1.スコ座りとは?
1-1.スコ座りはどんな座り方?
1-2.様々なスコ座りの種類
1-3.なぜスコ座りができるのか?
3.スコ座りをする猫としない猫がいる?
3-1.スコティッシュフォールドでなくてもスコ座りをする
3-2.スコ座りをしない猫もいる
4.スコ座りには病気が関係している可能性も?
4-1.スコティッシュフォールドがなりやすい「骨軟骨異形成」
4-2.骨軟骨異形成の症状
4-3.骨軟骨異形成の原因
4-4.骨軟骨異形成の治療法
4-5.骨軟骨異形成の予防法
スコ座りとは?
◆スコ座りはどんな座り方?
スコ座りとは、猫が仰向けになり、後ろ足を前方に伸ばして、前足はお腹に乗せており、お尻から腰のあたりを床につけて座っているという独特な座り方です。
テレビを見ているお父さんなどがしているようなポーズで、かわいいけれども、なんとも笑いを誘う姿ですよね。
英語圏でのスコ座りの表現は、お釈迦様が座禅を組んでいる様子に似ているため、お釈迦様が座っているという意味で「ブッダポジション」と言われています。
インターネット上でも、スコ座りと検索するだけで、様々なスコ座りをした猫たちが見られます。
◆様々なスコ座りの種類
スコ座りといっても、猫により個性があり、少しずつ体勢が違ってきます。
・仰向けで寝ていた体勢から頭を持ち上げた感じの腹筋に近いスコ座り
・何も寄りかからず、まるで下半身が軟体動物のようになったようなどっしりとしたスコ座り
全てに共通しているのは、尻尾の付け根の上部分からお尻にかけて床に着いているという点です。人間ではちょっと真似できない体勢だと言えるでしょう。
◆なぜスコ座りができるのか?
猫がスコ座りをしている時には、尻尾の付け根から背中側を床部分に着ける状態となっています。猫の尻尾の付け根の少し上にある平板な骨を「仙骨」と言いますが、その部分を床につけるようなかたちで座っていることになります。
腰椎を境目に、上半身と下半身が折れているという体勢になり、あの面白くかわいいスコ座りができるということです。
猫がこのようなスコ座りができるのは、人間とは座る時に使う体の部分が違うことと、脊柱が人間よりも柔らかいということが理由だと考えられます。
また、猫は人間よりも腰椎の数が2個多いので、このスコ座りも苦がなくできる理由のひとつと言えるでしょう。
猫がスコ座りする意味は?
猫がスコ座りをする意味としては、次のようなものが考えられます。
・座っていて楽なため
・関節などに痛みがあるため
猫がスコ座りをしている、という場合には、お腹やお尻をグルーミングするため、という意味が多いでしょう。猫がお腹やお尻を舐める時に、単純にやりやすい、といった意味があると考えられます。
グルーミングした後、スコ座りをやめるものもいますし、体勢が楽であれば、そのままぼんやりと過ごす猫もいます。
お腹を上にして寝ている状態から、上半身を起こした状態とも言えますので、お腹を見せられるほど安心して、リラックスしている時にもこのポーズをとると考えられます。
グルーミングがやりやすいという意味では、どんな猫でもスコ座りをする可能性があります。もちろん、グルーミング時でもスコ座りをしない猫もいます。
スコ座りをする理由として他に考えられるものに、関節などに痛みがあるためではないか、ということがあります。
足を地面に着いた状態でいるより、横になったり座ったりしているほうが、関節には負担がかかりません。
スコ座りが、グルーミングしてリラックスしているだけであれば問題ありませんが、猫の種類によっては、何か四肢に問題がある可能性もあるということです。
スコ座りをする猫としない猫がいる?
◆スコティッシュフォールドでなくてもスコ座りをする
スコ座りは、スコティッシュフォールドだけがするポーズなのかというと、そうではありません。特に、スコティッシュフォールドがよくこの座り方をするので、スコ座りという名前がついたとされています。
猫はお腹の毛をグルーミングしたり、お尻を舐めてきれいにしたりする際にお腹を上にするため、スコティッシュフォールド以外の猫種でも、スコ座りをすることがあります。
ただし、長時間スコ座りをしたままでいるのは、やはりスコティッシュフォールドが多いと言えるでしょう。スコティッシュフォールド以外の猫では、グルーミングが終わると、ほとんどは普段の体勢に戻ります。
スコティッシュフォールドもスコ座りをしてグルーミングしますが、ただくつろいでいる時や、ぼんやりしている時にもこのスコ座りをしていることがあります。
◆スコ座りをしない猫もいる
猫がスコ座りをしないからといって、心配することではありません。猫によっては横になって寝転がるなどして、スコ座りの体勢を取らなくてもグルーミングしているものもたくさんいます。
また、スコ座りの名前の由来であるスコティッシュフォールドでも、スコ座りをしないことがあります。スコ座りをしない猫でも病気といったわけではありませんし、今までスコ座りをしない猫が急にするようになることもあります。
スコ座りには病気が関係している可能性も?
