猫はパニックになりやすい

「パニック」とは突発的な不安や恐怖、そしてストレスなどによって混乱した心理状態や、それに伴う錯乱した行動のことを指します。
言葉としてはとても強めな表現として捉えられることも多いのですが、動物がパニックに陥ることを「暴発行動」と呼ぶこともあるようです。
自分自身に重大な危険が迫ったときなどに、びっくりして心身の制御が効かなくなってしまう状態となるので、そのような姿は飼い主さんから見ると、ただ暴れているように映ってしまうかもしれません。
猫は慎重で警戒心が強い分、些細なことでパニックに陥りやすいので、猫を飼っている方であれば、愛猫の心に負担をかけないためにも、そのような状況に陥らないような生活環境を整えたいと思っている飼い主さんは多いのではないでしょうか。
人間では「パニック障害」と呼ばれる病気がありますが、別名「不安障害」とも呼ばれ、様々な症状が出ることにより生活に支障が出てしまう状態を指します。
このパニック障害と猫のパニック状態に関係性はありませんが、猫がパニックを起こすときには、脳の中の「扁桃体(へんとうたい)」といった、神経細胞の集まりが過剰反応していると考えられています。
普段猫が冷静沈着で居られるのは、この扁桃体が正常に働いている証ですが、不安や恐怖を感じた猫の扁桃体が過度に働いてしまうと、脳内神経伝達物質と呼ばれる「セロトニン」が不足し、気持ちの制御ができなくなってしまうようです。
猫がパニックになりやすい原因
猫はパニックに陥りやすい動物となりますが、できることならパニックとは無縁な生活を送れるように、日頃から気遣ってあげられはしないのでしょうか。
どんなに気を付けたとしても、常に慎重だからこそ些細なことに驚いてしまう猫ではありますが、パニックになる原因をもとから理解しておくのと理解しておかないのでは、愛猫がパニックになったときの対処法も変わってきますよね。
一般的に猫は、どんな原因によってパニックになることがあるのでしょうか。
◆大きな音
猫がパニックになりやすい原因として多いのが、大きな音を聞いたときです。
猫の五感でもっとも優れていると言われているのが、聴力となりますので、音に対する感度が非常に長けています。
可聴域が広くどんな音も聞き逃さないような聴力を持ち合わせているので、私たち人間が「うるさい」と感じる音は、猫にとってはそれ以上に不快な音として聞こえていることでしょう。
突然物が落ちたときの音、風でドアが閉まったときの音、いつも穏やかな飼い主さんが大きな声で怒鳴った声、テレビによる爆音、インターホンの音、クルマや工事の音、雷が落ちる音、花火の音、地震や台風などの天災で物が軋む音などなど…。
猫のパニックを誘発する音は、私たちの生活の中で日常的に溢れています。
私たちは様々な経験から、ある程度の音に対しての免疫がありますが、猫にとって予測不能なタイミングで鳴る音は、一生かかっても慣れることができないのではないでしょうか。
◆恐怖
予測不能な音だけでなく、予想外の出来事が起こったときにも、猫はパニックに陥りやすいです。
たとえばレジ袋の持ち手に足や体が引っ掛かったときや、ひも状の物が絡まってしまったときなど、自分で上手く取り外せないことに焦りを感じたときに、パニックになることがよくあります。
自由気ままな暮らしを望む猫が、得体の知れないものに拘束されたとすれば、どんどん恐怖心が増していったとしても仕方がないですよね。
ほかにも怖いものを見た場合などにも、猫はパニックになることがよくあり、天敵である蛇に似たものを見たときなどに、予想外の驚き方をすることがあります。
一時期猫の背後にきゅうりを置いておくと、その存在に気付いた猫は、びっくりして高くジャンプをするといった動画が流行りましたが、見慣れない細く長い物体を危険なものと瞬時に察知したことによる結果と言えるのかもしれません。
また、動かないと思っていたものが突然動くことや、普段生活している環境の中に、突然見慣れないものが置かれているときなどにも、猫は恐怖を感じることが多々あるようです。
