スクーカムってどんな猫?
超希少な猫種とも言われている「スクーカム」ですが、日本での認知度は低く、この猫種の存在自体を知らないといった方も多いのではないでしょうか。
スクーカムはアメリカが原産国で、マンチカンとラパーマの交配より生まれる猫種となります。
英語では「Skookum」と書き、インディアンの言葉(チヌーク語)として「ほかに類を見ない」「強くてたくましい」「崇高な」などの意味を持つようです。
猫の血統登録団体によってはすでに公認している団体もありますが、申請してはいるものの認定には至っていない団体もまだあるのが現状です。
アメリカでは人気の高い猫種と言われていますが、日本で一般的に見られるようになるのはまだまだ先なのかもしれません。
スクーカムの最大の特徴は、やはり両親ゆずりの短い四肢とくるんとカールした巻き毛です。
頭は丸みを帯びているくさび型、目は大きくてまんまる、眉毛とヒゲもカールしていたり縮れていたりすることが好ましいとされています。
やや小さめの中型の猫種となりますが、まだ育成途中の新しい品種ということもあり、四肢が長く被毛もカールしていない個体も生まれてくるため、猫種としての標準(スタンダード)が決まっていないようです。
小さな可愛らしい外見とは裏腹に、社交性が高く活動的な性格をしていますが、あまり鳴かないことからも飼育しやすい品種となっています。
◆スクーカム誕生の歴史
スクーカムは1990年代に、アメリカに住むロイ・ガルーシャ氏というブリーダーの手によって生み出されました。
ロイ・ガルーシャ氏の「被毛がカールしていて、短足の猫を生み出したい」といった目的により繁殖ははじまっていきますが、そこで掛け合わせするために選ばれた品種が短い足を持つ「マンチカン」と、カーリーヘアーが魅力的な「ラパーマ」となります。
どちらの品種もアメリカ原産ということもあり、さまざまなブリーダーの元で交配が進められていきますが、交配元のマンチカンはもともと遺伝子の突然変異によって自然発生した猫種である通り難関も多く、生まれてくるスクーカムの子猫の姿かたちや、性格が確立するまでにかなりの時間を費やしてきました。
そのため、純血種としては不安定な点があり、多くの血統登録団体では正式な品種としては認めてもらえず、国によっては認知度がどうしても低くなってしまうといった事情があるようです。
スクーカムが引き継ぐマンチカンの特徴3選
それでは、スクーカムの特徴を両親から引き継いでいるポイントを押さえながらご紹介します。
◆短い足
スクーカムは、短い足を持つ猫を目指して交配が始まったので、このマンチカンの最大のポイントといえる短足は大きな特徴といえます。
この短い足こそマンチカンの魅力とも言えますが、これは本来突然変異によって誕生したこともあり、短足のマンチカンが生まれてくる確率は全体の2割ほどと言われているようです。
8割は中足や長足の猫が生まれており、そのような猫ちゃんはマンチカン・ロングレッグと呼ばれています。
スクーカムは交配させる種類が『ラパーマ』と足の長い種類であることや、マンチカンからも長足の個体が生まれるなど遺伝子の関係で、他の猫種と同じような長さの足を持つ個体も誕生します。
◆筋肉質な体つき
ぽてっとした印象のマンチカンではありますが、触れてみるとがっしりとしていて筋肉質な身体つきをしています。
スクーカムも個体差はありますが、どちらかというとがっしりとした体型に成長する子が多い印象です。
丈夫な身体を持っているからこそ、短い足であっても俊敏に動き回れますし、運動量も比較的多いです。
◆社交的な性格
マンチカンの性格は基本的に穏やかで、好奇心が旺盛なため人にも懐きやすいです。
スクーカムも同じように、性格の傾向としては社交的なタイプの子が多いようです。
人間とも積極的に関わろうとしてくれるため、一緒に暮らしているととても愛らしく、充実した毎日が送れることでしょう。
スクーカムが引き継ぐラパーマの特徴3選
◆巻き毛
