猫の嗅覚…犬ほどではないが、人間とは比較にならない
犬と比べて1億倍にはさすがに負けますが、猫の嗅覚も人間の1万倍~10万倍と相当なものです。
いや、1万倍と言ってもおならの臭いが人間の1万倍臭く感じるとかではありません。
空気中の臭い物質の濃度が人間が感知できる最低濃度の1万分の1でも分かるということ。
つまり嗅ぎ分ける能力に長けているわけです。例えば目の前にある食べ物が本当に食べられるか?痛んだりしていないか?等などですね。
それと、よくご主人さんや身の回りのものに体をこすりつけている光景を目にしますが、これは体のあちこち(目や唇の両側、肉球、尻尾など)にある臭腺と呼ばれる器官から出る自分の臭いをつけるためなんです。
人間の鼻にはまったく匂わないのですが、猫はその自分の臭いを嗅ぐと安心できるんですね。
ネコちゃんにスリスリされるとこちらも和みますよね。こうして絆を育んでいると考えるとなおさらです。
猫は口にも鼻がある?
これ、本当の話。猫の口の中にあるヤコブソン器官なるものが猫の「第二の鼻」とも言えるもので、この器官を通じてフェロモンやマタタビの臭いを感じ取ることができるのです。
猫の視覚…融通の利かなさは夜のハンティングに特化したため?
基本的に近くも遠くも同じように見える人間と違い、猫の視力は2m~6m範囲のものが一番ピントが合うようにできています。理由は、ネコ科の動物の狩りの範囲がこの距離だからです。
ライオンやチーターを映像などで見たことある人はご存じでしょうが、彼らの主な獲物はシマウマやインパラなどの長距離ランナーです。短距離ランナーであるネコ科が食事にありつくにはできるだけ獲物に気づかれないように近づき、速攻で仕留める必要があります。
つまり気づかれないように近づくのは2mまでが限界、6m以上距離を離されたら捕まえるのはもう無理だということ。つまり、猫が獲物を確実に仕留められるかを測るため、と言うことでしょう。
また狩りを確実にするためでしょう、動体視力はまさに目を見張るものがあります(対象が1秒間に25度~60度動いているときに発揮される)。ちょこまか動く小動物を見失わないためですね。
反面、ゆっくり動いているものと動かないものを見分けるのは大の苦手ですが。
現代人に近眼が多いのは、遠くを見る機会が少ないが故の適応であると言われますが、随分と融通の利かない猫の目も適応と言えるでしょう。
また猫は元々夜行性ですので、非常に夜目が利きます。
網膜の裏にタペタム層というわずかな光を反射して視神経に伝える細胞層があるからです。夜行性の動物が共通して持っている層ですが特に猫の場合、人間の1/6の光量でも物を見分けることが可能です。
暗いところでフラッシュをたいて猫を撮影すると、たまに猫の目が光って見える写真が撮れますが、それはこのタペタム層のためです。
逆を言えば光に敏感なため、昼間は1本の線のように瞳孔が細くなるわけですね。
反面、猫の目は色弱で特に赤を認識できません。夜の暗闇の中では色が分かりづらいので色彩を判別する能力は必要なかったからでしょう。
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