マンチカンの特徴
◆からだは小さめ
マンチカンのボディタイプはセミコビーで、体重はオスで3~4kg、メスで2.5kg~3.5kgほどと他の猫と比べると少し小さめの猫です。
短足のマンチカンは体高が猫の中で最も小さいと言われています。
◆アーモンド形の大きな目が特徴
マンチカンの頭は前頭部が平たく、頭頂部が丸みを帯びた形をしています。鼻は中くらいの高さで、目はアーモンド形をしています。
大きく見開かれた目がマンチカンの幼さを演出しています。
◆性格は人懐っこくておだやか!
マンチカンの性格はとても穏やか、甘えん坊で飼い主の後をついてまわることがあります。
好奇心も強く、触ったことがないものも恐る恐る手を出します。運動好きなのでよく走ったりジャンプしたりします。
穏やかなことに加えて頭も良いので、他の猫とも仲良く暮らすことができます。マンチカンは多頭飼いにも向いている猫です。
◆マンチカンの被毛
マンチカンは長毛種と短毛種の2タイプが存在します。毛の長さだけではなく色や柄も様々で、猫の血統登録機関TICAでは、被毛に関して全ての種類が認められています。
マンチカンが子猫から大人になるまで
マンチカンに限らず子猫は短足が多いです。大人になるにつれてスラっとした姿に変わっていきますが、マンチカンはどうでしょう?
子猫から大人になるまでの過程に沿ってご紹介します。
◆マンチカンの子猫:3か月
体重は1kg~1.3kgほどです。
この頃に親元を離れ、新しい飼い主さんの家へ引っ越すことが多いです。新しい環境に慣れる時間が必要なので遊びすぎは厳禁です。
また、子猫の睡眠時間は長いので、ケージの中にタオルを敷いて安心できる場所を作ってあげましょう。
この頃のマンチカンはまだまだ赤ちゃんですが、実はその中でも足が短いタイプのマンチカンと、普通の猫と同じような足の長さのタイプのマンチカンに分かれます。
どちらにしても、小さい身体に短くて細い足が4本生えています。おどおどしながらも外の世界に興味津々で匂いをかいだり触ってみたりと、見ていて思わずホッコリしてしまいます。
◆マンチカンの子猫:6ヶ月
体重は1.7kg~2kgほどです。
この頃の子猫は、歯が生えそろったり身体がしっかりしてきたりと、大人にずいぶんと近づきます。新しい環境や飼い主さんにも慣れて遊びたい盛りです。
短足タイプのマンチカンの場合、短い足を一生懸命動かしてよちよちと駆け回る姿は、みなさんが想像するマンチカンそのものです。ピンと立ったしっぽが歩くたびに左右に揺れるのも、マンチカンの子猫の愛らしさを引き立てます。
子猫の頃から運動が好きなマンチカンは、猫じゃらしにも興味津々です。獲物を捕まえられそうな時にパッと手を伸ばしてきます。猫じゃらしまで手が届かないこともありますが、それはそれでとても可愛らしいですよ。
◆マンチカンの大人:12ヶ月
体重は3~4kgほどです。猫は1才で大人になるとされています。成長のスピードに個体差はありますが、1才時の体重がベストと覚えておくと良いでしょう。
この頃のマンチカンは、オスであれば身体がガッチリと、メスであれば脂肪で丸みを帯びた体形になります。
肝心の足の長さはと言うと、短足のままのマンチカンとスラっとした足になるマンチカンの2タイプに分かれます。長足のマンチカンであれば、普通の猫との見た目の差はほとんどありません。
◆マンチカンには短足と長足がいる!
マンチカンには、短足タイプと長足タイプの子がいて、7~8割は短足ではないと言われています。
一般的にペットショップなどでお迎えする生後3か月頃には、すでに短足か長足か区別がついていることが多く、短足のマンチカンは大人になっても短足のままです。
短足が強調されがちですが、足が長くてもマンチカンです。一方で、丸みを帯びた体形とまん丸の目は、どちらも子猫の頃から変わらず大人になっても残ることが多いです。
マンチカンの由来と歴史
足長のマンチカンと短足のマンチカンがいるとわかったところで、マンチカンの歴史をご紹介します。
◆マンチカンは「小さい」という意味!
マンチカンは「短足」ではなく「小さい」という言葉から名前が付けられました。英語で「小さな、むしゃむしゃと食べる者」という意味である「マンチキン」に由来していると言われています。
ちなみにオズの魔法使いに出てくる小人もマンチキンと呼ばれています。
◆短足は突然変異?!
