アメリカ生まれの猫っているの?
アメリカといえば、世界で3番目に面積が広い国ですよね。実はアメリカは猫の飼育数が世界で最も多く、その数は7400万頭を超えると言われています。
世界で二番目に多いといわれている中国の猫の飼育頭数は5400万頭ほどといわれているので、アメリカにはとても多くの猫が飼われていることがわかりますね。
そんなアメリカが原産となる猫種はたくさん存在していて、登録団体に公認されている品種は約20種類にもなります。
世界中で公認されている猫種は70~80種類ほどと言われていることからも、たくさんの種類の猫がアメリカから誕生していることが分かりますよね。
それでは「アメリカ原産の猫」はどのような種類がいるのか紹介していきます。
名前にアメリカがつく猫
アメリカを原産とする猫種の中には、国名がそのまま使われた猫種も多く存在しています。
メジャーな種類から日本では珍しい種類もいますので、アメリカの名がつく猫種をいくつか見てみましょう。
アメリカンショートヘアー
アメリカという国名のつく猫と聞いて、誰もが真っ先に思い浮かべる猫といえば、やはり「アメリカンショートヘアー」ではないでしょうか。
日本でも「アメショ」といった略称で親しまれ、とても人気が高い猫種となりますよね。
アーモンド形の瞳に被毛の独特な渦模様に魅了される方は多く、好奇心旺盛な性格も人気の所以だと考えられるでしょう。
ブリティッシュショートヘアーが異なる品種と交配したことにより、誕生したアメリカンショートヘアーですが、その名の通りアメリカ原産の短い被毛が名前の由来となっています。
アメリカンカール
くるんと外向きにカールした特徴的でキュートな耳を持つ猫が、「アメリカンカール」です。
1981年に偶然アメリカのカルフォルニア州で発見された、「シュラミス」という名の猫が起源となり、その容姿の美しさからアメリカを中心に人気が広がっていきました。
カールした耳は優性遺伝子であることが確認されていることからも、アメリカンカールの子猫がカール耳になる確率は50%程度だと言われています。
愛嬌があって穏やかな性格の持ち主となるため、とても飼いやすい猫としても親しまれています。
アメリカンボブテイル
短いしっぽが特徴的な「アメリカンボブテイル」は、ワイルドな体つきをしていますが、猫界のゴールデンレトリバーといった異名を持つほど、温厚で優しい性格をした猫種と言われています。
アメリカでは動物介在療法といった、アニマルセラピーに参加することが多くあるようで、寛容な性格がアメリカの国民から強く支持されていることがうかがえますよね。
短いしっぽはどのような形や長さであっても好まれますが、極端に短く退化している場合は、キャットショーではあまり好まれないようです。
アメリカンワイヤーヘアー
アメリカンショートヘアーの親猫から突然変異で誕生した縮れ毛の猫が、「アメリカンワイヤーヘアー」の起源となります。ワイヤーヘアーと名前が付くほど特徴的な被毛ですが、毛が縮れていたり折れ曲がったりしていて、1本1本の毛が硬い被毛を「ワイヤーヘアー」と表現したようです。
耳毛やヒゲまでもがワイヤーヘアーとなりますが、この縮れ毛の遺伝子が優性であるため、さまざまな種類との交配でもワイヤーヘアーの子猫が生まれるようです。
猫らしい自立心やわがままな一面を持っていますが、飼い主さんに対しては愛情深く接してくれる個体が多く、猫らしい猫が飼いたい方におすすめの猫種と言えるでしょう。
その他アメリカ生まれの代表的な猫種7種
アメリカ原産の猫種には、国名が名前に入っていなくても、有名な品種がまだまだたくさん存在しています。
その中でも人気の高い猫種を7種類、ご紹介させていただきます。
エキゾチックショートヘアー
ブサかわ猫として知られている「エキゾチックショートヘアー」も、アメリカが原産となる猫種です。
ペルシャやバーミーズ、ブリティッシュショートヘアーなどを交配させて誕生したため、潰れた鼻に全体が丸みを帯びた体格は、唯一無二感の強い猫として親しまれていることがよく分かります。
見た目の通り性格も穏やかなため、人気があることにも納得です。
オリエンタルロングヘアー
1950年にイギリスでシャム猫をもとに、交配して生まれたオリエンタルショートヘアーですが、長毛種の遺伝子が紛れ込んだことにより、アメリカで当然変異によって生まれた猫が「オリエンタルロングヘアー」となります。
犬のような猫として知られるシャム猫の気質を強く受け継いだ猫となりますが、オリエンタルの中でも長毛種は珍しく、アメリカでも希少性の高い猫として知られているようです。
メインクーン
体格が大きい猫として知られている「メインクーン」も、アメリカが原産国となる猫種です。
被毛の模様や狩りの習性がアライグマ(ラクーン)に似ており、アメリカのメイン州が原産となることからこの名前が付けられました。
