マヌカハニーとは
はちみつはとても栄養価が高く、風邪予防だけでなく美容効果もあることから、積極的に取り入れたい食べ物の代表格とも言えますよね。
天然の甘味料となるため、砂糖の代わりとして使用する方も多く、飲み物のみならず料理にも幅広く使用できる万能調味料とも言われています。
はちみつは漢字で「蜂蜜」と書く通り、ミツバチが花の蜜を採集して自分たちが住む巣に持ち帰り、巣房で加工して貯蔵する中で水分を蒸発させ、糖度が約80%になるまで濃縮させたものとなります。
ミツバチが採集に訪れる蜜源植物は、主要なものだけでも世界中で約4,000種あるとも言われており、花の香りや種類によってはちみつの色や風味が異なるようです。
日本ではレンゲやアカシアといったはちみつが主に流通していますが、のど飴の成分としてよく販売されているはちみつといえば、「マヌカハニー」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
マヌカハニーとはどんなはちみつなのかを、まずは見ていきましょう。
マヌカハニーはニュージーランドの汚染されていない一部の地域で原生する、マヌカの木に咲く花からミツバチが蜜を採集し加工したものとなります。
先住民であるマオリ族はマヌカの木を「復活の木」「癒しの木」などと呼び、樹皮や葉っぱを用いて傷の手当てをしたり、健康維持のための万能薬として用いたりと、古くから役立てられていたようです。
また、ニュージーランドでは医療機関で用いられているほど、高い効果が見込めるはちみつとなっています。
古くから親しまれていたものの、マヌカハニーの効果が解明されたのはつい最近となる2008年となりますが、そこからさまざまな商品に使用されるようになり、マヌカハニーが一般的なものとして認識されるようになりました。
特有のさわやかなハーブの香りや濃厚でコクのある深い風味は、現地の人々だけでなく世界中の人々に愛されるようになったことにも納得です。
もともとはちみつにはさまざまな栄養成分がバランスよく含まれていますが、抗菌作用をはじめとした抗炎症作用、保湿効果や腸内環境の改善といった効果が期待できると言われています。
とくにはちみつの抗菌作用といった効果が高いことからも、のど飴の主要成分として用いられたり、化粧品の成分として使用されていたりと、幅広い用途で親しまれていますよね。
通常のはちみつでも高い抗菌作用が見込められますが、マヌカハニーは一般的なはちみつに比べて約8倍もの抗菌作用があると言われていることをご存じでしょうか。
一般的なはちみつに含まれる抗菌作用成分は「過酸化水素」といった化合物となりますが、マヌカハニーには更に「MGO(メチルグリオキサール)」といった特別な抗菌作用成分が含まれているのです。
MGOは胃酸に負けることなく腸まで生きたまま届くため、病原菌やウイルスなどの増殖を抑制するだけでなく、体内の悪性細胞に対しても特異的に作用するといった働きをしてくれます。
このようなことからもたくさんの健康促進作用が期待できると考えられ、MGOといった成分が解明されたのが最近となりますが、瞬く間に世界中で需要が高まったのは嬉しい限りです。
猫にマヌカハニーを与えるメリット
たくさんのメリットがあるマヌカハニーですが、無添加の自然食品となるため、猫に与えても比較的安全な食べ物と言われており、猫に与えた場合には以下のような効果が期待できるようです。
なんといっても猫にも嬉しい効果と言えば、マヌカハニーが持つ強い抗菌作用ですよね。
猫は虫歯にはなりませんが歯周病を患いやすいと言われているため、口腔内のpHを正常に保って口臭の抑制にも役立ってくれるようです。
また、強い抗菌作用は猫の口内炎にも効果があり、すでに販売されている猫用歯磨きジェルや口腔ケアといった商品などにも、マヌカハニーが主成分として使われていることが多く、猫にとっても優れた効果が見込める食べ物と言えるでしょう。
たくさんの栄養成分が含まれているマヌカハニーではありますが、オリゴ糖の一種となる「グルゴン酸」が多く含まれているため、大腸菌などといった悪玉菌の繁殖を抑えるだけでなく、乳酸菌の栄養源となって猫の消化器をサポートしてくれます。
腸内環境を改善してくれる効果が得られるため、お腹の調子が著しくない猫ちゃんにもおすすめです。
栄養価の高いマヌカハニーはエネルギーとして吸収しやすいため、運動量の多い猫ちゃんのエネルギー補給や、免疫力が低下している老猫に与えることにより、免疫力向上といった効果が見込めます。
