1.猫にピーマンは食べられるけど注意が必要!
1-1.ピーマンに含まれる栄養素
1-2.期待できる効果
2.猫にピーマンを与えてはいけないと言われる理由
2-1.消化不良を起こす可能性がある
2-2.一部の成分「ソラニン」が良くない
3.ピーマンの与え方
3-1.少量で与える
3-2.小さくカットする
3-3.加熱する
3-4.種、わた、茎、芯は与えない
4.猫にピーマンを与える時の注意点
5.まとめ
猫にピーマンは食べられるけど注意が必要!
ピーマンは猫が口にしたとしても、問題のない食べ物なのでしょうか?
◆ピーマンに含まれる栄養素
ピーマンは緑黄色野菜に分類されますが、緑黄色野菜に分類される定義は、カロテンの含有量によって決まります。
原則として可食部100gあたりに対し、含まれているカロテンが600㎍(マイクログラム)以上のものといった基準があります。
ピーマンはその基準を満たしてはいませんが、食べる頻度や一度に食べる量が多いことから、緑黄色野菜に分類されているといった仕組みです。
緑黄色野菜にはカロテン以外にも、ビタミンやミネラルが豊富に含まれており、ピーマンには特にビタミンAとビタミンC、カリウムなどのミネラル類が多く含まれています。
そのほかにもさまざまな栄養素が含まれていますが、ピーマン特有の苦みはクエルシトリンといった栄養素が含まれていることも特徴的です。
◆期待できる効果
ピーマンの代表的な栄養素となるカロテンは、体内の活性酸素を減らしてくれるといった抗酸化作用があります。
猫は紫外線を浴びたときやストレスを感じたときに、活性酸素が体内で増えていき、健康な細胞を傷付けてしまうため、カロテン特有の効果は猫にとっても嬉しい働きと言えるでしょう。
豊富なビタミン類では皮膚や粘膜を維持する働き、コラーゲンの生成を手助けして、消化管における鉄の吸収を高めてくれる効果も期待できます。
ミネラル類では細胞内の浸透圧を一定に保ち、ナトリウム(塩分)の排出を促して、高血圧の重症化を防ぐ働きや、貧血予防などの効果をもたらしてくれるようです。
また、苦み成分となるクエルシトリンからは、新陳代謝を高め老廃物や毒素を排出するといった、デトックス効果も得られます。
猫にピーマンを与えてはいけないと言われる理由
ピーマンは基本的には口にしたとしても問題のない食べ物となりますが、与える際には色々な注意点もあるため、むやみやたらに与えない方が安全と言えるでしょう。
ピーマンを猫に与えることがあまりよろしくないと言われている理由には、以下のようなことが挙げられているようです。
◆消化不良を起こす可能性がある
もともと猫は肉食動物であり、野菜から栄養を摂取する必要がありません。
猫がピーマンを大量に口にしてしまえば、消化不良を起こしてしまう可能性も否めません。
胃腸に負担をかけて消化吸収がうまく行われなければ、嘔吐や下痢といった症状が出ることもありますし、ピーマンの成分に対してアレルギー反応を起こす可能性もあるため、このようなリスクも考えた上で、与えても大丈夫なのかの判断が必要となってきます。
◆一部の成分「ソラニン」が良くない
ピーマンはナス科トウガラシ属の野菜となりますが、ナス科の野菜は注意点をしっかりと守れば、猫にも与えられる野菜となります。
ナス科の野菜の何が問題なのかというと、「ソラニン」と呼ばれる有毒なアルカロイド(窒素を含む塩基性化合物の総称)が含まれていることにあります。
ニコチン、コカイン、カフェインなどもアルカロイドの一種となり、そのことからもどれぐらいソラニンが危険な成分であるかが分かりますよね。
少量でも動物に対して顕著(けんちょ)な薬理作用をもつため、身体の小さな猫がこの成分を過剰に摂取してしまえば、下痢や嘔吐だけでなく心拍障害などといった、重篤な症状が出てしまう危険性もあるでしょう。
ソラニンはじゃがいもの芽に多く含まれていることで有名です。ナス科のピーマンは含有量が少なめではありますが、多少は含まれているということを覚えておくようにしましょう。
ピーマンの与え方
