1.猫のしっぽは気持ちを表す!?
1-1.バランスを保つ
1-2.マーキング
1-3.防寒具
1-4.遊び道具
2.猫のしっぽが震える理由
2-1.飼い主さんへの「好き」のサイン
2-2.マーキング
2-3.集中している
3.猫の体が震えている場合
3-1.生理的な理由による震え
3-2.病気が原因となる震え
4.まとめ
猫のしっぽは気持ちを表す!?
犬はしっぽで自分の気持ちを表現すると言われていますが、猫の場合も犬と同じように気持ちが表現されているのか、気になったことのある方も多いはずです。
猫はしっぽで気持ちを表すのか、その答えは「YES」となります。
人間と言葉を交わして会話ができない猫は、自分の気持を表現するとき、微妙にしっぽを震わせるなどをして感情を表すようです。
そして気持ちの表現以外にも、猫のしっぽには別の役割があることをご存知でしょうか。
猫の驚くべきしっぽの役割を、順番に見ていきましょう。
◆バランスを保つ
猫のしっぽは傍から見ると単純な紐のような作りに見えますが、しっぽが長い子であれば18~20個の尾椎(びつい)と、前後左右に動かす4つの筋肉、細かい震えなどを表現する8つの筋肉により構成されています。
尾骨が仙骨と脊椎で連結されているので、しっぽの先まで神経が通っており、猫にとってとても敏感な部分となるようです。
この単純そうで複雑な構造のしっぽは、バランス感覚の優れた猫にとって、なくてはならない存在と言われているのですが、その理由にはしっぽを使ってバランスを保っていることが挙げられます。
足場の悪い場所やバランスを崩しそうなときには、しっぽを素早く振ることにより骨盤の位置が調整されるので、落下のような事故を未然に防ぐ役割を担っているようです。
◆マーキング
猫のしっぽの付け根には「臭腺(しゅうせん)」と呼ばれる、分泌物を排出する器官があります。
「自分のものだ!」と主張したいときは、その対象にしっぽを擦り付けることで、自分のニオイをしっかりと残せるといった仕組みです。
飼い主さんに擦り寄るとき、自分のしっぽも絡ませるように擦り寄ってくるのであれば、それは愛猫からの愛情表現として受け取ってあげてくださいね。
◆防寒具
寒い季節が苦手な猫は、体を丸めて眠ることや、グルーミングの気化熱を利用して、熱を逃さないようにと工夫しながら寒い季節をやり過ごします。
そのような寒い日には、しっぽの長い猫ちゃんは、自分の手足や眠っている体にしっぽを巻き付け、熱を逃さないような工夫をするようです。
しっぽが長い猫ちゃんの特権でもありますが、上手な使い方を知っているあたり、猫はやっぱり賢いな、と感心させられますよね。
◆遊び道具
母猫などは子猫に対して、しっぽをおもちゃのような遊び道具として、扱うことがよくあります。
遊ぶことが億劫なときであっても、神経が通ったしっぽであれば、自由自在に子猫をあやしてあげられますよね。
子猫の中には加減を知らずに、思いっきり噛みついてお母さんに叱られてしまう子も居ますが、血縁関係がなくても信頼関係が築かれていれば、よく見られる光景であるとも言えるでしょう。
猫のしっぽが震える理由
とても敏感で重要な機能を担う猫のしっぽではありますが、冒頭でお話しした通り、しっぽを震えさせている場合は、病気が関係しているのか、恐怖心を感じているのかなど心配になってしまいますよね。
猫のしっぽが震えているときには、どのような理由が関係していると考えられるのでしょうか。
◆飼い主さんへの「好き」のサイン
猫が飼い主さんを見ながらしっぽをプルプルと震えさせている場合は「好き」や「嬉しい」といった感情で満たされている証拠です。
そのときしっぽをピンと立て、甘えたような鳴き声を出し、表情が柔らかければ柔らかいほど、気持ちが満たされていることでしょう。
気持ちが落ち着いていて機嫌が良いときほど、このような仕草を見られますので、愛猫からの愛情に応えてあげるためにも、撫でたり抱っこをしたりして、スキンシップを図るようにしてあげてください。
◆マーキング
しっぽを立てて小刻みに震えさせるといった行為には、もう一つ別の意味があることをご存知でしょうか。
それはマーキングといった、おしっことは別のスプレー行為となります。
この行為は縄張り意識や発情期中のオス猫によく見られる行為となりますが、メス猫でもスプレー行為をする子は居ますので注意が必要となります。
猫がマーキングをする際は、トイレのみならず部屋の至る場所で粗相を試みるので、落ち着かない様子で部屋をウロウロし出したときは目を離さず、しっかりと動向を確認するようにしましょう。
しっぽを立てて小刻みに震えさせたときには、マーキングの真っ最中となるので、その前に気付いてあげられるような対策が必要となってきます。
◆集中している
猫は狩猟本能の強い動物なので、獲物を見つけると全身を集中させますが、やがてその興奮状態がしっぽに現れることがあるようです。
身を低くし、目を見開いて今にも飛び掛かりそうな態勢を維持しますので、その必死さが可愛くてついつい声を掛けたくなってしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか。
しかし、猫のしっぽの先端がピクピクと動いているのであれば、獲物に夢中になっている証拠ですので、邪魔をしないことが一番です。
飛び掛かるタイミングを計る際には、お尻としっぽをフリフリさせて勢いよく飛び掛かりますので、猫が集中しているときのしっぽの振り方は、邪魔をしないためにも覚えておくと安心です。
また、何か考えているときや、深い眠りに就いているときなども、しっぽの先端がピクピクすることがあるので、いずれの場合も邪魔はしないようにしましょう。
猫の体が震えている場合
猫のしっぽが震えているときは、とくに心配が要らないことが分かりましたが、体が震えている場合はどうでしょうか?
