猫にはよく鳴く猫と鳴かない猫がいる?
集合住宅などで猫を飼いたいと思った場合、あまり鳴かない子の方が一緒に暮らしやすいのではないかな、と思いますよね。
基本的に、猫は犬ほど鳴きません。猫が人間に対して鳴くときは、何かを要求しているときです。
ただし、個体によって主張が強い弱いはまちまちですが、猫の種類によって、よく鳴く猫、あまり鳴かない猫というものもいます。
猫の中でも、大人しくおっとりした性格の種類の猫は、あまり鳴かないとも言えるでしょう。特に、長毛種の猫の種類はおっとりした性格の子が多いです。
もちろん毛の短い種類の猫でも、大人しい性格の子もちゃんといます。
あまり鳴かない猫の種類5選!
それでは、あまり鳴かないといわれる猫の種類を紹介していきたいと思います。
◆あまり鳴かない猫の種類①ペルシャ
長毛種の代表格、猫の王様とも呼ばれるペルシャは、とても大らかで温和な性格の持ち主です。
元気に遊ぶというよりは、優雅にゆったりと落ち着いて過ごすことを好みますので、落ち着いた暮らしが望める猫と言えるでしょう。
◆あまり鳴かない猫の種類②エキゾチックショートヘア
ペルシャの血を引くエキゾチックショートヘアは、好奇心や茶目っ気を持ちながらも、優しい性格で愛情深い種類の猫です。
置物のような美しさを持つだけでなく、活発な一面を持ち合わせているのは、アメリカンショートヘアーの血を引いているからでもあります。
ペルシャの血を引くだけであって、基本的には落ち着いているので、あまり鳴かない猫と言えるでしょう。
◆あまり鳴かない猫の種類③ヒマラヤン
ヒマラヤンもペルシャの血を引く種類なので、穏やかで落ち着いた性格です。
活発なのは若い時期だけとなり、成猫になるとくつろいで過ごすことを好みます。しつこくなく、さりげない甘え上手な性格でもあるので、必要最低限にしか鳴かない傾向にあります。
◆あまり鳴かない猫の種類④ロシアンブルー
ボイスレスキャットと呼ばれることもある「ロシアンブルー」ですが、短毛の種類でありながらめったに鳴くことはありません。
信頼のおける飼い主にはよく懐いて従順な対応をしてくれますが、基本的には人見知りで神経質な一面も持っています。
◆あまり鳴かない猫の種類⑤アビシニアン
こちらも短毛の種類ですが、性格はとても元気で活発です。アビシニアンは大きな声では鳴かず、鈴を転がしたような美しい声で鳴くことで知られています。
そのため、鳴かないというよりは、鳴き声が静かなので、室内飼いに向いている種類と言えるでしょう。
鳴かない猫とよく鳴く猫がいるのはなぜ?
遺伝によって色や模様が決まる猫ですが、鳴かない子と鳴く子が存在するのにも遺伝が関係したりするのでしょうか。
個体によってそれぞれ性格や模様は違いますし、あまり鳴かない猫がいたとしても、それほど不思議なことではないのかもしれません。
では、鳴かない子とよく鳴く子には、どんな秘密が隠されているのでしょうか。
◆あまり鳴かない猫の秘密
家猫と違い、野生の野良猫はあまり鳴かない傾向にあるように思えます。
野良猫は、基本的に猫同士のコミュニケーションは声ではなく、ボディランゲージや匂いのやり取りで行います。やたらむやみに鳴き声を出してしまうと、その声で敵に気付かれ、襲われてしまう危険性があるということを、子猫のときに母親から教えてもらうからです。
また、野良猫は単独行動を好み、獲物も自分自身で捕獲しなくてはいけません。
極力声を出すことを控えて昔から生活してきたこともあり、自然と鳴かない野良猫が増えていったと言えるのではないでしょうか。
もちろん家猫でも、あまり鳴かない子はいます。それは種類であったり、鳴くのが苦手だったり、性格的に自己表現が出来ない子が存在することも事実です。
そして、病気や老衰で鳴けなくなってしまう場合もありますので、家猫が普段に比べて鳴かない場合は、しっかりと原因を追究してあげましょう。
◆よく鳴く猫の秘密
野良猫とは逆に、家猫は言葉の通じない人間とコミュニケーションを取るために、必死に自分の言葉でアピールをします。猫と一緒に生活をしていくと、猫が鳴くと何を求めているのかが分かるという方も多くいらっしゃいますね。
言葉の通じない人間に対して、猫が「ニャー」と声を掛けるときに多いのが、何かを要求するときです。例えば、お腹がすいたとき、トイレが汚れているとき、遊んで欲しいとき、甘えたいときなどなど。
それ以外にも飼い主への挨拶や、怒っていたりストレスを感じていたりするときに、よく鳴く子もいます。
そして、猫が最もよく鳴くのが、1年の内に2~3回あると言われている発情期の季節です。この時期の鳴き声は、自分の子孫を残したい本能から来るものなので、遠くにいる異性にも聞こえるように普段聞くことのないような大きな声で鳴くのです。
また、怪我や病気で身体に痛みがあるときにも、声を出して訴えることもよくあります。
鳴かない鳴き声「サイレントニャー」とは?
