キトンブルーとは?子猫の目の色が青い理由と変化するしくみ

2018.12.14

キトンブルーとは?子猫の目の色が青い理由と変化するしくみ

キトンブルーとは、直訳すると「子猫の青」ということで、子猫の青い目のことを言います。実は猫は皆、子猫のころは目の色が青く、キトンブルーだったのです。成長するにつれて、猫の目の色は変化して、それぞれの目の色になっていきます。 子猫の目の色、キトンブルーとはどのようなものか、どうして猫の目の色が変化するのかについてご紹介します。また、子猫のころはキトンブルーでも、成長した猫には色々な目の色があります。猫の目の色の種類についてもご紹介します。

子猫の目の色「キトンブルー」とは?

キトンブルー02

キトンブルーとは、「Kitten Blue=子猫の青」ということで、子猫時代の青色の目の色のことを指します。猫は皆、生まれてからある一定の期間は、目の色がこのキトンブルーという青色をしているのです。

◆猫の目の色のしくみ

猫の目は、「虹彩(こうさい)」という部分が大きい割合を占めていて、人間の白目にあたる部分は見えません。

この虹彩は、ある薄い膜で角膜と水晶体の間にあり、瞳孔の大きさを調節することで、網膜に入る光の量を変える働きをする組織です。猫の目の色は、この虹彩の部分の色のことを言います。

子猫の時には、虹彩部分が青く見えますが、これは子猫の頃だけの特有の目の色なため、キトンブルーと呼ばれています。

◆子猫の目が青い理由

子猫の目がキトンブルーである理由として、生まれて間もない子猫は、虹彩の色素が極端に少ないことがあげられます。

この少量のメラニン色素は、長い波長である赤やオレンジの光を吸収し、短い波長の青色や紫色を散乱するため、人間が見ると、猫の目が青く見えるのです。この現象は「レイリー散乱」と呼ばれます。
子猫がキトンブルーの青い目をしているのは、ブルーの色素があるからということではないわけですね。

空が青く見えるのも、このレイリー散乱のためです。子猫のキトンブルーは、空の色と言っても良いかもしれませんね。

◆成猫でも青い目の色の猫がいる

ペルシャヒマラヤンサイアミーズ(シャム猫)バリニーズは、子猫の時にキトンブルーなだけでなく、成猫でも青い目の色を持つ猫です。

この猫種たちの目が青いのも、レイリー散乱のためです。

◆キトンブルーにも様々な個性がある

キトンブルーにも個体差があり、真っ青なブルーから、少し灰色がかったブルーまで多少の幅があります。

生まれたばかりの頃は灰色のようなキトンブルーでも、成長するにつれて明るいキトンブルーになったということもあるようです。


猫の目の色が変化する理由とは?

キトンブルー 03

では、なぜキトンブルーだった猫の目の色は、成猫になるにつれて変化するのでしょうか。

◆成長と共に本来の色素に戻る

子猫が生まれたばかりの頃は、虹彩にあるメラニン色素が少なく、この色素が青色の光の波長を散乱するために、キトンブルーに見えます。

そして、成長していくにつれて色素がついてきて、本来の目の色になるために、目の色がキトンブルーから他の色に変化したように見えるのです。

また、この期間が案外短いため、小さい頃はキトンブルーだったのに、いつの間にか目の色が変わっていた、ということになるのですね。

◆目の色が変化するのはいつ頃から?

子猫は、生後10日ごろから目が開き始めます。目が開くと、子猫の目の色はキトンブルーになっていることがわかります。

そのまま子猫は成長し、生後3~4週が、キトンブルーがいちばん綺麗に見える頃と言っても良いでしょう。同じ頃から子猫の虹彩には色素がつき始め、キトンブルーが徐々に本来の成猫になった時の目の色になっていきます。

生後6週~2ヶ月になる頃までには、キトンブルーからそれぞれのもつ目の色になっていき、生後6ヶ月~1年までで成猫の目の色に落ち着くと言われています。

キトンブルーは、子猫時代という短い期間だけの特徴的な色だと言えますね。


子猫のキトンブルーはどんな時に見える?

