猫と一緒にドライブはOK?安全に走行する為にはどうすれば良いの?

2024.08.10

猫と一緒にドライブはOK?安全に走行する為にはどうすれば良いの?

街で飼い主さんと一緒に、車に乗ってドライブをしているワンちゃんを見かけると、風を爽快に受ける姿がとても楽しそうに映りますよね。 大切な家族の一員としてのドライブとなるため、猫と一緒に暮らしている方であれば、その様子を「羨ましい」と感じる方は多いことでしょう。 犬ほど社交性が高くない猫ではありますが、犬と同じように車でドライブをすることは可能となるのでしょうか。

猫とドライブするための準備

車内

結論から言いますと、しっかりと事前準備をしてお出かけをすれば、猫と一緒に車でドライブをすることは可能です。

しかし、猫ちゃんの中にはドライブや車に乗ること自体を好まない個体も存在するため、人間のエゴで無理矢理ドライブはしないようにしてください。

愛猫の性格をしっかりと尊重した上で、ドライブをするかしないかの判断をするようにしましょう。

・猫が外出を苦手とする理由

猫は犬とは異なり、基本的に人と一緒に外出や旅行を楽しむ動物ではないため、家の外に連れ出す際には細心の注意を払わなくてはいけません。

猫は知らない場所や変化を嫌い、慣れ親しんだ場所(住んでいるおうち)で変化のない日々を過ごすことにより、穏やかな気持ちでストレスを溜めない生活を好む傾向にあります。

たとえ外に出る際に大好きな飼い主さんと一緒であっても、慣れない環境を苦手とする猫は、その状況を受け入れることができずに緊張状態が続き、ストレスを受けるだけでなく体調不良の原因にもなってしまいます。

このようなことを踏まえた上で、愛猫をドライブに連れていく際には、しっかりとした事前準備が必要と言えるでしょう。

・キャリーバッグの選び方

猫と一緒にドライブをする上で一番重要となるのが、愛猫の安全に十分配慮してあげることです。

犬は車に乗せる際にしつけを行って安全にドライブすることが可能となりますが、猫の場合はしつけが難しい上に、一度でも嫌だと思う経験をしてしまえば、ずっと嫌な思い出として記憶が残ってしまいます。

安全かつドライブを嫌な思い出にさせないためにも、愛猫とドライブに行く際には必ずキャリーバッグを準備して、その中に愛猫を入れた状態で移動するようにしてください。

目的地(室内)に着くまでは絶対にキャリーから出さないようにし、窓の外の風景を見せる場合には、窓は閉めた状態にして、キャリーに入れたまま見せてあげるようにしましょう。

長時間のドライブになる場合には、箱型の頑丈なクレートタイプのキャリーバッグが安心です。

狭さが気になる場合には柔らかい素材でできた、ケージにもなるキャリーバッグも良いですが、パニックを起こしてしまう猫ちゃんの場合は強度が足りない可能性もあるため、愛猫の性格を考慮しながら理想的なキャリーバッグを選ぶようにしましょう。

・車内の環境を整える

キャリーバッグから愛猫を出さないことは絶対ですが、車内の環境を整えておく必要もありますよね。

車内に物がいっぱい置いてあるとキャリーバッグを安全に置けませんし、運転中にキャリーバッグに物がぶつかってしまえば、猫が驚いてパニックを起こしかねません。

愛猫の安全と事故につなげないためにも、愛猫の入ったキャリーを設置する付近に余計な物は置かないようにしてください。

また、猫はとてもニオイに敏感なため、芳香剤や消臭剤の使用は控えるようにしましょう。

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・準備するアイテム

愛猫と一緒にドライブをする際には、キャリーバッグ以外もいくつか用意すべきアイテムがあります。

ドライブをする時間(距離)にもよりますが、簡易的な猫用トイレがあると安心ですし、パニックを起こした際には気持ちを落ち着かせるために、キャリーバッグにかける目隠しタオルなども準備しておくと良いでしょう。

また、ハーネスを準備してキャリーバッグと併用して使用すれば、より安全に愛猫を守ることができます。

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そのほかにも座席シートには事前にカバーをつけて嘔吐や抜け毛対策をしておく、キャリーバッグにも装着できる給水器の準備、粗相をしてしまった際の掃除道具なども用意しておくと安心です。


ドライブ前の猫の準備

ソファーの上でキャリーバッグに入る準備をする猫と女性

飼い主さんによる愛猫と一緒にドライブをするための事前準備も大切ですが、安全にドライブをするために猫ちゃん側の準備もしなくてはいけません。

ドライブ前には愛猫のためにも、以下のような事前準備を心掛けておきましょう。

・キャリーバッグに慣れさせる

猫ちゃんの中にはキャリーバッグ自体に入ることを苦手とする子はとても多く、ドライブではキャリーが必須となるため、普段からキャリーに慣れてもらう必要があります。

子猫時代からキャリーに入っておでかけをしている子であれば、その後も抵抗なくキャリーに入ってくれる可能性もありますが、成猫からキャリーに慣れてもらうためには、キャリーバッグと嫌なことを関連づけさせないことが一番です。

