- 1.猫のスタッドテイルとは?
- 2.猫のスタッドテイルの症状は?
- 3.猫のスタッドテイルの原因は?
- 4.猫のスタッドテイルの対処法は?
- 5.猫のスタッドテイルの予防法は?
- 6.まとめ
2-1.スタッドテイルの症状①背中にベタつきを感じる
2-2.スタッドテイルの症状②悪臭がする
2-3.スタッドテイルの症状③尻尾の付け根が膨らむ
2-4.スタッドテイルの症状④執拗に尻尾付近を舐める
3-1.スタッドテイルの原因①ホルモンの関係性
3-2.スタッドテイルの原因②遺伝の関係性
3-3.スタッドテイルの原因③マラセチア菌の関係性
4-1.スタッドテイルの対処法①薬の湿布や薬浴を行う
4-2.スタッドテイルの対処法②抗生物質を使用する
4-3.スタッドテイルの対処法③食事療法を心掛ける
5-1.スタッドテイルの予防法①去勢手術を行う
5-2.スタッドテイルの予防法②抗脂漏性シャンプーを使用する
5-3.スタッドテイルの予防法③こまめにブラッシングをする
猫のスタッドテイルとは?
愛猫の尾の付け根近くがこの一ヶ月ほどずっと湿ってたから、皮膚病を疑い病院行ったら「スタッドテイル」という雄猫のフェロモン分泌腺だそうでほっとしました。去勢すると無くなるらしいですね。
#雄猫#マンチカン#スタッドテイル pic.twitter.com/OYKmDIyAt6
— じゃずねこ (@swingypiano) 2016年5月1日
スタッドテイルとは、猫の皮膚病の一種です。
・ベタベタした部分をちゃんと拭き取っても、またすぐ汚れてしまい、同じ症状を繰り返してしまう
このような症状が見られたら、スタッドテイルを発症している可能性が高いです。
猫は尻尾の付け根部分に尾腺(びせん)と呼ばれる皮膚腺を持ち、脂肪酸や皮脂などを含む脂性の分泌物を常に出しています。
この分泌物が何らかの理由で、過剰に分泌したり炎症を起こしたりしてしまうことをスタッドテイル、もしくは尾腺炎(びせんえん)と呼びます。
スタッドテイルのスタッド(stud)は、英語で「鋲(びょう)」を指し、テイル(tail)は尻尾を指しています。
猫の皮膚が炎症を起こしてデコボコになった状態を鋲に例え、スタッドテイルという病名が名付けられました。
猫のスタッドテイルの症状は?
スタッドテイルは過剰な分泌物のベタつきだけでなく、様々な症状が出ることがあります。スタッドテイルになった場合の猫の症状には、どんな症例が挙げられるのでしょうか。
愛猫の変化や病状にすぐに気付いてあげるためにも、まずはスタッドテイルになるとどんな症状が出るのかを知っておきましょう。
◆スタッドテイルの症状①背中にベタつきを感じる
猫は、暇さえあればグルーミング(毛繕い)をしている綺麗好きな動物です。それにもかかわらず、飼い主さんが愛猫の背中を触ったときにベタつきを感じたのなら、注意が必要です。
スタッドテイルになった猫は、毛を掻き分けると黄色や黒色っぽいワックス状の物質、または黒いブツブツした物が付着していることが多いです。
その汚れは尻尾の付け根部分だけに留まらず、背中まで汚れが広がりベタついてしまうことも。
皮脂などが混ざった分泌物は猫の細く柔らかい毛に絡まりやすいので、猫のグルーミングは疎か、シャンプーなどで洗うだけでは汚れがなかなか落ちないので厄介です。
◆スタッドテイルの症状②悪臭がする
過剰に皮脂などが分泌してしまうと、猫の体温と分泌物が混ざり合い、脂っぽい独特なニオイを発生させます。
普段とは異なるニオイを愛猫のおしり付近から感じ取れたのなら、注意が必要です。
◆スタッドテイルの症状③尻尾の付け根が膨らむ
分泌物が過剰に分泌されるようになると、尻尾の付け根周辺で固まることや、背中の毛まで固まってしまうことがあります。
さらにその状態を放置しておくと皮脂が毛穴に詰まり、細菌感染を起こしやすくなってしまうので、皮膚が赤く腫れあがり化膿してしまうことも。
そして細菌性毛包炎やニキビ、限局性蜂巣織炎や痒症などの二次感染を引き起こしてしまうこともありますので、すぐに動物病院に連れていくようにしましょう。
◆スタッドテイルの症状④執拗に尻尾付近を舐める
尻尾付近に違和感があって、執拗に同じ場所を舐めることがあります。
炎症が起きて痒みを伴っている場合、尻尾付近が常に気になっている仕草をしていることが多いです。同じ場所を舐め続けると、猫の舌のトゲトゲによって毛が抜け落ちてしまうこともあり、舐めた箇所から細菌に感染してしまうこともあります。
目で脱毛が分かる場合は、すぐに動物病院に受診するようにしましょう。
猫のスタッドテイルの原因は?
必ずしもすべての猫が発症するとは限らないスタッドテイルですが、どんな原因が関係して発症すると思いますか?