「サイレントニャー」という言葉をご存知でしょうか?おうちの猫ちゃんがあまり鳴かないようにみえても、実はこのサイレントニャーで気持ちを伝えてきているかもしれません。
◆サイレントニャーは高周波の鳴き声
サイレントニャーとは、口の形は「ニャー」と言っているのに、音が出ず声になっていない鳴き声のことを言います。
普段よく鳴く子であれば、失声症にでもなってしまったのかと心配になってしまうところですが、心配は無用です。サイレントニャーは、猫にとってはちゃんとした鳴き声であり、高周波でしっかりと声を出しているのです。
一般的に人間が聞き取れる音域は、約20,000Hz(ヘルツ)と言われていますが、犬は人間の2倍にあたる約40,000hz、そして猫は更にその上を行く60,000Hz~100,000Hzもの高音を聞き分けられると言われています。
そのため、猫にとってはしっかりと声を出して鳴いているのですが、人間にとっては「声を出すのを忘れちゃったのかな?」と勘違いしてしまうのがサイレントニャーなのです。
◆サイレントニャーの意味4つ!
では、敢えて飼い主に対して高音で鳴く猫の気持ちというのは、どんな心理の表れなのでしょうか。
サイレントニャーは、元々子猫が母親に甘えるときに出す鳴き声だと言われています。
人間とはいえ、一緒に暮らせば猫にとっては家族も同然なので、母親に甘えていたときのような気持ちになって、人に甘えてきたとしても不思議ではありません。
サイレントニャーは猫にとって、最高の愛情と信頼の証なのです。
喉笛を鳴らしたり、目を細めてサイレントニャーをしてくれたりしたのなら、思う存分甘えさせてあげましょう。
ウトウトと眠いときに人から話しかけられると、稀にサイレントニャーで返事をしてくれる子もいます。本当はちゃんと人間に聞こえる声で鳴きたいと思っているのかもしれませんが、人の耳には届かない音域で鳴いてしまうほど、眠いのかもしれません。
そんなときはそっと撫でて安心させてあげてから、ゆっくりと眠らせてあげてくださいね。
飼い主から声を掛けられ、返事をするのが面倒なときなどにもサイレントニャーをするようです。
猫は基本的に我が強い生き物なので、気分が乗らないときは飼い主に対してもそっけない態度をよく取ります。
しかし、どこか面倒でも「返事ぐらいしてやるか」的な気持ちで、返事をしてくれているのかもしれません。
本当に高音で鳴いているかどうかは、猫のみぞ知るといったところでしょうか。
何かに夢中になって遊んでいるときや、人の気配を感じなかった場所から急に人が出て来て目が合った際などにも、意表をつかれてサイレントニャーで鳴くことがあります。
人も吃驚すると、思うように声が出ないことってありますよね。
猫も感情を持っていますから、人間と同じように思うように鳴くことが出来なくても、何も不思議なことではないのです。
まとめ
「ニャー」と鳴くのが当たり前と思われている猫ですが、個体の性格や種類によってあまり鳴かない子も多く存在していることが分かりました。
自分の存在を敵に気付かれない様に生きてきたはずなのに、声を出して自分の要求を主張するようになったのは、人間とコミュニケーションをとりたいと願ってくれたからと思わずにはいられません。
その上、声の出ない「サイレントニャー」で鳴かれた日には、抱きしめたくなるほどキュンとしてしまうことでしょう。
どんなに鳴く子であっても人間の都合で抑制して鳴かせないのではなく、ちゃんとその子の要求を理解しようと心掛けるだけで、無駄鳴きを防ぐことだって出来るのです。
そして、鳴かない子であるのならば、そこに何かしらの原因があるのかをしっかり追究してあげましょう。
どんなことでも気付いてあげられるのは人間だけです。しっかりと猫の心の声に耳を傾けて、気持ちを理解してあげてみてください。
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