1.猫が怖いと感じるときの行動
1-1.低い姿勢でこちらを伺う
1-2.視線をそらす
1-3.しっぽを体に沿わせる
1-4.毛づくろいをする
1-5.声を出して威嚇をする
1-6.耳をペタンと伏せる
2.猫が怖いと感じるもの①大きな音
2-1.大きな音を怖いと感じる理由
2-2.対策:猫が隠れられる場所を作る
3.猫が怖いと感じるもの②しつこく構ってく人
3-1.しつこく構われるのが嫌な理由
3-2.対策:無理に抱っこをしたり遊んだりしない
4.猫が怖いと感じるもの③環境の変化
4-1.環境の変化を怖がる理由
4-2.対策:猫が安心できる環境をつくる
5.まとめ
猫が怖いと感じるときの行動
猫が怖いと感じるときの行動や仕草についてご紹介します。
猫によってもさまざまなので、普段と違うかどうかもひとつのポイントになります。
「普段とは様子が違うかも?」と感じたら、怖がっているサインかどうかチェックしてみてくださいね。
◆低い姿勢でこちらを伺う
猫は怖さを感じると、できるだけ体を低くし、小さく見せるような姿勢をとることがあります。
これは自分の身を守るための本能的な行動で、いつでも逃げ出せる姿勢で相手の様子をうかがっています。
怖ければ怖いほど頭の位置が低くなり、歩くときもまるでほふく前進のように低い姿勢でそっと周りを警戒しながら移動することも。
そして、家具のすき間など見つかりにくい場所に隠れてしまうこともあります。
もうひとつ、体調が悪い場合もこのような行動をとることがあります。
怖がるようなものが見当たらないにもかかわらず、普段行かないようなすき間などで体を低くしてジッとしている場合、体調不良も視野に入れて様子を見てあげましょう。
◆視線をそらす
猫は怖いものに対して、直視せずに視線をそらすことがあります。
猫が視線を合わせるのは、ケンカのときの「やんのか?」状態みたいなものなので、視線をそらすのは、相手に「敵意はないですよ」ということを示す一種のサインになります。
警戒しながらも、相手がこれ以上自分に攻撃してこないよう「これ以上はやめてね」と伝えているのですね。
◆しっぽを体に沿わせる
猫が怖がっているときには、しっぽを体に沿わせることがあります。
これは警戒していたり、不安を感じていたりするときに見せる行動です。
自分を守るために、体を小さく見せながら無防備なしっぽを隠しているんですね。
また肛門をしっぽで覆うことで、ニオイを隠す意味もあると言われています。
ちなみに、座っている状態で体にしっぽをくるっと巻きつけるのはリラックスのサインです。
他にも、後ろ足の間にしっぽが入り込んでいる場合は、怖がっているときに見せる行動です。
似たようなサインで、しっぽを膨らませて毛を逆立てているときがありますが、これはびっくりしているときや、恐怖心を抱きながらも自分の体を大きく見せているときの行動です。
◆毛づくろいをする
猫は日頃からよく毛づくろいをしていますが、緊張や不安を感じたときも、毛づくろいをすることがあります。
いつもより、小刻みで動きが早い毛づくろいのときは、怖がっているかもしれません。
ジャンプに失敗して落下してしまったときなどに、毛づくろいをする猫ちゃんを見たことがある飼い主さんも多いのではないでしょうか?
これは転位行動と呼ばれ、ジャンプに失敗して動揺した気持ちを落ち着かせています。
通常の毛づくろいは体全体をまんべんなく行います。もし、長時間続けていたり地肌が見えるほど繰り返していたりする場合はストレスなどが原因の可能性があります。
また、同じところをずっと舐めている場合、その部分にケガや病気を抱えていることもあります。
もし毛づくろいに異常を感じた場合は、動物病院を受診してみましょう。
◆声を出して威嚇をする
猫が怖がるときには、威嚇のために声を出すことがあります。一見攻撃的な行動にも思えますが、怯えている猫が防御策として行う行動です。
威嚇は、他の動物やその他の危険から自分の身を守るための手段なんですね。
「シャーッ!」という鳴き声は『これ以上はやめて!』という猫からのサインです。
それでも相手が行動をやめない場合は、噛んだりひっかいたりすることもあるので、近づかないようにしてあげましょう。
背中を丸めて頭を低くし、毛を逆立てている場合も、怖がりながらも自分を大きく見せようとしている威嚇のサインです。
◆耳をペタンと伏せる
耳をペタンと伏せているのは、怖がっているときのサインです。
通常時の猫の耳は、力が入っておらずまっすぐに立っています。
体にギュッと力が入り、耳を平たく伏せているのは、怖がっていて、自分自身を守るのに必死になっている状態です。
ちなみに、耳が後ろへ反っている、いわゆる『イカ耳』は怒っているときのサインです。
反る角度が大きいほど怒りや拒否の気持ちが大きいことを示しています。
