飼いにくい猫ちゃん達5選!
飼いにくい猫と言われている猫ちゃんでも、飼い主さんが猫の特徴や性格を踏まえたうえで迎えれば、猫は幸せに暮らせます。
飼いにくい猫は、身体や性格、住環境にちょっとした気づかいが必要なケースが多いもの。まずは、そんな猫たちを紹介していきます。
◆飼いにくい猫①シャム猫(サイアミーズ)
シャム猫は、上品な見た目が人気の猫。飼いたい猫のなかでもランキングに名前があがる人気の猫ちゃんです。
吸い込まれるような美しい青い瞳、シルクタッチの艶やかな被毛、スリムで小柄なバランスの良い体型が、見ている人の心を和ませてくれますよね。シャム猫と聞いたとき、エレガントで品の良い猫というイメージを抱くのではないでしょうか。
人気のシャム猫ですが、飼いにくいと言われる傾向にあります。
一見、スレンダーで小柄なシャム猫。実は、結構筋肉がついていてアクティブ系です。持ち前の運動神経の良さを発揮し、かなり活動的な毎日を過ごすでしょう。
良く言えば「元気がよい」ですが、言い方を変えれば「ダイナミック」。高いところに上がっては降りるという動作をしたり、高所にある物を落としたりなど、いたずらっ子の面があります。
一緒に遊んでもらいたいと訴えているシャム猫に対し、飼い主さんが反応してくれなければ、活発な行動がエスカレートすることもあるしょう。
また、個体差があるので一概には言えませんが、シャム猫は鳴き声がほかの猫種よりも大きいと言われています。まるで「おしゃべり」をしているかのように、家のなかに声が響くこともあるでしょう。
一軒家であれば、大きな鳴き声もそれほど問題にならないかもしれませんが、マンションやアパートなどの集合住宅では飼いにくいのかもしれませんね。
見知らぬ人や慣れていない人には警戒心を持つ傾向なので、神経質な対応を見せるかもしれません。気高くて近寄りがたい雰囲気に感じることでしょう。
シャム猫は、「飼い主さん」と認めた人のことは大好きになります。家族に対してはフレンドリーで、愛嬌を見せて可愛らしいふるまいをするでしょう。
ただ、シャム猫の自由奔放にさせ過ぎるとワガママに育ってしまいます。
また、飼い主さんとの距離があり、シャム猫にとって「飼い主さんとは認められない」という位置関係になると、飼い主さんといえども神経質な対応をされるかもしれません。
◆飼いにくい猫②ベンガル
イエネコとベンガルヤマネコという野生の猫との交配で誕生したのがベンガル。
筋肉質でスレンダー、そしてヒョウ柄の被毛がかなり野生っぽく、ワイルド系の猫が好きな人に人気です。
野生っぽい外見を裏切らず、ベンガルはかなり動くのが好きです。好奇心旺盛で「黙っているよりも動きたい」という活発な日常を送るので、毎日がベンガルの運動会になるかもしれません。
とてもエネルギッシュなので、家のなかでもベンガルが広く動けるようなスペースが必要です。家の狭い人は、かなり飼いにくい猫と感じるでしょう。
狭いスペースのなか、無理して飼うと、ベンガルのストレスにも影響します。自分が思うように動けないベンガルは、たっぷり運動できないストレスから凶暴性を見せ反抗的になることも…。それが問題行動へと発展するかもしれません。
遊び好きなベンガルですが、あまり賑やかな環境は好まないでしょう。野生のなかと似た静かな雰囲気が落ち着くようです。
子供がたくさんいる家庭、ほかの猫や動物を飼っているような多頭飼いの環境もストレスを溜めてしまいがちです。
ベンガルの飼い主さんに向いているのは、一緒に遊んであげられる時間とアクティブさを持っている人。そして、ベンガルが満足できるような広い住宅環境があるのが理想です。
◆飼いにくい猫③スフィンクス
