1.そもそも“柿”ってどんな食べ物?
1-1.昔から馴染みのある果物
1-2.“医者いらず”と言われるほど栄養価がかなり高い
3.猫に柿を食べさせたいときに知っておきたい注意点
3-1.◆1.与える量・回数には気をつけて
3-2.◆2.皮と種を取ってから与える
3-3.◆3.細かくカットしたものを与える
3-4.◆4.初めて食べさせるときは異変の有無をチェック
3-5.◆5.渋柿は苦いから与えないで
3-6.◆6.柿の“葉”は消化に悪い
3-7.◆7.干し柿もNG
3-8.◆8.猫が好まなそうなら無理に与えない
3-9.◆9.お菓子の「柿の種」はダメ
3-10.◆10.飼い主さんの目の届くところで与える
そもそも“柿”ってどんな食べ物?

さまざまな果実が旬となる秋。
なかでも、甘い柿を見ると“秋がやってきた”という季節感を味わえるものですよね。
柿を知らない方はいないと思いますが、どんな食べ物なのか改めて見ていきましょう。
◆昔から馴染みのある果物
柿と言えば、可愛らしいオレンジ色で秋によく見かける果物です。
旬の秋には、スーパーで売っていることはもちろん、民家の庭先でたくさんの柿がぶら下がっている様子を見かけたことがある人もいるでしょう。
田舎の実家の庭やおじいちゃんおばあちゃんの家の庭などにあり、「幼少期によく食べていた」など、どこか懐かしい気持ちになる果物かもしれません。
◆“医者いらず”と言われるほど栄養価がかなり高い
実は、“柿”という言葉を使った「柿が赤くなれば医者は青くなる」ということわざがあります。
これは、柿が熟して色づく頃の秋の季節には、天候も安定していることもあり、「病気になる人が少ない」、つまり「医者に行く人も減って、お医者さん的には商売にも影響して青ざめてしまう」というという意味合いが込められています。
確かに、秋になると体調を崩しにくい過ごしやすい天候になり、暑さで熱中症のリスクがある夏と比べると体調も安定している方も多いかもしれません。
また、柿は「医者いらず」と言われるほど高い栄養価がある食べ物です。
特に注目したいのがビタミンCの含有量の多さです。
ビタミンCには抗酸化作用があって、免疫アップや美肌効果、などにも大きく役立つ成分です。
レモンやみかんなどの柑橘類にたくさん入っているイメージがありますが、実は柿はそれら以上にビタミンCが豊富と言われています。
そのほか、抗酸化作用のあるタンニン、利尿作用のカリウムなども。
柿は栄養がぎゅっと詰まった果物なのです。
猫は柿を食べても大丈夫…?
柿は、秋になるとスーパーでもよく見かけるようになります。
甘くて美味しい柿を食べているとき、愛猫がチラチラとこちらを見ていると、「ちょっとだけならいいのでは?」とついつい食べさせたくなりますよね。
愛猫にも“秋の味覚”をお裾分けしたいのは、多くの飼い主さんの気持ちでしょう。
でも、猫が食べてはNGと言われる食べ物もありますから、「食べさせても大丈夫かどうか」が気になる飼い主さんも多いかと思います。
むやみに食べさせて健康を害してしまっては大変です。
柿に入っている成分のなかで、猫に害を及ぼすものはありません。
ですから、柿は猫が食べても大丈夫な果物です。
柿には、抗酸化作用のあるビタミンC、体内の塩分を外に出すカリウム、免疫アップのベータカロチン、便秘予防にも役立つ食物繊維などが含まれています。
人間にとって健康効果が高い柿ですが、猫にとっても期待できる効果がありそうです。
秋の深まりとともに、愛猫と柿の美味しさを堪能したいものですね。
猫に柿を食べさせたいときに知っておきたい注意点

猫にとって害のある果物ではありませんが、柿の食べさせ方を誤ると猫にとって健康を害するものとなってしまいます。