恐怖心よりもイライラや不満、攻撃的な気持ちが強い状態です。
猫が怖いと感じるもの①大きな音
◆大きな音を怖いと感じる理由
猫は非常に優れた聴力をもっています。犬の1.5倍、人間の3倍もの高音を聞き取ることができ、ネズミの足音までキャッチするんだそうです。すごいですね。
そのため、突然の大きな音は猫にとって想像以上に恐怖の対象になります。
車や工事、花火やサイレン、台風や雷などの外からの大きな音は、人間でもびっくりするときがありますが、猫にとってはもっと怖いのかもしれません。
外からの音だけでなく、飼い主さんのくしゃみやイスから立ち上がった音など、何気ない行動で猫をびっくりさせてしまった、なんてこともありますよね。
また、大きな声の人を怖がる猫ちゃんも多いです。
◆対策:猫が隠れられる場所を作る
飼い主さんが気をつけたとしても、雷やサイレンなど急な大きい音を防ぐのは難しいですよね。
ですので、大きな音が鳴ったときに猫が隠れられる場所を準備することで、安心できる環境をつくってあげましょう。
身を隠せる安全な場所があることで、猫の不安を和らげてあげることができます。
もしキャリーやケージなどに隠れた場合、扉は開けたままにしておきましょう。
逃げたいときに逃げられることも、猫にとっての安心につながります。
猫が怖いと感じるもの②しつこく構ってく人
◆しつこく構われるのが嫌な理由
猫はマイペースな生き物です。自由気ままに行動することが好きなので、しつこくなでられたり追いかけられたりすることは、ストレスや怖さを感じる原因になります。
子猫のときに追いかけられたなどの怖い記憶があると、成猫になってからも警戒することがあります。
遊びのつもりで、猫を追いかけるなんて、子どもがやってしまいそうですが、これは猫に怖い思いをさせてしまいます。
また、かわいいからこそなでたり抱っこしたりと構いたくなってしまいますが、嫌がっているのにしつこく構う人は、猫が「怖い人だ」と警戒してしまうこともあります。
◆対策:無理に抱っこをしたり遊んだりしない
猫の様子を観察し、嫌がっているようであれば無理に抱っこしたり遊んだりするのを控えましょう。
ストレスを与えないよう、猫ちゃんの気持ちを尊重し、適度な距離で接してあげることが大切です。
来客やお子さんなどがいる場合は、人の届かない猫が逃げ込める場所を用意してあげるのもいいですね。
猫から「なでて!」と甘えてきてくれたときは、思う存分なでてあげましょう。
猫が怖いと感じるもの③環境の変化
◆環境の変化を怖がる理由
猫は環境の変化にとても敏感です。
そのため、見慣れない場所やものに対して、不安や恐怖を感じることがあります。
環境の変化と言ってもその内容はさまざまです。
引っ越しや車での移動など猫自身がいつもと違う環境に置かれる場合や、いつも使っている食器やおもちゃが新しくなった場合、来客なども猫にとっては不安や恐怖を感じる可能性があります。
◆対策:猫が安心できる環境をつくる
環境の変化に対する恐怖心を和らげるためには、猫にとって安心できる環境をつくってあげることが大切です。
引っ越しや模様替えなどの場合は、普段使っているベッドやタオルなど、慣れ親しんだニオイのついているものを準備してあげることで、安心できる環境をつくりましょう。
いつも使っているグッズを新しいものに変える場合、古いものが壊れて使えなくなったなどでなければ、新しいものに慣れるまで古いものと交互に使うなど、慣らし期間を設けてあげましょう。
一度にたくさんのグッズが変わると、猫も環境の変化に怯えてしまう可能性があるので、できる限り少しずつ変えてあげられるといいですね。
お客さんが来たときは、①の大きな音を怖がっているときの対策と同様、猫が自由に身を隠せる場所を準備することで、猫が安心できる環境をつくりましょう。
まとめ
猫が怖がっているときの行動や、怖がるものとその対策方法を知ることで、猫の様子にいち早く気づいて、怖がるものをできるだけ取り除いてあげたいですね。
とは言っても、雷や車の音など防ぐことができないものもあるので、その場合は、猫にとって安心できる場所をつくり、優しく見守ってあげましょう。
危険なものでないとわかれば、落ち着きを取り戻すはずです。
そしてもうひとつ、飼い主さんができる大切なことは、できるだけいつも通り何ごともない態度で接してあげることです。
猫は飼い主さんの様子をよく見ています。
飼い主さんが怖がっていると、その様子を見て猫も怖がってしまうことも。
猫を安心させたくて、抱っこしたり、なでたりすることもあると思いますが、敏感な猫はいつもと違う飼い主さんの様子に気づいてしまいます。
ですので、優しく声をかけながら、できるだけいつも通りの態度で接してあげましょう。
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