1.猫のジャンプ力の秘密
1-1.後ろ足の筋肉の発達
1-2.バランス感覚の優れた特性
2.猫がジャンプを失敗する原因
2-1.年齢によるもの
2-2.肥満によるもの
3.【動画あり】猫がジャンプを失敗するかわいい瞬間
3-1.座布団は動かないものだと思ってたニャ!
3-2.ジャンプに失敗したわけじゃないニャ
3-3.思ったよりもジャンプできないニャ
4.猫がジャンプを失敗しないための予防と対策
4-1.適度な運動で筋力維持
4-2.適切な食事管理
4-3.家具やテーブルの配置
4-4.定期的な健康診断
5.まとめ
猫のジャンプ力の秘密
ジャンプ力や瞬発力が優れている猫は、さまざまな動物の中でも特に運動神経の良い動物として知られています。
猫と一緒に暮らしている方であれば、高い場所から落ちたとしても、上手く体勢を整えつつ見事に足から着地する姿を見たことのある飼い主さんも多いのではないでしょうか。
猫は体高(地面から肩甲骨の上端部までの垂直距離)の、約5倍といったジャンプ力があると言われています。体高が30cm程度の猫ちゃんであれば、1.5mほどのジャンプが可能となります。
このジャンプ力を人間に置き換えてみると、7mほどの高さまで跳べることとなるため、猫の身体能力の高さに驚かされますよね。
なぜそこまで優れたジャンプ力が発揮できるのか。それは、以下のような秘密が猫にはあると考えられています。
◆後ろ足の筋肉の発達
猫の優れたジャンプ力の秘密は、後ろ足の筋肉の発達が鍵となっています。
華奢な前足と比べて後ろ足は筋肉質となっており、身体全体を支えつつ瞬発力のあるジャンプをすることが可能となっているようです。
それにプラスして、背骨の数が人間よりも多いことから、しなやかな動きが可能となり、関節の柔らかさも加わって、驚異的なジャンプができるといった仕組みとなります。
後ろ足を触られると極端に嫌がる子が多いのは、さまざまな筋線維や神経が集まっていることから、敏感で大事な部位であると分かっている証拠です。
◆バランス感覚の優れた特性
後ろ足の筋肉の発達に加え、猫はバランス感覚が優れているといった特性も持っています。
単純にジャンプ力が優れているだけでは、着地の際にケガをする確率が高くなりますし、毎回ケガをしてしまったら、高い場所に登ることを怖がるようになってしまうでしょう。
しかし、猫にはどんな体勢からジャンプをしても、確実に4本足で着地できる「空中立ち直り反射」といった能力が備わっています。
この能力のおかげで高い場所から落ちても無傷であったり、軽いケガ程度で済んだりするようです。
猫がジャンプを失敗する原因
猫のジャンプ力には備え持った身体能力、体格や年齢などの個体差もありますが、そんな運動神経の良い猫がジャンプを失敗するようであれば、心配になってしまう飼い主さんは多いことでしょう。
たまに失敗するぐらいなら、偶然バランスを崩したと考えられますが、頻繁にジャンプを失敗しているようであれば、以下のような原因が関係しているかもしれません。
◆年齢によるもの
成猫になっても身体が小さいままとなる猫は、私たち人間にとっていつまでも可愛らしい見た目を維持し続けますが、7歳を過ぎたころからシニア期に突入し、さまざまな老化のサインが現れはじめます。
歯石が増えるなどの口腔内トラブルや、目ヤニが増えるといった症状も老化のサインとなりますが、運動能力も徐々に衰え始めるため、若いときよりも行動する時間が減り、眠る時間が自然と増えていきます。
このように加齢によって筋力や体力も落ちてくるため、ジャンプを失敗してしまう機会が増えてしまうといった仕組みです。
◆肥満によるもの
運動神経の優れた猫ではありますが、普段から眠る時間が多いことから、運動不足で肥満になりやすいと言われています。
そのため、室内に上下運動ができる場所の設置や、飼い主さんがおもちゃを使って遊ばせる必要がありますよ。
肥満体系になってしまえば骨や関節に負担がかかる上に、身体を動かすこと自体が億劫となってしまうことでしょう。
普段からあまり身体を動かしていないと、ジャンプして高い場所に登ることを諦めてしまいます。
チャレンジしたとしても失敗して、その経験からジャンプに失敗することを恐れるといった、悪循環に陥ってしまう可能性も否めません。
【動画あり】猫がジャンプを失敗するかわいい瞬間
猫がジャンプに失敗する理由によっては、心配になってしまうこともありますが、健康体の猫ちゃんの場合はドジな一面が見られて、微笑ましくなってしまいますよね。
ジャンプの失敗の仕方や、そのあとの反応なども、猫ちゃんによって個体差があります。かわいい瞬間を収めた動画を見ていきましょう。
◆座布団は動かないものだと思ってたニャ!
