猫が口呼吸は危険!開口呼吸は病気の可能性もあるので要注意!

2023.06.02

猫が口呼吸は危険!開口呼吸は病気の可能性もあるので要注意!

猫が病気などを患っている場合には、いかにその異常を初期に発見できるかどうかが鍵となってきます。 そのようなことからも、健康的な普段の愛猫の様子は、常に細かく観察しておきたいものですよね。 では、猫の口呼吸はどうでしょうか? もしこの口呼吸が病気のサインだった場合は、どのような病気の可能性があるのかを考えていきましょう。

【掲載:2021.03.24  更新:2023.06.02】

猫の口呼吸は要注意!

口を開けている猫

息を吸うといった行為は、普段意識することこそありませんが、自然に鼻呼吸している方がほとんどだと思います。

私たち人間は無意識的に鼻で呼吸し、酸素を体内に取り込んでいますよね。

風邪などで鼻が詰まったり、運動などをして息苦しくなったりしない限り、口呼吸することはありませんが、猫がどうなのかも気になるところです。

猫が口呼吸する姿を見る機会はめったにありませんが、猫が口呼吸していた場合、どんな意味が込められているのでしょうか。

◆猫は基本的に口を開けて呼吸をしない

猫と一緒に生活をしていると、口を開けて呼吸する姿を見ることがないように、猫は基本的に鼻で呼吸する動物です。

空気を吸うことが多少辛い状況であったとしても、大きく鼻で息を吸って肺を膨らまし、鼻から息を出す動作を止めない子は多く居ます。

もちろん激しい運動をしたあとなどには、口を開いてハァハァといった開口呼吸をすることがありますが、時間が経過するごとに普段の呼吸に戻るようであればとくに心配要りません。

ですが呼吸方法が戻らない場合や、普段の安静時にも口呼吸をしているのなら、やはりそれは異常事態として捉えてください。

鼻呼吸が基本の動物が、口呼吸をするということは、口で呼吸をせざるを得ない理由が必ず隠れている証拠です。

見過ごして放置してしまえば重篤な状態を招きかねませんので、愛猫がそんな状況に陥っている場合、飼い主さんはまず何をすべきなのでしょうか。

◆頻繁にしている場合はすぐに動物病院へ

口呼吸が普段の鼻呼吸に戻らず、頻繁に繰り返しているようであれば、かなり危険な状態となるので、すぐに動物病院へ連れていってください。

口呼吸しているということは、鼻で呼吸ができないほど息苦しさを感じていますので、体内にうまく酸素を取り込めなければ、最悪の場合呼吸困難で死に至ることも否めません。

猫の口呼吸は素人判断では原因が分かりませんので、早急に動物病院を受診して検査をしてもらい、適切な治療を受けるようにしましょう。


猫の口呼吸の原因は?

長毛猫モノクロ

猫の口呼吸が異常事態であることは分かりましたが、愛猫を守るためにも飼い主さんは、猫が口呼吸する原因となりえる異常の種類を事前に知っておきたいものですよね。

ある程度の知識があれば普段から予防に繋げられますし、異常が起きた際にはすぐに異変に気付いてあげることができるはずです。

一般的に猫の口呼吸に多い原因として挙げられるのは、以下のような異常となります。

◆呼吸器系の異常

猫が口呼吸をする原因でもっとも多いのが、呼吸器系に何かしらの異常が発生して鼻呼吸ができなくなることです。

猫の呼吸器は、空気の通路となる気道系(鼻・口・咽頭・喉頭・気管)と、二酸化炭素と酸素といったガスの交換を行う肺胞系(気管支・肺)から構成されています。

気道系に異常が発生しやすい病気として挙げられるのが「猫風邪(猫ウイルス性鼻気管炎)」や「猫喘息」です。

猫風邪はヘルペスウイルスやカリシウイルスなどに感染して発症するので、風邪と同じような症状が出ることからも、猫風邪と呼ばれているのです。

鼻水やくしゃみなどで鼻が詰まり、ひどい咳とともに鼻呼吸ができなくなることから、口呼吸するようになります。

猫喘息はアレルゲンの吸引が原因となり、気管支の内腔が狭くなることによって息苦しさが続き、口呼吸せざるをえない状況に陥ってしまうようです。

肺胞系に発生しやすい病気は「気管支炎」「肺炎」となります。

気管支炎は猫喘息と症状が似ていますが、猫風邪が悪化すると気管支炎になり、さらに気管支炎が重篤化すると肺炎へと進行することがありますので、慢性的な口呼吸は注意が必要と言えるでしょう。

◆心臓や血液の異常

猫の口呼吸は呼吸器系だけでなく、心臓や血液の異常でも起こりえる症状となります。

もともと心臓に疾患を持った猫ちゃんは注意が必要となり、心臓病が原因で血液の循環が悪くなることに繋がってしまえば「肺水腫」「胸水貯留」などの病態を引き起こし、お腹を大きく上下させて口呼吸をするような状況に陥ってしまようです。

