1.ミネラルウォーターとは?
1-1.ミネラルウォーターの定義
1-2.ミネラルウォーターと天然水の違い
1-3.ミネラルウォーターと水道水の違い
1-4.ミネラルウォーターにはミネラルが多く含まれている?
3.猫に軟水の水を飲ませる方法
3-1.水道水も軟水
3-2.軟水のミネラルウォーターを与える
3-3.ペット用ミネラルウォーターを与える
3-4.自動給水器を使用する
3-5.セラミックプレートを入れてみる
ミネラルウォーターとは?
愛猫にはずっと健康で長生きしてほしいと願う飼い主さんは多く、猫が毎日口にする食事や水には、人一倍気を遣っている方がほとんどだと思います。
なかでも猫にとって必要不可欠な飲み水に、こだわりを持っている飼い主さんは多くいらっしゃることでしょう。
私たちの生活にも欠かすことのできない水ですが、水にこだわる人の多くは、水道水ではなく、ミネラルウォーターを活用している方も多いですよね。
そもそもミネラルウォーターとは、どのような水のことを指すのか気になるところです。
普段から使い慣れている言葉でもあるミネラルウォーターとは、いったいどのような水となるのでしょうか?
◆ミネラルウォーターの定義
ミネラルウォーターとは「鉱泉水(こうせんすい)」とも呼ばれ、農林水産省の「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」に基づき定められ、容器に詰めて販売されている水のことを言います。
ミネラルウォーターは定義別に分類された水の総称となることもあり、定義によっては「ナチュラルウォーター」「ナチュラルミネラルウォーター」「ボトルドウォーター」といった品名で呼ばれることもあるようです。
基本的には地下水を原水とし、飲み水に適している水のみが、ミネラルウォーターの称号をもらえます。
◆ミネラルウォーターと天然水の違い
ミネラルウォーターと同じように、「天然水」といった水の名前もよく耳にしますよね。
天然水の厳密な定義は無いとも言われており、ピュアなイメージや響きを先行して使用しているメーカーが多いとされています。
なんとなく山の美味しい湧き水を連想させますが、そのような品質を保証されているわけではありません。
天然水と謳われている商品は、自然の水をそのままボトリングしているわけではないということを、理解しておくと良いでしょう。
◆ミネラルウォーターと水道水の違い
一方でミネラルウォーターと対極の扱いをされているのが、「水道水」です。
この2つの水には大きく分けて2つの違いがあり、1つは採水地、もう1つは処理方法の違いです。
ミネラルウォーターが地下水を原水としています。
それに対し、水道水は主に河川などを原水とし、塩素処理が行われて殺菌した後、水道管を通して各家庭まで提供されます。
日本の水道水は、世界の中でも高品質と評価も高く、安全に使用できますので、飲水用として利用しても問題ありません。
◆ミネラルウォーターにはミネラルが多く含まれている?
ミネラルウォーターの名称からも、ミネラル成分が多く含まれていて、栄養を多く摂取できると考えられがちではありますが、実際に摂取できるミネラル成分は、水道水に含まれているものとほとんど変わりありません。
ミネラルウォーターだからといって、たくさんのミネラル成分が摂取できるとは限らないのです。
ミネラルウォーターは、ミネラル成分の含有量やバランスによって、水の硬度が変化します。
世界保健機関のWHOが定めている基準では、ミネラル成分に含まれる塩類の数値(硬度)が120mg未満を「軟水」、120mg以上を「硬水」と定めています。
猫に飲ませてもいいのは軟水!
水には硬度があり、その濃度によって軟水や硬水に分類されますが、濃度が高ければ高いほど、口当たりは重く、ほんのりと苦味を感じます。
硬水の水は、ダイエット効果が期待できるとも言われていて、美意識の高い方々から注目されていることをご存知でしょうか?
硬度の高い水は便秘の解消や、動脈硬化の予防にも効果が期待できるので、そのようなことからも積極的に、ミネラルウォーターを摂取している方が多いようなのです。
これらの効果が見込めるほど、素晴らしい水であれば、ペットにも飲ませたいと思う飼い主さんもいらっしゃることでしょう。
しかし、ペットの中でも猫は腎臓に負担をかけやすい動物なので、ミネラルの過剰摂取は懸念されています。
なので猫が食べる食事は、ミネラル分を含む栄養がしっかりと計算されているので、硬度の高い水を飲んでしまえば、ミネラル過多となって悪影響をもたらします。
このようなことからも猫用の飲み水には、硬度の低い軟水を選ぶ必要があると言えるでしょう。
猫に軟水の水を飲ませる方法
猫の健康を守るためにも、普段から軟水の水を飲ませてあげたいですよね。
水にはたくさん種類があるので、どのような水を選べばいいのか、分からない方も多いかと思います。
猫用に軟水の水を与える場合には、どのような選択肢があるのでしょうか?