マンチカンの短足は人の手で作られたものではなく、突然変異で現れました。イギリスをはじめ、アメリカやロシアなど世界各地で短足の猫が確認されています。
短足の猫と普通の猫をかけあわせたところ、短足の子猫が生まれたことからブリーダーによる繁殖が始まり、見た目の可愛さから爆発的に人気が出ました。
◆初めての展示ではマンチカンの評価は対立
マンチカンが初めてキャットショーに出たのは1911年のニューヨークです。短足が可愛らしいと人気を博す一方、短足は遺伝疾患ではないかと懸念する人も多くいました。
論争は長く続きましたが、マンチカンは1995年に猫の血統登録機関TICAによって新種として認定されました。
マンチカンへの見解は現在も分かれており、マンチカンを猫種として認めていない猫血統登録団体もあります。
マンチカンの気をつけたい病気
アニコム損保が公表している「家庭どうぶつ白書2017」によると、マンチカンの平均寿命は11.2歳というデータがあるようです。猫全体の平均寿命は15年程度と言われているので、それに比べるとやや短い傾向にあります。
そんなマンチカンに気をつけたい病気をご紹介します。
◆関節炎、ヘルニア
短足のマンチカンは体重の負荷が関節にかかりやすくなります。
高いところから飛び降りたり、肥満で体重が増えるとさらに関節に負担がかかって、関節炎やヘルニアになることもありますので気を付けましょう。
◆骨折、脱臼
マンチカンの子猫は、その体型からは驚くほどとても活発で動き回ります。しかし、成長段階にある子猫の骨は、思わぬ事故から骨折や脱臼につながってしまうことがあります。
子猫のうちは高い家具から飛び降りたりしないよう、部屋の中で自由にさせる時は目を離さないようにしてください。
◆毛球症(もうきゅうしょう)
長毛のマンチカンは、毛づくろいで毛をたくさん飲み込んでしまいます。この毛が胃や腸で固まってしまう病気が毛球症です。
ひどいと開腹手術が必要となるため、食欲がない、いつもより吐こうとする、便秘気味などが見られた場合は早めに獣医にかかってください。
また、普段のブラッシングで毛球症は防ぐことができます。換毛期は得にブラッシングで予防をしてあげてくださいね。
◆高齢になったら肥満や糖尿病に注意
10歳を超えたマンチカンは高齢期に入ります。運動量が減ったり代謝が落ちることで、どうしても肥満になりがちです。
肥満は糖尿病やヘルニアなど様々な病気の原因となります。普段から給餌量や体重を把握し、愛猫の年齢や飼育環境に合ったキャットフードを与えるようにしましょう。
マンチカンの飼い方
マンチカンは普通の猫と比べると小柄なので、ご飯の量が少なく経済的です。また、鳴き声も小さいため近所迷惑になることも少ない飼いやすい猫でもあります。
◆フローリングには滑り止めを!
フローリングはマンチカンにとっては滑って歩きづらい環境です。滑ると関節に負担がかかり、病気を引き起こす原因にもなってしまいます。
マンチカンが過ごす部屋には、カーペットやマットなど滑りづらくなるアイテムを用意しましょう。
どうしてもフローリングが良いという方は、フローリングが滑りづらくなるスプレーやコーティング剤を使っても良いでしょう。
◆室内温度はマンチカンに合わせる!
マンチカンに限らず猫は人間より低い位置で生活します。そのため、床付近の温度で室温を考える必要があります。
冷たい空気は下に、暖かい空気は上に行きます。また、冷風が苦手なマンチカンもいるので、冷感マットもできれば用意してあげましょう。
◆運動できるスペースを用意する
マンチカンは運動や遊びが大好きな、活発な性格をしています。運動不足はストレスになりますので、家の中にある程度広めの空間を用意しましょう。
そこにキャットタワーやぶら下げる猫じゃらしをおいて、マンチカンが楽しく運動できる環境があるとなお良いです。
マンチカンにオススメのおもちゃ
◆猫のおもちゃの王道、ねこじゃらし
ねこじゃらしは猫と遊ぶおもちゃの代表ですよね。最近は釣りざおタイプやリボンタイプなど、様々なねこじゃらしが登場しています。
釣りざおタイプは紐の先についた羽がゆらゆらと揺れる仕組みになっています。これが人の手で動かす猫じゃらしと違って、不規則な動きを作り出すため猫の狩猟本能を掻き立ててくれます。
マンチカンは本気でとびかかってくれるのでオススメです。
◆壊れず長持ち!レーザーポインター
ねこじゃらしは噛まれたり引っかかれたりすることで、すぐに壊れてしまいます。頻繁に買い替えることに抵抗がある方には、レーザーポインターがオススメです。
壁や家具にレーザーポインターの光を当てて、素早く動かすと興味津々で食いついてきてくれます。この時じっと止まる時間と素早く動く時間を作って動きにメリハリをつけるのがコツです。マンチカンをたっぷり運動させてあげましょう。
レーザーポインターを飼う際は、できれば日本製を選びましょう。日本のレーザーポインターは光が弱いため、万が一光がマンチカンの目に入っても安全だからです。
とは言え、目に直接当てない方が良いことには変わりありませんので気をつけましょう。
◆マンチカンが使うと可愛すぎる!けりぐるみ
けりぐるみはマンチカンが抱えやすい大きさのクッションで、前足で抱えるようにして持ち、後ろ足で蹴るおもちゃです。
足の短いマンチカンがけりぐるみを必死にキックする姿は、とっても可愛らしいですよ。
いろんなデザインがあるので選ぶのも楽しいですし、お留守番の際にも遊べるおもちゃです。マタタビが入っているタイプもあるので、いくつか揃えておくと良いでしょう。
買う際には、マンチカンの短い手足でもちゃんと掴めるように、大きさをチェックしてから買ってあげてくださいね。
◆マンチカンには低めのキャットタワーを
マンチカンは大人しそうな見た目と裏腹に、とても活発で運動好きな猫です。高いところに上ろうとジャンプしたり、部屋の中を走りまわる姿を目にすることもしばしばあります。
しかし、マンチカンは足が短いため高い所からジャンプすると着地の際にケガをする可能性があります。
子供のマンチカンは得に脱臼や骨折など大きなケガをしやすいので、登れてしまう高い家具やおもちゃは避けましょう。
キャットタワーも低めに作られているタイプがオススメです。また、階段が広めに作られているとより安心です。
まとめ
マンチカンには短足と足長の2タイプがいます。マンチカンは短足というイメージもあり、短足が人気な傾向にありますが、性格はどちらも同じように人懐っこくおだやかで、運動や遊びが大好きなので、飼い主さんも一緒に楽しめるはずです。
低めのキャットタワーや小さめのけりぐるみなど、マンチカンに合わせたグッズを用意して、楽しいキャットライフを送ってみてはいかがでしょうか。
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