1.猫に豆乳を与えても良い?
1-1.豆乳の栄養成分と効果
1-2.アレルギー
1-3.豆乳3種類のうちどれを与えても大丈夫なの?
3.猫に豆乳を与える時の注意点
3-1.ミネラルが多いため尿結石のリスクがある
3-2.頻尿や下痢、嘔吐のリスクがある
4.豆乳の加工品は猫が食べても大丈夫なの?
4-1.豆乳クッキー
4-2.豆乳ヨーグルト
4-3.豆乳ホイップ
4-4.豆乳プリン
猫に豆乳を与えても良い?
結論としては、猫に豆乳を与えても大丈夫です。
適量を守れば、猫にもよい栄養成分が豊富に含まれています。
◆豆乳の栄養成分と効果
豆乳に含まれる主な栄養成分は、
・カリウム
・カルシウム
・マグネシウム
・鉄分
・レシチン
・イソフラボン
などです。
それぞれの栄養素に期待される効果をご紹介します。
タンパク質
タンパク質は、主に筋肉や皮膚、被毛などを作る成分です。タンパク質が不足すると、筋肉が小さくなったり、毛艶が悪くなったりといった影響があります。
また、免疫力を高める効果もあります。
カリウム
カリウムは、豆乳のほか、海藻などにも多く含まれるミネラルで、猫にとっても必要な栄養成分です。体内の塩分濃度を調節して、余分なナトリウムを排せつする働きがあります。
カルシウム
カルシウムは、骨を作る働きをする栄養成分です。牛乳もカルシウムが豊富ですが、猫の場合、お腹を壊してしまうことが多いので、カルシウム源としては豆乳がおすすめです。
マグネシウム
マグネシウムは、主に骨や歯を作るときに必要なミネラルです。また、血圧の維持などにも効果があります。
鉄分
鉄分は、酸素を体の隅々に運ぶ赤血球に欠かせない成分で、貧血予防に効果があります。
レシチン
レシチンは、豆類やお肉に多く含まれ、コレステロールや中性脂肪を改善する効果や、肝臓の働きを助ける効果があります。また、猫の認知症予防にも効果があるとされています。
イソフラボ
大豆イソフラボンは、人では女性ホルモンと同じような効果があり、更年期障害や生理不順に効果があるとされます。猫の場合は、免疫力の向上や老化防止などの効果が期待できます。
◆アレルギー
大豆を原料とするため、大豆アレルギーがある子には、与えないようにしましょう。
また、初めて与える場合には、少量を与えて、アレルギー反応が出ないか、注意深く様子を見てあげてください。アレルギー症状が出た場合に備えて、動物病院が開いている午前中から昼の間に与えることをおすすめします。
アレルギーの症状は、主に湿疹と痒みですが、嘔吐や下痢、喘息、口周りの腫れを引き起こすこともあります。ひどい場合には、アナフィラキシーショックを起こし、痒み、むくみや、蕁麻疹が生じるほか、血圧低下、不整脈、ショック状態、虚脱、呼吸困難、失禁や脱糞、意識障害、痙攣を引き起こす恐れもあります。最悪の場合、死に至ることもあるので、気をつけてあげてください。
◆豆乳3種類のうちどれを与えても大丈夫なの?
豆乳として市販されている商品には、大きく分けて3つの種類があります。無調整豆乳、調製豆乳、豆乳飲料の3種類です。
では、豆乳であれば、どれを与えてもよいのでしょうか?
まず、それぞれが、どのようなものであるかを見ていきましょう。
★無調整豆乳
大豆を搾った乳白色の液状そのままのものです。大豆固形分が8%以上であり、大豆たんぱく質換算では3.8%以上です。
★調製豆乳
無調整豆乳を飲みやすくするため、少々の塩や脂分などを加えたものです。大豆固形分が6%以上であり、大豆たんぱく質換算では3.0%以上です。
★豆乳飲料
調製豆乳に、果汁や紅茶、そのほかのフレーバーなどで味付けをしたものです。大豆固形分が2%以上であり、大豆たんぱく質換算では0.9%以上です。
猫に与える場合には、必ず無調整豆乳にしましょう。無調整豆乳は、水と大豆のみで作られているので、猫にも安心して飲ませることができます。
一方、上述の通り、調整豆乳や豆乳飲料には、塩や砂糖などの調味料、フレーバーのためのエキス類や果汁、添加物が加えられています。これらの成分は、猫にとっては有害なものです。
猫に豆乳を与える方法
◆常温で
人が飲む場合は冷蔵庫で冷やしていることが多いですが、猫には必ず常温のものを与えましょう。
猫が冷たい飲み物を飲むと、お腹の調子が悪くなり、下痢などの原因になることがあります。
◆適量を
猫に、大量の豆乳を与えるのはよくありません。
カリウムが豊富に含まれているため、与えすぎるとカリウムの過剰摂取になってしまいます。カリウムは、猫にとっても必要なミネラルですが、過剰摂取すると体調不良を引き起こす原因となります。特に、腎臓に問題がある子の場合、カリウムを摂取しすぎると高カリウム血症になってしまう可能性があるので、注意が必要です。
●子猫の場合
AAFCO(米国資料検査官協会)が定める栄養基準では、子猫の場合、フード100gあたり0.6%以上のカリウムを摂取するのが適正とされています。