猫の体が震える原因として考えられるのは、以下の通りです。
◆生理的な理由による震え
猫の体が震える原因として第一に考えられるのは、生理的な理由による震えとなります。
とくに寒さを感じるときに体を震わせるのは、全身の筋肉を小刻みに収縮させることによって発熱させ、体温を維持させるための調節を行っているからです。
子猫や怪我をした猫、病気によって低体温になっている猫にも見られることがあるので、猫の体に触れてみて普段より温かさを感じなければ、毛布などにくるんで体を温めてあげてください。
ほかにも恐怖による震えや、加齢による筋力の衰えによって、力んだときに震えることなどもありますので、自然に治まるのを待って様子を見るようにしましょう。
◆病気が原因となる震え
生理的な理由で猫が震えている場合には、根本的な原因を排除し、自然に治まるのを待っても問題ありませんが、病気による震えは様子を見るようなことはせず、すぐにでも動物病院を受診しなくてはいけないほど重篤な状態とも言えます。
以下のような病気は、震えるといった症状が出やすいので、とくに注意が必要と言えるでしょう。
・水頭症
・脳炎
・脳腫瘍
・腎不全
・肝機能不全
・低血糖症
・低カルシウム血症
・歯周病
てんかんや水頭症、脳炎や脳腫瘍といった病気は、神経疾患となるので震え(痙攣やひきつけ)を起こす可能性が高いと言われています。
腎不全や肝機能不全などの内臓疾患も、体内に毒素が溜まってしまえば、震えなどの神経症状が出てくる可能性も否めません。
内分泌や代謝の異常となる低血糖症や低カルシウム血症も、脳への影響が出ますので、猫の体が震えてしまうといった症状がどうしても出やすくなるようです。
また、重篤化した歯周病などは、炎症が歯茎や骨まで到達していることもあるので、鋭い痛みを感じて震えてしまう子も居ることでしょう。
同じような痛みとして、怪我をした際にも震えが出ることがありますし、毒性の強い物を摂取した際にも、体が拒否反応を示して震えることがあります。
これらの震えは緊急性が高く、様子を見ている時間はないので、早急に動物病院を受診し、獣医師さんに正しい治療を行ってもらうようにしてください。
まとめ
猫の特徴的なしっぽは、さまざまな役割を担った便利なアイテムであることが分かりました。
言葉が話せないこともあって、しっぽを有効に使うその姿は、進化の過程の中で色々な困難に直面してきたからこそ、備わった能力なのかもしれません。
なかでも震えるといった動きは、一見不安や恐怖心を感じているように思われますが、飼い主さんに向けて小刻みに揺らしているのであれば、愛情表現の意味が込められていることを知ってしまうと、ますます猫のことが愛おしくなってしまいますよね。
そして、猫のしっぽは脊髄に直結しとても敏感なので、強く触れたり引っ張ったりしないようにしましょう。
運が悪ければ猫ちゃんは痛みだけでなく、内臓を傷付け後ろ足に障害がでてしまうこともあるので注意が必要です。
しっぽが震えること自体には大きな問題はありませんが、体が震えている場合は、緊急性を要することもあるので、飼い主さんは普段から愛猫の体に異常がないかの確認を怠らないようにしてあげてください。
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