【掲載:2022.04.14 更新:2024.09.26】
猫と避難所に行ける?
私たちが地球という惑星で生活をする限り、いつ何時災害に見舞われるか知る由もありませんよね。
私たちの周りには地震や台風、火災や水害など、様々な多くの災害が起きる可能性があるので、普段から防災の意識を持って生活することも重要となってきます。
現代ではペットを家族同然として暮らすことが当たり前となり、中でも猫と一緒に暮らして居る方が、多くいらっしゃることかと思います。
もし自分の身の回りで災害が起きてしまった場合、大切な家族である愛猫を置いて、自分だけ逃げるわけにはいきませんよね。
しかし現実問題、猫を避難所に連れていっていいものなのか、考えたことはありませんか?
この猫を避難所に連れていけるか否かは、猫と一緒に暮らしている方なら、誰しもが考えなくてはいけない問題でもあるのです。
常に安全で暮らしていける確証はありませんので、この機会に猫を避難所に連れていってもいいのかをしっかりと考えていきましょう。
◆有事の際は「同行避難」
災害はいつ何時も、突然起こるものです。
前触れがあればある程度の準備や対策をしておくことも可能ですが、自然の驚異はそんな優しいものではありませんよね。
突然起きた有事の際は、猫との「同行避難」を心掛けてください。
同行避難とは、猫と飼い主が一緒に逃げることを指します。
このときによく混同されがちなのが「同伴避難」についてです。
同伴避難は猫と一緒に避難し、同じ避難所で一緒に過ごすことを指しているんですよね。
なので同行避難をした際は、同じ避難所で一緒に過ごすことが出来ないのが前提となってしまうので、この言葉の意味をしっかりと認識しておく必要があると言えるでしょう。
◆動物と避難所に入れるかは自治体による
愛猫といざ同行非難をした際に、同伴避難が出来るかどうかは、お住いの地域によって異なります。
最近では動物愛護の観点からも、命を軽視しない目的で受け入れ態勢を整えている自治体も増えてきていますが、まだまだ少ないのが現状です。
ですので大切な愛猫の命を守るためには、災害が起きる前に、自分の住んでいる地域の受け入れ態勢を知っておくことですよね。
災害が起きた際に必死に愛猫と同行避難したところで、ペットが居ることによって飼い主さんも避難所に入れてもらえないのなら、元も子もありません。
飼い主さん自身がまずはお住いの地域のことを理解し、同伴避難が可能な避難所を探すことや、ペットだけを収容する避難所が、飼い主さんが避難した避難所のそばにあるのかを確認することも大切です。
猫との避難所生活に備えて準備したいもの
おすまいの地域で猫と一緒に避難所で過ごすことが可能な場合、そこでの愛猫の面倒は家と変わらず、飼い主さんがすることになりますので、避難所生活に備えて色々と準備しておく必要があります。
基本的に避難所は場所を提供してくれるだけなので、猫に必要な生活用品は用意されていないことがほとんどです。
最低限の備えをして避難所に向かうことによって、愛猫を守ることに繋がりますので、飼い主さん自身が安心するためにも事前の準備をしておくようにしましょう。
◆フードや飲み水
避難所ではペットの食事を用意はしてくれていませんので、愛猫の食事や飲み水は飼い主さんが準備していく必要があります。
愛猫が決まったドライフードを食べているのなら、保存用バッグなどに小分けにしておくか、元々小分けになっているフードを準備しておきましょう。
そして猫の飲み水ですが、動物が飲めるペットボトルの水を用意しておくことをおすすめします。
水道水も避難所で使用出来るかもしれませんが、地震や水害の場合は断水している可能性が高いですよね。
そして市販の人が飲む硬度の高いミネラルウォーターは猫には適していませんので、動物専用の飲み水を用意しておいた方が、荷物にはなりますが安心出来るのではないでしょうか。
しかし防災グッズとして事前に準備しておく場合は、賞味期限もありますのでこまめに確認しながら入れ替えをして、備えておくようにしましょう。
フードや飲み水を与える際の食器も忘れずに、用意しておいてあげてくださいね。
◆トイレ用品
避難所では猫のトイレも準備されていることはないので、トイレ用品は備えておきたい物の一つとなりますよね。
ですが猫の大きなトイレは持ち運ぶことが出来ませんので、折りたたみ式の簡易トイレと猫砂があれば、避難所でも猫のトイレを気にしなくて済みます。
ですがどうしても猫砂は重いので、災害時に持っていくことが出来ないかもしれません。
