1.黒猫が横切ると不吉!?
1-1.欧⽶では「黒猫=不吉」だった
1-2.現在では黒猫の⽇が作られている
2.⽇本では黒猫は幸運のしるし
2-1.黒猫にまつわるジンクス①病気が治る
2-2.黒猫にまつわるジンクス②商売繁盛
2-3.黒猫にまつわるジンクス③厄除け
3.黒猫は⼈気がない?
4.まとめ
黒猫が横切ると不吉!?
「黒猫が横切ると不吉」とか「黒猫は縁起が悪い」などと聞いたことはありませんか?
そんな風に言われると、黒猫が好きな方はちょっと悲しいですよね。
もちろんこれは迷信です。実際には、黒猫が目の前を横切ったからといって決して悪いことが起こるわけではありませんので、どうか安心して下さいね。
反対に「黒猫が横切ると幸運」という説もあります。
スピリチュアルの世界では、黒猫が横切ることを「チャンスの到来」や「ライバルとの勝負に勝てる」といった、ポジティブな出来事の前触れと考えるようです。
また、真偽のほどは定かではありませんが「黒猫を見ると宝くじが当たる」という、嬉しい言い伝えもあります。
黒猫を「不吉」と捉えるか、それとも「幸運」と捉えるか、全く正反対の2つの考え方が存在しているとは、何とも不思議ですね。
この違いは、どうやら地域や文化の違いに由来しているようです。
◆欧⽶では「黒猫=不吉」だった
欧米では昔から、黒猫は「不吉」なものとして嫌われたり、避けられたりしてきました。
その背景には、中世ヨーロッパでの「魔女狩り」の歴史が影響していると言われています。
昔の欧米では、黒猫は魔女の使い(手先)で、人々に不幸をもたらす邪悪なものと考えられていました。
黒猫の「黒」という色が持つ暗いイメージや、独特のミステリアスな雰囲気、猫の夜行性の性質、暗闇で光る目や猫特有の自由気ままで警戒心が強く、人に従わない性格などが、「魔女」のイメージに似ていたことがその原因と言われています。
大変残念なことに、当時行われた「魔女狩り」によって、猫を飼っている女性たちや多くの猫たちが大切な命を奪われました。
黒猫には、とても悲しい歴史があったのですね。
◆現在では黒猫の⽇が作られている
このように、昔の黒猫は大変かわいそうな扱いを受けていました。
何の根拠もない迷信によって、罪のない多くの黒猫が魔女狩りの犠牲となってしまったことは、とても悲しく、決して繰り返してはならないことです。
現代では魔女狩りのようなことはもう行われていませんが、残念ながら黒猫を不吉なものとする考え方は、まだ完全に無くなったとは言えないようです。
しかし、アメリカやヨーロッパの国の中には過去の歴史を反省し、黒猫を大切にするため「黒猫の日」という記念日を制定している国もあります。
その一例をご紹介します。
大切に飼っていた黒猫が亡くなった後、後を追うように亡くなった飼い主の女性の命日を、兄の男性が「Black Cat Appreciation Day(黒猫感謝の日)」としたのが始まりと言われています。
イギリスの動物愛護団体が「National Black Cat Day(全英黒猫の日)」を制定したのが始まりと言われています。
イタリアの動物愛護団体が、ハロウィーンの夜に黒猫が殺されるなどの悪習慣から黒猫を守るために「Gatto Nero Day(黒猫の日)」を制定したのが始まりと言われています。
⽇本では黒猫は幸運のしるし
一方、日本においては黒猫は幸運をもたらす「福猫」だと考えられてきたようです。
黒猫は古くから貴族や庶民の間で、ペットなどとして愛されてきました。有名な小説「吾輩は猫である」のモデルとなった猫も黒猫です。
現代でも、企業のロゴマークやイメージキャラクターなどに黒猫が使われており、黒猫をモチーフにしたグッズも沢山あります。
日本では欧米とは異なり、黒猫に対してネガティブなイメージを持つ人が特段多いというわけではありません。
