1.柔軟剤は猫の体によくない?
1.柔軟剤の成分に注意
1.強い香りの柔軟剤に注意
2.猫のいる家庭での柔軟剤はどうすればいい?
2-1.猫用品はペット用のものを使用する
2-2.無香料・香りが弱いものを使用する
2-3.どうしても気になる場合は使用しない
2-4.洗剤も香りが強いものがあるので注意!
3.猫が柔軟剤を舐めてしまったら
3-1.すぐに病院に相談を
3-2.洗剤や柔軟剤の保管はきちんとする
4.猫のいる家庭では観葉植物にも注意
4-1.猫に危険な観葉植物
4-2.アロマテラピーも危険
4-3.ファブリックミストも使用を控える
5.まとめ
柔軟剤は猫の体によくない?
私たち人間の生活の中で欠かすことのできない洗濯ですが、洗剤で清潔に洗った衣類を身に着け、体を清潔に保つことが目的となりますよね。
ですが毎日のように洗濯をした衣類は、繊維が破壊されゴワつき、着用する回数や年月によって、生地がどんどん劣化していきます。
洗濯物に寿命がくることは仕方のないことではありますが、繊維に柔軟性を与え、生地の劣化をある程度防ぐ目的に使用されるのが、柔軟剤と呼ばれる仕上げ材となります。
柔軟剤を使用した洗濯物は優しい香りをまとい、柔らかい触り心地に整えてくれるので、自分好みの匂いのする商品を選んで使用している方も多いのではないでしょうか。
洗濯物に素晴らしい効果をもたらしてくれる柔軟剤ではありますが、猫はこの柔軟剤をどう思っているのかも気になるところですよね?
そして柔軟剤の成分は、猫にとって危険な成分が含まれていないのかも気になるところです。
柔軟剤はどのような成分を配合して、作られているのでしょうか?
◆柔軟剤の成分に注意
柔軟剤は洗濯物に柔軟効果をもたらすために、色々な化学物質を使用しています。
洗濯の目的は汚れを落とすことですが、柔軟剤はあくまで汚れを落としたあとの洗濯物の仕上がりをよりよくする目的で作られています。
「陽イオン界面活性剤」を主な成分としている柔軟剤ですが、この成分の一種には「第四級アンモニウム塩」と呼ばれるものがあり、抗菌剤や殺菌剤として利用されることもあるようです。
この成分は生殖毒性があるとも言われており、このような成分が使用されていることからも、猫にとって安全ではないと考えられないでしょうか。
ほかにも肌への刺激が強く、アレルギーを引き起こすことがあると言われている「蛍光増白剤」「安定化剤(エチレングリコール)」などが配合されているので、皮膚の弱い猫にとっては危険と言えるでしょう。
◆強い香りの柔軟剤に注意
柔軟剤の一番の特徴と言えば、強い香りとなりますよね。
この強い香りを演出する香料には、アルコールやエッセンシャルオイル(精油)などの、猫に有毒で舐めると危険な成分も多く配合されています。
そして天然では採取できない、人口(合成)香料を使用しているメーカーもありますので、このような香料は体内で分解されにくいことからも、体の小さな猫の体内に蓄積されれば、その分危険が生じてしまう可能性も否めません。
最近の柔軟剤はより高級感のある香りを演出するために、エッセンシャルオイルやアロマ成分をふんだんに使用した商品がたくさん販売されています。
嗅覚が鋭く、精油を解毒する能力が低い猫にとって、柔軟剤の強い香りは命取りになると言っても過言ではないでしょう。
柔軟剤で下痢や嘔吐などの中毒症状を引き起こすだけでなく、体内で蓄積された成分が原因で、肝臓などの臓器に負担がかかり、様々な症状が現れることもあるので注意が必要です。
猫のいる家庭での柔軟剤はどうすればいい?
猫に柔軟剤が危険なことは分かりましたが、柔軟剤の効果を知っている方からすると、柔軟剤を使用していない洗濯物に、満足ができないと感じる方もいらっしゃることでしょう。
また、柔軟剤には静電気を予防する効果もあり、特に乾燥する冬には柔軟剤を使用してお洗濯をしたいと思いますよね。
猫が居るご家庭では、どのような柔軟剤を使用するべきなのでしょうか?
◆猫用品はペット用のものを使用する
やはり愛猫の健康を第一に考えるのであれば、猫に安心で安全な柔軟剤を選ぶべきです。
猫の愛用している布製品を洗う際には、必ずペット用の柔軟剤を使用するようにしましょう。
人間が使用する柔軟剤よりも香りが強くなく、猫の皮膚にも考慮された成分で作られているので安心です。
◆無香料・香りが弱いものを使用する
嗅覚が優れている猫にとって、強い香りはストレスの元となってしまいますので、毎日のお洗濯に使用する柔軟剤を選ぶ際には、無香料か微香の商品を選ぶようにしましょう。
香り成分だけでなく、化学物質も多く配合されている柔軟剤ではありますが、香りを感じないだけでも猫への影響をある程度抑えられます。
どうしても柔軟剤の使用を止められないのであれば、まずは匂いが少ない商品を選んでみるのもおすすめです。
◆どうしても気になる場合は使用しない
愛猫のことが心配で、不安要素が残ってしまうようでしたら、柔軟剤の使用を止めてみてはいかがでしょうか。
もともと柔軟剤は生活水が硬水である海外で生まれたものなので、水道から軟水が出る日本では、それほど重要性が高くないとも言えますよね。
最近では洗濯用洗剤の機能も向上していますので、柔軟剤がなくても生地を傷めないような洗剤を選んでみても良いでしょう。
◆洗剤も香りが強いものがあるので注意!