大きな体格とは異なり温和で優しい性格をしていて、泳ぎが得意な個体も存在するといった珍しい猫種と言えるでしょう。
ラグドール
アメリカで誕生した体格の大きな猫種の中には、「ラグドール」も存在しています。
ラグドールとはぬいぐるみという意味がありますが、その名の通り、ふわふわの被毛や抱かれた際に身をゆだねてくれるところがラグドールの特徴といえます。さまざまな猫種との掛け合わせや品種改良を経て、ようやく公認された比較的歴史の浅い猫となっています。
猫種の中では最大級とも言われているため、大きい猫と一緒に暮らしたい方にぴったりの猫と言えるでしょう。
ラグドールはセミロングの被毛ですが、かなり毛量が多いです。
できれば毎日、少なくとも週に2~3回以上はブラッシングを行い、被毛のお手入れをしてあげましょう。
ラパーマ
アメリカンワイヤーヘアーに似た縮れ毛を持つ「ラパーマ」は、短毛種のアメリカンワイヤーヘアーとは異なり、長毛種の品種となります。
凛とした表情に絹のようなカールした毛並みは、まさに美猫の代表とも言える佇まいをしており、見る人を魅了してくれることでしょう。
1982年にアメリカのオレゴン州で誕生したため、まだまだ歴史の浅い猫種と言われています。
マンチカン
日本でも人気の高い「マンチカン」ですが、原産国がアメリカであることをご存知でしょうか。
胴長短足の見た目は、猫界のミニチュアダックスフンドとも言われており、なかなか猫種として認められなかったものの、認定されてからはその容姿の可愛らしさから、一気に人気が高まっていきました。
マンチカンは掛け合わせる品種によって4種のタイプに分類されることからも、人気の高さがうかがえることでしょう。
ベンガル
野性味溢れる「ベンガル」は、ベンガルヤマネコを飼いたいと考えた人たちが、イエネコとして飼いやすいようにと改良され生まれた猫種です。
ミンクのような肌触りの美しいスポテッドタビーをした被毛は、ベンガルを表現するに相応しい模様をしており、猫好きであれば一度はお目にかかりたい猫種とも言えますよね。
愛好家の多いベンガルではありますが、飼育が難しいため、猫の飼育初心者の方には向かない品種と言われています。
アメリカと猫の歴史
これまで有名な種類から日本では珍しい種類までアメリカの猫を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。気になった種類はいましたか?
最後に猫とアメリカの歴史について、ご紹介していきます。
◆アメリカはペットフード発祥の地
今では当たり前となるペット用の食事である「ペットフード」ですが、その起源はロンドン在住のアメリカ人である、ジェームス・スプラッツ氏が作った犬用のビスケットだと言われています。
1885年にはペットフードの製造会社を設立し、その後1894年にはアメリカのニューヨーク州に拠点を移して、「スプラッツ・オブ・アメリカ」という名の、ドッグフードメーカーを設立しまました。
そこからペットの動物には人間と同じごはんではなく、「ペットフード」を与えるという新たな文化が世界へと広がっていきます。
ちなみに、日本が本格的にペットフードの製造を行い始めたのは、今から約60年ほど前ですので、アメリカと比べるとペットフードの歴史は浅い方です。
◆アメリカの血統登録団体
純血種の猫には血統書が存在しますが、標準規定を満たしていなければ発行はされず、純血種の猫として認めてもらえません。
そのような審査を担っている団体の一つに、「CFA( Cat Fancier Association)」といった団体がありますが、世界最大規模の純血猫品種登録機関として知られています。
1906年にアメリカのニュージャージー州に創立されたことから、アメリカでは猫との共存に対して100年以上前から取り組みがあったとわかりますね。
まとめ
日本にもさまざまな種類や被毛を持った猫種が存在していますが、世界に目を向けてみると、まだまだ知らない猫種がたくさん存在していることに驚かされます。
とくに猫の飼育数がトップを誇るアメリカにも、原産国ならではの猫種が多く誕生していることが分かりました。
アメリカでは純血種の猫もそうでない猫たちも、幸せに暮らせるような活動をする団体や州がどんどん増えているようです。
猫との深い関係を持つアメリカの猫たちに興味を持った際には是非、海外の動物福祉について調べてみるのもおすすめですよ。
– おすすめ記事 –
・イギリス原産の猫7種を紹介!イギリスは猫好きの国って本当? |
・スフィンクスってどんな猫?子猫に会うためにはどうしたら良い? |
・綺麗な目に白い被毛を持つターキッシュアンゴラとは?特徴・性格・歴史は? |
・イエネコとヤマネコの違いとは?猫の祖先と人間との歴史について |