猫の被毛でアレルギーになる人には、毛がほとんどないスフィンクスが人気です。「ほぼ無毛」ともいえるので、体のシワがまる見えでとてもユニークな外見をしています。大きな耳と大きな目で、一緒に暮らしているうちに愛着がわいてくることでしょう。
スフィンクスは、そんな外見こそに飼いにくい原因があるのです。
よく見ると、産毛のようにちょっとした毛は生えていますが、皮膚を守れるほどの毛はありません。気温の影響を受けやすく、体温を調整しにくいので「寒がり」「暑がり」という体質です。
そのため、スフィンクスを飼ったら、飼い主さんが適温にしてあげなければなりません。人間の感覚で「暑い・寒い」と室温を調整するのではなく、毛のないスフィンクスのことを考えてあげる必要があります。
基本的に運動神経がよい活発な猫なので、自由に動き回れるように、生活環境を整えなければなりません。スフィンクスの満足感のためには、狭い家では飼いにくい猫といえるでしょう。
また、狭いスペースに無理やりキャットスペースなどを配置すると、スフィンクスが活動するときにあちこちにぶつかってしまうかもしれません。毛がないため、ちょっとぶつかっても皮膚にケガをすることも。
家の環境を整えるのはもちろんですが、「皮膚にケガをしていないか?」と、普段からスキンシップを取りながらのチェックをすべきでしょう。
通常の猫であれば、長毛、短毛にかかわらずブラッシングが必要。家のなかが抜け毛によって「掃除が大変」ということもあるでしょう。
スフィンクスの場合、そういった面倒はありませんが、デリケートな皮膚を守る意識を持たなければいけません。皮膚そのものが露出しているので、皮膚トラブルが多い猫です。家のなかでも紫外線対策を考えなければいけません。
それに、シワシワの皮膚の汚れが溜まってしまいます。スフィンクスの体から出た垢や汚れを、シワのなかに溜め込んだままだと、皮膚に炎症が起こるかもしれません。
濡れたタオルでこまめに取ってあげたり、定期的にシャンプーしたりなど、「お手入れが大事」という意識を持ちましょう。
「毛がないからブラッシングはいらない」と楽観的に育てると、皮膚の病気のリスクが高まります。
◆飼いにくい猫④アビシニアン
細い脚に、ほっそりしたラインの体つき、短いながらもキラメキを感じさせる美しい被毛で、カッコよさを感じさせるアビシニアン。野生っぽい雰囲気もありながら、どこか優美です。
引き締まった細い脚で立っている姿が凛々しく、そんな外見が好みという猫好きさんに人気です。
アビシニアンは、ワイルド系の見た目とギャップがあって、よく動くわんぱくな猫です。筋肉質な体系からもイメージできるかもしれませんが、運動量はかなり多め。アビシニアンにとっては、日々の活力源ともいえます。部屋のあちこちを駆け巡ることも、アビシニアンにとっては毎日の習慣になります。
それに、好奇心旺盛なので、何かを見つけると「これは何だ~!?」と触れたりぶつかったりするかもしれません。その衝撃で物が落ちてくることもあるでしょう。壁紙をガリガリして楽しんでいる姿も見られるかもしれません。
早い段階でしつけができれば、こういった行動も減るかもしれませんが、「可愛いから許す」と飼い主さんが低姿勢になると、アビシニアンの行動がエスカレートしてくることもあるでしょう。
猫のしつけを熟知している人は飼いやすいかもしれませんが、はじめて飼うときにはアビシニアンは飼いにくい猫かもしれませんね
アビシニアンは頭が良く、飼い主さんの適切なしつけを聞いてくれたりもします。甘えん坊な面があり、飼い主さんが自分に興味を持ってくれないとそれが原因で気性が荒くなることもあります。
特に、「新しい猫を飼った」「犬を迎える」など、独占していた飼い主さんの気持ちが他に向くと、嫉妬からケンカ腰になるケースもあるでしょう。
ヤキモチ焼きなので、途中で環境が変わって多頭飼いになるスタイルは、おすすめできません。
