猫が狭いところを好きなのはなぜ?野生の本能が関係しているの?

2023.03.18

猫が狭いところを好きなのはなぜ?野生の本能が関係しているの?

猫はかくれんぼの名人かと思うほど、狭いところに入り込んで、身を潜めるように眠っていることが多いですよね。 室内で愛猫の姿が見えないときなどには、狭いところで丸くなって出てこないことも多く、体に負担がかかっていないのか、ストレスになっていないかなどの心配をしてしまうほどです。 飼い主側から見て窮屈そうに感じる猫の行動となりますが、猫が自ら狭いところを好む際には、どのような理由があるのでしょうか?

【目次】
1.猫が狭い所を好むのは野生の本能
 1-1.獲物を獲って隠すスペース
 1-2.外敵に襲われないように
 1-3.狭いところに獲物が隠れていないか探している

2.ペットの猫が狭い所に入る理由
 2-1.面白いものが無いか探している
 2-2.狭い所に入ると安心する
 2-3.怖い、驚くことがあってとっさに身を隠した
 2-4.体調が悪い

3.お気に入りのスペースは頻繁にお掃除してあげる
 3-1.誤飲するようなものが落ちていないかチェック
 3-2.猫毛がたまって不潔になっているかも

4.狭い所が好きな習性は、トレーニングにも活かせる
 4-1.クレートやキャリーバッグに入る練習

5.クレートやキャリーバッグに入る練習

猫が狭い所を好むのは野生の本能

猫が敢えて狭いところを好むのは、猫の本能が大きく関係していると考えられています。

現代を生きる猫たちが生まれ持つ本能に、どのような秘密が隠されているのか見ていきましょう。

◆獲物を獲って隠すスペース

もともと猫の祖先は砂漠で暮らしていたリビアヤマネコと言われており、水が少ないことから獲物が少なく、とても住みやすいとは言えない環境であったことがうかがえますよね。

このように獲物が豊富ではない砂漠では、ほかの敵から獲物を奪われないためにも、狭く暗い場所に狩った獲物を隠していたと言われています。

猫は体が柔らかい動物ですから、どんなに狭い場所だったとしても、自分の体が収まるスペースであれば出入が可能となるため、狭いところは獲物が隠せて安全な場所といった認識を持ち合わせている証拠です。

◆外敵に襲われないように

狭いところは体の小さい猫にとって、外敵に見つかり難いといった利点もあります。

猫は液体と表現されることもある通り、複数の骨で形成された骨格をしているため、狭い場所にもスッポリと体を収められるといった特徴を持っているのです。

自分しか入れないような空間であれば、外敵から襲われるリスクも必然的に下がることでしょう。

単独行動をする動物だからこその必要な習性でもありますが、このような習性を持ち合わせていたことによって、現代でも猫たちが生活できていることを考えてみると、猫が狭いところを好んでくれて良かったとも言えるのではないでしょうか。

◆狭いところに獲物が隠れていないか探している

猫にとって狭いところは自分の身を隠すだけの場所ではなく、獲物が隠れていないかを探す場所としても認識されています。

狩りの標的となるネズミやイタチなどの小動物は、小さな穴や隙間に身を潜めていることが多いため、そのような狭いところを見つけると、獲物がいないかと狩猟本能が掻き立てられるのも当然ですよね。

このような野生時代で生活をしてきた祖先の本能が残っているからこそ、現代を生きる猫たちが狭いところを好むことにも納得です。


ペットの猫が狭い所に入る理由

猫

猫が生まれ持つ本能には、狭いところを好む傾向があることが分かりましたが、室内で飼育されているペットとなる、イエネコの場合はどうでしょうか。

ペットの猫たちが狭いところを見つけた場合は、以下のような行動をとることが多いようです。

◆面白いものが無いか探している

室内で生活をしている猫の場合は、家の中に洞穴や岩場などの隙間はないことからも、猫自身が入られる狭いスペースを求めていることが多くありますよね。

ペットの猫ちゃんが気を引かれる狭いところといえば、送られてきた荷物の空き段ボール、買い物袋、物と物の隙間など、どうしてこんなところに目をつけたのかと不思議に思うものばかりです。

人間からしてみれば、わざわざ狭いところに入っていく姿は窮屈そうに感じられますが、猫の表情を見ていると不機嫌な様子はなく、表情は明るく好奇心に満ち溢れた表情をしていることがほとんどではないでしょうか。

もともと持ち合わせている本能により、狭い場所にはまだ見ぬ面白いこと、面白い物が入っていないかといった興味が掻き立てられ、自然と狭いところを見つけると入ってしまうのかもしれません。

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◆狭い所に入ると安心する

猫は単独での生活を好む動物のため、飼い主さんとの信頼関係が良好であったとしても、ひとりの時間を大切にすることがよくあります。

狭いところは外敵に襲われないといった本能を持ち合わせている通り、入るだけで安心できることをよく理解しているため、ゆっくりしたいときやぐっすりと眠りたいときなどには、狭いところに入って落ち着く猫ちゃんが多いそうです。