◆水道水も軟水
猫用の水で一番与えやすい軟水と言えるのが、水道水です。
こんなに身近にある水でいいのかと、不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、前述した通り日本の水道水はガイドラインの基準も高く、とても安全です。
最近ではこの水道水のおいしさを、たくさんの人に知ってほしいといった試みから、全国各地に水道水が飲むことのできる、「給水スポット」も誕生しています。
お金を出して商品を購入するミネラルウォーターに、負けずとも劣らない水道水が飲める国なので、安心して猫にも与えることができますよね。
日本の水道水の硬度は地域によってもことなりますが、平均50mg前後と言われているので、しっかりと軟水に分類されています。
そのまま水道水を容器に入れれば、すぐに猫に飲ませることができるのも嬉しいですよね。
それでも、まだ水道水を猫に与えることに、不安を覚えるようであれば、浄水器を使用することや、煮沸させた水道水を冷ました「湯冷まし」を与えてみるのもおすすめです。
ですが湯冷ましは菌の繁殖する時間も早いので、猫に与える際にはこまめな交換が必要となってきます。
◆軟水のミネラルウォーターを与える
外出先や、水道水の硬度が高い地域に居る場合などは、猫に水道水を与えるのをためらってしまうことでしょう。
そのようなときは迷わず、ミネラルウォーターを活用してあげてください。
購入できる商品のうち、一番硬度が低く、軟水と記載のある商品を選びましょう。
その際に香料などの、フレーバーの入っていない商品を選ぶようにしてくださいね。
◆ペット用ミネラルウォーターを与える
スーパーやコンビニなどで購入できるミネラルウォーターは、人が飲むように商品化されています。
もっと猫に特化している水を選びたいのであれば、ペットショップなどで購入できるペット用のミネラルウォーターがおすすめです。
私たちが普段口にする軟水よりも、さらに硬度が低い商品が多く販売されています。
普段から水道水を与えているご家庭でも、ペット用品のミネラルウォーターを備蓄しておくことによって、断水の際や災害時が起きた際にも利用できるので安心ですよ。
◆自動給水器を使用する
猫は水を自ら好んで飲まない動物でもあるので、常に新鮮で動きのある水を出してくれる、自動浄水器などもおすすめです。
常に新鮮な水が循環されているので、長時間放置された水のように菌が繁殖することがなく、容器にゴミやホコリが入ってしまっても、フィルターで除去してくれるので安心です。
とくに多頭飼育されているご家庭では、水が少なくなっていたり、こぼされたりして飲めなくなるといった心配も要らないので、重宝されているようです。
フィルターが汚れてきたら、新しい物に交換するだけですので、取り扱いが簡単なのも嬉しいですよね。
フィルターはメーカーによって、円形や半円など異なりますので、規格に合った交換用フィルムを購入し、常に清潔な状態で愛猫に水を飲ませてあげましょう。
◆セラミックプレートを入れてみる
尿路疾患などを患っている猫ちゃんの居るご家庭であれば、飼い主さんは常にミネラルの含有量を意識していることかと思います。
フードの尿pH値は意識することはできても、飲み水は不可能と思いがちですよね。
そのような悩みがある飼い主さんには、セラミックプレートや活性炭の利用をおすすめします。
これらの商品は、水の中の菌や不純物を吸着し、純度の高い水にしてくれる優れものです。
ただし浄水目的だけのpH未調節の商品は、猫に悪影響をもたらしてしまうこともあるので、必ずpH値調整済みのペットに特化した商品を選ぶようにしてください。
このようなジェックス社から販売されているような商品は、安心して使用することができますよ。
まとめ
普段から知っているようで本当は知らない、水についてご紹介させていただきました。
「大切なペットにこそミネラルウォーターを!」と思いがちではありますが、大切だからこそ猫にはどんな水が適しているかを、知ることこそが大事ですよね。
猫に与えるべき水は、硬度の低い軟水ということが分かりましたので、選ぶ基準が明確になったあとは、生活環境に合った軟水を選んであげましょう。
毎日口にするものだからこそ、妥協はするべきではないので、愛猫に一番合った方法でお水を飲ませてあげてくださいね。
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