1.クリーム色の猫は珍しい?
2.クリーム色の猫が生まれる仕組み
3.クリーム色の猫の性格
4.クリーム色の猫の種類
4-1.ロシアンブルー
4-2.ペルシャ
4-3.ブリティッシュショートヘア
4-4.日本猫
5.まとめ
クリーム色の猫は珍しい?
「クリーム色の猫」という言葉を聞き慣れないことからも、私たちは普段優しい色合いをした毛色の猫を見る機会はあまりないようにも思えます。
日本ではもっともポピュラーな猫として知られている「キジトラ」ですが、日本猫の原型であるとも言われていることからも、日常的に目にする猫は茶色のトラ猫が多いような気もしますよね。
猫の祖先は「リビアヤマネコ」と呼ばれるヤマネコと言われていますが、このリビアヤマネコの毛色や模様はキジトラとそっくりなので、日本猫にキジトラが多いと言われていることにも納得です。
その後さまざまな遺伝子を持った猫たちが派生して、キジトラの猫だけでなく茶トラやサバトラ、三毛やキジ猫、単色や部分模様のあるポイントの猫たちが誕生していきました。
こうして毛色や模様が異なる猫たちが誕生してきたのにも関わらず、クリーム色の猫をあまり見かけないということは、必然的に生まれる確率が少ない、と考えられるのではないでしょうか。
クリーム色の猫は数が少なく、珍しい猫ならば、どうやってクリームの被毛を持った猫が生まれてくるのかを、まず考えていきましょう。
クリーム色の猫が生まれる仕組み
猫の毛色や模様は、両親から受け継ぐ遺伝子の組み合わせによって決定します。
しかし、両親のメスが白猫でオスが黒猫だった場合、白と黒のミックスが生まれるといった単純な話ではなく、猫の毛色や模様を司る遺伝子はとても複雑です。
その組み合わせは数十通りになるとも言われており、その組み合わせに深く関わってくるのが「遺伝子座」と呼ばれる染色体の一部が関係してきます。
猫の毛色や模様を決める遺伝子座は、以下の通りです。
・O(オレンジ・ブラウン)
・A(アグーチ)
・B(ブラック)
・C(カラーポイント)
・T(タビー)
・I(インヒビター)
・D(ダイリュート)
・S(スポッティング)
9種類ある遺伝子座ではありますが、細かく分類していくとそれぞれ優性と劣性の遺伝子座が存在し、猫は生まれるときに両親からそれぞれ1つずつの遺伝子を受け継ぎます。
すべての猫ちゃんは2つで1対の遺伝子を受け継いでいるので、その組み合わせによって毛色や模様が決定するといった仕組みです。
クリーム色の猫が生まれる場合には、もとの色を淡い色にするといった淡色化因子となる、「D遺伝子(ダイリュート遺伝子)」が深く関係してきます。
この「Dilute(ダイリュート)」という言葉に「薄める」といった意味がある通り、毛色を淡い色にしてくれる役割があるわけですが、両親のどちらかが優性遺伝子である「D遺伝子」を持っていた場合は、クリーム色の子猫は誕生しません。
クリーム色の猫が生まれるためには、劣性遺伝子である「d遺伝子」を両親からそれぞれ1つずつ譲り受けなくてはいけないので、「dd」といった2つで1対の遺伝子を受け継ぐ必要があるのです。
両親とも「dd」遺伝子を持ち合わせていれば、子猫は必然的にダイリュートとなりますが、両親が「Dd」と「dd」の場合は4分の1の確率でダイリュートの子猫が生まれてきます。
両親のどちらかが「DD」だった場合は、クリーム色の猫は生まれてきませんので、このようなことからもクリーム色の猫は、出現率が低いと言えるのではないでしょうか。
クリーム色の猫の性格
クリーム色の猫は毛色が優しい色合いであることからも、性格はほんわりとした甘えん坊で優しい気質の子が多いような気もしますが、実際のところはどうなのか気になりますよね。
猫を一括りにして考えてみると、自分勝手で人に懐かないといったイメージが先行してはいますが、猫と一緒に暮らしたことのある方であれば、そのようなイメージと180度違う姿を猫が見せてくれることをご存知のはずです。
もちろん個体差はありますが、信頼関係が築かれた相手には警戒心が緩まりますし、信頼しているからこそ好きといった気持ちが溢れてしまう子も多く存在しています。
これらのことを考えてみると、クリーム色の被毛を持っているからといって、絶対に決まった性格になるとは言い切れませんよね。
生まれ育った環境によって猫の性格は変化しますし、やんちゃな子も居れば、大人しくて穏やかな子が居てもおかしくありません。
しかし、一方でリビアヤマネコの血を強く受け継いでいるキジトラは、野性味が溢れている性格をしていて、茶トラは穏やかで甘えん坊の性格をした子が多いと言われることがあります。
毛色によってある程度の傾向が、性格に出るといった情報があるようであれば、クリーム色の猫ちゃんに出会ったときは、どんな性格なのか判断し、自分なりの統計を取ってみてはいかがでしょうか。
クリーム色の猫の種類
なかなかお目にかかれないような珍しいクリーム色の猫ではありますが、猫の中にはもともと「dd」の遺伝子を持った猫種も存在しています。
クリーム色がかった猫ちゃんという感覚で改めて見てみると、新しい発見があるかもしれませんよ?