スコティッシュフォールドがスコ座りをよくするのは、スコティッシュフォールド特有の病気が関係しているという説があります。
◆スコティッシュフォールドがなりやすい「骨軟骨異形成」
一般的にスコティッシュフォールドは、骨軟骨異形成という病気を発症しやすいとされています。スコティッシュフォールドの特徴である折れた耳も、骨軟骨異形成の結果です。
耳以外で骨軟骨異形成を発症すると、骨や軟骨が正常に形成されないので、関節に痛みが発生して、正しく運動することができなくなります。
軟骨部分に骨瘤ができて、四肢や尻尾が腫れて変形したり、痛みを感じたり、うまく動かせなくなったりします。
そのため、骨軟骨異形成を発症した猫は、手足に体重のかかる体勢を嫌がり、スコ座りをして、痛みを感じないようにしていると考えられるのです。
◆骨軟骨異形成の症状
骨軟骨異形成を発症すると、猫には次のような症状が見られます。
・手足の関節部分が硬くなる
・うまく歩けない
・尻尾が硬直する
・痛みのため動きたがらない
・痛みのため足をあげる
・痛みのために鳴く
猫が前足を片方だけあげていたり、歩き方がゆっくりだったり、あまり遊ばなくなったり、といった様子が見られたら、もしかすると骨軟骨異形成の初期症状かも知れません。
よくスコティッシュフォールドがおとなしいと言われますが、骨軟骨異形成の症状が出ている場合には、痛いからあまり動きたくない、といった意味があるのかも知れないということです。
特に、後ろ足には大きな骨瘤ができやすいという傾向もあります。触ってみるとごつごつとしていたり、固かったり、そして猫が痛がったりするので気づくこともあります。
◆骨軟骨異形成の原因
骨軟骨異形成は遺伝性疾患のため、親猫が骨軟骨異形成を持っていると、子猫にも受け継がれる可能性があります。
また、この病気はスコティッシュフォールドだけでなく、マンチカン、ヒマラヤン、ペルシャ、アメリカンカールにも多く見られます。耳が折れている、足が短い、鼻が低いといった特徴を持つ種類の猫たちによく現れる病気だということです。
さらにこの病気は進行性のため、猫が成長するに連れて手足の変形が進んだり、骨瘤が大きくなっていったりします
◆骨軟骨異形成の治療法
この骨軟骨異形成という病気を発症しても、完治する方法は今のところ確率していません。
そのため、痛みに対する対処療法として、投薬や放射線治療などを行ない、痛みを緩和させてあげるしかありません。
◆骨軟骨異形成の予防法
この骨軟骨異形成という遺伝性の疾患を防ぐため、スコティッシュフォールドの折れ耳を持ったもの同士で交配させることは禁じられています。折れ耳同士の交配によって、子猫が高確率で耳折れや骨軟骨異形成を発症してしまうということがその理由です。
ただし、100%遺伝するというわけではなく、受け継がずに発症しない個体もいます。
スコティッシュフォールドはスコ座りがかわいいこともあって、とても人気のある猫ですが、このような病気があることはあまり表に公表されません。
ただ、世界的には、スコティッシュフォールドを繁殖すること自体が猫の虐待である、という風潮も高まってきています。
実際に、International Cat Care(ICC)は猫の福祉を目指す国際的なチャリティ団体ですが、スコティッシュフォールドの繁殖を厳しく避難しています。
スコティッシュフォールドは折れ耳の方に人気があるため、折れ耳を交配させるブリーダーもまだ多くいるとされており、問題視されています。
スコ座りをするのは、その方が手足に痛みがなく、負担がかからないから、という意味でしているとしたら、単純にかわいいとは言えなくなってしまいますね。
スコ座りの意味や関係する病気についてのまとめ
猫がするスコ座りは、猫好きにとってはとても癒される、かわいいポーズのひとつです。
名前の由来であるスコティッシュフォールドもよくこのスコ座りをしますが、他のどんな猫でもスコ座りをする可能性があります。
スコ座りをするのは、グルーミングをやりやすくするためという意味のほかにも、リラックスしているという意味もあります。
ただ、スコ座りをする猫は、もしかすると骨軟骨異形成で、四肢に痛みがあるためにそのポーズをとっているのかも知れません。
よくスコ座りをするスコティッシュフォールドは、骨軟骨異形成の病気になることが多いため、飼い主さんは注意して猫を見ていてあげる必要があるでしょう。
スコ座りにはこのようにかわいいという意味だけではなく、病気になっているかも知れないポーズであることも忘れないでくださいね。
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