そのときは紙などの軽めの猫砂を用意しておいたり、もしくは新聞紙やペットシーツがあれば何とか代用が出来ますので、軽い物を重点的に備えておくと良いでしょう。
あとは排泄物を処理する袋(出来ればニオイの漏れないもの)や、ウェットティッシュ、タオルなどもあれば更に安心出来ますよ。
◆暑さや寒さ対策のアイテム
災害はいつ起こるか分かりませんので、暑い夏に起こることもあれば、寒い冬に起こることもあります。
避難所では冷暖房が確実に完備されているとは限りませんので、季節に合わせた対策アイテムも必要となってきます。
夏には冷却マット、冬には毛布やブランケットなど、最低限愛猫の温度調節をしてあげられるような準備もしておきましょう。
これらのアイテムは慣れない環境での、キャリーの目隠しとしても使用することが出来るので、愛猫のストレスを軽減させるアイテムとしても活躍してくれますよ。
◆迷子札
災害時に無事に避難所に辿り着けたとしても、ご飯をあげるときやトイレの掃除をしているときなどに、猫が逃げ出してしまうこともあるかもしれません。
見慣れた環境ではない場所でもし脱走してしまった場合、誰かが保護してくれたとしても連絡先が分からなく、首輪をつけていないとなれば、野良猫として認識されてしまうこともあります。
最悪の場合保健所などに連れていかれてしまうこともあるので、愛猫の名前、飼い主さんの名前、連絡先は最低でも記入した迷子札をつけてあげるようにしましょう。
そして環境省はマイクロチップを推奨していますので、この機会に検討してみるのも良いかもしれませんね。
◆キャンピングキャリー
災害時の移動の際に愛猫を一緒に連れて行くには、どうしてもキャリーは必要となりますよね。
避難所では限られたスペースしか利用出来ませんし、避難生活を余儀なくされた方が増えていけば、もしかしたら動物は別のケージにまとめられてしまう可能性も否めません。
そんなときに活躍するのが、キャンピングキャリーです。
キャンピングキャリーであれば、不要なときは折りたためますし、頑丈な作りになっているので家の中ではハウスとしても利用することが出来ます。
キャリーは苦手な猫ちゃんも多いので、普段から入ることに慣れさせておけば、災害時にも抵抗なく入ってもらうことが出来るので、普段使いしておくと良いでしょう。
猫と避難所に行く時に注意したいこと
猫と避難所に行くとき、少なからず受け入れてもらえるのかなどの不安が、飼い主さんに過ってしまうことでしょう。
ですが実際避難所の生活がスタートしてからも、ペット同伴の避難は色々と注意しなくてはいけないことが存在します。
どんなことに注意して、愛猫を守ってあげるべきなのでしょうか。
◆全員が動物好きではありません
動物の受け入れが可能な避難所であったとしても、そこで生活している全ての人が動物を好きとは限りません。
中には猫が居ることによって、癒されると言ってくれる方もいるかもしれませんが、避難所に居るということは全ての人が災害に遭った当事者の方たちです。
避難生活が長くなれば長くなるほど、ストレスも溜まっていきます。
そんなときに弱い立場である動物は、ストレスの標的になってしまうことが無いとは言い切れませんよね。
そして中には喘息持ちの方や、猫アレルギーを持っている方も避難所にいらっしゃるかもしれません。
そういう方々への配慮も必要となってきますので、しっかりと心得ておいた方が良いかもしれませんよね。
◆猫の様子を見ながら
猫と一緒に避難所に向かうということは、何かしらの災害を猫は目の当たりにしているということですよね。
猫にとって普段の生活環境に異変が起きただけでも大事件なのに、慣れ親しんだ家を離れるのは更にパニックになってしまうことでしょう。
なので避難所に向かう際や、避難所の生活を始めるときは、愛猫の様子を見つつ、常に話しかけながら行動に移してあげてください。
猫にとって味方は、飼い主さんしか居ないのです。
愛猫のストレスを軽減させるためにも、愛猫の気持ちを察してしっかりと守ってあげてくださいね。
まとめ
災害はいつ何時起こるか分かりませんので、普段から情報収集して災害時に備えておくことが大切です。
猫を受け入れてくれる避難所はもちろんありますが、お住いの地域によって異なりますので、事前にお住いの自治体に確認しておくべきであると言えるでしょう。
受け入れ先の確認が出来たのなら、今度は防災グッズの準備です。
愛猫に必要なアイテムをまとめておき、玄関などの近くに置いておくと安心出来ますよ。
大切な家族である猫の命を守れるのは飼い主さんしかいませんので、災害に直面した場合には、飼い主さんがまずは落ち着いて行動し、愛猫を安心させてあげながら行動をするようにしましょう。