◆ロシアンブルー
グレーの毛色がとても綺麗な「ロシアンブルー」ですが、「dd」の遺伝子を持った猫種として知られています。
グレー(ブルー)の被毛が誕生する原理は、黒の遺伝子にダイリュート遺伝子が混ざることによって、頭からしっぽの先まで全身美しいグレー色になるようです。
グレーの毛色はとても珍しく、神秘的に感じてしまいますが、元は黒猫だったと考えてみると、とても親近感が湧きますよね。
ダイリュートの遺伝子を絶やさないことによって、美しい毛並みのロシアンブルーが元時代にも存在し続けているのは、なんとも喜ばしいことではないでしょうか。
◆ペルシャ
長毛種の代表的な猫とも言える「ペルシャ」ですが、ホワイトやクリームの毛色を持った猫が誕生しやすいと言われています。
ペルシャの毛色は大きく分けて7種類になりますが、その中でもソリッド(1色の被毛)が誕生する確率が高いこともあり、ホワイトやクリームだけでなく、チョコレートやブルーの個体が誕生することも多いそうです。
長毛種のクリーム色が入った猫ちゃんは、見た目からしてふんわりとしていて穏やかそうに見えますし、ぬいぐるみのように愛らしい姿に魅了されてしまう方が多いことにも納得ですよね。
猫カフェなどでペルシャの猫ちゃんを見られる機会があった際には、クリーム色の猫ちゃんを探してみるのもおすすめです。
◆ブリティッシュショートヘア
ロシアンブルーにもよく似ている「ブリティッシュショートヘア」も、グレーの美しい毛並みをした猫として有名ですよね。
もともとは「ブリティッシュブルー」と呼ばれ、ブルーの単色のみが公認されていましたが、現在ではさまざまな毛色や模様が認められて、名前もブリティッシュショートヘアへと変わったそうです。
しかし、もとがブルーの個体しか存在していなかったこともあり、ブルーソリッドが生まれる確率は高いですが、クリームがかったタビーやダイリュートキャリコ(パステル三毛)といった珍しい個体が誕生すると、希少性が上がって値段も高くなる傾向があると言われています。
◆日本猫
このように純血種の猫は、比較的クリーム色をした個体が生まれやすい条件が揃ってはいますが、もちろん日本で日常的に見かける「日本猫」の中にも、クリーム色をした被毛を持つ子は存在しています。
色々な条件が重なって「dd」の遺伝子を受け継いだことに変わりはないので、その珍しさを含めて唯一無二の存在とも言えるでしょう。
クリーム色の猫を見つけたときは、そのことも踏まえた上で希少性を実感されてみてはいかがでしょうか。
まとめ
私たちが普段身に着ける物には必ず色があり、その人の好みによって色や柄が選ばれますが、比較的淡い色合いを好む傾向の人が多いようにも感じます。
そのようなことからも、当たり前のように私たちの身近に居てくれる猫に対して、クリーム色の被毛を持つ個体に希少性を見出してしまうのかもしれません。
その心理として柔らかい色合いは、攻撃性が少なく優しい印象を与えられることが一理あるような気もしますが、結論を言ってしまえば、猫はクリーム色であってもそのほかの毛色や模様であっても愛すべき存在に違いは無いということです。
両親から受け継いだ遺伝子をすべての猫ちゃんが持ち合わせていますので、その特徴や性格を尊重し、その子らしさを存分に愛してあげることこそが人間の役割ではないでしょうか。
自分と関わってくれた猫ちゃんを全力で愛し、同じ時間を過ごす喜びを分かち合いましょう!
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