猫のひんやりマットの種類、選び方は?
平熱が高く毛皮をまとっている猫にとって、暑い季節は死活問題とも言えますよね。
猫は汗をかく部分が限られており、全身からはほとんど汗をかきません。そのため、身体を効率よく冷やすためのひんやりマットは素晴らしいアイテムだと言えます。
猫のひんやりマットにもいくつか種類がありますが、どんな物を選ぶべきなのでしょうか?
◆ジェルタイプのひんやりマット
市販されているひんやりマットの中でも、最も多く販売されているのがジェルタイプのマットです。ジェルが入ったマットはぷにぷにとした触り心地で、この触り心地が気に入る子も居るようです。
最近販売されている物の中には、マットにカバーが付いておりカバーを外して洗濯が出来る商品も販売されています。
常に清潔に保つことができ、安価で購入することの出来るジェルマットは利点も多いですが、猫が噛んだり引っ掻いたりしてしまうことによって、ジェルが漏れてしまうことも。誤って誤飲してしまえば大変危険です。
そして「エチレングリコール(不凍液)」という成分を使用している保冷剤も存在しているので、注意が必要です。エチレングリコールは猫にとって猛毒なので、誤飲してしまえば命を落としてしまうことも。
愛猫に使用するジェルタイプのマットを購入する際は、しっかりと成分などを確認して購入するようにしましょう。
◆アルミタイプのひんやりマット
猫用のひんやりマットはジェルタイプが一時期は主流となっていましたが、昨今ではアルミタイプの物も多く販売されるようになりました。
見た目は銀色でテカテカしていて、「こんな挑発的なデザインの物を愛猫が使うかしら…」と心配になってしまうものの、その機能性の高さから口コミも非常に高いです。
見た目についても猫は人間のように色の識別が出来ない上に、光やキラキラした物にも興味を示すことが多いので、意外とすんなり馴染んで使用してくれるようです。
お手入れ方法もラクで、収納場所にもスペースを取らないので、飼い主さんにとっても嬉しい商品と言えるでしょう。
裏に滑り止めが付いている商品もありますので、活発な子がいるご家庭では安全のためにも滑り止めが付いているものを選びましょう。
◆接触冷感タイプのひんやりマット
人間用のベッドマットなどでもよく目にする「接触冷感素材」は、温度が高いところから低いところに移動する熱の性質を利用した素材のひんやりマットになります。
接触冷感タイプのひんやりマットは、冷たさを感じられて素材もふんわりしているので、夏場でも柔らかいベッドで寝たいタイプの猫におすすめです。
◆大理石タイプのひんやりマット
アルミタイプと同様、大理石タイプのひんやりマットも最近では一般的になってきています。
方解石の結晶の集まりである大理石は、低温を保つ効果も高いです。そして自然素材のマットでもあるので、猫にとっても違和感なく使用出来ることでしょう。
ただ大理石は性質上、硬くて重いです。あまり大きい物を買ってしまうと、出し入れするだけでも億劫になってしまうので、愛猫に合ったサイズを選ぶようにしてください。
そして角が尖っていると猫にとっても飼い主さんにとっても危険なので、角が丸い物を選びましょう。
猫がひんやりマットに乗らない時の対策は?
飼い主さんが愛猫の暑さ対策にひんやりマットを用意してあげても、お気に召さずに乗らないことも多くあるようです。
無理矢理にでも乗せてしまえば、強制されたことに猫はストレスを感じ、更にひんやりマットを嫌がってしまうことでしょう。
猫がマットに乗らない場合には、以下のような対策をしてみてください。
◆マタタビやおやつで誘導する
愛猫のために購入したグッズは、何がなんでも使ってもらいたい!という気持ちに飼い主としてはなってしまうものですよね。
とにかくまずは猫の警戒心を解き、マットに乗らないのなら乗ってもらうことから始めなくてはいけません。
そのため、マタタビが好きな子であればマタタビをマットの上に置き、誘導してみてください。そのマットの上で気分が良くなれば、継続して使ってくれる可能性も高いです。
マタタビに興味を示さない子であれば、お気に入りのおやつで同様に誘導してあげましょう。そのうちに「ここに乗れば美味しいものをもらえる」と思うようになり、案外居心地よくなってくれるかもしれませんよ。
◆猫がよく寝ている場所に設置してみる
ひんやりマットに猫が乗らない場合には、設置する場所も大変重要になってきます。
夏場は特に猫にとって眠る場所が重要になってきますので、家の中のどこが快適なのかを探し、一番涼しく落ち着いて眠れる場所を探しているのです。飼い主さんが「何でこんなところで寝ているんだろう?」と思うような場所でも、猫にとっては快適な場所なのでしょう。
そのため、暑いときに限って猫が横になっている場所にひんやりマットを設置してみてください。その場所が気に入っているのなら、定位置として落ち着いてくれることでしょう。
◆猫がマットに乗ってくれるのをひたすら待つ
上記2つの対策を試みてもマットに乗らないようなのなら、猫がひんやりマットに乗ってくれるのをひたすら待ちましょう。
猫は自由奔放で気まぐれな性格です。今日興味を持たなかったとしても、明日には突然興味を持つなんてことも不思議ではないのです。
ひたすら待ってみても使用する様子が見られないのなら、猫を飼っている人や保護猫団体に譲渡するなどしても良いでしょう。
もしくは毎年夏の期間は出すようにし、いつか使ってくれるかも程度でのんびり考えておいても良いかもしれませんね。
ひんやりマット以外にできる猫の暑さ対策は?