また、遺伝性の病気で「心筋症」と呼ばれる疾患がありますが、メインクーンペルシャなどの猫種が発症しやすいとも言われています。

心臓の病気は目に見える異常(口呼吸や呼吸不全など)が出て初めて、心臓病と診断されることが多くあるようです。

愛猫が中年齢を迎えているのであれば、毎年健康診断をしっかりと行い、体に異常がないかの確認をすることこそが、病気の早期発見にも繋げられますよね。

そして心臓に疾患がある場合には、血液が乱流を起こして血栓ができやすくもなりますので、「血栓塞栓症」といった血液の病気を引き起こすことがあります。

血栓ができてしまえば心臓に血液が巡っていきませんので循環不全を起こし、体(とくに後ろ足)に麻痺したような症状が現れ、進行すれば呼吸不全を起こします。

呼吸の異変で心臓や血液の異常へと、すぐに結び付けられる方は少ないとは思いますが、口呼吸の背景にはこのような重篤な病気が隠れていることもあるので、たかが口呼吸と見過ごさないようにしましょう。

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◆熱中症

上記のような重篤な病気以外にも、猫は口呼吸をすることがあります。

それは暑い季節に発症することの多い「熱中症」です。

熱中症は夏場だけに発症するものと思われがちですが、暖房をつけた冬場の室内でも、熱中症の危険は潜んでいます。

猫はほとんど汗をかかない動物なので、体温の調節が得意ではありません。

猫が熱中症になってしまった場合は、鼻呼吸で体温調節することがうまくいかず、高くなった熱を体外へ放出するために、口呼吸をして本能的に水分蒸発を促します。

どの猫にも熱中症にかかる危険性はありますので、一年を通して室内の温度設定は、愛猫に合わせて調節するように心掛けてください。

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猫の正常な呼吸とは?

横になって見つめる猫

猫が口呼吸する原因のほとんどは、病気などの深刻な状態からくるものではありますが、普段の正常な状態の呼吸についても理解を深めておきたいものですよね。

愛猫の正常な呼吸の仕方を知っておけば、異常時にはすぐに飼い主さんが気付いてあげられますので、猫の平均的な正常の呼吸回数を知り、いざという時に備えておくようにしましょう。

◆1分間に20~40回ほど

元気で健康な猫であれば、1分間にする呼吸は20~40回ほどであると言われています。

もちろん個体によって差はありますが、これくらいの回数を規則正しくゆっくりと行っているのであれば、とくに問題はありません。

これ以上の回数(60回以上)の呼吸を不規則に行っている、胸やお腹を大きく上下させて呼吸している場合は、呼吸法に異常がある証拠なので、すぐにその異変を察知してあげてくださいね。

◆鼻で呼吸をする

やはり何といっても猫の正常な呼吸方法は、鼻呼吸であるということです。

どんなに苦しくても猫は鼻で呼吸しようとするので、口呼吸をしている状態のときは、よっぽどの異常事態だと認識してください。

ほかにも鼻で呼吸していたとしても、呼吸のたびに頭が動く、お腹や胸のあたりが大きく膨らむ、よだれや嘔吐などの別症状が出ている場合も、呼吸が苦しいサインとなります。

なので普段から愛猫がどのように呼吸をしているかを観察し、正常な呼吸法をしっかりと学んでおくようにしましょう。

◆寝ているときに計測してみよう

愛猫の正常な呼吸の回数を知りたい場合は、動物病院で計測することも可能ですが、ストレスがかかった状態での計測は、正しい数字を導き出すことができません。

猫が元気なときに呼吸の回数を計るのは意外と難しいので、自宅での落ち着いた状態で眠っているときに計測することをおすすめします。

計測方法はとても簡単で、眠っている猫の胸が上下に動いた回数を計るといった方法です。

上下して1カウントとなりますので、手元にストップウォッチなどを用意し、猫の呼吸に合わせてカウントしていきましょう。

1分間の計測が難しい場合は10秒計測し、呼吸のカウント数に6倍してもOKです。

また、眠っているときは起きているときよりも呼吸回数が15~25回程度と少なくなるので、これらを目安にして正常な呼吸を計ってあげてくださいね。


まとめ

猫は通常鼻呼吸をする動物なので、口呼吸をしている様子が見られたら、飼い主さんはすぐに異常を察知してあげなくてはいけません。

猫が口で呼吸することはよっぽどのことなので、その裏に何か重篤な疾患が隠れている可能性を考えた方が、早期発見にも繋がっていきますよね。

主に呼吸器系の病気や、心臓や血液の病気の影響により、口呼吸をすることが多いようですが、もちろん原因はそれだけではないので、動物病院で早期に診断をしてもらうことにより、飼い主さんも安心できるはずです。

何にせよ口呼吸は呼吸の異常となり、猫は相当な息苦しさを感じているはずですので、放置するようなことはせず、すぐに動物病院へ連れていってあげましょう。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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