猫が高い所から落ちる原因4選!落ちても平気な高さはどれぐらいなの?猫の猫高所落下症候群とは?

2023.02.11

猫が高い所から落ちる原因4選!落ちても平気な高さはどれぐらいなの?猫の猫高所落下症候群とは?

猫は運動神経の長けた動物としても知られている通り、高い場所から飛び降りたとしても、無傷でいられるという話を聞いたことはありませんか? 猫は平衡感覚が優れているため、バランスを崩して高い所から落ちることは考えにくいことですが、高い場所で歩く愛猫の姿を見れば、心配で居ても立ってもいられないといった飼い主さんは多いことでしょう。 どうして猫は好んで高い場所に登るのか、どれぐらいであれば高い所から落ちたとしても安全なのかを考えてみました。

なぜ猫は高い所に登るの?

猫と一緒に暮らしていると、隠れることが本当に上手だな、と感心させられることが多々あります。
とくに高い場所を好む傾向が強く、なかなか姿を見かけないときには、人の目線よりも高い位置で過ごしていることも少なくありません。

このように日常的に高い所で過ごす時間が多い猫ではありますが、どのような理由により敢えて高い場所を選んでいるのかも気になるところですよね。

猫にとって高い所というのは、単独で生活していた野生時代に培った習性の名残から、安全で危険性の少ない場所として認識されているようです。
高い所は外敵に見つかったり襲われたりする可能性が低く、広範囲を見渡せることからも獲物を見つけやすいといった利点があります。

そのほかにもダニやノミなどの寄生虫が少ないことや、優れたバランス感覚や体力を示すといった、優位性を表現するためにも一役買ってくれるため、室内であっても高い所を目指して登るといった行動をとる個体が多いそうです。


猫が落ちても大丈夫とされる高さはどのくらい?

飛び降りる猫

猫が高い所に登る理由は分かりましたが、飼い主としては安全が保てているのか、落ちるような事故はないのかなどの心配もあり、必ずしも高い場所が安全とは言い切れませんよね。

どんなに慎重な性格の持ち主で‭平衡感覚が優れた動物であったとしても、着地を失敗すれば大きなケガを負ってしまう危険性もありますし、猫が落ちても大丈夫だと思われる高さを知っておくに越したことはありません。

室内で暮らしている猫ちゃんは外敵に襲われる心配がないことからも、運動不足になりがちとなってしまうため、得意な上下運動ができる環境を整えておく必要がありますし、その上でも猫にとって安全な高さを理解しておきたいものです。

一般的に猫は2.5m前後の高さであれば、落下してもケガをしないと言われています。
建物に換算すると1階の屋根ほどの高さとなるため、室内であれば愛猫が高い所から落ちる程度では、大きなケガをする可能性は低いと言えるでしょう。

しかし、猫の身体能力や優れた平衡感覚、体の構造から考えると2階程度の建物から落下しても着地が可能と言われることがあるようです。

もちろん建物によって階数の高さは異なりますが、3階よりも高い位置からの落下は絶対安全とは言い切れないものの、6~7mほどであれば体の構造や身体能力を活かして、無事に着地するような体勢を自らとることにより、意図しない落下事故を防げます。

その際には猫が自らの意思で、高い所から落ちるのか落ちないのかが重要となり、身構えていない場合には着地に失敗してしまうこともあるため、安易に高さによって安全と決めつけておかないことが一番です。


高い所からの着地を失敗する理由

基本的に室内であれば6~7mほどの高さから着地する機会はありませんが、猫ちゃんの中には着地を失敗してしまう個体がいたとしても不思議ではありません。

高い所から落ちる機会の多い猫の場合は、以下のような理由があると考えられています。

◆足が滑る

室内飼いであれば高い所から落ちることがあっても、そこまで高さがないことから安全性が高いようにも感じますが、頻繁に落ちるようなことがあれば心配になってしまいますよね。

キャットタワーや猫用ステップなどは、猫が滑らないような工夫が施されていることがほとんどではありますが、ツルツルとした素材を使用している家具などの上部は、着地をする際に足が滑って着地に失敗することもあるようです。

とくに、昨今のご家庭ではフローリングといった床材が一般的となり、高い場所から床にバランスよく着地したつもりでも、足が滑ってしまうことは否めません。

猫の足裏には肉球がついているから滑ることがないようにも感じますが、足裏の毛が多くて手入れをしていない猫ちゃんなどは、滑りやすくなっているため注意が必要となります。