スクーカムの多くは、巻き毛を持つ個体です。
このくるんとカールした巻き毛は、ラパーマ譲りの特徴です。
ラパーマま魅力的で美しい巻き毛を持つことから、世界中で「美猫」として人気を博しています。
特徴的な巻き毛はシングルコートとなり、空気を多く含んでいてわたあめのようにフワフワで、撫で心地も良くその触感に魅了される人が続出しています。
◆大きめの耳
ラパーマはカールしている被毛だけでなく、大きな耳も特徴的ですが、スクーカムも他の猫種と比べると耳が大きめな子が多いとされています。
足が短く全体的にこじんまりとしている印象なので、より耳の存在が目立つのかもしれませんね。
◆賢く活発的な性格
愛情深く優しい性格をしたラパーマではありますが、賢く活発的な一面も持っています。
スクーカムは、好奇心旺盛なマンチカンと活発なところがあるラパーマから生まれる種類となるので、社交的でアクティブな子が多いとされています。
スクーカムと暮らす上で気を付けたいこと
もし実際にスクーカムと一緒に暮らす場合には、どのようなことに気を付ければ良いのかも気になるところですよね。
健康で長生きをしてもらうためにも、以下のことに注意をしながら一緒に生活していきましょう。
◆運動量の確保
スクーカムは運動量の多い猫のため、室内であっても満足に運動ができるスペースが必要となってきます。
また、スクーカムは短足であることから、運動不足や食べ過ぎで肥満体型になってしまうと、足腰だけでなく関節に負担がかかってしまうため、ケガ・病気のリスクが高くなってしまいます。
猫は上下運動を得意とするため、十分なスペースがなくても縦の隙間スペースがあれば、キャットタワーや家具の配置を工夫するなどをして、楽しく運動ができるようなコーナーを設けてあげましょう。
◆定期的なブラッシング
特徴的で美しい巻き毛を綺麗に保つためには、飼い主さんの手によるブラッシングが欠かせません。
空気を多く含んでいるため、見た目ほど毛量は多くありませんが、猫自身のセルフグルーミングのみを頼りにしてしまうと、被毛と被毛とがもつれやすくなり、毛玉の原因となってしまいます。
短毛のスクーカムの場合は1週間に数回程度、長毛のスクーカムの場合は1日1回程度のブラッシングを心掛け、ケアを怠らないようにしてあげましょう。
◆活発な性格
活発な性格が魅力的ではありますが、運動や遊びに満足ができなければ、いたずらをして飼い主さんの気を引こうとする傾向があります。
毎回スクーカムの気持ちに応えられる飼い主さんであれば問題ありませんが、飼い主さんが忙しくなかなか構ってあげられる時間が設けられないとなると、不満は募りストレスがどんどん溜まってしまいます。
ストレスはさまざまな病気を引き起こす原因となるため、スクーカムをお迎えする際にはその個体の性格をしっかりと理解するように努めつつ、身体的な特徴により注意するべき点が多いことを考慮した上で、家族の一員として迎え入れてあげるようにしてください。
まとめ
スクーカムは日本ではまだまだ認知度の低い猫ではありますが、両親がマンチカンとラパーマといった純血種であることを知ると、とても身近な猫種と感じますよね。
しかし、未だにさまざまな血統登録団体から認定されていないこともある通り、未完成な品種としても知られています。
そのため、お迎えを望む場合にはスクーカムの性格、身体的特徴に対しての理解を示すだけでなく、遺伝的な病気のリスクも考慮しておかなくてはいけません。
さまざまなことを考慮した上でお迎えを決めた際には、スクーカムの可愛らしい見た目と元気な性格に魅了されてしまうはずのため、にぎやかで楽しい生活を存分に楽しんでみてはいかがでしょうか。
– おすすめ記事 –
・猫のうんちが臭い原因は?病気の可能性と4つの対策法! |
・猫がきゅうりを食べる効果、与え方は?きゅうりに驚く理由も紹介! |
・猫にラベンダーは危険?ダメな理由が知りたい! |
・猫が怒る時に見られる行動とその理由とは?噛むほど怒る時の対処法! |