「愛猫が食べたそうにしている」と言っても、丸ごと柿を与えるのはNGです。
安心して猫に秋の味覚を味わってもらうため、ポイントをしっかりとおさえておきましょう。
◆1.与える量・回数には気をつけて
まず、注意したいのは“与える量”です。
猫は人間よりもかなり小さな体です。
人間にとって、1切れ2切れ程度の柿の量が「少ない」と感じても、猫にとっての適度な量は異なります。
人間と同じような感覚で与え過ぎないように注意しましょう。
柿には食物繊維が入っているため、食べすぎるとお腹がゆるくなる異変が表れることがあります。
軽量スプーンの「小さじ」で1杯程度を目安に考えておきましょう。
また、柿には「甘み」があります。
甘くて美味しい…ということからも分かるように、柿には糖分が入っています。
猫の体に対して「食べる量・回数」が多ければ、それは肥満を招きかねません。
ほんの微量だとしても、「1日に何回も」「毎日のように」なども“与える回数が多い”ことになるので注意しましょう。
◆2.皮と種を取ってから与える
柿を食べるとき、多くの方は“皮”は剥いて捨ててしまうのではないでしょうか。
でも、「果実」よりも「皮(皮に接している実の際部分)」の方が栄養素がたっぷり詰まっています。
そのため、柿は丸ごと食べると栄養があるとも言われています。
ただ、柿の硬い皮は、人間でも食べづらいですよね。
猫の喉に引っかかることもあるため、皮は与えないようにしましょう。
また、柿の内部にある“種”も取り除いてくださいね。
種は消化できずに、猫ちゃんの小さな体の内部で「詰まる」恐れもあるからです。
◆3.細かくカットしたものを与える
小さじ一杯程度という少量でも、その大きさのままでは猫の小さな喉に詰まるリスクがあります。
細かくカットしてくださいね。
◆4.初めて食べさせるときは異変の有無をチェック
私たち人間にも通じて言えることですが、初めて食べる食品で体に異変が起こることがあります。
それは猫にとっても同じです。
初めての場合は、体の異変をチェックしてくださいね。
多くのほかの猫が問題なく食べている食べ物でも、我が家の猫ちゃんがアレルギー症状で苦しんでしまうケースはゼロではないのです。
口にした後に「吐いてしまった・下痢をした」などの異変が起こるとかわいそうですよね。
胃腸の弱い子は、初めての食べ物で体調を崩すこともあるでしょう。
また、アレルギーが出ることもあります。
「吐く・下痢」のほか、皮膚や目の炎症なども出るケースがあります。
初めて柿を与えるときには、ごく少量にとどめ、異変の有無を観察してみましょう。
◆5.渋柿は苦いから与えないで
ご近所の庭先に植えられた柿の木にぶら下がっている柿。
オレンジに色づいている様子を見ると、すぐにでも美味しく食べられそうなイメージがあります。
でも、“渋柿”と呼ばれる状態の苦味のある柿は、とうていそのまま食べることができません。
そもそも、たくさんある柿の品種のなかでも、熟すと甘みを増す“甘柿”、熟しても苦く渋抜きが必要な“渋柿”というように、大きく2つに分けられます。
たとえ甘柿だとしても熟す前では苦いですし、渋柿なら「干す」「アルコール漬け」などの方法で渋抜きしなければ食べられません。
猫には、苦味のある渋柿は与えないでくださいね。
◆6.柿の“葉”は消化に悪い
「柿の葉」を使ったお茶は、ビタミン含有率が高くて注目されている健康茶です。
レモンや緑茶の20~30倍ものビタミンが入っているため、健康や美容への効果も期待できます。
柿の葉の成分であるビタミンは、猫にとって健康効果はあります。
ただ、葉っぱを直接的に猫が食べると消化によくありません。
基本的には、葉っぱの部分は与えないようにしましょう。
◆7.干し柿もNG
渋柿の渋味を取るために「干す」と、干し柿になります。
