子猫のミルクはいつまで必要?

成長期となる子猫にはミルクが必要不可欠となりますが、いつまでミルクを与えれば良いのか、明確には分からないといった方も多いことかと思います。
健康的に成長してもらうためにも、いつまでミルクは必要となるものなのでしょうか。
◆生後2ヶ月まではミルクが主食
子猫がすくすくと成長していくためには、高たんぱく・高脂質で栄養たっぷりのミルクが主食となります。
母猫と一緒に暮らしている子猫の場合は母乳が主食となりますが、母猫が居ない子猫の場合は必ず子猫用の粉ミルクなどを与えるようにしてください。
私たちが普段飲んでいる牛乳には乳糖といった成分が多く含まれていますが、猫はこの成分を分解する機能が低いため、消化不良を起こして下痢や嘔吐などの症状が現れるようになります。
個体にもよりますが子猫用のミルクは生後2ヶ月頃まで主食として与えるようにし、成長に必要な栄養やエネルギーを効率よく補っていけるようサポートしていきましょう。
◆ミルクから離乳食に切り替える時期
生後2ヶ月齢頃まではミルクが主食となりますが、猫が健康的に成長していくためには、いつまでもミルクだけを与え続けるわけにはいきません。
猫は身体が成熟する1歳齢になるまで、「授乳期」「離乳期」「子猫フード期」といった3つの時期を過ごしていくため、成長過程で食事が何よりも大切になってきます。
生後4週齢ぐらいまではミルクのみを与えるようにしますが、このころには子猫の乳歯が生え始めるため、授乳期から離乳期に向けての切り替えのタイミングとなります。
ミルクのみから摂取できる栄養素だけでなく、離乳食からも得られる栄養素をエネルギーに変えて、骨や内臓などの発達に役立てていく必要があるからです。
子猫の個体によって成長スピードが異なるため、しっかりと成長過程を見極めつつ適切な食事を与えるように心掛けておきましょう。
子猫が離乳食に切り替えられるサイン

ミルクだけを飲んでいた子猫に離乳食を与えるタイミングとして、乳歯の生え始めが目安となりますが、いきなり離乳食だけを与えてもそのまま食べてくれるとは限りませんよね。
子猫がどんなサインを見せてくれたときが、離乳食を与えるタイミングとなるのでしょうか。
◆歯が生え始める
前述してある通り、乳歯が生え始める生後4週齢前後が、子猫に離乳食を与えるタイミングとしてはぴったりです。
歯が生え始めると乳首をかじりやすくなってしまうため、ミルクが上手に吸えなくなり、口寂しさを覚えるようになっていきます。
◆食べ物に興味を持ち始める
乳歯が生え始めて口寂しくなってくると、ミルク以外の食べ物にも興味を持つようになってきます。
また、4週齢を過ぎたころには嗅覚も発達しているため、さまざまな匂いを感じ取れることからも、離乳食に興味を持ちやすい時期と言えるでしょう。
◆ミルクだけで満足しない
子猫も人間の赤ちゃんと同じように、身体が徐々に成長するにつれてミルクだけでは物足りなさを感じるようになるため、いつまでもミルクだけを与え続けることができません。
ミルクを与えてもすぐに催促されるようであれば、離乳食に切り替えられるサインとなるため、ミルクを与えながら離乳食も少しずつ与えていくようにしましょう。
ミルクから離乳食への切り替え方法
ミルクから離乳食へと切り替えるべきタイミングは分かりましたが、実際にはどのようにして与えれば良いのかよくわからないといった飼い主さんは多いことかと思います。
離乳食へと切り替えていくためには、以下の方法を参考にされてみてはいかがでしょうか。
◆ミルクと離乳食の混合から始める
離乳食を子猫に与え始める際には、いきなりミルクからすべて切り替えるようなことはせず、離乳食を小皿に混合して与えるようにしてください。
ミルクを与えるのをいきなり止めてしまえば、胃がびっくりして消化不良を起こしてしまうこともあるため、少しずつ混合しながら与えるようにしましょう。
◆離乳食の割合を増やしていく
離乳食を子猫に与える目的は健康的な身体をつくるためになるので、最終目的はミルクから離乳食への完全切り替えとなります。
はじめはミルクを多めにして離乳食をティースプーン1杯程度量を混ぜるようにし、ミルクの味が濃くなるように調節してください。
子猫が抵抗なく食べてくれる様子が見られるようであれば、徐々に離乳食の割合を増やしていき、離乳食に完全移行できるように努めましょう。