距離的には余裕でジャンプできるはずなのに、いざジャンプをしてみるとテーブルの上の座布団が滑って、ソファーへの着地が失敗!
床への落ち方も豪快ですが、ケガをしていないか祈るばかりです。
◆ジャンプに失敗したわけじゃないニャ
飼い主さんを見つめながらジャンプをするも、飼い主さんに夢中になりすぎて足元からスルスルと落ちてしまう猫ちゃん。
その後椅子の手すりをチョイチョイしながら、かわいい上目使いで失敗していないアピール。
こんなかわいらしい表情で誤魔化されたら、ジャンプの失敗だけでなく、どんなイタズラをされても許してしまうことでしょう。
◆思ったよりもジャンプできないニャ
雪が冷たく足場が悪いのか、普段なら登れているだろう場所も、足元の力を踏ん張れなくてジャンプを失敗してしまったこちらの猫ちゃん。
すぐにその様子を見て仲間が駆け寄ってくる姿が、なんとも微笑ましいですよね。
猫がジャンプを失敗しないための予防と対策
猫のジャンプの失敗は目測を誤る、床材で滑るなどが原因で起こることが一般的ですが、失敗が多く見られる場合は、加齢や肥満以外の原因がないか追究し、それ相応の対策をしていく必要があります。
愛猫にジャンプを失敗させないためにも、飼い主さんは普段からどのようなことを心掛けていくべきなのでしょうか。
◆適度な運動で筋力維持
眠る時間の多い猫ではありますが、丸一日眠っているわけではないため、適度に運動させて筋力の維持に努めることも大切です。
年齢や体格によって多少異なりますが、猫の理想的な1日の運動量は20分前後と言われているため、愛猫が構ってほしそうにしているときに、おもちゃなどを使って遊んであげましょう。
一緒に遊んであげることは猫のストレス発散にも繋がりますし、しっかりとスキンシップもできて一石二鳥です。
◆適切な食事管理
愛猫を肥満にさせないためにも、適切な食事管理をして、理想の体型をキープしてあげてください。
食事の管理は肥満を予防できるだけでなく、さまざまな病気のリスクも回避できるため、愛猫の年齢や体重から1日の必要摂取カロリーを把握し、適切な食事を摂らせるようにしましょう。
◆家具やテーブルの配置
ジャンプを失敗させないためには、室内の家具やテーブルなどの配置も考慮しなくてはいけません。
家具は高さ別にバランスよく室内に配置することにより、ステップのような役割を果たすため、無理にジャンプをして高い場所へ行く必要がなくなります。
自ら歩いて高い場所へ行けるような導線ができていれば、運動不足の解消にも繋がりますし、室内でも満足度が上がることでしょう。
また、高い位置からテーブルなどに乗り移ろうとする猫ちゃんも多いため、飛距離が遠くなるような配置はおすすめできません。
猫自身が目測を誤ってジャンプに失敗しないためにも、それらのことをすべて考慮した上で、家具などの配置を決めるようにしてください。
◆定期的な健康診断
適度にスキンシップを図って、愛猫の身体に異常がないかのチェックも飼い主さんの大切な仕事の一つです。
身体に触れられて痛みを感じているような仕草が見られるようであれば、ケガをして痛みを患っているかもしれません。また何かしらの病気によって痛みを覚えている可能性も否めません。
猫は身体に異変が起きていても態度で示すことしかできないため、それを見逃さないようにするためにもスキンシップは大切ですよね。
また、定期的に動物病院で健康診断を受けることにより、見えない箇所に異常がないかの確認もできます。最低でも1年に1回(高齢であれば2回)は健康診断を行うようにしましょう。
まとめ
猫の祖先が野生で生活してきた環境が、猫に驚異的なジャンプ力を身に着けさせ、その能力が現代の猫たちにもしっかりと引き継がれてきたことが分かりました。
身体能力が高く、しなやかで美しい猫のジャンプ姿ではありますが、ときには失敗することもあり、完璧に見えてどこか抜けているところも、猫特有の魅了とも言えますよね。
しかし、ジャンプを失敗する猫ちゃんの中には、加齢や肥満、病気などが原因となっている場合もあるため、頻繁にジャンプを失敗するようになったと感じたら、室内のレイアウトを変更するなどをして、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
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