【掲載:2020.06.21 更新:2024.09.24】
猫のケージは必要?
結論から言えば、猫のケージは必要と考えた方がよいでしょう。
では、猫のケージが必要な場面はどんな時でしょうか?
◆お留守番の時
飼い主さんには仕事や学校などがあるため、猫にとってお留守番が日常になるご家庭も多いでしょう。
棚や机の上のものを落としたり、人間の食べ物を食べてしまったり、おもちゃを飲み込んでしまったりと、家の中には猫にとって危険なことがたくさんあります。
飼い主さんが家にいれば防げることも、お留守番時には防ぐことができません。
猫自身の安全のために、お留守番中はケージに入ってもらう方がよいでしょう。
◆来客がある時
来客があると隠れてしまう人見知りの子や怖がりの子も、少なくありません。
ケージが猫にとって安心できる場所であれば、落ち着いて来客を迎えることができます。
◆窓や玄関を開ける時
換気をしたり、掃除機をかけたりするために、窓や玄関を開けっぱなしにしたいことがあります。
窓や玄関を開けっ放しにする必要がある時には、脱走防止のために猫をケージに入れておくと安心です。
◆料理やアイロンがけの時
猫は、好奇心旺盛な生き物です。
料理をしているキッチンや、アイロンがけをしている傍に近づいてきたりすることもあります。
火傷などの危険から猫を守るために、ケージを活用するとよいでしょう。
◆多頭飼いの場合
多頭飼育をしている場合、1匹1匹の猫に、ひとりで落ち着くことができる空間を作ってあげることも大切です。
ケージを置くことで、個々の猫のテリトリーを確保することができます。
◆病気やケガの時
「ケージレスト」という言葉があります。
ケージに入れることで、病気やケガの猫を安静にさせることです。
特に多頭飼いをしている場合、他の猫が病気やケガの猫を構ってしまって、安静を保つことができないこともあるので、ケージレストが必要になります。
また、猫風邪などの感染症にかかった子をケージに隔離することで、他の猫にうつることを予防できます。
多頭飼いの場合、血尿や下痢などがあっても、どの子のものか分かりませんが、1匹ずつ交代でケージに入れることで、どの子が病気をしているのかを特定することができます。
処方食など特定の食事管理が必要な子や食べる速さが異なる子の食事スペースを個別に確保したい場合にも、ケージを活用するとよいでしょう。
◆緊急時に備えて
日本は災害の多い国です。
大規模な災害が起きた場合、避難所で生活することになります。
東日本大震災の経験を踏まえ、環境省はペットを連れて避難する「同行避難」を推奨していますが、避難所で飼い主さんとペットが一緒に過ごす「同伴避難」はまだまだ一般的ではありません。
ペットは、避難所の動物用のスペースや、自治体やNPOなどが運営する保護センターで過ごすことになりますが、これらの場所ではケージでの生活になります。
猫にとっては、飼い主さんと離れたうえに、慣れないケージ生活をすることは大きなストレスになってしまうので、普段からケージに慣れておくことはとても大切です。
猫用大型ケージのメリット
猫用ケージの中でも大型のケージを使うメリットについて、見ていきましょう。
◆運動不足やストレスを軽減できる
大型のケージであれば、猫が十分に動き回ることができ、運動不足になったりストレスを感じたりすることを防ぐことができます。
猫は特に上下運動を好むので、2段以上の高さのあるケージがよいでしょう。
◆ゴハンとトイレのスペースを分けられる
猫にとって、ゴハンを食べる場所とトイレが近くにあるだけでストレスにつながります。
大型のケージであれば、ゴハンの場所とトイレを離して設置することができます。
◆多頭飼育にも
仲の良い猫同士であれば、同じケージで一緒に過ごすこともあります。
大型のものであれば、複数の猫が一緒に過ごしても余裕があるでしょう。
◆大型の猫のために
メインクーンなど大型の猫を飼う場合には、大型のケージが必要になります。
猫用大型ケージの選び方
大型ケージに限らず、猫用のケージを選ぶ時には以下のポイントを押さえておきましょう。
◆サイズ選びのポイント