普段から室内ではキャリーバッグを設置しておき、自由に出入りできるようにしつつ、自分のニオイが付いたタオルなどを入れて、安心できる場所だと認識させてあげてください。

一緒に遊ぶ時間などにもキャリー付近で遊ぶようにし、楽しく隠れられる場所として活用してみるのもおすすめです。

キャリーバッグへの抵抗がなくなってきたら、愛猫をキャリーの中に入れて家の中をお散歩し、落ち着いた様子が見られれば家の外に出て、少しの時間(5分程度)近所を散歩して安全な入れ物であることを理解してもらいましょう。

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・健康チェック

愛猫をドライブに連れていく際には、健康であるかどうかの確認も必要ですよね。

ドライブに行く数日前から具合悪そうにしている様子はないか、健康であるかの確認は大切となりますし、ドライブ当日もしっかりとご飯を食べて排せつをしたかの確認も重要となってきます。

また、食後すぐに車に乗せてドライブに行ってしまうと、嘔吐や下痢などの体調を崩す原因になりかねないため、必ず数時間経過してからのおでかけを心掛けるようにしましょう。


猫とのドライブ中の注意点

キャリーバッグの中の猫

さまざまな事前準備が整ったようであれば、あとは愛猫と一緒にドライブを楽しみたいところですが、走行中に飼い主さんが注意するべきことはあるのでしょうか。

・猫はキャリーバッグから出さない

ドライブ中は絶対に愛猫をキャリーバッグから出さないようにし、飼い主さん自身も運転に集中できるようにしてください。

車内は密室のため愛猫をキャリーから出したくなる気持ちも分かりますが、慣れない場所では警戒心がより強く働くため、安全に隠れる場所を求めて車内を動きまわります。

その際に運転席のアクセルやブレーキペダルの下に行ってしまえば、操作ができずに事故を起こしてしまう可能性が高まりますし、窓を開けていた場合にはその隙間から外に脱走して、最悪の場合命を落としかねません。

「キャリーバッグが窮屈で可哀相だから車内で自由にさせる」といった発想は、逆に猫ちゃんを危険に晒してしまう可能性が高いため、いかなる場合でもドライブ中はキャリーから出さないことを徹底してください。

・猫の様子をこまめにチェック

走行中は危険ですが、信号で停止中のときはキャリーバッグの中の愛猫の様子を確認し、安心してくれるようにこまめに話しかけてあげましょう。

とくに夏場や冬場には車内のエアコンで温度調節をしますが、キャリーバッグのような狭い場所にいる猫ちゃんの場合、緊張で体温が上がってしまうこともあるため、猫にとっての適温になっていない可能性があります。

また、車内ではなるべく風通しがよく直射日光が当たらない場所にキャリーバッグを設置するようにし、愛猫が快適に過ごせるような工夫を心掛けましょう。

・定期的な休憩を忘れずに

ドライブが長時間に及ぶ場合には必ず、定期的に休憩をして、愛猫が少しでもリラックスできるように努めてください。

普段から車慣れしている子であれば休憩時に、おやつやお水を与えても問題ありませんが、車に乗ったことにより体調を崩している様子が見られる場合や、緊張で汗をかきパンディング(口呼吸)している場合には、シリンジなどを使って口の横から口腔内を湿らす程度に水をふくませてあげましょう。

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ドライブ後の猫のケア

ドライブ前やドライブ中の注意点を紹介してきましたが、ドライブの後にはどのようなケアを心掛けるべきなのでしょうか。

・いきなり新しい場所に連れ出さない

ドライブが終わって無事に目的地に着いたとしても、すぐにはキャリーバッグから愛猫を出さず、猫ちゃんが落ち着くまで様子を見ながら待ちましょう。

慣れない車といった環境からすぐに別の環境に放たれてしまえば、気持ちの整理がつかないままさらに緊張感は増し、心身への疲労がピークに達してしまいます。

どのような場所であっても飼い主さんは愛猫ファーストを徹底し、猫ちゃんのペースに合わせて行動するようにしてください。

・猫に異常がないか確認

ドライブが終わったあとにはその直後だけでなく、最低でも丸1日は愛猫に異常がないかの確認を怠らないようにしてください。

食欲不振や元気消失だけでなく、1日以上排せつをしていない場合は、疲労とストレスで身体に負担がかかっている証拠です。

その後食欲がしっかりと戻り、排せつもできているようであればそこまで問題視する必要はありませんが、1日以上異常な状態が続く場合には、動物病院を受診して獣医師さんに診察してもらうようにしましょう。


まとめ

かごの中で遊ぶ子猫

基本的に猫は社交性が高くないため、気分転換の名目で外出をさせる必要はありませんが、何かしらの用事で車に乗せる必要が出たときは、安全にドライブが一緒にできるかどうかがカギとなってきます。

そのため、ドライブすると決まった際には事前準備だけでなく、走行中の注意点やドライブ後のケアも怠らないようにしなくてはいけません。

いかなる場合でも愛猫の安全を一番に考えるようにし、猫ちゃんのペースに合わせながらのドライブを心掛けてあげましょう。

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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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