猫にとっての「留守番」とは?

◆猫は留守番が得意な動物
そもそも単独行動をする習性の猫にとって、留守番をすること自体はそれほど苦にならないものです。飼い猫として迎えられてからは「ここが自分のテリトリー」「自分の居場所」と分かっているので、その範囲内で誰にも邪魔されずに過ごす留守番の時間帯は「孤独」とは感じないのでしょう。
そういった背景もあって、猫は「一人暮らしの人」や「共働きの夫婦」など、外出時間が長い飼い主さんでも飼いやすい動物と言われています。
◆一方でストレスを感じることも…
ただ、野生の猫と比べると「生まれて間もなく人間と一緒の生活をする」というライフスタイルの飼い猫は、飼い主さんが外出すると多少は寂しさを感じます。親離れならぬ「飼い主さん離れ」ができない甘えん坊の性格の猫は、留守番が苦手なこともあります。
そんな猫ちゃんは、飼い主さん不在のストレスが体調に表われやすく、「仕事から帰宅したら猫が吐いていた」などもよくあるケースです。
とはいっても、基本的に慣れていけば、それも少なくなっていきます。「外出中の食事」「トイレの準備」「新鮮な水を置く」など、準備万端での留守番なら、何度も経験することで難なくこなす猫ちゃんが多いでしょう。
冬休みには猫と一緒にいたい!長期的な休みはどんな過ごし方をする?

仕事が忙しくて留守番をさせる時間が多い飼い主さんにとって、年末年始や冬休みなどの長い休みは猫との触れ合いを徹底的に楽しめる時間です。どんな過ごし方をすればいいのでしょうか。
◆猫とのコミュニケーションを取ろう
基本的に、猫は一日のうちの長い時間を寝て過ごします。それに、自由気ままでマイペースな猫ちゃんは、誰もいない空間でも比較的のんびりと過ごせています。
ただ、留守番時間が長引くと「暇だな」「つまらないな」と思っているので、飼い主さんが長期の休みで家にいる時間が長くなれば、それなりに嬉しい気分を感じているはずです。
飼い主さん側の気持ちとしては、いつもは寂しい思いをさせているからこそ、「一緒にたくさん遊びたい」「たくさんスキンップをしたい」といったところではないでしょうか。
でも、猫にとっては寝ている時間や一人の時間も大事。自分の生活リズムを大幅に乱されるほどの近すぎる距離感は、ストレスにも繋がります。特に、猫の睡眠時間は妨げないように注意しなければなりません。それを邪魔しないようにコミュニケーションを取るのがコツです。
猫との触れ合いは、「猫が飼い主さんへ近づいてきたとき」「遊んで欲しそうにしているとき」など、甘えた様子を見せたタイミングに留めておくと良さそうです。
長期休み以外の休日のときに、猫の一日の様子を観察しておくのもいいですね。
◆猫のオモチャを買ってあげよう
せっかくの長期休暇になるのですから、ふだんは遊べないような工夫をするといいですね。猫が喜ぶような新しいおもちゃを買ってあげてはどうでしょうか。
猫は基本的に一人でも遊べますが、一人遊び用のオモチャはふだんの留守番のときに遊び尽くしていて、ちょっと飽きているかもしれません。
「飼い主さん&猫ちゃん」の両者が参加できるような面白い新しいオモチャを見つけてあげてはいかがでしょう。
新しいオモチャをいくつか用意し、長期の休みにひとつひとつ小出しにして愛猫の「嬉しい表情」を引き出してあげてくださいね。
◆猫用オモチャを手作りしてみよう
市販のオモチャを新たに購入するのもいいですが、時間がある長期休みだからこそ「手作りおもちゃ」に挑戦してみるのもおすすめです。
毛糸や棒を使ったお手製猫じゃらし、ペットボトルに小粒のキャットフードを入れた知育玩具、穴を開けて出入り可能にした段ボールなど…、時間をかけて作ってみてはどうでしょう。
手作りオモチャを喜ぶ愛猫の姿を見るだけで、幸せな気分になりそうですね。
猫と冬休みを過ごす注意ポイント~猫のストレスに注意~

◆構い過ぎが飼い主さんへの依存へ…
一人暮らしで猫を飼っていると、飼い主さん不在のときは基本的に一人で過ごさなければなりません。飼い主さんが冬休みなどで長期休暇に入ると、猫もいつもの時間帯に飼い主さんが近くにいるので嬉しいことでしょう。
適度にコミュニケーションを取って、愛猫との時間を存分に過ごしたいものですね。
ただ、注意したいのがその後のこと。休みが長いほど「飼い主さんが近くにいる」「構ってくれる」が当たり前の生活になります。
そもそも甘えん坊の猫だと、留守番慣れで自由奔放に過ごしていたのに、飼い主さんへの依存度が長期休暇中に急激に高まってしまうかもしれません。飼い主さんの冬休みが終わった直後から、「飼い主さんが遊んでくれない」との不満によるストレスや寂しさのあまり、不調な様子を見せるケースもあるようです。
猫ちゃんの個体差にもよりますが、甘えん坊の性格なら注意が必要です。
◆適度な距離感を保ったお休みを
ベッタリ過ぎる過ごし方もいけませんが、だからと言ってまったくの放置はよくありません。適度な距離感をキープしつつ、休み終わりが近づいてきたころに再び留守番ができる体制にするのがおすすめです。
休み明けの留守番に備えて、距離感調整をしていきましょうね。
猫と冬休みを過ごす注意ポイント~子供の冬休みに考えておきたい注意点~

