1.子猫はいつから水を飲み始める?
1-1.生後2ヶ月が目安
1-2.子猫が1日に必要な水分量とは
2.子猫が水を飲まない!対策は?
2-1.水を飲める場所を増やしてみる
2-2.ごはんからの水分補給を意識する
2-3.水で薄めたミルクを与えてみる
2-4.子猫の口元を水で濡らしてみる
2-5.子猫が好む器を探す
子猫はいつから水を飲み始める?
◆生後2ヶ月が目安
離乳食を食べ始める生後4週目までの子猫は、基本的に母猫の母乳や子猫用ミルクのみを栄養源とするため、水を与える必要はありません。
その後は離乳期となるため、「ミルクのみ」だった食事を、段々と「水とキャットフード」に変えていきます。始めはあまり水を飲まないかもしれませんが、離乳期ということで、まだミルクを併用して与える時期ですので、水分不足はそれほど心配ありません。
生後8週目(生後2か月)を迎える頃には離乳期も終了となるため、本格的に子猫用のキャットフードが食事のメインとなる頃にはミルクも卒業し、日常的な水分補給は「水を飲むこと」が中心となります。
動物愛護管理法により生後56日を経過していない生体の販売は禁止されているため、ペットショップやブリーダーからお迎えした子猫は、すでに自ら水を飲むことが水分補給の中心となっています。
◆子猫が1日に必要な水分量とは
猫の体は人間同様、半分以上が水分でできています。子猫の体は60~80%、成猫だと50~60%程が水分です。
このうち1~2%がなくなると喉が渇くなど軽度の脱水、3~9%がなくなると下痢や嘔吐の症状がみられ、10%の水分が体から失われてしまうと、心臓や腎臓、呼吸の機能不全などが起こり、最悪の場合死に至ることもあります。
成長期で体調が安定していない子猫は、下痢や嘔吐などで水分が不足しがちのため、特に注意が必要です。1日に必要な水分量を飼い主さんがしっかりと把握して、管理してあげましょう。
子猫の体重や週齢によって多少異なりはしますが、1日に必要な水分量の目安は以下の通りとなります。
- 生後4週(体重が約400gの場合)…110ml
- 生後8週(体重が約800gの場合)…170ml
- 生後1年(体重が約4kgの場合)…380ml
飲水量が少ないのも問題ですが、子猫に水を飲ませすぎるのも良くありません。水を多く飲むことで、下痢の症状を出すこともありますので、バランスの良い水分摂取を心掛けてください。
実は子猫の水分補給は直接水を飲むことだけではありません。フードを食べることでも水分は補われています。一般的にドライフードは全体の約10%、ウェットフードは約80%が水分です。どのようなごはんを与えるかによって、直接飲んでもらいたい水の量というのも変わります。フードの水分量も考慮しながら水分摂取量の調整が必要と言えるでしょう。
子猫が水を飲まない!対策は?
子猫が水を飲み始めるべき時期や、必要な水分摂取量が分かりましたが、まだミルク離れが出来ていなかったり、水を飲む習慣もなく自ら好んで水を飲まない子猫に対して、飼い主さんはどのように水を飲ませるべきかが問題ですよね。
子猫に水を飲んでもらうためには、どのような対策が有効的なのでしょうか。
◆水を飲める場所を増やしてみる
子猫に水の重要性を教えることはできないため、水に興味を持ってもらうことが一番です。
水はミルクのように風味や香りはありませんが、口に含むと喉が潤うことを知ってもらうためにも、複数の場所に飲水スポットを設置し、興味を持ってもらえるような工夫をしましょう。
活動範囲にいくつか水の入った容器を設置することにより、振動で揺れる水面に興味を持って顔を近づければ、そのまま鼻先が水に触れて濡れることによって、その水分を舐めとるようになるはずです。
一度でも水を飲むことができれば、乾燥を感じた時や空腹を満たしたい時に自ら水を飲むようになりますので、自ら水が飲めるようになるまでは、飲水スポットを充実させておくようにしましょう。
◆ごはんからの水分補給を意識する
子猫が水を飲まない時には、フードやおやつからの水分補給も意識してみましょう。
前述の通り、キャットフードの一種であるウェットフードは、水分含有量が約80%となるため、手軽に水分摂取量を増やすことができます。
普段のドライフードの上にかけてみたり、そのままウェットフードを与えたり、液状のおやつをあげてみることもよいでしょう。
ドライフードよりは水分量の多いウェットフードですが、それだけでは子猫に必要な水分量を満たすことは出来ませんので、ウェットフードに頼りっきりにせず、あくまで総合的な飲水量を増やす補助程度に考えておきしょう。
ウェットフードにも総合栄養食や一般食、またその中にゼリータイプやスープタイプなど様々な種類があります。
愛猫に美味しく楽しく水分摂取をしてもらえるように、お気に入りのものを見つけられるといいですね。