生で食べるよりも、“干す”という一手間を加えることで、栄養価もアップすると言われています。
ただ、注意したいのが「カリウム」の含有量です。
利尿作用で塩分を対外に出すのに効果があるカリウムは健康的な人であれば問題のない成分ですが、腎臓病を患っていると制限すべき成分と言われています。
カリウムが増えすぎると、吐き気、不整脈、しびれ、不整脈などが起こり、最悪は死に至る可能性もあるのです。
人間でも「腎臓が弱い人は控えるべき干し柿」ですから、猫にも同じことが言えます。
内臓のことは見た目では分からないので注意しなければなりませんよね。
もし、何らかの持病で動物病院にかかっているのであれば、獣医師に「柿を与えてもよいか」を確認しましょう。
また、干し柿は食物繊維もたっぷりです。
そもそも猫は肉食動物ですから、野菜に含まれる食物繊維をうまく消化ができない体質です。
キャットフードなどに含有されている微量の食物繊維があれば、基本的には猫にはいらない成分です。
人間の食べ物に入っている食物繊維の効果を期待しても、お腹の弱い猫にとっては逆効果となる可能性もあります。
そして気になるのが糖分です。
干し柿は、生よりも糖分が高くなります。
肥満の原因にもなるので与えないようにしましょう。
◆8.猫が好まなそうなら無理に与えない
柿は栄養のある果物です。
私たち人間は、柿の栄養分から得られる健康効果を期待して食べるのもいいかもしれません。
しかし、猫は基本的に「栄養が計算されたキャットフード」と「水分」があれば、栄養不足になることはありません。
そのため、柿を与えるときは“柿で栄養分を確保”という気持ちで、無理やり食べさせなくてもいいのです。
柿を食べている猫ちゃんが「美味しいな~」と好むようなら与えてもいいですが、食べたくなさそうなのに無理には与えないでくださいね。
◆9.お菓子の「柿の種」はダメ
「柿」は猫ちゃんが食べても大丈夫ですが、「柿の種」は食べさせてはいけません。
ちょっとピリ辛でお酒のおつまみとして人気の“柿の種”。
同じ“柿”という言葉が入っていても、果物の柿の“種”に似た形をした、唐辛子が入った醤油味の米菓です。
人間にとっては美味しい味付けですが、柿の種に含まれた塩分は猫の体にはよくありません。
腎臓への影響も大きいのです。
それに、一緒に入っていることも多いピーナッツには脂肪分も多く、「飲み込みが悪く喉に詰まる」「たくさん食べて消化不良を起こす」などのリスクもあるため注意しましょう。
◆10.飼い主さんの目の届くところで与える
柿を食べさせるとき、
◎少ない量
◎皮と種、葉を取り除く
◎細かくカットする
◎渋柿、干し柿は与えない
と言った注意点を守ったとしても、猫の食べ方によっては危険が伴います。
というのも、柿に対する好感度は猫によってさまざま。
「美味しい~」とがっつくと喉に詰まる恐れがあるのです。
ゆっくり噛んで食べると、喉に詰まるリスクも減るでしょう。
キャットフードと違い、気を付ける点も多いですから、飼い主さんの目の届くところで与えることをおすすめします。
まとめ
基本的に、柿をはじめとした果物は猫の体にとっては必要のないものです。
食べさせなくても問題はありません。
でも、柿を食べさせるメリットもあります。
大量に食べるわけではないため、極度の期待はできませんが、免疫アップや便秘予防などの効果が得られるでしょう。
そして、愛猫とのコミュニケーションが深まるのもメリットです。
ふだんの食事とは違う「食感・味・雰囲気」。
「愛猫にも秋の味覚を食べさせたい」という飼い主さんの思い、きっと猫の方でもそれを感じ取るかと思います。
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