ひんやりマットは使用してくれるかしてくれないかは、本当に猫それぞれと言えます。
ただ、マットを使用してくれないからと言って、暑さ対策を諦める必要はありません。猫が夏を乗り切るために、以下のような対策をしてあげましょう。
◆エアコンを使用して快適な温度を保つ
夏に必需品とも言えるエアコンは、常に一定の温度を保つことによって、猫も快適に過ごすことが出来ます。
人間は暑いと感じると一気に気温を下げ、身体を冷やしてから少しずつ温度を上げ、適温状態をキープしますが、猫にはその必要がありません。
猫が快適と感じる温度は28度前後となりますので、夏場の一番暑い時間帯(正午前から夕方ぐらいまで)は、この温度を保つようにしましょう。
飼い主さんが家を空ける場合も、カーテンを閉めて日差しを遮り、なるべくエアコンを付けたまま温度を保つようにして、留守番をさせてあげてください。
◆遮光カーテンを使う
夏の日差しはとても強いので、日中に多く光を取り込んでしまえば、その分室内の温度も上がってしまいます。いくら日向ぼっこが好きな猫でも、夏の日差しは大敵です。
もちろん普通のカーテンでもある程度は光の遮断が可能となりますが、遮光性の強い遮光カーテンは外の光を完全に塞いでくれるので、その効果だけで室内の温度が数度下がると言われています。
その分エアコンを使用した際に設定温度も上げることが出来るので、経済的な対策とも言えるでしょう。
◆室内のドアを開けておく
夏場の暑い時期は、猫も自分自身で涼しい場所を探し求めます。そのため、エアコンを付けている部屋が涼しいからといって、その部屋だけに閉じ込めるのは止めておきましょう。
なるべく家の中のどの部屋にも行き来が出来るように、部屋を仕切るドアは解放しておくと良いでしょう。その際、何かしらの衝動や風などでドアが閉まってしまうこともあるので、ドアストッパーで固定をしてくださいね。
◆飲み水を多めに用意しておく
猫はあまり水を飲まない動物ですが、夏場は気温も高く体温も上がるので喉が渇きやすいです。
水は常温であっても室温以上に熱くなることはないので、喉を潤わせてくれるのと同時に喉を水が通った瞬間にひんやりとした感覚が味わえることでしょう。
夏場や乾燥する季節である冬になると、水を多めに飲む子も居ますので、多く飲み水を用意しておいてあげるに越したことはないと言えるのではないでしょうか。
万が一、飼い主さんが留守中に水を溢してしまっては大変なので、何箇所かに分けて飲み水を設置しておいてあげましょう。
まとめ
猫にとって暑さは死活問題です。だからこそ猫のために出来る対策を飼い主さんは考えますが、猫にとっては有難迷惑なことも多いと言えるのかもしれません。
需要があるはずのひんやりマットも、気に入らなければ乗らないなんてことは不思議でも何でもないのです。猫が自由に涼しい場所を求めることが出来るような対策こそが、猫にとって一番有難い暑さ対策と言えるのかもしれません。
日頃から愛猫の行動や傾向を観察して、それに見合った対策をすることを心掛けましょう。
– おすすめ記事 –
・一人暮らしでの猫を飼う方必見。夏の留守番対策、やっていけないことまとめ。 |
・猫が扇風機好きな理由とは?安全な扇風機の使い方と夏の暑さ対策について |
・猫が夏バテでご飯を食べない!夏バテの症状・対策とフードにできる工夫とは? |
・【獣医師監修】猫の熱中症の原因・症状・応急処置~留守番時の対策は? |