猫にゴマを与えても良い?
人間の食べ物は猫に与えるべきではないと言われていますが、そんな中でもゴマは猫が口にしても安全な食べ物だと言われています。
このようなことからも、猫にゴマを与えても問題がないため、上手に与えてたくさんの栄養素を摂取させたいものですよね。
ゴマを猫が食べるとどんな効果が期待できるのかを、まずは見ていきましょう。
◆期待できる効果
「ゴマ(胡麻)」はゴマ科ゴマ属の一年草となり、元々紀元前3500年ごろのインドが栽培ゴマの発祥地と言われていますが、現在ではサバンナなどのアフリカ大陸に、野生種のゴマ科植物が多く自生しているようです。
このような荒れ地でも栽培できるように、とにかくタフで、種まきから約100日で収穫できるといった、成長の早さも魅力の植物となっています。
生命力の強いゴマではありますが一粒はとても小さく、その約半分は脂質となり、効率の良いエネルギー源として効果を発揮します。
大量に摂りすぎれば肥満に繋がってしまいますが、脂質のほとんどが不飽和脂肪酸のリノール酸とオレイン酸となるため、免疫力を高めて体の組織を維持する働きや、悪玉コレステロールを下げるといった効果が期待できるそうです。
そして、皮膚や筋肉、臓器といった体の主成分として大事なたんぱく質、整腸効果が期待できる食物繊維を含む炭水化物、骨や歯を強くするカルシウムなどの成分が含まれていることも見逃せません。
そのほかにも過酸化脂質から細胞を守るビタミンE、赤血球のヘモグロビン構成成分となる鉄分、たんぱく質の手助けをして成長や傷の修復を助ける亜鉛なども含まれています。
また、粒にわずか1%しか存在しない「ゴマリグナン」は、猫にも嬉しいメリットが豊富です。
◆ゴマを与える時のメリット
ゴマの注目成分と言われている「セサミン」や「セサモリン」は、ゴマのみに含まれている有効成分となり、これらの成分の総称を「ゴマリグナン」と呼びます。
このゴマリグナンは強い抗酸化作用が期待できるため、猫の体に溜まった不要な活性化酸を除去してくれるようです。
健康維持をしつつ老化を防止するといったメリットがあることからも、ゴマは猫にも積極的に与えたい食べ物と言えますよね。
そして、猫の被毛や皮膚は、たんぱく質の一種となる「ケラチン」によって形成されており、ゴマに含まれている亜鉛はケラチンの合成を促す働きをするため、美しい被毛を保つためには、欠かせない栄養素であることがうかがえます。
一粒が小さいゴマであったとしても、さまざまな効果やメリットが期待できるのであれば、フードのトッピングとして定期的に与えてみたくなることでしょう。
◆アレルギー
食品にはアレルギー物質の表示が義務づけられており、海外では2023年に入ってからゴマの明示義務が発生したこともあり、ゴマはアレルギーに注意が必要な食品であることが分かります。
生まれつきアレルギー体質の猫ちゃんはもちろん、特定の食べ物で突然アレルギーを発症する猫ちゃんも存在するため、ゴマを初めて食べるときだけでなく、長期的に口にしてアレルギー症状が出ていないか、観察が必要と言えるでしょう。
一般的にアレルギーを発症すると、皮膚を痒がる、下痢や嘔吐をする、目が充血する、元気の消失といった症状が出るため、ゴマを与えた際には必ず、愛猫の様子に変化がないかの確認をするようにしてください。
ゴマの与え方
ゴマにはたくさんの嬉しい効果が得られることが分かりましたが、猫に与える際にはどのようにして与えることが最適なのかなど、知りたいことはまだまだたくさんありますよね。
猫にゴマを与える際には、どんなことに注意して与えれば良いのでしょうか?