ただし、生後12ヶ月未満、体重1㎏未満の子猫の場合、消化器官が発達していないため、注意が必要です。
基本的には、キャットフード(総合栄養食)を与えていれば、必要な栄養を得ることができるので、あえて豆乳を与える必要はありません。
どうしても与えたい場合には、ごく少量にとどめましょう。
●成猫の場合
生後12ヶ月~7歳、体重3~5㎏の成猫の場合も、フード100gあたり0.6%以上のカリウムを取るのが適正とされています。
成猫に与える場合の適量は、スプーン1杯程度となります。無調整豆乳が濃いように感じる場合は、水で薄めて与えるとよいでしょう。
大量に与えると、下痢を引き起こす可能性もあるので、注意してください。
●シニア猫の場合
7歳以上のシニア猫の場合は、消化器官が衰えてきている可能性があり、注意が必要です。
また、シニア猫は腎機能が低下している場合も多く、豆乳をたくさん与えると、高カリウム血症や尿結石などの病気を引き起こすリスクが高まります。シニア猫に、あえて与える必要はありません。
猫に豆乳を与える時の注意点
◆ミネラルが多いため尿結石のリスクがある
豆乳には、マグネシウムが含まれています。マグネシウムは骨を作るために必要なミネラルですが、過剰に摂取すると尿路結石になってしまいます。
また、腎臓や膀胱、尿管、尿道に結石ができる可能性もあるので、1日の適量を超えないように注意してください。
◆頻尿や下痢、嘔吐のリスクがある
豆乳に豊富に含まれるカリウムには、利尿効果があり、過剰摂取をすると、おしっこの回数が増え、飲みすぎると下痢や嘔吐の原因になることもあります。
豆乳の加工品は猫が食べても大丈夫なの?
◆豆乳クッキー
猫用に作られた豆乳クッキーであれば、与えても大丈夫です。
しかし、人用に作られた豆乳クッキーには、砂糖やバターが使われていることが多いので、与えないようにしてください。肥満や糖尿病につながる恐れがあります。
◆豆乳ヨーグルト
豆乳ヨーグルトは、猫に与えても問題ありません。
大豆アレルギーのある子には与えないようにしてください。また、冷蔵庫で冷やしたものは、冷たさでお腹を壊す可能性があるので避けましょう。
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、便秘解消によいとされています。
乳製品のヨーグルトでお腹を壊してしまう子には、豆乳ヨーグルトを試してみてもよいかもしれません。
しかし、体に合わず、下痢をしてしまう可能性もあるので、与える際には少量からにしましょう。
また、必ず、砂糖が入っていないプレーンヨーグルトを与えるようにしてください。
◆豆乳ホイップ
豆乳ホイップも、猫が食べても大丈夫な食べ物です。
愛猫と一緒に食べる場合には、砂糖を入れずにホイップしましょう。お誕生日やうちの子記念日などのお祝いに、手作りケーキを作ってあげてもいいですね。
豆乳ホイップを使った猫用ケーキも市販されているので、手作りはハードルが高いという飼い主さんは、ぜひチェックしてみてください。
◆豆乳プリン
こちらも、人用の豆乳プリンを与えてはいけません。猫にとっては、糖分が多く、添加物も気になります。
猫用のプリンは、残念ながらあまり市販されていないようなので、プリンを食べたがる猫ちゃんには、豆乳プリンを手作りしてあげるとよいかもしれません。
★猫用豆乳プリンの作り方
・卵1個
・豆乳100㏄
【作り方】
1.卵と豆乳を混ぜ合わせ、茶こしでこして、耐熱容器に入れる
2.600wの電子レンジで1分加熱
3.様子を見ながら20秒ずつ追加して、固まるまで加熱
4.人肌程度に冷まして完成
カラメルソースの代わりには、猫用の鰹節をトッピングしてみても◎。
まとめ
牛乳を飲むとお腹を壊す猫は多いですが、豆乳であれば、猫に与えても大丈夫です。
ただし、必ず適量を守りましょう。与えすぎると、マグネシウムやカリウムの過剰摂取から体調不良を引き起こす恐れがあります。適量は、成猫でスプーン1杯程度です。
子猫やシニア猫には、あえて与える必要はありません。どうしても与えたい場合には、獣医師さんにあらかじめ相談して、適量を聞いておきましょう。
また、与える際には、無調整豆乳を常温で与えます。調製豆乳や豆乳飲料には糖分や調味料などが使用されているため、与えないようにしてください。
大豆アレルギーのある子もいるので、初めてあげる際には、少量を与え、アレルギー症状が出ないか、注意深く様子を見てあげてください。
豆乳の加工品は、砂糖などが含まれていないプレーンなものであれば、与えても問題ありません。豆乳が好きな子やプリンを欲しがる子には、豆乳ホイップを使ったケーキや豆乳プリンを手作りしてあげてもいいですね。
豆乳には、多くのメリットがある一方で、デメリットもあるので、気をつけて与えてあげてください。
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