッシュをあて、ティッシュの上から指で優しく刺激します。
たいていこの方法でウンチもしますが、便が固くなっていて出にくくなっていることもあるので、数日ウンチが出なければ動物病院で摘便してもらいましょう。
捨て猫が下痢をしている場合、お腹に寄生虫がいる可能性があります。獣医さんで薬を処方してもらいましょう。
捨て猫を拾ったら⑤ノミの駆除をする
ノミ除け対策をしていない捨て猫にノミが生息するのは当然のこと。捨て猫を拾ったら、必ずノミがいると思ってください。
◆ノミはどうやって駆除する?
猫の毛をかき分け、生え際に楊枝の先ほどの黒い塊があったら、それがノミの糞です。さらに毛をかき分けてみればノミが毛の中を逃げて行くのがわかります。
ノミを手でつまんで爪で挟んでつぶす…という捕り方もありますが、ノミの逃げ足は速い上に、どのくらいいるのかわからないノミをこの方法で駆除するのは根気が必要です。
また、ノミをつぶすと卵が散らばってしまう恐れもあります。
◆ノミ駆除の応急処置方法
そこで、簡単にノミを退治する方法をひとつ。ただし、捨て猫が元気に鳴いていて、自力でご飯を食べるような体力のある場合のみ出来る駆除です。生まれてすぐの捨て猫や、弱っている猫には適用しませんのでご注意ください。
バケツや洗面器に38度~39度くらいのお湯をはり、猫を浸けます。このとき顔は出したまま、耳にお湯が入らないよう注意してください。人間で例えると、湯船に浸かっているような感じです。
猫はお湯の中から出たがりますが、両手で優しく包んだまま入浴させてください。
しばらくすると仮死状態になったノミが浮かんできます。浮いてきたノミは中性洗剤や漂白剤を溶かした水に浸けてから処理します。
この時、猫に洗剤や漂白剤が入った水がかからないように気をつけてください。
この方法ですべてのノミが駆除できるわけではありませんが、先住猫がいてノミを移したくない場合や、すぐに動物病院に連れて行くことができないときの応急処置です。
ノミが原因で貧血になっている捨て猫もいます。捨て猫を拾い保護したら、動物病院でのノミ駆除をおすすめします。
また、ノミ駆除だけではなく、ワクチンの接種や病気の有無、去勢避妊手術など、1年以内にするべきことがあります。捨て猫を拾ったら数日中には獣医さんに診てもらいましょう。
捨て猫を拾ったけど、一時的にしか保護できない場合
捨て猫を見捨てることができず拾ったものの、猫アレルギーを持っている家族がいたり、何かしらの事情で保護した猫を家族として迎え入れることができないこともあります。
◆動物病院の掲示板やSNSを利用して里親を探す
そのような時は、動物病院で里親募集をしてもらえることがあるので、最初の受診時に獣医さんに伝えておきましょう。
ほかにも里親募集の掲示板サイトの利用、SNSからの拡散などさまざまな方法があります。
本来なら、動物病院に訪れた人や自分の知り合いなどに引き取ってもらうことが理想ですが、タイミングもあり、里親がなかなか見つからないこともあります。
並行してインターネットを利用すればさらに効率的ですが、インターネットでの里親を探しは危険が伴うこともあります。過去には掲示板サイトの里親募集で引き取った猫を虐待し、動画で公開していた人が逮捕されるという事件がありました。
譲渡する時点では、猫好きや優しい人を演じていたり、素性や目的がわからないのが実情です。インターネットでの譲渡は、身元証明の提出やトライアル期間を設けたり、譲渡してからの報告を義務付け、里親に出した猫が幸せになれるよう行先は慎重に進めてください。
捨て猫を拾ったのはいいけど、里親まで探している時間はないという場合は、保護猫団体で預かってくれることもあるので相談してみてください。
最後に…
捨て猫を見かけても「拾っても飼うことができないから…」と見捨てるのではなく、一時的な保護だけでも、できる範囲でしてほしいのが願いです。
育児放棄や母猫とはぐれてしまい捨て猫になってしまった子猫。飼われていたのに人の手によって捨てられてしまった猫。その捨て猫たちの行く末は悲しい現状です。
小さな命に罪はありません。捨て猫が悲しい結末を迎えるよりも、幸せになってくれたらうれしいですよね。
もし捨て猫を拾い保護したら、終生家族として責任を持って飼ってもらえるのが保護された猫にとっても理想的です。
捨て猫を拾ったらやるべきことがたくさんありますが、手をかけた子猫は愛おしく、深い絆で結ばれます。自分を親猫のように懐いてくる姿も可愛くて癒されます。捨て猫を見つけたら、どうか見捨てずにお願いします。
ライター/Uera
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