そしてボーっとしている猫に突然声をかけたり、無理矢理押さえつけて投薬を試みたりするときなどにも、猫は怖い思いをするので、パニックを起こし自制が利かなくなることがよくあります。
◆病気の可能性
大きな音や恐怖を感じたときなどの、一時的なパニックであれば、時間が経過することによって、猫は徐々に落ち着きを取り戻せますが、病気が理由で慢性的にパニックを起こす場合は注意が必要と言えるでしょう。
病気が原因の場合、正確にはパニックを起こしているのではなく、パニックを起こしているように見えるだけ(発作など)なので、飼い主さんは冷静にその状況を判断し、その状況に的確な対処をしてあげなくてはいけません。
とくにこれといってパニックに陥るような原因が無い場合は、病気を疑うことも大切です。
とくにパニックに似た症状を引き起こす病気として知られているのが、「てんかん」といった脳の病気ではないでしょうか。
てんかんは突然意識障害や発作(痙攣など)を起こす病気なので、適切な対処をしないと猫だけでなく、飼い主さんも深い傷を負ってしまうことがあるようです。
数秒から数十秒程度で収まることがほとんどではありますが、正しい知識がなければ、対処の仕様がないので、パニックになる原因は知っておくに越したことがないと言えるでしょう。
猫がパニックになった時に見せる行動
パニックに陥った猫は、深呼吸をして気持ちを落ち着かせるといったようなことはできないので、予期せぬ行動をとることがほとんどです。
家の中を走り回り、自分の身を隠す安全な場所を探すことや、上手に息が吸えないときは過呼吸になってしまうこともあります。
興奮状態が続いてしまうと、急激に体力を消耗することによってぐったりとし、意識が飛んだようによだれを垂らすといった症状が見られることもあるようです。
そのような状態の猫をなだめようと飼い主さんが手を差し伸べたとしても、興奮状態の猫は攻撃力が増してしまいますので、正しい対処法を用いて愛猫が冷静さを取り戻すのを待つようにしましょう。
猫がパニックになった時の対処法

猫はパニックに陥ると五感がさらに研ぎ澄まされるので、そのときにむやみやたらに飼い主さんが距離を縮めて手を差し伸べれば、飼い主さんまで嫌な記憶として結び付けられてしまいます。
猫がパニックになったときの正しい対処法は、猫に触らないようにし、落ち着くまで時間をかけて待つことが基本と言えるでしょう。
無理に撫でようとしたり抱っこをしたりすると、さらに興奮状態を助長することになりかねませんので、なだめたい気持ちをグッとこらえて、時間が解決することを待つほかありません。
可能であれば飼い主さんが別の部屋に移るなどをし、猫自身が平常心に戻るまで気長に待ってあげてください。
ただ、猫の身の回りに危険なものがあるようであれば、それらを取り除き、二次災害が起きないように配慮をするようにしましょう。
そして、猫ちゃんの体に何かが絡まってパニックを起こしている場合は、目隠しになるようにタオルや毛布などを猫の頭に被せ、絡まっているものを素早く取り除いてください。
猫自身に目隠しをすることや、暗くて狭い場所の提供などは、猫の気持ちを落ち着かせる効果があるので有効です。
まとめ
緊張や興奮状態が続くと胸が苦しく、うまく呼吸ができなくなることや、冷汗が一気に流れるといった、普段とは違う症状が出てしまうものです。
このようなパニック症状は、人間以外の動物にも起こりうることですが、猫はとくにパニックを起こしやすい条件の揃った動物であり、飼い主さんは日頃から愛猫がパニックを起こさないような生活環境を整えておく必要がありますよね。
しかし、どんなに気を付けていたとしても、何かしらのきっかけによって猫がパニックを起こすことは、ある意味仕方がないと言えるのかもしれません。
もし愛猫がパニックを起こしたとしても、飼い主さん自身がその状況に釣られないようにし、猫が落ち着きを取り戻すまで、時間をかけて待ってあげるようにしてください。
そして、パニックを起こすような原因に心当たりがない場合は、病気の可能性もあるので、不安要素を取り除くためにも早めに動物病院を受診するようにしましょう。
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