1.猫の夏バテの症状は?
2.夏バテしやすい猫の特徴
3.猫が夏バテにならないために
3-1.部屋の温度を適温にする
3-2.こまめな水分補給をさせる
3-3.夏バテ対策グッズを使う
4.まとめ
猫の夏バテの症状は?
暑い日が続く夏の季節には、身体が熱くなるだけでなく、食欲が出なくなったり身体の疲れがとれなくなったりと、さまざまな不調が出やすくなりますよね。
このような症状が出る状態を「夏バテ」と呼びますが、明確な病名ではなく夏の季節に起きる体調不良が数日から数週間続く、さまざまな不調の総称を夏バテと呼んでいます。
急激な体調変化が起きる熱中症とは異なり、徐々に不調が見られるといった特徴のある夏バテですが、日本の夏季は気温が上がるだけでなく湿度も高くなるため、高温多湿といった環境にすぐには順応できないといった方も多いのではないでしょうか。
夏バテの原因はたくさんありますが、自律神経の乱れによってさまざまな症状を引き起こします。
そして夏バテは人間だけに発症するわけではないため、猫ちゃんが居るご家庭でも普段から気を付けておかなくてはいけません。
猫が夏バテになった際には、以下のような症状が出やすいため注意が必要です。
②食欲不振
③元気がない
それぞれ解説していきます。
猫は人間よりも平熱が高く38度台が平均的ではありますが、夏バテが原因となって体温が上がってしまうことがあります。
猫の場合は汗を放出させる汗腺が少ないことや、全身は被毛で覆われているため、涼しい室内に居たとしても夏バテを起こしやすい状態と常に隣り合わせと言えるでしょう。
日向ぼっこが好きな猫ちゃんも多いため、敢えて窓側を好んで眠ってしまえば気付かぬうちに強烈な直射日光を浴び、全身の体温が上昇してしまうことも否めません。
エアコン(冷房)の冷たい空気は下の位置に溜まりやすい性質を持っていますが、猫は高い場所を好む傾向が強いため、お気に入りの寝床が高い場所にある猫ちゃんには注意が必要です。
身体に触れて体温の上昇を感じたり、肉球からの発汗や口呼吸(パンティング)をしたりしている場合には、夏バテを起こしている危険性が高いため、早急の対処が必要となってきます。
基本的に動物の身体は自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスによって保たれていますが、急激に温度が上昇すると自律神経のバランスが乱れ、身体にさまざまな悪影響をもたらします。
自律神経は胃腸の働きにも大きく関わっています。
気温が高くなることによって交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなれば、体温調節ができなくなるだけでなく胃腸障害が出始め、食欲不振に陥ってしまい食事の量が減ってしまう可能性も否めません。
食事量が減ってしまえば必然的に、必要なエネルギー摂取もできなくなってしまうため、栄養不足となってさらに夏バテの症状が進行していくことでしょう。
また、胃腸も機能が弱まってしまえば、食べた物を上手に消化できなくなり、下痢や嘔吐などを繰り返してしまう場合もあります。
下痢や嘔吐を繰り返せば体内の水分が失われていくため、脱水症状を引き起こす危険性も高くなりますよね。
もともと猫は飲水量も少ないこともあり、高温多湿の季節には細心の注意が必要と言えるでしょう。
食事から必要なエネルギーが摂取できなくなれば、栄養不足に陥ってしまうだけではありません。
身体を動かすためのエネルギーが不足して血行が悪くなり、脳と身体が活動的にならずに元気がなくなってしまいます。
そのため、身体に残っているエネルギーを無駄に使うことを避け、猫はじっとしている時間が必然的に長くなっているはずです。
いつも元気で活発な子にこのような症状が現れた場合には、夏バテを疑うようにしてみてください。
また、高温多湿となる夏の季節にはたくさんの汗が出ますが、これは自然な生理現象となっている通り、暑さを感じたことによって上昇した体温を下げるよう、調節のために汗は排出されるといった仕組みとなっています。
しかし、排出されていくのは汗だけでなく、身体に必要不可欠なミネラルやナトリウムなども排出されてしまいます。
ここでも必要な栄養素の確保ができずに、どんどん身体にだるさを感じ、ぐったりとした様子が見られるようになってしまうようです。
夏バテしやすい猫の特徴
完全室内飼いであっても、すべての猫ちゃんにとってリスクのある夏バテとなりますが、猫の中でも夏バテを起こしやすい猫種は存在するものなのでしょうか?
