老猫との多頭飼いで気をつけなければならないこと

2015.12.21

老猫との多頭飼いで気をつけなければならないこと

猫も長寿時代。高齢の猫と暮らすケースが増えています。 「もしこの子がいなくなってしまったら淋しくないか?」という不安や、「この子も遊び相手がほしいはず」という考えから新しい猫を家族に迎えたい方も少なくないことでしょう。 ですが、猫はもともと集団生活をしない生き物。まして、老猫となると多頭飼いのハードルはより高くなります。 私自身の失敗談も交えつつ、多頭飼いでの留意点について考えてみたいと思います。

何歳からが老猫?

現在、猫の寿命は13~15歳といわれていますが、猫によって老化の個体差はあります。
「シニア用」ペットフードは7歳以上が対象であることが多いですが、実際に7~8歳くらいから老化の兆しがみられる猫もいれば、15歳を過ぎても若々しい猫もいます。
一般的には10歳を超えたら「老猫」と考えられているようです。

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猫が年を取ると?

徐々に以下のような変化がみられるようになります。

見た目変化


☆身体的・見た目の変化

  • 毛が薄くなったり毛のつやが悪くなる。白髪も増える
  • 筋肉が衰え、痩せてくる
  • 歯が弱ってくる
  • 目ヤニや鼻汁が出やすくなる など

  • ☆能力的・行動上の変化

    老いる猫
  • 瞬発力が衰え、反応が鈍くなる
  • 視力や嗅覚が落ち、トイレでの粗相もするようになる
  • 体温管理機能が落ち、寒さに弱くなる
  • 体の柔軟性がなくなり、毛づくろいに苦労するようになる など
  • こうして猫の日常生活のリズムは変化し、寝て過ごす時間も増えていきます。
    もしそこに、元気な若い猫が突然やってきたら?
    穏やかな暮らしを望んでいる猫には大きなストレスとなりそうですね。

    新しい猫の迎え方

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    新しい猫を迎える時の鉄則として、

  • あくまでも先住猫を優先する
  • 最初はケージに入れるか別々の部屋に隔離し、先住猫といきなり対面させない
  • 何回かに分けて対面させ、お互いの存在を気にしなくなるまで慣れさせる
  • といったことが挙げられています。猫の性格にもよりますが、こうした手順をきちんと踏めば、先住猫と新入り猫の多頭飼いもうまくいくことが多いようです。

    ところが!我が家は大きなミスを犯してしまいました。
    過去にすんなり多頭飼いに入れた経験から、つい油断してしまったのです。


    我が家の失敗談

    我が家では、オスの猫が9歳の時と11歳の時にメスの子猫が加わりました。その子猫たちは疥癬(かいせん)が酷かったり猫エイズのキャリアーだったりで、ケージで隔離せざるを得ない状況からのスタートだったため対面はスムーズでした。長男猫と次女猫の性格が温和だったことも幸いして、その3匹体制は大きなトラブルもなく7年間続きました。
    しかし、長男猫(18歳)、3年後に次女猫(10歳)と2匹が亡くなり、長女猫だけが残されます。1か月後、ぽっかり空いた心の穴を埋めるかのように野良の黒猫が現れた時に人間たちは思いました。「これは運命だ!これでみんなが淋しくなくなる」と。

    そして、伝染病の検査とワクチン注射が終わるや否や、隔離していた部屋から新入りの黒猫を連れ出し、こともあろうに黒猫を抱いたまま先住の長女猫に会わせてしまいました。長女猫は唸り声をあげた後、シャーシャー威嚇していました。
    長女猫の怒りや不安を軽視したまま面会を重ねるうちに、黒猫が長女猫に飛びかかるという事件が起きます。既に12歳で、普段寝てばかりの猫にとって、身体能力の高い若猫は脅威だったに違いありません。長女猫は威嚇もできずに、追いかけられながら失禁。興奮した2匹をなんとか引き離した跡には、長女猫の抜け毛がたくさん(ついでに私も流血)。長女猫は数日間、小さな声で唸りながら部屋の隅に引きこもってしまいました。
    黒猫はただ長女猫に興味を持って近づいただけなのに、長女猫の拒否反応が激しく、黒猫もそれに反応してしまったようでした。

    以後、長女猫の心の安定を最優先にして、2匹を無理に会わせることは止めました。
    現在、2匹の猫は完全に別々の部屋で寝食。長女猫は他の部屋にも出入りできますが、毎日お昼~夕方の時間帯だけは長女猫を部屋に閉じ込め、黒猫を隔離部屋から出して自由に遊ばせるようにしています。
    自分の家なのに安心して寛げない環境を作ってしまい、猫たちには申し訳ない思いです。
    特に、余生を心安らかにのんびり過ごしてほしかった長女猫には悪いことをしました。

    ただ、少しだけ状況は変わっています。
    その後、ドアの開閉のミスで2匹が遭遇してしまった時に長女猫が反撃したらしく、黒猫が長女猫に対して距離を置くようになりました。これはもしかしたら良い傾向?
    お互いの匂いを認め、存在を否定しないようになれば、同じ空間で過ごすことも可能になるかもしれません。仲良くなることまでは望みませんが、せめて2匹が家の中を自由に歩き回れるようにはなってほしいので、もう少し様子をみていくつもりです。

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    猫の多頭飼いを成功させるために

    ちなみに、長男猫は「毛づやがいい」「若々しい」とよく褒められていました。14歳にして尿検査で精子が検出され、「やっぱり若い女のコと一緒に暮らしているからかな?」などと冷やかされたこともあります。猫によってはこんな利点?があるのかもしれません。

    猫の多頭飼いをする際には、いきなりではなく少しずつ、それぞれの猫の性格も考え合わせながら距離を縮めていくことが大切です。
    愛する猫さんにストレスを与えてはいけません。
    猫とともに末長く幸せに暮らせるよう、限りない愛情とケアを注ぎましょう!

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    North Cat

    North Cat

    「お子さんは?」と聞かれたら「いますよ!4本足ですけど」と答えます。  子ども代わりに育てた猫は4匹(ぜんぶ野良)。通院、闘病、引っ越し、悲しい別れなどを経て、現在は2匹の猫と夫とお義母さんと暮らしています。  猫たちとのより幸せな暮らしをめざし、勉強したことをお伝えしてまいります!


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