まずは、どこにケージを設置するかを決めて、どのくらいの大きさのケージなら置けるか、イメージしてみましょう。
実際にメジャーを使って、幅、奥行き、高さを測ってみるとイメージしやすいです。
ケージの中には、ごはんスペース、ベッドスペース、トイレスペースを作ってあげる必要があります。
トイレを置く最下段の広さに余裕があるものを選びましょう。
理想の広さは、トイレを置いた時に猫が周囲を歩ける広さです。
猫は上下運動を好み、また必要とします。
十分に上下運動ができる高さがあるものを選びましょう。
目安は120cm以上で、成猫であれば2段や3段のものがおすすめです。
2段や3段のものなら、ごはんスペースやベッドスペースをトイレと離して設置することもできます。
◆安全性
猫によっては、ケージの網を噛んでしまうことがあります。
噛んだ時に塗料が剥げて、その塗料を飲み込んでしまうこともあるので、安全な素材の塗料のものや塗料がはがれにくいものを選びましょう。
大型の猫や多頭飼いの場合は、ステップや棚板の耐荷重を確認して、猫の体重に対応したケージを選びましょう。
頑丈でないものだと、猫が飛び乗ったり激しく遊んだりしたときに、棚板が外れて猫が落下したりケージ自体が破損したりする危険性があります。
プラスチック製は軽くて扱いやすいですが、頑丈さでは金属製や木製のものが優れています。
◆キャスター付き
大型のケージは設置した後に移動することが難しく、ケージの下や奥の掃除がしづらいです。
キャスター付きなら、移動がしやすく、周囲の掃除やケージ内のお手入れもしやすくなります。
キャスター付きのものは、ストッパーがついているものを選ぶと安心です。
猫用大型ケージを手作りする
ペット用品を扱うショップにはいろいろな猫用ケージがありますが、大型になるほど限られた設置場所にピッタリ収まる既製品を見つけるのが難しくなります。
そんな時には、猫用の大型ケージを自作するという方法もあります。
大型ケージを自作するメリットは、スペースや愛猫に合わせたケージを作ることができることです。
◆手作り前の準備
まず、高さや広さ、何段にするかなど、作るケージのイメージを考えます。
どのような場面で使いたいかをイメージするとよいでしょう。
次に、どこに置くのかを決め、どこで作るかを考えます。
大型ケージは出来上がってからの移動が大変なこともあるので、あらかじめ設置場所への搬入法などを考慮して、どこで作るかを決めましょう。
設置場所を決めたらサイズを測り、作るケージの大きさを決めます。
サイズやイメージが固まったら、簡単なものでもよいので設計図を作りましょう。
木材を使う場合には、詳細な設計図が必要です。
◆材料
ホームセンターや100均ショップで購入できるワイヤーネットやワイヤーラティスを使って、自作することができます。
ワイヤーネットなどを繋ぐ結束バンドやジョイント、底面になるすのこやジョイントマットが必要です。
強度を保つには、支柱としてスチールラックやイレクターパイプを使うこともできます。
イレクターパイプは、DIYでよく使われる材料で、スチールパイプにプラスチックをコーティングした軽くて丈夫な素材です。
木材で作る場合には、木材のほか、ネット、ネジや釘類、ちょうつがい、工具が必要になります。
木材は、設計図に基づいて必要な大きさや数を計算し、ホームセンターでカットしてもらうとよいでしょう。
まとめ
自由奔放なイメージのある猫ですが、安心できる場所となるケージは猫にとって必要なものです。
十分な上下運動ができる高さや、トイレも置ける十分な広さのある大型ケージであれば、ケージの中で過ごすことがストレスになることはないでしょう。
大型ケージの選び方のポイントは、広さや高さといったサイズ、素材や頑丈さなどの安全性、掃除や手入れのしやすさなどの利便性をチェックすることです。
ペット用品を扱うショップには様々なケージがありますが、自作する方法もあります。
ケージを自作する場合には、あらかじめどんなものを作りたいのかイメージを固め、安全性を重視して作りましょう。
設置場所のスペースや愛猫の性格・年齢に合わせたケージを活用すれば、愛猫との生活はより豊かに安全になるでしょう。