◆太っている

標準体型よりも太っていて肥満気味な猫ちゃんの場合も、高い所から落ちることがよくあります。

肥満によって体重が増加してしまえば、高い所から着地をする際に体(とくに手足)への負担が大きくなってしまうため、バランスも取りづらくなってしまうことでしょう。

体重が増えることによる体への負担は、捻挫や骨折といったケガだけでなく、さまざまな臓器への負担も懸念されるため、日常的に健康な食生活を心掛けておくことも大切です。

肥満気味の猫ちゃんは高い所から落ちることがないように、室内ではあまり高い場所への行き来ができないような工夫をしておきましょう。

◆運動が苦手

眠る時間の多い猫のほとんどは、運動不足気味なことからも急な運動を得意としません。

いざ高い所へ登ったり降りたりするときに、距離感が掴めずに落下してしまうこともあるため、日頃から運動不足が解消できるような家具配置なども考えておくと安心です。

とくに加齢で眠る時間が多い猫ちゃんの場合は、自ら好んで運動をしませんし、そのままの状態を放置してしまえば、さらに体力が落ちることへと繋がっていきますよね。

1日のうちに運動できる時間を設けるようにし、低めのステップをいくつか準備するなどをして、常に上下運動ができる環境を整えておいてください。

◆ケガをしている

愛猫が突然高い所から落ちる様子が見られるようになった場合には、ケガをしている可能性が考えられます。

高い所へ登っていたことによってケガをしたのであれば、再度高い所に登った際に落下する危険性が高まるため、早期発見こそが大切と言えるでしょう。

足を引きずったり患部が腫れていたりする場合は、靭帯が引き伸ばされる「捻挫」が疑われますし、その状態から数日経っても改善が見られない場合には「骨折」を疑ってみてください。

どちらの状態も相当な痛みを伴っているはずですので、早急の治療が必要となります。

日頃から高い場所を好んで寝床にしている猫ちゃんの場合は、熟睡して落下してしまうこともあるため、室内であってもそのような危険性が常にあることを忘れないようにしましょう。


猫の猫高所落下症候群とは

猫が高い所から落ちる原因を考えてきましたが、ある程度飼い主さんが管理することにより落ちる頻度を減らせることが分かりました。

しかし、猫が高い所から落ちる理由としてもっとも注意をしなくてはいけないことは、猫自身が高さを意識せずに飛び降りてしまうことです。
室内で高い所から落ちる程度であれば衝撃も少なく、大きなケガには繋がりにくいですが、8m(建物でいうと3階)以上の高さから落下すれば、死亡するリスクも当然高くなりますよね。

このように猫が自分の意思とは関係なく高所から突然飛び降りることを、「猫高所落下症候群(flying cat syndrome)」と呼び、または「ハイライズ症候群(high-rise syndrome)」といった獣医用語で呼ばれています。

3階以上の建物や高層マンションから落下して、ケガをした猫が多発したことからこのような名前が付けられましたが、猫高所落下症候群の怖いところは一度でも高い場所から飛び降りて生還した猫は、高い場所への抵抗が弱くなってしまい飛び降りを繰り返すという点です。
高所からの飛び降りといっても、猫の体重や体積だけでなく、飛び降りた高さもそれぞれのため、明確な生存率を出すことは難しくはありますが、ある論文では猫高所落下症候群の生存率は90%前後という発表もされています。
この数字からも猫の身体能力の高さが伺えますが、猫高所落下症候群を発症する理由は、「鳥や虫などの獲物に夢中になった」「視力が低く距離間隔が掴めなかった」など、不透明な部分も多くまだまだ解明されていない部分が多いそうです。
3階以上の高所からでも猫は、落下中に体勢を整え手足を広げてムササビのように皮膚を伸ばしつつ、空気抵抗を大きくすることで結果的に衝撃を和らげます。
そのため、中途半端な高所から落下した方が、空気抵抗を大きくする時間が足りないことから、大きなケガをしやすいといった見解もあるようですがどんな状態にせよ、猫が高い所から落ちるようなことがないように見守っていきたいものです。


まとめ

キャットタワー

猫の体の構造や生態を知ると、まだまだ謎に包まれている部分はとても多く、知れば知るほどその不思議な魅力に惹かれてしまいますよね。

そして身体能力の高い猫であっても、さまざまな理由によって高い所から落ちる可能性があることも分かりましたが、
高さに関係なく猫にとって高い場所は危険だということを、私たち人間が改めて認識しておくことも大事です。

高さに関係なくケガをしない子も居れば、命を落としてしまう子も居ますので、猫ちゃんと一緒に暮らしている方であれば、安全な生活環境を整え、玄関や窓から出入りをする際には、愛猫が外に出ないように細心の注意を払って行動するようにしていきましょう。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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