子猫のキトンブルーの瞳を見るには、どのような時がおすすめなのでしょうか。まずは、猫の瞳孔が動く仕組みについて知りましょう。

◆猫の瞳孔とは?

猫の瞳孔は、カメラの絞りにあたる部分です。瞳孔を開閉することで、目の網膜に入る光を調節しています。

人間の瞳孔は丸く開閉しますが、猫の瞳孔は縦長に開閉します。瞳孔が一番大きくなった時にはまん丸になりますが、小さくなった時には細く縦長になります。

◆猫の瞳孔が開閉するしくみ

猫の瞳孔を調節しているのは、瞳孔の周りにある「瞳孔括約筋」という筋肉です。猫の瞳孔括約筋は上下に長くなっており、収縮すると左右から縦長に締まって行くので、瞳孔が細くなります。

猫の瞳孔が開く時には、左右に付着している「瞳孔散大筋」という筋肉が主に働きます。

瞳孔が細くなった時には、猫の虹彩部分が多く見えるので、猫の目の色がわかりやすくなります。これは、子猫の頃のキトンブルーの時期でも同じです。

ただ、目が開いたばかりの子猫は、数日はうまく光の調整ができないので、暗いところに移動したり、目を前足で覆ったりするなどまぶしがる様子も見られます。

◆キトンブルーは明るい時やリラックス時に見えやすい

猫の瞳孔を小さくする瞳孔括約筋は、副交感神経の支配を受けていて、リラックスしたときに優位に働きます。

一方で瞳孔を大きくする瞳孔散大筋は、交感神経の支配を受けていて、緊張したときに優位になります。これらは自律神経系なので、猫が自分の意思で動かすことはできません。

猫の瞳孔の変化を左右するのは、リラックスするか緊張しているかという感情と、外界からの光の量によることになります。

子猫のキトンブルーをよく見たい時には、明るい時や子猫がリラックスしている時にすると良いかも知れませんね。


猫の目の色の種類は?