柔軟剤を使用しなくなったとしても、洗濯洗剤の中には香りが強い商品も販売されていますので、そのような商品にも注意をしなくてはいけません。
柔軟剤の香り成分だけが猫にとって危険なだけではないので、現在使用している洗剤にほのかに香りがあるのであれば、猫はその何倍もの匂いを感じていることとなります。
そのようなことも踏まえた上で、猫に優しい柔軟剤や洗剤を選んであげてくださいね。
猫が柔軟剤を舐めてしまったら
柔軟剤を使用する際には、猫の体に付着しないか気を付けることも大切ですが、間違って誤飲することがないかも気にかけてあげなくてはいけません。
柔軟剤は舐める対象ではないからと思っても、飼い主さんの想像の斜め上をいくのが猫という動物です。
万が一猫が柔軟剤を舐めてしまったら、飼い主さんはまず何をすべきなのでしょうか。
◆すぐに病院に相談を
猫に舐めたものを吐かせるために、たくさんの水を飲ませるなどの処置は難しく、指を入れて吐かせることも、消化器官を傷付ける恐れがあるのでおすすめできません。
そのようなときはプロである、獣医師さんに相談することが一番です。
動物病院に連れていける時間帯であれば、そのまま猫と一緒に動物病院に向かい、病院に行くことが難しい時間帯であれば、緊急の対応をしてくれる病院に電話をかけ、相談をしてみてください。
その際何時ごろにどこのメーカーの柔軟剤を、どれぐらいの量飲んだかなどを伝えると、獣医師さんもスムーズに対応してくれますよ。
◆洗剤や柔軟剤の保管はきちんとする
一度でも柔軟剤に興味を示し、いたずらを繰り返すのであれば、洗濯洗剤の置き場所がいけないのかもしれません。
猫の目に付かない場所に置き、使用をする際にも猫を近づけないようにして、常に安全を心掛けるようにしましょう。
猫のいる家庭では観葉植物にも注意
猫のいるご家庭では柔軟剤だけでなく、危険なものが色々と潜んでいるのをご存知でしょうか?
危険な理由を知って、常に猫が安全に暮らしていけるような配慮をしてあげてくださいね。
◆猫に危険な観葉植物
二酸化炭素を吸い酸素を作ってくれる観葉植物ですが、猫が中毒を引き起こす種類が存在するのをご存知でしょうか?
猫は動くものに興味を示し、観葉植物がいたずらの対象となり食べてしまうこともあるので、危険な観葉植物は部屋の中に置かないことが望ましいです。
一般的に猫に危険な観葉植物と言われているのは、以下のような種類となります。
・多肉植物(アロエ・サボテンなど)
・サトイモ科の植物(ポトス・セロームなど)
・ドラセナ(幸福の木)
・アイビー
・ベンジャミン
ユリ科の植物は猫に危険なのは有名ですが、身近な多肉植物なども猫に危険が及ぶことがあるので、猫がいるご家庭では観賞を諦めた方が安全と言えます。
いたずらの対象は植物だけでなく、鉢植えの土や花瓶の水などの及ぶこともあるので、どうしても観葉植物を部屋に置きたい場合は、猫にも安全な植物を置くようにしましょう。
◆アロマテラピーも危険
香りで心も体も癒すことができるアロマテラピーですが、香りを嗅ぐだけで効果があるということは、嗅覚の強い猫にとっては刺激が強すぎるとも言えます。
主にアロマテラピーで使用するアロマも、植物から抽出した精油を使用しているので、前述した通り精油を解毒する能力が低い猫にとっては、命取りになってしまうほど危険です。
猫は肉食動物なので、植物を分解する酵素(グルクロン酸抱合)を持ち合わせておらず、体内に取り込んでしまった精油をうまく代謝できません。
なので解毒作業を行うはずの肝臓に精油が蓄積され、謎の体調不良に陥ってしまう猫ちゃんも少なくないそうなのです。
経験豊富な獣医師さんであれば、検査結果に異状がなかったとしても、飼い主さんとの会話の中からヒントを探ってくれるはずなので、アロマの存在に気付いてくれるかもしれませんが、原因不明でそのまま診察が終わってしまった場合はどうでしょうか。
飼い主さんがこのような危険性を知らず、アロマテラピーを使い続けてしまえば、愛猫の具合はどんどん悪くなり、最悪の場合命を落としてしまうこともあるので大変危険です。
◆ファブリックミストも使用を控える
洗えない布製品を消臭し、香りづけをするファブリックミストも、猫のために使用を控えるべきであると言えるでしょう。
ファブリックミストは別名「布製品の香水」と呼ばれることもあり、その香りは猫に強い刺激を与えることとなります。
「布製品に使用するから猫に害はないのでは?」と思われるかもしれませんが、ミストは細かい粒子となって空気中を漂い、猫の被毛や床に粒子が落ちていきますよね。
猫は毎日グルーミングをしますので、直接猫に使っていないつもりでいても、結果的に猫の体内に取り込んでしまっていることとなります。
このようなことからも、普段からファブリックミストの使用は、控えておくべきと言えるのではないでしょうか。
まとめ
私たちの生活の中には、様々な香りがするアイテムが溢れているので、すべてを除外させるのは難しいとも言えますよね。
ですが猫の健康を考えるのであれば、より有害性のあるものは家の中で使用することは控え、猫に安全な成分の商品を使用したいものです。
毎日のお洗濯に欠かせない柔軟剤もその一つとなりますので、現在使用している柔軟剤がどのような成分を使用しているのか、この機会に把握されてみてはいかがでしょうか。
もし猫に危険な化学物質や香料が多く使われているのでしたら、猫にも優しい成分を使用している商品に買い替え、猫への負担が軽減できるように考慮してあげてくださいね。
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