◆飼いにくい猫⑤ノルウェージャンフォレストキャット
大型なノルウェージャンフォレストキャットは、筋肉質でボリューム感のある被毛が特徴的です。「大きい猫と暮らしたい」という人に注目される猫ちゃんです。体は大きいですが、とても穏やかで優しく、愛情たっぷりな性格で可愛らしい猫です。
性格的にみると「飼いやすいかも?」と感じるかもしれませんが、そのほかで飼いにくいポイントがあります。
雪国原産のノルウェージャンフォレストキャットの被毛は、とても長くて厚みがあるダブルコート。冬を乗り切るために、被毛で体の温度を保つためです。
抜け毛の処理が中途半端だと、被毛のなかに汚れや皮脂が溜まって皮膚トラブルを起こします。頻繁に被毛のブラッシングをしなければなりません。
自分でも毛づくろいをしますが、抜け毛を飲んでしまうので、おなかに毛が溜まるリスクも増えます。「ブラッシングに時間を持てない」という人は、飼いにくい猫でしょう。
また、体をシャンプーで洗うとき、体が大きいのが大変かもしれません。「水がかかるのがイヤ」と大きな体で抵抗されると、飼い主さんのパワーがなければ負けることもあります。
意外ですが、ノルウェージャンフォレストキャットは大型でありながら結構運動神経がいい猫。運動が大好きなので、家のなかでも動きたがるでしょう。
体の大きなノルウェージャンフォレストキャットがスムーズに動けるスペースが必要です。部屋が狭い人は、飼いにくいかもしれません。
また、ノルウェージャンフォレストキャットは大型猫なので、子猫時代の成長が比較的ゆっくりで、生後3年くらいでもまだ子猫。生まれて3~4年で成猫になるといわれています。
そのため、育ち盛りの高カロリーな食事を準備してあげなければなりません。
それに、体の大きさに比例して、食事量も多いので、お金に余裕がある人でないと金銭的に厳しいでしょう。
飼いにくい猫を飼うときのポイント
いくつかの飼いにくい猫を紹介しましたが、「飼いにくい」と言われていても、一方ではとても可愛らしい魅力もありますよね。
飼いにくい猫の特徴としては「運動量が多い」「ボリュームのある被毛」「体の大きさ」など。それをクリアできるように飼い主さんがお世話できるなら、飼いにくさも感じられないかと思います。
運動量が多い猫を飼うときには、運動できずにストレスにならないように、「キャットタワーを設置する」「遊び場所を広めに取る」「猫用おもちゃを準備してたくさん遊ぶ」というポイントを押さえましょう。
運動スペースが確保できないという住環境なら、猫の幸せのためにも運動量の多い猫ちゃんは選ばないほうがいいのかもしれませんね。
また、毛がほとんどない、逆にボリュームのある被毛と、「毛」に特徴のある猫を飼うなら、体のお手入れを頻繁にできるのかを考えましょう。
飼い主さんが積極的にブラッシングをしたり、皮膚を拭いてあげることはもちろん、皮膚にトラブルが起きていないか日頃からチェックしてあげなければいけません。
まとめ
「飼いにくいかも」いう猫をお伝えしましたが、個体差があるので一概には言えないことです。見た目の可愛さや好みだけで飼うと、一緒に暮らしたときにそのギャップで「しつけが難しい」とイライラして、猫のストレスにも繋がります。
まずは一度冷静になって飼う前に、「自分が幸せにしてあげられるか」を考えてみましょう。
飼い主さんのケアやコミュニケーションの取り方、住宅環境がマッチしていれば、迎えられた猫も幸せになります。飼いにくい猫と言われる猫を飼ったなら、たくさんコミュニケーションをとって、新しい家族として可愛がってあげてくださいね。
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