マヌカハニーによる免疫活性効果は、一般的なはちみつの約30倍以上とも言われており、愛猫に毎日健康で居続けてもらうためにも、有効な栄養効果であると言えるでしょう。
猫にマヌカハニーを与える際の注意点
マヌカハニーを愛猫に与える際には、何か注意すべき点があるのかも気になりますよね。
安全にマヌカハニーを食べてもらうためにも、以下のことに注意をして与えるようにしましょう。
もともとはちみつといった食品は、猫に必ず与える必要のある食品ではないため、興味を示さない子には無理に与える必要はありませんが、どうしても与えなくてはいけない理由(口内炎ができた、便秘、食欲不振など)があるときだけ与えるようにしてください。
初めてマヌカハニーを与える際には、ティースプーンや飼い主さんの指先に1滴垂らし、鼻に近づけて興味を示すか確認してみましょう。
そのまま舐めてもらってもかまいませんし、おやつやフードに混ぜて与えても問題ありません。
マヌカハニーを舐めたあとにも特に異変が見られなければ、適切な量を適切な頻度で与えることを心掛けるようにしてください。
マヌカハニーはとても栄養価が高いため、健康的に成長してほしいといった思いから、子猫に与えたいと考える飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。
しかし、子猫は消化器官が成長しきっておらず腸内の細菌バランスも未発達なため、人間の赤ちゃんでも懸念されている「ボツリヌス症」を発症させないためにも、1歳齢未満の子猫には与えないに越したことはありません。
昨今の健康ブームにより注目を浴びたマヌカハニーですが、さまざまな規格で数値化された後、市場に出回るようになっています。
純度が高く品質の良い商品はやはりお値段も張るため、悪質な販売業者が数値を偽装して販売するといった問題も起こっているようです。
偽装された商品は純度も低い上に、どんな成分が含有されているか分からないため、マヌカハニーを猫に与える場合には必ず、ニュージーランド政府が認定している3つの規格(UMF・MGO・MGS)を確認するようにし、品質がしっかりと保証されている商品を選ぶようにしましょう。
アレルギー体質の猫ちゃんの場合、マヌカハニーに含まれる蜂の分泌物や花粉などによってアレルギー反応を引き起こす可能性があるため、少しでも不安が残る場合は与えない方が無難です。
どのような場合であっても初めて与える際には1滴のみを与えることを心掛け、何かしらの反応や症状が出ていないかの経過観察を怠らないようにしてください。
持病をもっている猫ちゃんや、定期的にマヌカハニーを愛猫に与えたいと考えているようであれば、一度かかりつけ病院の獣医師さんに相談しておくと安心です。
どんなにマヌカハニーの効果が魅力的であっても、やはり素人判断で好き勝手に与えてしまっては、何かしらの症状が出た際に後悔するしかないですし、その期間愛猫には辛い思いをさせてしまいますよね。
猫がもともと食べる必要のない人間の食べ物を扱う際には、細心の注意を払わなくてはいけませんし、不安がない状態で与えた方が飼い主さん自身も安心できるはずですよ。
マヌカハニーの与え方
実際に愛猫へマヌカハニーを与える際には、以下のことを意識しながら安全に食べさせてあげましょう。
初めて猫に与える際には1滴を徹底し、その後体調をチェックしながら何も問題が起きないようであれば、スプーンの小さじ1/3程度を直接与えるようにし、その後様子を見るようにしてください。
与えている途中で嘔吐やお腹を下す様子が見られる場合には、直ぐに与えることを控えた後に、動物病院へ連れて行くようにしてください。
そのままマヌカハニーを舐めてくれる猫ちゃんの場合は、少量を舐めさせてあげても良いですが、そのままだと興味を示さない猫ちゃんには、フードや飲み水に混ぜて与えてあげましょう。
猫は私たち人間のように甘味を感じられませんが、鼻が利くことにより珍しい香りに興味を示す可能性が高いため、愛猫が興味を持ちそうな方法で与えるようにしてください。
まとめ
はちみつの中でもとても栄養価の高いマヌカハニーは、少量であれば猫に与えても影響が少ないことが分かりました。
猫にも嬉しい効果が多く、積極的に愛猫に与えたいと考える飼い主さんは多いはずですが、あくまでも人間のための食べ物となるため、与える際にはさまざまな注意点を守らなくてはいけません。
注意点を守って安全に与えることができれば、有効成分の効果を猫ちゃんも得られるため、日常生活の中で上手にマヌカハニーを取り入れてみてはいかがでしょうか。