猫の夜泣きの原因は?
猫が夜泣きする原因には、どのようなものがあるでしょうか。
◆原因①寂しいので夜泣きをする
まだ飼い始めて間もない猫や、子猫であれば、夜に寂しくなって夜泣きをするということがあります。
特に生後間もないような子猫は、まだまだ甘えたい時期で、ずっと母猫やきょうだい猫と暮らしていたわけですから、1匹になって寂しさを感じていることでしょう。母猫を呼んで夜泣きをするため、落ち着いたり安心したりするまではなかなか泣き止みません。
まだ授乳中の子猫を保護した場合には、2~3時間おきにミルクを与える必要があるので、お腹が空くと夜泣きをします。
◆原因②お腹が空いているので夜泣きをする
夕方または夜に食べた餌が足りず、朝が来る前にお腹が空いてしまうという原因のために、餌を欲しがって夜泣きをすることがあります。
成猫であれば、朝と夕方くらいの1日に2回、餌を与えれば良いとされていますが、時間をかけて少しずつ食べる猫もいるため、夜になると餌を欲しがることもあります。
また、子猫の頃から成長してきたために餌が足りなくなったり、日中遊びすぎたためにいつもよりお腹が空いたりする、という原因が考えられます。
猫が鳴いてねだるたびにおやつなどを与えていると、おやつを欲しがって夜泣きをする可能性もあります。
◆原因③遊びたいので夜泣きする
日中に眠っていた猫は、夜中に起き出して、飼い主さんと遊びたいという原因で、夜泣きをすることがあります。
特に日中に留守番している猫は運動不足になってしまっていて、夜に飼い主さんが帰って来ると遊んで欲しくて活動的になり、飼い主さんが寝ても欲求不満のため夜泣きをするということになります。
猫は基本的には薄命薄暮性といい、明け方や夕方になってから活動する生き物なので、夜に行動的になるのは仕方ないこととも考えられます。
飼い主さんが来ると活発になるのは子猫の時に多く見られますが、成猫になってもずっと飼い主さんとのコミュニケーションを求める猫もいます。
◆原因④トイレに入りたいので夜泣きする
夜中にトイレに入ろうとした時、トイレが汚れているのが原因で、夜泣きをして掃除をしてほしいと訴えることがあります。
猫は汚れたトイレでは排泄をしたがりませんので、排泄物や汚れた砂を取り除いておく必要があります。そのまま放っておくと、猫がトイレ以外の場所で粗相をしてしまうこともありますので、こまめに掃除をするようにしましょう。
◆原因⑤発情期のため夜泣きをする
発情期が原因の猫の夜泣きは多いと考えられます。オス猫、メス猫ともに発情期を迎えると、日中でも夜でも相手を求めて大きな声で鳴くようになります。
特に大きな声で鳴くのはオス猫のほうで、太く長い独特な鳴き声を出します。さらに夜泣きに加えてスプレー行為もしますので、飼い主さんがとても困る状態です。
メス猫はオス猫ほど動き回りませんが、やはり発情期になると夜泣きをするようになります。メス猫がオス猫を受け入れる発情の期間は、4日~10日程度続くとされていますので、その間は鳴き声に悩まされる可能性があります。
メス猫の発情が一度治っても、交尾していなかった場合や排卵しなかった場合には、数日~2週間ほどすると再び発情します。
◆原因⑥体調が悪いため夜泣きをする
遊びたい、食べたいなどの欲求があるわけではなく、体調が悪いことが原因で、猫が夜泣きしている可能性もあります。
どこか怪我をしていて痛みがある、病気で動くのが辛いといった状態の時に、飼い主さんを呼んで鳴いたり、痛さや辛さで鳴いたりしていると考えられます。
猫の夜泣きの対策は?
