猫はナッツを食べても大丈夫?もっとも危険度の高い4種類とは?

2022.02.23

猫はナッツを食べても大丈夫?もっとも危険度の高い4種類とは?

たくさんのビタミンが豊富に含まれているナッツは、抗酸化作用が高くカロリーも低いので美容や健康のためにも、普段から食べるようにしているという方も多いのではないでしょうか。 お酒のおつまみにもなり、お菓子作りや料理のアクセントとしても重宝するナッツなので、愛猫にも与えてみたいと考えたことのある飼い主さんもいらっしゃることでしょう。 猫がナッツを食べるイメージはあまりありませんが、与えたとしても問題がないものなのでしょうか?

猫にナッツを与えるのは危険?

愛猫の健康のために、栄養価の高い食べ物を与えたいと考える飼い主さんは多いことかとは思いますが、基本的に人間の食べ物は猫に与えるべきではないと言われていますよね。

それは、私たちにとっては健康への効果が期待できたとしても、体も小さく構造や生態も異なる猫にとって、同じ効果が期待できるとは考えにくいからです。

とくにナッツ類のような食材は、木の実といった自然由来の食材であることから、猫のような動物が食べたとしても、安全性が高いと思われがちではありますが、本来肉食の動物として知られている猫は、木の実に分類されるナッツを食べると消化不良を起こしやすく、中毒症状が現れやすいとも言われています。

そのようなリスクを冒してでも与えるべき食べ物ではありませんので、猫には与えないに越したことはありません。

なぜナッツが猫にとって危険性が高いのか、種類によって違いはあるのかなど、とくに危険なナッツを中心にご紹介させていただきます。

◆ピーナッツ

ピーナッツ

ナッツの中でも「ピーナッツ」は、柿の種といったおつまみのお供になったり、ピーナッツバターになったりと、様々な用途で重宝されていますよね。

別名「落花生(らっかせい)」とも呼ばれマメ科の一年草となり、ピーナッツを食べると鼻血が出るといった迷信があるように、医学的根拠がないにしろ栄養価が高すぎることにより、鼻血が出てしまうのではと思っている方も多いのではないでしょうか。

一昔前までは食べ過ぎるとあまり良いイメージがなかったナッツではありますが、近年では血管を健康にし、ダイエットや美容効果が期待できて、生活習慣病の予防にもなるといった効果が得られるとして、とても優秀な食材として話題にもなっています。

そしてピーナッツを包む薄皮には、「レスベラトロール」といったポリフェノールの一種が含まれており、抗ガン作用やアンチエイジングなどの効果が期待できるので、この成分を含んだ健康食品やサプリメントが販売されているほどの、優れた効果が期待された食品と言っても過言ではないでしょう。

これだけの栄養価が含まれている食べ物なのであれば、是非とも猫に食べさせたいところですが、猫がピーナッツを食べた場合には、その高すぎる栄養価が裏目に出てしまうことがあるようです。

摂取量に気を付ければダイエットの強い味方となるピーナッツは、体の小さい猫が食べた場合には脂肪分が多いこともあり、肥満の原因へと繋がってしまいます。

丸飲みしてしまった場合には喉に詰まり、窒息する危険性もありますし、様々な要因からもピーナッツは猫に与えるべきではないと言えるでしょう。

◆アーモンド

アーモンド

チョコレートとの相性が良い「アーモンド」は、ナッツ類の中でもビタミンEといった栄養素が豊富に含まれており、強い抗酸化作用を持っているので、老化対策にもってこいの栄養素と言えますよね。

アーモンドに含まれるビタミンEは、「α-トコフェロール」と呼ばれる天然型となり、サプリなどに含有されている合成型のものよりも吸収力が高いので、アーモンドを食べれば少量で良質なビタミンEが摂取できるとも言われているようです。

ほかにも悪玉コレステロールを減らして血圧低下に役立ち、皮膚や被毛を健やかに保ちつつ、お腹の調子を整える働きや、むくみの解消や貧血の予防といったたくさんの効果が期待できる食べ物となっています。

一般的に食用として市場に出回っているアーモンドは「スイートアーモンド」となりますが、猫が食べたとしても消化不良や肥満の原因に繋がる程度で、中毒症状を起こすようなことはありません。

猫がもっとも注意すべきなのが、香料などに使われることの多い野生種の「ビターアーモンド」で、「アミグダリン」と呼ばれる毒性の青酸物質が含まれているので、猫が摂取してしまえば消化器官で青酸が発生した後、中毒を引き起こして呼吸困難や痙攣といった症状が現れます。

もちろんビターは問題外ですが、スイートアーモンドも食べ過ぎれば脂質の過剰摂取や、ミネラル過多による結石などの尿路トラブル、丸飲みした際の窒息や腸閉塞などの危険性は変わらずにありますので、アーモンドは猫に与えないのが一番です。