ただし、頻繁に色々な商品を与えると、消化器官の働きが追い付かず、体調を悪くしてしまうこともあります。
子猫の飲水量に注意するのに加え、子猫自身の体調にもよく目を配ってあげましょう。
このようなウェットフードは口腔内に残りやすい傾向がありますので、ウェットフードを口にすることが水を飲むきっかけになることもあるかもしれませんね。いつでも水が飲めるような環境を常に整えておき、猫ちゃんが飲みたいと感じた時に必ず水がある状態にしてあげてください。
◆水で薄めたミルクを与えてみる
離乳期前の子猫は主にミルクが栄養源となっているため、離乳期が過ぎたあとでもミルクを欲しがる子はたくさんいます。
なかなか水を飲まない猫ちゃんであれば、水分補給としてミルクを与えても問題ありませんが、その際には必ず水で薄めたミルクを与えるようにしてください。
ミルクを薄めずそのまま飲ませ続けてしまえば、その後も水をなかなか飲まない状態が続いてしまうため、今後水を自然と飲んでもらえるようにするためにも、ミルクで水分補給をさせる際には、徐々にミルクの割合を減らしつつ、水で薄めてから与えることを心掛けましょう。
◆子猫の口元を水で濡らしてみる
どうしても水に興味を持ってくれない子猫の場合は、飼い主さんが子猫の口元に水を運び、口元を濡らしてあげてみてください。口元が水で濡れることによって、本能的に水分を舐めとろうとすることがあり、これをきっかけに水への興味を示すことがあるからです。
急に口元を濡らすとびっくりする子猫もいるため、嫌な思いをさせないためにも清潔なガーゼやタオル、ティッシュなどに水を含ませ、口元を軽く濡らしてあげてください。
他にも、タオルやガーゼの先端を細くして口元に近づけると、母猫のおっぱいを思い出して、吸いつく子もいるかもしれません。これは、タオルやガーゼが直接口内に触れることとなりますので、煮沸消毒したり殺菌が済んでいるタオルで試してみて下さいね。
また、飼い主さんの指先を1滴程度の指で濡らして、口元を優しく濡らして舐めてもらうのも一つの作戦です。
◆子猫が好む器を探す
子猫に水を飲ませたいのであれば器も大切です。子猫の好みに合う器を探してみるのも良いでしょう。
成猫はある程度高さがあって口の広い器が理想ではありますが、子猫の場合は身体が成長していないことからもそこまでの高さは必要ない為、愛猫の体格に合った飲みやすい器を試してみることが効果的です。
どうしても器がだめで水を飲まないようであれば、スポイトや哺乳瓶に水を入れて徐々に慣らしていくようにしましょう。
お水の管理をしよう!
水を飲まない子猫に対して、どうにか飲んでもらうようにするためには、飼い主さんによるさまざまな工夫が必要なことが分かりました。
成長にするにつれて上手に水を飲んでもらうためには、ほかにどのようなことを心掛けておけば良いのでしょうか。
◆飲水量を把握する
愛猫の健康管理をする目的でも、毎日どれぐらいの飲水量を摂取しているかの把握も大切です。
子猫の理想とする飲水摂取量がある程度決まっている通り、飲み過ぎてしまえば下痢や嘔吐にも繋がってしまいますし、少なすぎれば脱水症といった危険性もあるため、適切な飲水量摂取に向けて、毎日の把握は怠らないようにしてください。
◆綺麗な状態を保つ
子猫に水を飲んでもらうためにと、複数の場所に飲水スポットを用意しているようであれば、それらの水すべてを綺麗な状態に保つことを心掛けましょう。
子猫はまだまだ上手に水を飲むことができないため、器に顔だけでなく前足を入れてしまうことがあり、飲み水が汚れてしまうことがよくあります。
一度でも口をつけた水は雑菌が繁殖しやすいこともあり、飲水スポットの水はこまめに新鮮なものに入れ替え、常に清潔な状態を維持するようにしておきましょう。
まとめ
あまり水分摂取量の多くない猫ではありますが、子猫の場合はさらに水を飲まない上に、興味を示さない子はとても多いですよね。
猫は水分摂取量が少なくても生きられるような体の機能を備えてはいますが、その分猫特有の病気は警戒しておかなくてはいけませんし、まったく飲まなくても良いというわけではないため、できることなら自ら水を飲んでくれるようになってほしいものです。
水分量が不足してしまえば、排泄量が減って体に負担をかけることとなり、夏場には体温の調節ができない上に、血流が悪くなることによって代謝が下がっていきます。
このようなことからも水を飲んでもらうことは大切となりますが、飲み過ぎも体に負担がかかるため、年齢や体重によって飲水摂取量をしっかりと飼い主さんが管理しておくことも大切です。
成長期の子猫に対して飲水の大切を教えることは困難となりますが、どうしても愛猫が水を飲まない場合には一人で問題を抱え込もうとはせず、かかりつけの動物病院に相談するなどをして、解決へ向かうように努めていきましょう。
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