愛猫が自ら狭い場所に入った際には、構うようなことはせずそっとしておくようにしましょう。

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◆怖い、驚くことがあってとっさに身を隠した

日常生活の中で何か怖い思いをしたときや、驚くことがあったときなども、猫は狭いところに身を隠して、気持ちを落ち着かせようとします。

突然の来客や地震、何かしらの理由で飼い主さんに怒られたなど、ストレスを感じた際に身を隠すべき場所は、落ち着く暗くて狭い場所だと認識している証拠です。

狭いところは猫が生活をする中でも、必要不可欠な場所となるため、家の中にはいくつか安心して過ごせるような狭い場所を設けておいてください。

◆体調が悪い

猫は自身の体調が悪いときにも身を隠すことが多く、症状が改善するまでじっと我慢するといった性質を持ち合わせているため、狭いところに入って安静に過ごすことがあります。

本来であれば体調が万全ではないときには、外敵から簡単に襲われてしまいますので、自己防衛本能が自然と働いていると言えますよね。

食欲があって排泄もしているようであれば問題ありませんが、食欲不振や元気消失、排泄が丸1日以上できていないようであれば、様子を見るようなことはせずに、動物病院を受診するようにしましょう。


お気に入りのスペースは頻繁にお掃除してあげる

愛猫が狭いところを好む傾向が強い場合は、常に居心地よく過ごせるように、お気に入りのスペースは頻繁にお掃除をしておくと安心です。

日常的な掃除を心掛けることによって、以下のような事象のチェックも可能となるため、愛猫のためにも清潔を意識するようにしてください。

◆誤飲するようなものが落ちていないかチェック

猫は狭いところに獲物を隠す習性があることからも、お気に入りのおもちゃなどを隠しておく可能性も否めません。

また、そのような狭い場所にはお気に入りのおもちゃだけでなく、日常生活の中で落としがちなペットボトルの蓋のような、小さな物が入り込みやすいですよね。

もし猫がそのような物に興味を示し、飲み込めるサイズであったとした場合は、誤って飲み込んでしまうことがあるかもしれません。

人目につかない場所だからこそ、日常的に飼い主さんが誤飲するような物が入り込んでいないかのチェックをし、狭いところで安全に愛猫が過ごせるようにしておきましょう。

◆猫毛がたまって不潔になっているかも

狭いところはホコリやゴミなどといった、汚れのたまり場になっていることが多く、そのような場所に愛猫が頻繁に出入りしていたとなると、汚れなどが愛猫の体に付着し、セルフグルーミングで舐めとってしまえば衛生観念的にも良くありませんよね。

そして、ホコリやゴミだけでなく、猫自身の抜け毛によって、不衛生な環境に陥っていることも大いに考えられるため、常に汚れはないか、抜け毛はないかの確認も必要となってきます。

これらの不潔な汚れを放置してしまえば、ダニの温床になる可能性も高まりますし、感染症などの二次被害を起こさないためにも、日常的なお掃除を欠かさないようにしてください。


狭い所が好きな習性は、トレーニングにも活かせる

狭いところ

猫の狭いところ好きな本能を活かして、その習性をトレーニングに活かしてみることもおすすめです。

狭い場所を有効活用することにより、以下のようなトレーニングが可能となります。

◆クレートやキャリーバッグに入る練習

愛猫を動物病院に連れて行くときや、万が一の災害に備えてクレート(屋根つきの箱型ハウス)や、キャリーバッグを準備している飼い主さんは多いことかと思います。

しかし、猫は基本的に強制されることを嫌い、無理矢理そのような入れ物に入れられようものなら必死に抵抗してきますよね。

また、そのような入れ物に入って一度でも嫌な思いをしてしまえば、嫌な思い出だけが残ってしまい、対象物を見ただけで逃げ出してしまう子は多いことでしょう。

そのような傾向があるときには室内でお気に入りの狭いところに、クレートやキャリーバッグの入り口を開いたまま設置することにより、猫ちゃんが出入りしてくれる確率がぐっと上がります。

日常的にクレートやキャリーを設置しておくことによって、抵抗がなくなる、普段使いをしてくれるようになれば、急遽動物病院に連れていくときや、災害時にも安全に愛猫を運べるため、日常的に狭いところを活かしてトレーニングをしてみてはいかがでしょうか。


まとめ

愛猫が狭いところばかりを好んで出入りしている姿を見ると、私たち人間は窮屈さを感じてしまいますが、猫の本能が大きく関係していることが分かると、その理由にしっくりくる方も多いことでしょう。

完全室内飼いの猫ちゃんの場合は、外敵に襲われることもないため、狭いところは気持ちや体調の変化がある際に、利用することが多いようにも感じますが、快適に利用してもらうためにも、日常的なお掃除を心掛け、快適に過ごしてもらうように努めることも大切です。

そして、せっかくこのような習性を持っているからこそ、苦手の対象になりやすいクレートやキャリーバッグなどのトレーニングに活かし、万が一の出来事に備えておいてみてはいかがでしょうか。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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