◆猫にとっても子供にとっても危険になることがある
子供の思いやりの心を育む教育のひとつにもなることから、子育て世帯でも猫を飼うケースが増えています。言葉の話せない猫に優しい気持ちを持ったり、「命の大切さ」に向き合える生活のなかで過ごすことができる貴重な体験です。
夫婦共働き、そして学校に通う子供の世帯であれば、ふだんはお留守番生活の猫ちゃん。冬になれば、学校が冬休みになるので、子供と猫の冬休みの過ごし方について考えておかなければならないこともあります。
中学生や高校生くらいの子供なら、猫についての理解度も深く、「猫に対してのNG行動」も理解しているケースが多いでしょう。冬休み中で両親が不在にするとき、猫の世話を頼んでも問題ないかもしれませんね。
ただ、注意したいのは小学生以下の年代の子供達です。猫にとっても子供にとっても危険になることがあるので、しっかり伝えておきましょう。
◆子供の友達が来るときは猫のストレスになりやすい
冬休みになると、子供達もお友達同士で交流が深まるもの。「今日はこっち」「明日はあっち」とお互いの家を行き来して遊ぶことも多々あるのではないでしょうか。
ふだん、一人での留守番が多くて静かな環境で過ごしている猫にとって、たくさんの人間がやってくる環境はかなりのストレスとなるでしょう。
子供たちの賑やかな声やはしゃぐ行動など、「いつもと違う」と心の負担が大きくなりそうです。
しかも、遊びに来たお友達は、猫を飼っていないと猫の習性をまったく理解していないでしょう。なかには、「猫を見るのが初めて」というお友達もいるかもしれません。
「可愛い」「抱っこしたい」と構おうとするパターンもあるかと思いますが、知らない他人から触られそうになるのは、猫にとってはストレスでしかありません。
子供の友達にしてみると「可愛いから触りたい」と手を伸ばす行動も、猫にとっては「攻撃されそう!敵かもしれない!」という感じ。身を守るためにパンチをしたり、爪で引っかいたりするかもしれません。
親のいないところで、猫ちゃんが子供の友達にケガをさせてしまっては大変ですよね。
親が不在で子供達だけのときには、猫のためには、お友達を呼ばないようにと教えておくことが大事です。
◆猫をびっくりさせることはNGと伝えておく
同じ人間でも、大人と子供では、猫が持つ相手への心象が違うようです。小さい子供はテンションが高くて、ひとつひとつの行動が大きいので苦手意識を持つケースも多々あります。
子供たちが、スキンシップをしたいからと追いかけるのは、猫にとっては「敵に追いかけられている」という感じ。頭を撫でようとした子供の手が顔の前に来ると、猫は「攻撃されそう!」とビックリするものです。
「猫を可愛がりたい」という子供の行動は、ときには猫にとっては「敵なのではないか」と大きな不安となるでしょう。
子供の年齢にもよりますが、ふだんから猫との触れ合い方をしっかり教えておく必要があります。
◆窓や玄関の開閉に注意させる
冬なので窓を開けることはないと思いますが、玄関の出入りには気をつけさせましょう。子供がちょっと家の外に行くときに、後ろからついてきた猫が家の外に出てしまうリスクもあります。
出かけるときには、猫が外に出ないように扉の開閉は慎重にと伝えておいてくださいね。
◆お菓子の食べ残しに注意させよう
冬休みで親がいないと、子供達は自由に過ごしたがるもの。スナック菓子やチョコレートなど、ついついたくさん手を出してしまうこともあるかもしれません。
でも、お菓子の袋や箱を広げたまま、何かを思い出して別の場所にいったりするなど、子供は注意力が散漫なことが多いものですよね。
食べかけのお菓子に興味を持った猫が「美味しそうなもの発見」と食べてしまうかもしれません。
お菓子だけにかぎらず、昼食後の食べ残しをそのままにして、猫の体に危険を及ぼすものがあれば、それを食べた猫が体調を崩す可能性も…。
子供と猫だけで留守番させるときには、食べかけのものをそのままにしないことを教えておきましょう。
また、猫の安全のために、ふだんから「猫に食べさせては危険なもの」を教えておくのも大事なことです。
◆暖房器具に注意する
寒いからと暖房の温度を暑くし過ぎないように教えておきましょう。暑い空気は部屋の上部に溜まりますが、キャットタワーや家具のうえなど、部屋の上部分にいることが多い猫ちゃんにとっては不快に感じるかもしれません。
また、つけっぱなしのコタツのなかで、猫が低温やけどや脱水症状に陥ることも。
設定を弱にする、ときどき消すなど、注意しなければなりません。
子供の冬休みになる前には、暖房器具が猫の体調を崩すリスクもあると教えておきましょう。
◆猫専用ケージを準備しておく
子供の冬休みに、「猫の習性」をきちんと理解できないような小さい子供と猫だけにするのが心配なこともあるでしょう。そんなときには、専用のケージを用意しておくのもいいかもしれません。
ケージのなかには、猫が眠れるベッド、トイレ、新鮮な水を入れてあげます。食事の準備だけを子供に頼めば、子供も「猫のお世話のため」と責任感が芽生えて頑張るかと思います。
ただ、子供が冬休みに突入するタイミングでいきなりケージ生活をさせようとしても、猫的にはストレスでしかありません。ふだんから、猫が「一人になりたい」「落ち着く」と心を許せる場所として、スペースを準備しておくといいかもしれませんね。
まとめ
ふだん留守番が多ければ、猫と過ごせる時間が多くなる長期休暇が楽しみですよね。でも、あまりにも猫に干渉し過ぎると、長い休みが終わった直後に猫の寂しさが倍増します。
適度な距離感を保って、愛情を注いであげてくださいね。
また、子供がいる家庭なら、冬休みの猫と子供だけの日々にも配慮が必要です。ふだんから猫の習性を家族みんなで話し、猫の安全と健康のため特に気をつけて欲しいことを教えておきましょう。
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