猫がケージを嫌がる時の原因と対処法は?必要性についても解説

2019.12.27

猫がケージを嫌がる時の原因と対処法は?必要性についても解説

猫にケージは必要なのでしょうか?不要なのでしょうか?猫は、自由気ままに動き回る動物のイメージが強いせいか、「狭いケージに閉じ込めるなんて、かわいそう」と思う飼い主さんが多いようです。ケージに入れると、暴れたり鳴き続けたりして嫌がる猫が多いのも事実です。しかし、猫にとってケージが必要な場面は、実はいくつもあります。そこで、猫がケージを嫌がる時の原因と対処法について、必要性と併せて解説します。

【目次】

猫のケージが必要な理由

リラックスしている猫

猫を飼い始める時、また、すでに飼っていても、ケージが必要なのかどうか悩む飼い主さんは少なくありません。ネット上では、その必要性について情報が錯綜しているので、なおさら判断に迷います。

昔と異なり、家の外には交通事故の危険性や病気のリスクなどが多いことが知られてきて、猫は完全室内飼育が推奨されるようになりました。
一方、野外に比べて広さが限られた屋内で飼う上に狭いケージに入れることには、抵抗を感じる飼い主さんが多いようです。

しかし、実は、猫を飼う上でケージが必要な場面は多いのです。

◆猫にとって安心できる場所になる

猫は警戒心が強く、縄張り意識が強い動物なので、縄張り以外の場所にいるときには落ち着いて過ごすことができません。

ケージに慣れていると、そこが安心して寝たりくつろいだりできる場所になります。特に、子猫や人馴れしていない猫を迎える場合には、人や新しい環境に慣れさせるために、ケージを使うことが有効です。

猫が安心や安全を感じるのは、基本的に狭くて暗い場所です。いきなり広いリビングなどに放してしまうと、猫は落ち着ける場所を探して、部屋中を歩き回ります。家具と壁の間など、暗くて狭い場所に入り込んでしまい、出られなくなることも多いです。

飼い始めからケージに慣らしておけば、ケージが縄張りになり、猫にとって安心できる場所になるでしょう。

◆猫の安全を確保する

猫は、好奇心の強い動物なので、人のしていることに興味を示すことは多いものです。しかし、キッチンで火を使っているときやアイロンを使っているときなど、猫に近づいてほしくない場面はたくさんあります。

洗濯物を干すためにベランダに出たり換気をしたり、窓やドアを大きく開けることもあり、猫が外に出てしまうこともあります。思わぬ物をおもちゃにしてしまうことも多く、誤飲・誤食の危険性もあります。

また、上下運動を好み、部屋の中で猫が登れない場所はないと言っていいでしょう。高い家具や棚の上は、猫にとっては「通り道」です。そこに物があれば、どけてしまうのも当然です。

しかし、物を倒したり落としたりすれば、人が困るのはもちろん、猫にとってもケガなどの原因になる恐れがあります。

特に、留守番時や夜寝る時など人の目が届かない時のトラブルを避けるためには、ケージに入れておくと猫の安全を守ることができます。

◆病気やケガをしたときなど安静にさせたいとき

病気やケガの時、避妊去勢手術の後など、治るまで安静にさせておきたいことがあります。多頭飼いの場合には、他の子が構って安静が保てなかったり、他の子が傷口や患部を舐めてしまったりすることもあります。

安静を確保したり、他の子と隔離したりするには、ケージに入れることがおすすめです。

◆新しい猫を迎えるとき

多頭飼いをしたいと思っている飼い主さんは多く、実際に多頭飼いをしている世帯はかなりの割合になります。2匹目以降は、里親になって保護猫を迎える方も少なくありません。

新しい猫を迎えるとき、いきなり猫同士を直接会わせることは避けましょう。新しく迎えた猫をケージに入れ、匂いや声でお互いの存在を認識させることから始めます。

また、保護した野良猫を家に入れる場合は、病気に感染している可能性があるので、一定期間の隔離が必要です。その場合には、ケージが必須になります。

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◆ペットホテルや病院に預ける場合

長く留守にしてペットホテルに預けるときや、病院に入院させるときは、ケージの中で過ごさせざるを得ません。慣れていない子は、非常にストレスを感じ、食事や排泄をしなくなることもあります。

◆災害時

災害時、環境省はペットの「同行避難」を推奨していますが、避難所で飼い主さんとペットが一緒に過ごす「同伴避難」ができる場合はほとんどありません。避難所内の一画にペット用のスペースが用意されたり、避難したペットを保護する施設ができたりしますが、そこでは必然的にケージ生活を送らなければなりません。

猫にとっては、慣れない場所で飼い主さんと離れて過ごすだけでも不安です。さらにケージで過ごすことにストレスを感じれば、健康を損なうリスクも高まります。


猫がケージを嫌がる時の原因

ケージの中から身を乗り出す猫

猫にとってケージが必要な場面があるとはいえ、ケージを嫌がる子も多いのが事実です。そこで、猫がケージを嫌がる時の原因について見ていきます。

◆閉じ込められていると認識している

普段、室内で自由に過ごしていてケージに慣れていない子は、急にケージに入れられると、閉じ込められたように感じます。人間が急に自由を奪われれば強いストレスを感じるのと同様、猫もストレスを感じてしまいます。