猫が夜泣きする場合、どのような対策をとったらよいのでしょうか。
◆対策①トイレの掃除をする
トイレが汚くて使えない、という原因で猫が夜泣きをする場合、飼い主さんは寝る前にトイレの掃除をしてあげると良いでしょう。
できるだけ、その日のうちに猫トイレの排泄物を取り除いてあげるようにしましょう。
なかなか掃除が難しいという時には、大きなトイレに変えたり、トイレを複数置いたりするなどして対応してみてください。
多頭飼いをしている場合には、猫の数プラス1の猫トイレを置いておくと良いとされています。
◆対策②日中によく遊んでおく
日中に昼寝したり寝転がったりしてばかりの猫であれば、できるだけ日中に遊んであげるようにして、運動させてあげましょう。
日中は仕事に出ていて遊んであげられないという場合、帰宅した後に5分~10分ほど、猫じゃらしなどで遊んであげるだけでも良いでしょう。
外が見えるようにしておく、猫タワーを置いて移動して運動できるようにしておくなど、留守番していても退屈しないような環境も作れると良いですね。
◆対策③夜泣きを無視する
寂しい、かまってほしいなどの原因で猫が夜泣きをする時には、基本的には無視することがいちばんです。
夜泣きするからといって相手をしてしまうと、猫は泣けば飼い主さんがいうことを聞いてくれると思って、ますます夜泣きをするようになりかねません。
今後、一緒にずっと生活していくためにも、心を鬼にして無視するようにしましょう。猫が夜にリラックスして過ごせるように快適な猫ベッドを用意し、ぬいぐるみを置くなどして寂しくないようにしてあげてください。
◆対策④発情で夜泣きする場合には手術を行う
去勢手術や避妊手術を行うことで、発情にともなう猫の問題行動のほとんどが解決します。
特にオス猫の場合には、スプレー行為がなくなったり、性格が穏やかになったりするなど、夜泣き解決以外に良い点もあります。
猫は、個体差もありますが、生後半年を過ぎた頃から発情期を迎えるようになります。
発情期には、オス猫、メス猫ともに夜も昼もほとんど眠らないで鳴いて、相手を求めることもあるので、夜泣きをなくすことは困難です。
今後、子猫を望まないのであれば、去勢や避妊手術を検討してみてください。
◆対策⑤動物病院で診てもらう
猫の体調に異常がないかどうか、動物病院で診てもらうのもひとつの対処法です。
夜泣きの原因がわからない時や、夜泣きに加えて普段と違う行動をしている時には、一度動物病院で診察してもらうと良いでしょう。
猫の体調に異常がないことが判明すれば、他の食事やトイレ、欲求不満などの原因ではないかと予想して、対処することができます。
老猫の夜泣きは「認知症」の可能性も
老猫の夜泣きが止まない場合、認知症になっている可能性も考えられます。
◆猫の認知症の症状
猫の認知症には、次のような症状が見られます。
・トイレの粗相が増える
・同じ場所をぐるぐる回る
・意味がなく鳴き出す、鳴き続ける
・無反応になる
・過剰につきまとうようになる
・同じところを舐め続ける
・狭いところに隠れて出てこない
など
一般的には、猫が15歳以上くらいの高齢になると、認知症になる可能性が出てきます。
認知症の症状は少しずつ現れ、なかなか気づきにくいのですが、放っておけば、どんどん異常な行動が増えていきます。
呼んでも無反応である、今まで行けたところに行けないなどの行動は、耳が聞こえにくくなっていたり、体調が悪かったりするなど認知症以外のことが原因の場合もありますので、見極めが重要です。
◆猫の認知症の対処法
・食事療法をする
・ストレスを減らす環境づくりをする
猫が認知症になってしまうと、基本的には治療する方法がないため、現状維持するという目的で対処療法をします。
薬物療法、食事療法は、動物病院で獣医さんの診察を受けた上で、適切に行うようにしてください。
ストレスが認知症の猫によくないので、自由に動き回れる広いスペースや、落ち着いて静かに過ごせる場所を作るなどして、快適な環境づくりをしてあげてください。
夜泣きするからといって閉じ込めたりするのは、認知症の猫には特によくありません。
一緒にいられる時には、飼い主さんとのコミュニケーションをよく取れるようにして、気にかけてあげるようにしましょう。
まとめ
飼い猫の夜泣きに困っている飼い主さんは、よく猫の様子を観察する必要があります。
猫の夜泣きには様々な原因があり、子猫、成猫、老猫などの年代や、猫の個体差によって対処法も違います。飼っている猫が夜泣きしている状態をよく確認して、うまく対処していく必要があります。
叱ってもなかなか治るわけではなく、原因に応じてうまく改善してあげることで解決することが多いと言えるでしょう。
また、高齢の猫では認知症になったために夜泣きする猫もいるので、原因の見極めはとても大切ですが、難しいものでもあります。
高齢の猫の行動がおかしいと感じた時には、まず動物病院で認知症かどうかを診てもらうようにしましょう。
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