1.猫はトマトを食べても大丈夫!
2.トマトの栄養素と期待できる効果
1-1.トマトに含まれる主な成分
1-2.期待できる効果
3.トマトを与える際の注意点とは
3-1.与えていいのは熟した果実のみ
3-2.トマトは赤色の種類がよい
3-3.アレルギーには注意
3-4.腎臓病・心臓の病気の子には与えない
3-5.加工品は与えない
【掲載:2021.11.03 更新:2023.07.10】
猫にトマトを与えても良い?
トマトは昔から「トマトが赤くなると医者が青くなる」といった所以があるように、栄養価の高い食べ物です。
私たち人間の中では、栄養価が高く普段の食事に欠かせない食材であるトマトですが、猫はトマトを食べても大丈夫なのでしょうか。
結論から申し上げますと基本的には猫はトマトを食べても問題ありません。
猫にトマトを与えることによって、一体どのような効果が期待できるのか、また、与え方等に関する注意点をご紹介します。
トマトの栄養素と期待できる効果
◆トマトに含まれる主な成分
真っ赤な見た目が印象的なトマトは、ナス科ナス属の植物となります。
みずみずしい果肉部分は全体の9割が水分と水分量が多いので、水分補給も出来る野菜です。
トマトの有名な栄養成分といえば「リコピン」ですが、こちらはカロテノイドの一種となり、特徴的な赤い色はこの色素成分によるものです。
おなじくカロテノイドの一種であるβ-カロテンや、ビタミンCをはじめとしたビタミン類、カリウムや食物繊維なども豊富に含まれています。
◆期待できる効果
トマトに含まれるリコピンには抗酸化作用があり、活性酸素の発生を抑えて体の酸化を防ぐ働きをし、動脈硬化の予防や老化を防いで、肥満やガンなどの生活習慣病を予防してくれます。
同じくビタミンCにも抗酸化作用が認められているので、上記のような効果のほかにも、風邪の予防やストレスへの抵抗力強化、毛細血管や皮膚などを正常に保つ働きを担ってくれるのです。
ほかにも、カリウムは塩分の排出を手助け、食物繊維は腸内環境を整えてくれるなど、トマトは猫にも嬉しい効果が期待できる食べ物と言えるでしょう。
豆知識として、トマトに含まれるβカロテンは、体内でビタミンAに変換されることで本来その効果を得られますが、残念ながら猫にはこのβカロテンをビタミンAに変える為の酵素がありません。
ですので、猫はこのβカロテンにビタミンAとしての働きは期待できません。
しかし、ビタミンAは目や被毛の健康に役立つ栄養素であり、猫にも欠かせないものですので、猫はビタミンAそのものを食事から摂取する必要があります。
しっかりと総合栄養食を与えている場合は、ビタミンAも必要量が含まれているので心配は不要です。
トマトを与える際の注意点とは
◆与えていいのは熟した果実のみ
トマトの葉っぱや茎、花の部分などには「トマチン」と呼ばれる有害成分が含まれています。
このトマチンは、ジャガイモの芽に含まれている「ソラニン」とよく似た作用があり、中毒を引き起こす可能性があります。
具体的には、下痢や嘔吐などの症状が見られ、最悪の場合死に至るケースもあります。
この「トマチン」は、熟す前の青い果実にも含まれていますが、こちらはトマトが熟していく中で段々とトマチンが減少します。
ですので、猫に与える場合は必ず完熟したトマトを与えるように心掛けてください。
また、完熟していたとしても、トマトの皮や種は消化がされにくい部位ですので、それらを除いた果肉部分のみを与えるのがよいでしょう。
その他、リコピンは加熱したほうが効率的に吸収できる為、茹でたり蒸したりするのもよいです。
トマトの酸味も和らぎ、消化もしやすくなるのでおすすめです。
◆トマトは赤色の種類がよい
ミニトマトには赤以外にもオレンジや黄色、黒っぽい色から完熟しても緑色のものまで様々な種類がありますが、これはミニトマトの皮や果肉に含まれる色素による違いです。
黒にはブルーベリーなどに含まれる色素「アントシアニン」、緑色には「トマチン」など、猫にとって中毒を引き起こす可能性のある成分が含まれていますので、与えるのは赤いトマトが良いでしょう。
しかし、赤色のトマトであっても「フルーツトマト」と呼ばれる糖分の高い種類は、糖尿病や肥満気味な猫には与えないようにします。
◆アレルギーには注意
トマトにはスギ花粉を発症させるアレルゲンと似ている構造をしたタンパク質が含まれており、このタンパク質が反応してアレルギーのような症状が出ることがあるようです。
どんなに欲しがっていたとしても、始めはごくわずかな量を与えてみて、体調に異変が見られないかどうかを確認してあげてください。
アレルギーはそれまで大丈夫だったとしても、突然反応が出ることもあるので、食べ物を与える際にはひとつ意識しておくと良いでしょう。
◆腎臓病・心臓の病気の子には与えない
トマトに含まれるカリウムは猫の健康に必要な栄養素ですが、過剰摂取することにより「高カリウム血症」が引き起こされることがあります。
健康な猫であっても与えすぎは禁物ですし、負荷をかけないよう腎臓疾患を持つ猫や心機能が低下している猫にもトマトは与えないようにしましょう。
◆加工品は与えない
トマトには、缶詰のトマトやケチャップ、トマトジュースなど様々な加工商品がありますが、こちらには塩分や糖分が含まれている商品も多い為与えてはいけません。
トマトジュースやトマト缶においては無塩、無糖、無添加の商品も販売されているので、そちらでしたら特別問題はありません。
ですが、基本的に人間用の食べ物を与えるのはよくありませんので、猫にトマトを与える際は生か加熱しただけのものをおすすめします。
まとめ
愛猫には一日でも長く長生きをしてほしいと、願っている飼い主さんは多いはずです。
だからこそ栄養価の高い食べ物を与えて、健康に気遣った食生活が理想と考える方も多く、その中でトマトといった食材に注目するのは自然の流れのようにも感じますよね。
トマトは完熟した物を少量であれば、猫に与えても問題がありませんが、トマトの部位や含有成分の中には、猫に悪影響をもたらす成分も含まれているので注意が必要です。
基本的に猫は、総合栄養食を年齢や体重に従って規定量を食べていれば、元気に成長できますので、トマトを与えるとしても毎日与えるようなことはせず、少量をたまに与える程度に留めておくようにしましょう。
人間の食べ物に興味を示しやすい子には、お試し程度で与えることによって、満足してくれる子も多いので、トマトのことをしっかりと理解し、安全に愛猫に食べさせてあげてくださいね。
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