老猫の夜鳴きの原因や症状は?飼い主さんの対応次第で落ち着きます!

2024.12.09

老猫の夜鳴きの原因や症状は?飼い主さんの対応次第で落ち着きます!

猫は基本的には夜行性で夜に活発になる動物です。ですが、子猫や成猫の時に夜鳴きはしなかったのに、老猫になった時に夜鳴きをするようになる猫がいます。老猫の夜鳴きの症状や原因、考えられる病気、対策についてご紹介します。

【掲載:2017.2.11  更新:2024.12.09】

猫も高齢化が進んでいる

椅子の上に座っている老猫

猫も人間と同じく、高齢化が進んでいます。

昔は猫の平均寿命は8歳~10歳といわれていましたが、現代では完全室内飼いやキャットフードの品質向上、動物医療が進んだことなどで、10歳を迎える猫は当たり前になってきています。

中には15歳や20歳を迎える猫も数多くいるというから驚きです。

特に完全室内飼いの猫は、交通事故や感染症、ケンカによる怪我などが少ない安定した生活環境で過ごしており、より一層長寿の傾向が高まっています。

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老猫の夜鳴きの原因・症状

毛布の上で寝ている老猫

猫が長寿なのは飼い主さんにとってとても喜ばしいことなのですが、老猫になると子猫や成猫の時期に見られなかった行動が見られるようになります。

普通の猫の夜鳴きの原因は「ストレス」や「満たさせない気持ち」からきています。お腹がすいた、トイレが汚いなどの飼い主さんに訴えるように鳴く行動です。でも、老猫の場合は少し変わってきます。

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◆一般的な猫の夜鳴きの原因は?

老猫の夜鳴きの原因は、老化に伴う不安感であることが多いようです。

例えば、目や耳が不自由になってその不安感から激しい夜鳴きになることがあります。

また、老化により白内障で目が見えにくくなり、耳が機能低下によって聞こえにくくなることなどが原因で、猫の不安が大きくなり夜鳴きをすることもあります。

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その他には猫の痴呆症状があります。痴呆症状に見られる行動は以下のようなものです。

・異常摂食
・攻撃行動
・破壊行動
・夜中に鳴きながら徘徊する
・同じ所をぐるぐると回る
・粗相をしてしまう
・1日中寝ている
・無反応

こういう行動が多い場合は、痴呆症状があると考えられています。

これらの症状には医学的な根拠はありませんが、飼い主さんが気になることがあれば、動物病院で獣医師さんに診てもらうことをおすすめします。


老猫の病気の可能性・症状

◆甲状腺機能亢進症

病気が原因となって夜鳴きをする猫もいます。老猫によくみられる病気として「甲状腺機能亢進症」という病気があります。

甲状腺機能亢進症とは、甲状腺の働きが異常を起こし、甲状腺ホルモンが必要以上に分泌される病気です。

体の代謝が異常に向上することで発情期のような異常な夜鳴きをしたり、暴飲暴食という行動をします。

その一方で体は太ることはなく、痩せるなどの症状があらわれます。他に爪が異常に早く伸びる、嘔吐や下痢などの症状もみられます。夜鳴き以外にこれらの症状が出れば、甲状腺機能亢進症が疑われます。

症状が進むと、不整脈や心筋症が起こってしまう可能性があります。とても元気に見えるので飼い主さんは気づきにくいかもしれませんが、注意してみてあげましょう。

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◆副腎皮質機能亢進症

「副腎皮質機能亢進症」という病気が夜鳴きの原因となることもあります。

症状は、甲状腺機能亢進症の症状にプラスして、脱毛や筋肉の萎縮、毛艶が悪くなるといった症状があらわれます。

脳内・副腎へできる腫瘍が原因で、副腎皮質ホルモンが必要以上に分泌されるためになる病気です。副腎皮質ホルモンの必要以上の分泌で甲状腺機能低下と糖尿病を併発させます。

他にも、老猫がかかりやすい病気として、腎不全や脳腫瘍、認知機能障害などがあげられます。さらにトイレの後に鳴いている場合は尿結石の可能性があります。


老猫の夜鳴き対策

◆老猫の夜鳴き対策①コミュニケーションをとる

猫を抱く女性

老猫に痴呆症状があらわれた場合の一番の夜鳴き対策は、「老猫とコミュニケーションをとる」ということです。なるべく猫に優しく触れてあげたり、側にいてあげたり、話しかけたりなどしてあげてください。
飼い主さんが話しかけることによるコミュニケーションは、痴呆症状の対策としてとても有効です。一緒に遊んだり、声をかけることで老猫の脳に刺激を与えるので痴呆症の対策にもなります。

◆老猫の夜鳴き対策②安心できる環境をつくる

ラジオや毛布

猫を家で留守番をさせる時にも、ラジオやテレビなど音が鳴るものを側においてあげましょう。他に、暖かい毛布や湯たんぽを側に置いて安心させることで、猫が感じている不安をやわらげることができます。

◆老猫の夜鳴き対策③治療を受ける

処方された薬

老猫の痴呆症状の心配が出てきたら、動物病院で1度、獣医師さんに診てもらうことも大切です。早い段階で発見できれば、症状が進まないようにすることができるようです。

甲状腺機能亢進症の治療は、甲状腺ホルモンを抑える薬による治療があります。他に手術で大きくなった甲状腺を取り除くこともあり、放射線療法もあります。代謝性疾患の病気の治療は、薬によって夜鳴きを抑える対策がとれます。

猫の夜鳴きの原因は何なのか、痴呆症状によるものなのか、病気によるものなのか素人では判断できません。老猫だからといって痴呆症状だと思わずに、原因などをはっきりさせることも夜鳴きの早期対策になります。


最後に…

老猫の夜鳴きにお困りの飼い主さんは多く、中には深刻な睡眠不足を抱えている方もいると思います。

しかし、猫は猫で自分自身に何が起こっているのかわかりません。体調の変化や不安な気持ちを夜鳴きで飼い主さんに伝えているのかもしれません。

飼い主さんは、老猫の異変にいち早く気がつくようにしましょう。病気が潜んでいる可能性もあるので、異常を感じたら動物病院で診てもらいましょう。適切な処置によって老猫も元気になり、夜鳴きも落ち着くでしょう。

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munoco

猫を飼いはじめて20年。完全な猫派です。 今まで4匹の猫と過ごしてきました。現在は2匹の猫と楽しく過ごす毎日です。 ツンデレされて20年。猫の行動1つ1つが大好きで、ずっとツンデレにやられてしまっている人間です。

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