スタッドテイルは尻尾の付け根の尾腺から、分泌物が過剰に分泌されることが直接的な原因となりますが、「なぜ過剰分泌されるのか」という点が解明されていません。
スタッドテイルを発症した猫の症状から推測される、その他の原因は以下の通りです。
◆スタッドテイルの原因①ホルモンの関係性
去勢する前の若いオス猫が多く発症していることから、男性ホルモンが何かしらの関わりを持っているのではと言われています。
年齢が若ければ分泌腺が発達していますし、未去勢であればホルモンのバランスを崩すこともないので、信憑性の高い原因ではないかと考えられますよね。
オス猫の方が発症率は高いとされていますが、未避妊のメス猫でも発症する子は居るようです。
◆スタッドテイルの原因②遺伝の関係性
純血種(特にペルシャやシャム)の猫に多く発症することから、遺伝が何かしら関係しているのでは、とも言われています。
また、純血の長毛種にも発症することが多いことから、グルーミングが苦手な子は自分で皮膚を清潔に保つことが苦手なので、細菌に感染しやすいことも要因になっているのかもしれません。
◆スタッドテイルの原因③マラセチア菌の関係性
皮膚炎の一種である脂漏症(しろうしょう)の症状にスタッドテイルが似ていることから、脂漏症の原因菌となるマラセチア菌が関係している可能性もあります。
過剰な皮脂の分泌という症状がどちらにも見られるので、細菌に感染しないように常日頃からシャンプーなどをして予防しておくことが大切です。
猫のスタッドテイルの対処法は?
愛猫にスタッドテイルの症状が出ているのであれば、すぐに対処してあげる必要があります。命に関わるほどの病気ではないといえども、猫にとっては辛い症状であることに変わりありません。
猫にスタッドテイルの症状が見られたのなら、すぐに対処法を用いて、症状が悪化しない対策をしましょう。
◆スタッドテイルの対処法①薬の湿布や薬浴を行う
飼い主さんがおうちでシャンプーをしてあげても症状が良くならない場合には、動物病院に連れて行き処置をしてもらう必要があります。
スタッドテイルの症状が悪化した患部の被毛を剃り、薬の湿布や薬浴を行います。
薬浴の場合、毛を剃る必要はないのでは?と思われるかもしれませんが、剃毛することによって薬剤の浸透率を上げてくれます。
スタッドテイルは清潔にすることが何よりも重要なので、獣医さんの指示に従い継続して対処するようにしましょう。
◆スタッドテイルの対処法②抗生物質を使用する
細菌に感染しているようでしたら、抗生物質を投与して治療を行います。抗生物質は動物病院で処方してもらえるので、安心してくださいね。
◆スタッドテイルの対処法③食事療法を心掛ける
スタッドテイルは一度完治しても、繰り返しやすい皮膚病となります。そのため、症状がよくなってきたからといって、油断が出来ないのが現状です。
必須脂肪酸を与えると症状が軽くなるとも言われているので、必須脂肪酸が含まれた食材をフードに混ぜることや、サプリメントなどで摂取することをおすすめします。
猫のスタッドテイルの予防法は?
再発することの多いスタッドテイルですが、愛猫の負担を減らすためにも普段から予防をしておく必要があります。
猫にとってどんな予防法が効果的なのでしょうか?
◆スタッドテイルの予防法①去勢手術を行う
未去勢のオス猫が発症しやすいという症例があることからも、去勢手術を行うことは効果があると考えられます。
100%有効とは言い切れないものの、ホルモンバランスを変えることが出来ますし、何よりスタッドテイル以外の病気も同時に予防することが出来ますよ。
愛猫に長生きしてほしいと願うのなら、去勢や避妊手術はしておくに越したことはないでしょう。
◆スタッドテイルの予防法②抗脂漏性シャンプーを使用する
皮膚に炎症を起こしていると二次感染を引き起こす可能性も高いので、シャンプーをする際は抗脂漏性シャンプーを使用するようにしましょう。
ネット通販や動物病院で購入出来ますので、手軽に入手することも可能です。
猫は毛が水に濡れることを嫌うので毎日のようなシャンプーは不要ですが、スタッドテイルを発症しているのなら、こまめにシャンプーをしてあげた方が良いかもしれません。
シャンプーの頻度は症状により異なりますので、獣医さんの指示に従って洗ってあげると良いでしょう。
◆スタッドテイルの予防法③こまめにブラッシングをする
長毛種の猫は特にグルーミングが全身に行き届かないことがあるので、飼い主さんが常に清潔を維持出来るように、ブラッシングをしてあげましょう。
分泌物で毛が汚れていたら拭き取り、ブラッシングをしてあげるだけで、症状を軽減させてあげることが出来るのです。
愛猫のストレスを軽減させる目的でもブラッシングは有効なので、常に取り入れたい予防法と言えるのではないでしょうか。
まとめ
あまり聞き慣れない皮膚病であるスタッドテイルは、実際に愛猫が発症してみないと無縁に近い病気であるとも言えます。しかし、一度発症してしまうと再発を繰り返す、厄介な病気です。
明確な原因が解明されていないことからも、なかなか完治出来ない病気でもあるので、出来ることなら予防法を用いて発症させないように心掛けたいものですよね。
皮膚の病気は人間と同じように、日々のケアこそが最も重要です。お風呂が苦手な猫であっても、こまめにシャンプーをしてあげることが望ましいでしょう。
そして愛猫に不快な思いをさせないためにも、コミュニケーションの一環としてこまめに被毛のチェックをしてあげるようにしてください。
そうすることによって身体の変化や病気のサインに気付きやすくなるので、おすすめですよ。
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