また、いたずらや粗相の後、罰としてケージに入れられると、なおさら閉じ込められていると認識するようになるでしょう。

◆ケージが落ち着かない場所にある

ケージを、キッチンや階段付近、テレビやドアの脇など、人の出入りが多くて騒がしい場所に置くと、落ち着いてくつろぐことはできません。窓の近くに置くと、外を見ることができて猫も退屈しないのですが、夏場など日が当たりすぎて暑くなりすぎることがあるので、気をつけましょう。

◆トイレが近くにある

猫は、清潔な環境を好む動物です。寝床や食事場所の近くにトイレがあると、気持ちよくくつろいだりフードを食べたりできなくなり、快適に過ごすことができません。

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◆遊びや運動が足りていない

ケージの中に入れると暴れる子や、外に出すと部屋中で暴れる子がいます。これは、ケージに入れる前に、十分に遊んだり運動したりしていないからです。

また、ケージの中で遊ぶものがなく、退屈しているのかもしれません。


猫がケージを嫌がる時の対処法

猫のケージのレイアウト

猫がケージを嫌がる原因に合わせて、適切に対処してあげましょう。

◆置き場所を変える

ケージが落ち着ける場所になるように、置き場所を変えてみましょう。壁に接した部屋のコーナーに置くと、落ち着いて過ごすことができます。湿気がなく風通しのいい場所を選ぶと、より良いでしょう。

窓際に置くと、外を見ることができ退屈しないのでおすすめですが、日が当たりすぎて暑くならないよう気をつけてください。

◆目隠しをする

人間の動きが見えると、遊んでほしくなったり甘えたくなったりして、暴れたり鳴いたりすることがあります。そういう場合は、布などを掛けて目隠しをしてあげましょう。

◆大きさを見直す

狭すぎるケージでは、寝床や食事場所がトイレに近く、猫が嫌がることが多いです。

トイレを寝床などと離して置けるように、広さや高さを見直してみましょう。2段、3段のものであれば、下段にトイレ、上の段に寝床やフードを置くことができるのでおすすめです。

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◆ケージに慣れさせる

ケージを嫌がる子の場合、いきなり長時間入れっぱなしにしておくのは避けましょう。短い時間から慣らしていき、入れる時間を少しずつ長くしていきます。

フードをケージの中であげるようにすれば、「ゴハン=ケージの中」と認識され、良い印象を持つようになるでしょう。

人の目が届く時にはケージの入り口を開けたままにしておき、自由に出入りできるようにしておくのも良いでしょう。

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◆爪とぎを入れておく

爪とぎは、ストレスを発散したり、マーキングをしたりするために必要なものです。ケージの中に爪とぎがあれば、ストレスを発散することもできますし、マーキングをすることでケージを自分のテリトリーと認識することもできるでしょう。

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部屋の角に置ける省スペース設計。ダンボールでしかツメを研がない猫にお勧めです。

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◆お気に入りのものを入れる

ケージをお気に入りの場所にするには、お気に入りのものを入れてあげましょう。使い慣れたベッドや毛布などを入れてあげれば、落ち着いてくつろぐことができるはずです。猫じゃらしなど、お気に入りのおもちゃを入れてあげるのもおすすめです。

ただし、誤飲などの恐れのないおもちゃを選んであげてください。

◆たくさん遊んであげる

ケージの広さは、限られているものです。活発に動きたい性格の子には、退屈な場所になっているでしょう。また、飼い主さんとの触れ合いもできません。

そこで、出した後には、たくさん遊んであげて、コミュニケーションをしっかり取りましょう。ケージに入れられても出してもらえば遊んでもらえるとわかれば、猫もケージを嫌がらなくなるでしょう。

また、ケージに入れる前に、たくさん遊んであげることも大切です。たくさん遊んで疲れたところでケージに入れると、中で暴れることもなくなり、「休む場所」「寝る場所」として認識していくでしょう。

◆褒めてあげる

犬と異なり、猫はしつけをすることができないと思われがちですが、ちゃんとしつけることができます。ケージに入れた後にオヤツなどのご褒美をあげて、たくさん褒めてあげましょう。

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まとめ

常にケージに入れておくのは、猫にとって強いストレスになってしまいますが、ケージが必要な場合もたくさんあります。猫にとって、ケージが落ち着ける場所になるように、慣らしておいてあげましょう。

嫌がって暴れたり鳴いたりする場合には、何らかの原因があります。原因を見極めて、取り除いてあげましょう。

ケージに入れるのは必ずしもかわいそうなことではないので、上手に活用して人も猫もみんなで快適な生活を送ってください。



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SHINO

SHINO

保護犬1頭と保護猫3匹が「同居人」。一番の関心事は、犬猫のことという「わんにゃんバカ」。健康に長生きしてもらって、一緒に楽しく暮らしたいと思っています。


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