むしろ可愛らしいもの、縁起の良いものとして、ポジティブに捉えられていると言っていいかもしれません。
日本の文化は猫との関わりが深く、黒猫にまつわる言い伝えやジンクスにも様々なものがあります。その中でも有名なものを3つご紹介します。
◆黒猫にまつわるジンクス①病気が治る
江戸時代には「黒猫を飼うと病気が治る」という迷信が流行ったそうです。
当時、人々に特に恐れられていた病気は「結核」(けっかく)です。結核は、主に結核菌という細菌に感染することで起こる病気です。
昔は結核の研究が現代ほどは進んでいなかったため、人々の間では原因不明の「不治の病」と言われ、大変恐れられていました。
そのような中で「黒猫を飼うと病気が治る」や、「黒猫を飼うと恋煩いが治る」などという迷信も広まっていたそうです。
◆黒猫にまつわるジンクス②商売繁盛
黒猫は「暗闇でもよく目が見える」ということから、商売繁盛の象徴と考えられ、人々から大切にされてきました。
有名なものは、お店などに飾られている「招き猫」です。招き猫と言えば白い猫をイメージする方も多いかもしれませんが、黒い招き猫もいます。
どっしりとした存在感があり、商売が上手くいって多くのお金を引き寄せてくれそうな感じがします。黒猫はまさに商売繁盛の「ラッキーキャット」と言えるでしょう。
◆黒猫にまつわるジンクス③厄除け
黒猫は「暗闇で目が光る」ということから、厄除けや魔除けの象徴とされてきました。
日本においては欧米での「魔女狩り」のようなことはありませんでしたが、黒猫には神秘的で不思議な力が宿っていると考えられていたようです。
黒猫は⼈気がない?
黒猫は体全体が黒い毛で覆われており、遠くからでもよく目立ちます。
その見た目は、とてもクールで個性的で美しいです。他の猫とは少し違った独特の魅力がありますよね。
また、黒猫に少し似ている猫として、黒い毛の中に茶色の毛が不規則に入り混じった柄の猫がいます。
この柄は金属の「さび」のように見えることから「サビ猫」と呼ばれます。鼈甲(べっこう)柄にも似ているため、別名「べっこう猫」とも呼ばれます。
他にはない唯一無二の模様で、とても美しいです。
黒猫とサビ猫は、見た目が少々個性的なこともあってか、かつては「里親が決まりにくい」などと言われたこともありました。
しかし近年では、猫好きの間でその魅力が広く知られるようになり、黒猫やサビ猫の熱心なファンも増えているようです。
まとめ
黒猫に対する考え方は、地域や文化の違いによって大きく異なっています。
昔の欧米では、黒猫を魔女の使いである邪悪なものと考えて、魔女狩りなどが行われていました。
その結果、多くの黒猫が犠牲となりました。現代ではそのような過去の歴史を反省し、各国で黒猫の記念日を制定するなど、黒猫を大切にしようという意識が広まりつつあります。
しかし、現代でも「黒猫=不吉」とする考え方が完全に消え去ったとは言えないようです。
一方日本では、商売繁盛や厄除け、不治の病を治す効果など、人々に様々な幸運をもたらす「福猫」として昔から大切にされてきました。
「黒猫が横切ると不吉」というのは、欧米での歴史に由来すると思われる迷信で全く根拠はありません。
ですから、黒猫が横切ったからといって不吉なことが起こることはありませんので、どうか安心してください。
反対に、黒猫が横切ると「チャンスが到来する」とか「ライバルに勝てる」とか「宝くじが当たる」など、様々な幸運が起こる前触れとも言われています。
あなたにももしかすると良いことが起こるかもしれません。
黒猫はとても美しい姿をしており、個性的で、独特の魅力があり、多くの人を引き付ける猫です。
そんな黒猫が目の前を横切るのを見かけた際には、決して悪く思わず、心の中で「ありがとう」とか「可愛いね」と言ってあげたいものですね。
この記事が「黒猫が横切ると不吉って本当?」とお考えの皆様の参考になれば嬉しいです。