リスクの高い猫は以下の通りです。
②太った猫
③老猫
それぞれ解説していきます。
猫の純血種の中でも鼻(マズル)の低い短頭種の猫ちゃんは、注意が必要となります。
「ブサカワ」と呼ばれていて人気の高い猫種となりますが、身体の構造上呼吸がしづらいといった特徴を持っているため、ほかの猫種よりも夏バテを起こしやすい品種と言えるでしょう。
短頭種の猫は口腔だけでなく気管が狭くなっているため、呼吸による体温調節が難しく、夏バテだけでなく熱中症のリスクも高くなっています。
猫種の中では「ペルシャ」「ヒマラヤン」「エキゾチックショートヘア」などが、鼻ぺちゃの品種として有名です。
肥満体型の猫ちゃんは皮下脂肪が多くなっており、体内に熱がこもりやすく体外への放出が苦手なため、痩せ型の猫ちゃんよりも夏バテを起こしやすくなっています。
そして、お腹周りだけでなく首周りにも脂肪が多くついている子の場合は、呼吸機能も低下してくるため、呼吸による体温調節が難しくなってしまうようです。
身体を動かすことが億劫となり、自ら涼しい場所を探せずに室温の高い場所や、日射しの強い場所から動けない状態が続いてしまえば、やはり夏バテのリスクは上がってしまうことでしょう。
また、長毛種の猫ちゃんの中には寒い地域で産まれたことにより、寒さに順応できるような密度が高く保温性に優れた被毛を持ち合わせている子が多く暑さに弱いため、定期的なブラッシングやサマーカットなどを試みて暑さ対策をしてあげてください。
猫もシニア期に突入すると身体のさまざまな機能が低下していくため、体温調節や自律神経のバランスを保つ機能も徐々に衰えてくるようになります。
老猫は体力や筋肉が衰えていることもあり夏の暑い季節だけではなく、日常的に食欲低下や元気消失などの様子が見られるケースもありますが、暑さによってさらに身体を酷使してしまえば、身体に負担をかけてしまい衰えを加速させてしまう可能性も否めません。
そして、腎臓病のような大きな病気を患っている高齢猫の場合は、夏バテが引き金となって持病を悪化させてしまう恐れもあります。
また、注意が必要な老猫と同じように、子猫も体温を調節する機能が未熟となるため、高温多湿の季節には飼育環境を見直してみてはいかがでしょうか。
猫が夏バテにならないために
夏バテになりやすい猫ちゃんも多く存在してはいますが、どの猫ちゃんも日本のような高温多湿の夏を迎える島国では、猫が過ごしやすい生活環境を整えておくことが最優先となりますよね。
愛猫を夏バテから守るためにも飼い主さんは、以下のような対策を用いて快適な環境を整えてみてはいかがでしょうか。
②こまめな水分補給をさせる
③夏バテ対策グッズを使う
◆部屋の温度を適温にする
猫が快適だと感じる温度は25℃前後、湿度は50~60%程度と言われているため、季節に関係なく1年を通して室内の温度などを調整するようにしてください。
とくに夏場はエアコン(冷房)の温度を25℃に設定したとしても、日射しによって室温が上昇する場合も多いため、25~28℃ぐらいの室温になるようにこまめな調節をするようにしましょう。
そして、湿度が高いときには除湿器を使用するなどをして、快適な環境を整えてあげてください。
大事なのは人間にも暑がりな人、寒がりな人が存在するように、猫にも個体差が生じるということです。
1年を通してどれぐらいの室温や湿度で快適に過ごせているかを見極め、夏でも夏バテにならないような生活環境を整えてあげましょう。
◆こまめな水分補給をさせる
猫はもともと飲水量の少ない動物ではありますが、夏場はとくに水を上手に飲ませてあげることが大切となってきます。
体温が高くなって水分補給を怠ってしまえば、その分脱水症状を起こして夏バテのリスクが上がってしまいますよね。
高温多湿の季節には水飲み場を増やす、こまめに新鮮な水に入れ替える、落ち着いて水が飲めるような環境を整えるなどの工夫が必要となります。
新鮮な水が飲める水飲み場を増やしてもあまり口をつけてくれないようであれば、器の形状や場所が気に食わない可能性もあります。
そのような環境の見直しにプラスして水分量の高いフード(おやつ)を与えるなど、愛猫の嗜好に合わせて水分補給を促してあげましょう。
◆夏バテ対策グッズを使う
室温の調整や水分補強も大切となりますが、猫は身体に不調を感じれば場所を移動して体温調節を行うこともあるため、室内のいたるところに夏バテ対策グッズを用いてみるのもおすすめです。
夏場にはペット用品売り場にたくさんのひんやりグッズが販売されますので、寝床のタオルやベッドなどを一新して、快適に過ごせるようにしても良いですし、室内の空気を循環させて温度を統一させるために、サーキュレーターを取り入れてみても良いですよね。
また、猫ちゃんが自分の足で涼しい場所を探せるように、家の中で涼しい場所は導線を確保して解放し、入られたくない場所や室温の高い場所(日射し)などは、ドアを閉める、カーテンを閉めるなどの工夫をしてみてください。
電気を使わずにひんやりするボードです。
純度99%以上の日本製1100系アルミを使用しているので熱伝導率が非常に高く、快適な夏の生活をサポートしてくれます。
メーカー | コジマ | 製造国 | 日本 | サイズ | W30×D40×H0.25cm | JANコード | 4959149015283 |
まとめ
特徴的な高温多湿となる日本の夏季には、体調を崩しやすく夏バテを発症してしまう方が多くいらっしゃいます。
夏バテは人間特有の体調不良というわけではないため、室内で暮らす猫ちゃんにも発症するリスクがあると言えるでしょう。
年齢や猫種に関係なくどの猫ちゃんも夏バテになってしまう可能性がある以上、高温多湿の季節のみならず、1年を通して生活環境を整えておかなければいけません。
愛猫が快適に過ごせるように室温や湿度を調節しつつ、水飲み場の確保、夏バテ対策グッズを有効活用しながら、過ごしにくく辛い季節を猫ちゃんとともに乗り越えていきましょう。
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