猫の目の色は、猫がもつ虹彩の色で決まります。

◆基本的な猫の目の色の種類

キトンブルーから成長して変化した猫の目の色の種類は、よく見られる種類では次のようなものがあります。

・ブルー
・グリーン
・ヘーゼル
・アンバー
・カッパー

上の方にあるものはメラニン色素が少なく、下の方にいくにつれてメラニン色素が多くなっています。

ブルー

ブルーの目のバリニーズjpg

人間が見える光、可視光線は、波長の短いものが青や紫に見え、波長の長いものはオレンジや赤に見えます。

猫の虹彩のメラニン色素が少ないと、メラニン色素が波長の長い光を吸収し、波長の短い光をより強く散乱するため、ブルーに見えます。

子猫の目の色に代表されるキトンブルー、またペルシャ、サイアミーズなどの猫種の目の色があげられます。

ちなみに、純血のサイアミーズは、目の色がサファイアブルーであることが条件となっています。

グリーン

グリーンの目の猫

キトンブルーと同様にメラニン色素が少ない場合に現れる猫の目の色です。

猫の目の虹彩に含まれる少量のメラニン色素が、可視光線の中に含まれる長い波長を吸収して、短い波長(青や緑)を優先的に散乱させるので、グリーンに見えます。

猫種でいうと、ロシアンブルー、ベンガルなどがグリーンの目の色をしています。
特にロシアンブルーは、グリーンの目の色だけがロシアンブルーと認められています。

ヘーゼル

ヘーゼルの目の色の猫

ヘーゼルは、まさにヘーゼルナッツのような薄めのブラウンですが、猫の目の色の場合には、グリーンも混ざり、グラデーションになっています。

外側が濃い目のブラウンに近く、黒目の方に近づくにつれてグリーンとなり、その中間の大部分がヘーゼルの色となっています。

ブラウンの色が強いと、カッパーという目の色だと判断されることもあります。

アンバー

アンバーの目のグレー猫

アンバーは、琥珀色で、イエローの単一色となっています。

猫の目の色では、薄めのアンバーをイエロー、やや濃いアンバーをゴールドというふうに表現することもあります。

日光量が充分にある日本では、メラニン色素の多い褐色や黄色の目の猫が多くなると言われています。

カッパー

カッパーの目の色の猫

カッパーは、黄色よりも褐色ぎみで、銅の色ということになります。

虹彩にメラニン色素を多く含んでいて、長い波長の光と短い波長の光、どちらも吸収するので、猫の目の色としては黒っぽい色味になります。

黒っぽいと言っても人間の目のように黒になることはなく、琥珀色や銅色が濃くなるといった状態です。

ブリティッシュショートヘアや、ボンベイ、また日本猫もカッパーの目の色が多いとされています。

◆珍しい猫の目の色の種類

グリーンからカッパーまでの猫の目の色以外にも、猫の目の色は存在します。

レッド

猫の目の色のレッドとは、まさにうさぎのように赤く見える目の色のことです。

アルビノという突然変異の猫は、メラニン色素を作り出せないため、目の虹彩にも色がなく、血管が透けて赤く見えます。メラニン色素を作り出せないため、毛の色も白い猫となります。

白猫の全てがアルビノというわけではありませんので、レッドでない目の色を持つ白猫は普通の白猫ということです。

オッドアイ

オッドアイの白猫

日本では、金目銀目と呼ばれる、左右の色が違う猫の目の色で、正しくは「虹彩異色症」と言います。片方がブルー、もう片方がイエローなどの色をしているものが多くなります。

オッドアイの猫は、ブルーの目の方の耳に、とても高い確率で障害を持っていることがわかっています。

色素の欠乏に関係する遺伝子が、耳の中の内耳という部分の器官に影響を及ぼしているため、聴覚にも不具合が起きると考えられます。

白い猫のオッドアイや、メインクーン、ノルウェージャンフォレストキャットのオッドアイが多く見られます。

また、将来オッドアイになる猫も、子猫の頃にはキトンブルーで、成長するにつれて目の色が変化していきます。

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ダイクロイックアイ

ダイクロイックアイ= Dichroic eyeとは、1つの目に複数の色がある状態です。

中心型虹彩異色症、または扇型虹彩異色症とも呼ばれ、グラデーションのように徐々に変わる目の色ではなく、はっきりと色がわかれて見えるのがダイクロイックアイの特徴です。

中心型の方は真ん中と外側の色が分かれており、扇型は虹彩の一部が他と違う色をしています。

ダイクロイックアイは生まれつきそのような目の色をしているもので、多くはブルーとカッパーやアンバーとの組み合わせをしています。


猫の目の色のまとめ

猫の目の色とは、瞳孔のまわりの虹彩という部分の色を指して言います。中でも、キトンブルーは、子猫時代のほんの少しの期間、光彩がブルーの状態になる目の色のことです。

生まれて目があいた頃から、生後3週から4週までが、キトンブルーがとても綺麗に見える期間だとされます。子猫がキトンブルーの間は、生後約2ヶ月ということになります。

その後、色が変わり始め、生後約半年から1年までで、キトンブルーから成猫になる時の目の色に変化していきます。

成猫になってからも、明るい時やリラックスした時には、瞳孔が細くなるので、虹彩の色がよく見えますので、猫の目の色をよく観察することができます。

子猫の頃から飼うと、キトンブルーの時期と、成長してからの時期という、猫の目の色の変化を楽しむことができるわけですね。



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ネコ、犬、インコ、金魚などと暮らした経験を生かし、飼い主さんに役立つよ うな記事を作成しています。 ペット情報を日々チェックしながら、ペットについて勉強中です。かわいいペ ットをメインとしたイラスト作成もしています。


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