猫にピーマンは与えるべきではないと言われる一方で、ピーマンには猫にとっても有益な成分が含まれていることから、与えてみたいと考える飼い主さんもいらっしゃるはずです。
特に愛猫のために手作りごはんを作っている飼い主さんであれば、ピーマンやパプリカは彩りもよく、トッピングとして利用したいと考えても不思議ではありません。
ピーマンを与える際には以下のことに注意し、安全第一で愛猫に食べさせてあげてください。
◆少量で与える
ピーマンにはソラニンが含有されていることもあり、必ず少量を与えるようにしましょう。
猫の場合は身体も小さいため、1cm角のサイズであれば4切れぐらいが適量となります。
また、ピーマンは元々トウガラシの栽培品種として扱われていたこともあり、品種によっては強い辛みを持ったピーマンも存在するため、このようなことからも少量で与えることが一番です。
そして、初めて与える際には消化不良を起こしていないか、アレルギー反応が出ていないかなどの観察も必要となるため、与えすぎないように注意しておきましょう。
◆小さくカットする
猫の場合は1cm角でも少し大きいため、さらに細かくカットして与えることがおすすめです。
小さくカットすることによって、胃腸への負担や喉に詰まらせる危険性も回避できますし、ウェットフードと混ぜれば独特の苦みなども感じづらくなります。
あえて愛猫にピーマンを与えたいようであれば、必ず小さくカットするといったひと手間も忘れないようにしてください。
◆加熱する
ピーマンは加熱しても栄養価が損なわれないため、猫に与える際には加熱してから与えるようにしましょう。
毒性の強いソラニンは加熱してもなくなりはしませんが、茹でることにより多少は水流出され、減少させることが可能です。
また、猫に与える目的がビタミンやカリウムの摂取が第一目的であれば、これらの栄養素は脂溶性のため、油と一緒に炒めることにより吸収率が上がります。
猫にも安全なオリーブオイルやサラダ油などで炒め、キャットフードのトッピングとして与えてもOKです。
◆種、わた、茎、芯は与えない
ピーマンの種やわたなどには、栄養が多く含まれていると言われてはいますが、消化が悪いため猫には与えないようにしてください。
それらの部分にもソラニンは含有されていますし、さまざまなリスクを考慮した上でも、与えないことが賢明ですし、より安全性を高めるためにも種、わた、茎、芯は必ず取り除くようにしましょう。
猫にピーマンを与える時の注意点
愛猫へ安全にピーマンを食べてもらうためにも、毎日与えないことはもちろんですが、無理に与える必要がないことを頭の片隅に入れておきましょう。
間違った与え方をして愛猫の健康を損ねてしまえば、どんなに栄養価の高い野菜であっても効果が発揮できていない上に、ただの危険な食べ物となってしまいますよね。
ほかにも旬の季節だからといって生で与えたり、人間用に味付けがされていたりするピーマンも、猫には与えるべきではありません。
また、ピーマンを自家栽培している場合はさらに注意が必要となり、ソラニンの含有率が高くなっている可能性があるため、自家製のピーマンは猫に与えないようにしましょう。
そして、ピーマンの仲間であるパプリカは、アレルギーが出やすい野菜としても挙げられているため、初めて愛猫に与える際には必ず、食後にアレルギー反応が出ていないかの確認も怠らないようにしてください。
まとめ
身近な食材の一つとなるピーマンですが、さまざまな注意点をしっかりと守れば、猫にも与えて良い野菜だということが分かりました。
猫にも有効な栄養素がたくさん含まれているため、愛猫に食べさせてみたいと考える飼い主さんは少なくないはずです。
しかし、ピーマンには有毒な成分が多少なりに含まれており、与えたことによってのリスクを懸念するようであれば、無理に与えないことが一番ではないでしょうか。
飼い主さんがもっとも注意すべきは愛猫の健康となるため、ピーマンを与えることによって、健康を損ねるようなことがあってはいけませんよね。
どうしてもピーマンを与える必要がある際には、こちらの記事で紹介した与え方や注意点を参考にし、愛猫へ安全に食べてもらえるように努めましょう。