◆マカダミアナッツ

マカダミアナッツ

「マカダミアナッツ」もチョコレートとの相性が良く、ポピュラーなハワイのお土産といったイメージが定着していますよね。

ナッツの中でも比較的歴史は浅く、独特な歯触りと上品な甘さが特徴となりますが、ほかのナッツに比べると脂質の含有量がとくに多く、その分カロリーも高いので食べ過ぎに注意が必要なナッツと言えるでしょう。

この脂質は体に悪影響を及ぼすようなものではなく、青魚などに含まれる良質な「不飽和脂肪酸」となり、オリーブオイルにも含まれる「オレイン酸」が豊富に含まれています。

皮膚や被毛を健康にし、コレステロール値を下げて動脈硬化を予防するといった効果が期待できますので、猫にも嬉しい食べ物と言えますよね。

しかし、マカデミアナッツが猫に危険を及ぼす所以として考えられるのが、犬が食べた際に中毒症状を起こした事例が報告されていることが挙げられます。

マカダミアナッツのどの成分によって、中毒症状を起こしたかは解明されておらず、摂取量が大量でなかったとしても、致死量になってしまう可能性も否めませんので、犬と同様猫にも与えないようにする必要があると言えるでしょう。

◆クルミ

クルミ

パンをはじめとした料理やお菓子のアクセントとなる「クルミ」は、カリカリとした歯触りと芳ばしい香りがたまらないナッツの一種となります。

クルミには「ポリフェノール」や「メラトニン」といった、抗酸化物質が豊富に含まれているので、動脈硬化や高血圧の予防だけでなく、ガン予防や睡眠の質向上などの効果が期待でき、積極的に取り入れたいナッツと言えるのではないでしょうか。

また、低糖質でグルテン(麦類に含まれるタンパク質の一種)フリーとなりますので、小麦などのアレルギーを持っている猫ちゃんには嬉しいナッツと言えるでしょう。

栄養価が高いことは嬉しいですが、クルミには「ペニトリウムA」と呼ばれる中毒成分が含有されています。

この物質を猫が摂取してしまうと、激しい口呼吸になるパンティングや、痙攣といった症状が現れることがあるようです。

ほかのナッツと同様、消化しづらい食物繊維も豊富なので、猫ちゃんによっては嘔吐や下痢、食欲不振といった症状が現れることもあるので注意が必要と言えるでしょう。

◆ナッツを使った加工品

ナッツの加工品

ナッツそのものをそのままの形状で猫に与えることは論外ですが、ナッツから抽出されたオイルや、ペースト状に加工された商品も猫に与えるべきではありません。

加工品は長期保存のための添加物が多く含まれている上に、砂糖や塩分が多く含まれていることがあるからです。

いくらナッツの栄養価が高いからといって、なんとか猫に食べさせる方法を考えるようなことはせず、普段の食事からでも猫は十分に栄養を摂取できますので、無理に人間の食べ物を与えるような考え方はしないであげないでください。


猫がナッツを食べてしまったら

もし愛猫が飼い主の目を盗んでナッツを口にしてしまった場合は、飲み込む前に取り出せるようであれば様子を見てもかまいませんが、明らかに元気がなくなったり体調が悪かったりするようであれば、すぐに動物病院を受診するようにしてください。

どのナッツも危険度は高く、その中でもマカダミアナッツは急性の中毒症状が出やすいという特徴があり、摂取後12時間以内に嘔吐や発熱、痙攣や麻痺といった症状が見られることがあります。

そのまま放置してしまえば、最悪の場合死に至ってしまうこともあるので、自己判断をするようなことはせず、動物病院を受診して適切な処置を行ってもらうようにしましょう。


ナッツ以外に気を付ける食べ物

ナッツは猫に与えるべき食べ物ではないことがよく分かりましたが、ナッツ以外にも猫にとって危険な食べ物はたくさん存在しています。

ナッツと相性の良い「チョコレート」や、さまざまな料理に使われる「ネギ類」、「カフェイン」が含まれた食品や飲料品、ポリフェノールが豊富な「ぶどう(レーズン)」など、絶対に与えるべきではない食材が日常には溢れているのです。

ほかにもまだまだ猫に与えるべきではない食べ物はたくさん存在していますが、人間の食べ物は与えないように心掛け、扱う際にも細心の注意を払いながら、愛猫が誤飲しないように取り扱うようにしましょう。

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まとめ

栄養価の高いナッツは猫にも嬉しい効果が多いので、愛猫にも食べさせたいと考えたことのある飼い主さんは多いはずです。

しかし、猫が人間と同じようにナッツを食べたからといって、同等の効果が得られるわけではなく、寧ろ猫にとってはまったく嬉しくない効果が出てしまいますので、猫にナッツは絶対に与えないようにしなくてはいけません。

様々なリスクがある上に、猫に辛い思いや体への負担をかけてしまう危険性がありますので、ナッツを食べたり欲しがったりする際には、細心の注意を払うように心掛けながら扱うようにしましょう。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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