◆一日数回に分けて与える
幼猫期にはミルクを数時間置きに分けて与える必要がありましたが、離乳期にはそこまで時間の間隔を狭める必要はありませんがまだ胃が小さいため、一度に少量ずつしかご飯を食べることができません。
そのため、食事の回数は一日数回(4~6回程度)に分けて与えるようにしてください。
離乳食を与える際の注意点
子猫に離乳食を与え始める際には、以下のことにも注意しながら与えるようにしましょう。
◆離乳食を少し温める
子猫はまだ食が細いため、冷蔵庫から出したばかりの冷たい離乳食では食いつきが悪く、あまり興味を持たなくなってしまう場合があります。
電子レンジなどで少し温めるとフードの香りも立ってくるため、ニオイに反応して食べてくれる子も多いようです。
◆ウェットフードは放置しない
ウェットフードなどの柔らかい離乳食を与える際には、口をつけなかったり食べ残したりした場合でもそのまま放置せずに、すぐに片付けるようにしてください。
子猫は胃腸がまだ発達途中となるため、夏場などはとくにお腹を壊してしまうリスクが高くなります。
子猫にとってお腹を壊すこと自体がリスキーとなってしまうため、離乳食の管理も徹底するようにしましょう。
◆子猫の様子を見ながら離乳食をすすめる
子猫がなかなか離乳食を食べてくれなかったとしても、無理強いをすることなくしっかりと向き合ってあげなくてはいけません。
「食事は美味しくて楽しいもの」と知ってもらうためにも、子猫のペースに合わせて徐々に食べてくれるような工夫をしてあげてください。
また、飼い主さん都合で食事の間隔が空きすぎてしまうと、低血糖を起こしかねないため、食事の間隔はできるだけ一定にしておきましょう。
ミルクの卒業時期
ミルクから離乳食への切り替えが成功したあとは、完全にミルクを卒業させて子猫用フードへと移行する必要があります。
ミルクや離乳食だけをずっと与え続けてしまうと、身体に必要な栄養が摂取できないだけでなく、体格や骨格も未熟なままになってしまうため、ミルクをいつまでも与え続けることはやめましょう。
◆生後7~8週齢頃が目安
生後4週齢からはミルクから離乳食への切り替え時期となりますが、離乳食も問題なく食べてくれているようであれば、7~8週齢ぐらいがミルクの卒業時期となります。
生後2ヶ月齢前後の子猫は成長まっさかりとなり、自分の意思で行動ができる上に食欲も旺盛になるため、これから食べ続けていくキャットフードの味に慣れてもらうのにぴったりな時期です。
この時期に突入する前には子猫用のキャットフード(固形)を準備しておくようにし、子猫のミルク卒業をしっかりとサポートしていきましょう。
◆ミルク卒業時の注意点
生後2か月を過ぎてフードが変わると、子猫の身体はどんどん大きくなっていき、体重に比べてエネルギー量の要求が大きくなるため、子猫用のフードは必ず総合栄養食を与えるようにしてください。
スムーズにミルクを卒業できた子であれば、子猫用フードを色々試し(ドライやウェットなど)てみるのもおすすめですが、あまり食いつきのよくない子には子猫用フードの上に粉ミルクを振りかける、固形のフードはふやかすなどをして、徐々に新しいフードに慣れてもらいましょう。
離乳のタイミングは子猫によって異なりはしますが、ミルク離れをしないからといって与え続けてしまうと肥満の原因になってしまうため、ミルクの卒業はしっかりと意識をしながら卒業対策に努めるようにしてください。
まとめ
子猫にいつまでミルクを与え続けるべきかは、飼い主さんによって考え方が異なるかもしれませんが、適正な体格や骨格に成長してもらうためにも、成長期にはその時期に合った適切な食事を与えていきたいものですよね。
そしてミルクから離乳食に移行しようとした際に、なかなか離乳食に興味を示してくれず、食べさせることに難しさを覚える飼い主さんも少なくありません。
はじめのうちは思うようにいかないフードの切り替えも、慣れてきて少しずつ元気に成長していく子猫の姿が見られれば苦労も吹き飛びますので、あきらめずに食事の管理を怠らないようにしつつ、子猫の成長をしっかりとサポートしていきましょう。
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