◆ゴマを与える量
ゴマは一粒がとても小さいですが、一粒に詰まっている栄養価は高く、猫に与える際にはティースプーン0.5~1杯程度が適量です。
ゴマには白ゴマ、黒ゴマといった2種類が存在していますが、栄養にはそこまで大きな違いはなく、黒ゴマは少々苦味があって風味が白ゴマよりも強いため、猫に与える際には優しい味わいの白ゴマがおすすめとなります。
そして、ゴマは粒のまま摂取してもしっかりと噛み砕かなければ、十分な栄養が摂取できないため、食べ物を飲み込んで食べる猫に対しては、すりゴマを与えるようにしてください。
その際には必ず、いりゴマをご家庭ですり潰し、猫ちゃんに食べさせてあげるようにしましょう。
その理由として、市販で販売されているすりゴマよりも、皮がついた粒の状態の方が、吸収されるアレルゲンの量が少なく、アレルギー反応を起こしにくいと言われているからです。
少しでもアレルギーのリスクを抑えるためにも、ひと手間加えていりゴマをすりゴマにして与えるようにしましょう。
◆トッピングにする
すったゴマをそのまま食べさせると、水分量が少なく食べづらいため、与える際にはキャットフードにトッピングすることが一番です。
相性を考えるとドライフードよりも、ウェットフードの方が馴染みは良いと言えますが、ゴマの香りに興味を示して食べたがる猫ちゃんであれば、ドライフードの上にふりかけて与えたとしても問題ありません。
ゴマが入ってるおやつは与えても大丈夫なの?
もし猫ちゃんがゴマの入った、人間が食べるおやつに対して興味を示してきた場合、ゴマが入っている時点で健康に良さそうなため、与えても良いと考える方がいらっしゃるかもしれません。
特に黒ゴマプリンのようなおやつは、牛乳や卵が使用されていることからも、猫に害は少なさそうな気もしますが、それらの食材でアレルギーを発症させてしまう可能性や、糖分が多く含まれているといった注意点があります。
ほかにも塩分濃度の高いゴマ煎餅なども、猫に食べさせると健康に良いとは言えませんので、猫に与える際には必ず、味付けのされていないゴマを与えるようにしましょう。
ゴマ油は与えても良いの?
ゴマをろ過して抽出されたゴマ油も、体に良いことで知られていますが、ゴマ油もゴマのように猫が摂取しても安全なのかが気になるところですよね。
純正のゴマ油であれば、少量でしたら与えても問題ありません。
ゴマ油には「オメガ6」と呼ばれる不飽和脂肪酸が豊富に含まれており、コレステロール値を低下させたり、アレルギー症状を改善させたりといった効果が見込めます。
また、ゴマ油は皮膚の環境を整える働きをするため、皮膚が乾燥してフケが出ている猫ちゃんにも効果があるようです。
その場合、通常のゴマ油よりも白ゴマ油が効果的となりますが、飲むわけではなくフケが出ている箇所に少量を優しく塗り込み、マッサージをするといった使用方法が推奨されています。
しかし、皮膚疾患でフケが出ている場合は、ゴマ油では症状が改善しないため、ゴマ油をフケ対策で利用する場合には必ず獣医師さんに相談して、使用か可能かどうかの確認をしてから実践するようにしましょう。
ゴマを与える時の注意点
健康にも良く猫にも嬉しい効果の多いゴマではありますが、栄養価が高いからこそ過剰に与えることを控えなくてはいけません。
ゴマに含まれている食物繊維により、便通が良くなって下痢を引き起こすことがありますし、排泄は健康のバロメーターとなるため、下痢が続いてしまえばゴマが原因なのか、ほかの原因によって体調が悪いのか、見分けることが難しくなってしまいますよね。
また、ゴマが原因でアレルギーを引き起こし、その症状として下痢を引き起こすこともあるため、頻繁に与えることは控えておいた方が得策です。
そして、普段総合栄養食を与えているようであれば、猫に必要な栄養素は摂取できているため、別の食材で栄養を摂る必要はないですし、あくまでゴマは栄養補助食品として与えることをおすすめします。
まとめ
ゴマは毎日でも食べたいほど栄養価が高く、さまざまな料理にも利用ができるため、とても使い勝手の良い食材と言えますよね。
そして、猫にも嬉しいメリットも多いことから、フードのトッピングとして定期的に与えたいところですが、総合栄養食を食べている猫ちゃんであれば、過剰摂取は栄養過多になってしまう可能性もあるため、たまに与えるぐらいがちょうど良いです。
与える際には必ずいりゴマを飼い主さんがすり潰すようにし、愛猫の消化を手助けしてあげましょう。
また、ゴマを口にした後は愛猫の様子を観察し、アレルギー症状が出ていないかの確認も怠らないようにしてください。
あくまでゴマは人間の食べ物であることを理解しておき、健康補助食品と考えて愛猫に与えてみてはいかがでしょうか。
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